ルシフ様さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

カモン カモン(2021年製作の映画)

-

伯父叔父映画と言うのは、だいたい「父」という立派で正しい存在があって、それになりきれない存在としての伯父が対比されがちなのだが、これは父も母も不全さを抱えていて、もちろん伯父もぱっとしない。ただその大>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

-

いやな抑圧だらけの家で、悪い子に憧れてしまう気持ちが、卵を産むのじゃ……その卵が割合さっさと割れて、鳥こと「ハッチちゃん」爆誕! 「アッリちゃん」に改名し、大暴れ! いい子悪い子、摂食障害や拒食などの>>続きを読む

バーニング・ダウン 爆発都市(2020年製作の映画)

-

『暗戦』以来のアンディ・ラウとラウ・チンワンのコンビということで、二人がわちゃわちゃしてる冒頭から感動ものなんですが、記憶喪失が絡む結構ややこしい話。しかし『レイジング・ファイア』ばりの善と悪の錯綜ぶ>>続きを読む

モータルコンバット(2021年製作の映画)

-

すごかったな〜、未曾有の忍者大戦!(違) ホームシアターで鼻くそほじりながら見るのには最高の映画で、最後もめっちゃ笑った。真田広之最高ですね。続編あるなら、劇場に行くかどうか、悩む所だな。それぐらいち>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

-

シチュエーションスリラーかと思いきや、後半は名優ヴァンサン・ランドンさんが、そのおじさん力ですべてを持っていく。何があっても絶対に現実を見ないおじさんだが、逆にあらゆることを受け入れていくようにも見え>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

-

こんなどストレートな人生讃歌で、映画、舞台大好き宣言な話とは思わなかった。ソー! クリスティ! こうなったらいつかサンダーバードも監督してもらいたい。葬式の後の一大ショーがハイライトだが、あんなエンタ>>続きを読む

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

-

これは傑作! 第二次大戦の空を舞台に、ジョン・カーペンターの魂が甦ったかのようだ! 大人になって、世界一声の可愛い女優になったクロエの一人芝居から、タイトな構成と凝縮されたディテールで見せる後半に続く>>続きを読む

ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

-

昔、レンタルビデオ屋に通ってた頃、こういう最初と最後が最高なアクション映画を色々見ていたような気がするなあ。もちろん、女性主人公ではなかったと思うが。カレン・ギランがめちゃくちゃでかく見えるのは、レナ>>続きを読む

ウルトラマントリガー エピソードZ(2022年製作の映画)

-

テレビと絵面が変わらなくて、劇場版ならではの無駄なスケール感が感じられなかったし、二年の時間経過があるのにキャストの髪型さえ変えていないのはちょっともったいなかった。
悪役が正体を現すところで、後列の
>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

-

少々序盤の前振りと、デルトロ組キャストの顔見せ感がもっさりと長かったが、ブラッドリー・クーパーの中身空っぽ感と、それを小汚い物でも見るようなルーニー・マーラの蔑んだ眼差しが最高ですね。まさに人畜生の話>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

-

実際の事件を元にした映画で、わかりやすいフックの少ない淡々とした作り。ケイレブ君の怪演も良くて、このスイッチの入り方が違う人格を巧みにやっている。事件に向けて避けようがなく進んでいくので、つい分岐点を>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

-

ミステリでありがちな、過去の事件と現在の事件が並行して解き明かされるスタイルなんだが、過去の事件を解明してそれを踏まえて現在のやってる犯人=リドラーが一番賢い、という構図なんですね。探偵役のバットマン>>続きを読む

宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

-

大阪アジアン映画祭十二本目。ややフェイクドキュメンタリーっぽい作りで、こういうのひさしぶりに見た気がするな……。宇宙人やUFOを探すのに登山をしている時点で、すでにかなり間違っていて、登山の危険さを描>>続きを読む

おひとりさま族(2021年製作の映画)

-

大阪アジアン映画祭十一本目。これは非常にコンセプトもビジョンも明確な映画で良かった。韓国にもどこにも碇シンジはいるのだ! 寂しさとせめぎ合う一人ものの矜持も忘れないし、許せんものは許せんのだ、という気>>続きを読む

アニタ(2021年製作の映画)

-

大阪アジアン映画祭九本目。「これは、アレだ」と思わず言ってしまいそうなぐらい、大ヒットした某ミュージシャンの映画に似ていて、確信犯的に意識しているっぽい台詞もあり。数々のゲスト出演に、実際のフィルムを>>続きを読む

ブルドーザー少女(2021年製作の映画)

-

大阪アジアン映画祭八本目。格差が拡大し、貧富の差がふくらむ韓国で、富める者の不正に食い物にされた時、少女はいかに立ち向かうのか……。決してスカッとする内容ではなく、進めば進むほどに無力さも突きつけられ>>続きを読む

野蛮人入侵(2021年製作の映画)

-

大阪アジアン映画祭六本目。前半の特訓展開など割と面白かったのだが、後半の構成も、監督の台詞に係るのだと理解はしつつも良いかと言うと苦しい。赤い薬と青い薬の辺りはほんのり笑えたが……。

徘徊年代(2021年製作の映画)

-

アジアン映画祭五本目。長ーい! 体感四時間ぐらいあったろう。現代の探偵パートと過去パートを交互にテンポ良くやればもうちょい面白かったと思うが、如何せん題材もテーマに対する意識も真面目すぎたのであろう。

はじめて好きになった人(2021年製作の映画)

-

アジアン映画祭四本目。少々小粒だが、丁寧にドラマが描かれていて良かった。これもまた香港のリアルで、台湾映画ならオチも違ったろうか。高校生から30歳手前までやる女優さんが、相変わらず年齢不詳でビビるね。

ママの出来事(2022年製作の映画)

-

アジアン映画祭三本目、『29歳問題』の監督の新作。バックでラブソング歌ってるところで、同居してる男子とパンツを交換するシーンがあるので、「えっ、BL?」と思ってしまったがまったくそういう話ではありませ>>続きを読む

柳川(2021年製作の映画)

-

大阪アジアン映画祭2022一本目。あまりにぶつ切りなので、これはもしかしてどこかで時系列が入れ替わっているのではないか、と勘繰ってしまった。気持ちよく睡魔に襲われたが、それがふさわしいんじゃないかな、>>続きを読む

時間離脱者(2015年製作の映画)

-

32年の時を経て夢でつながる、二人の男……。見ている間は面白いのだが、改変前の過去編の顛末が明らかになるのが最後の最後なので、そこが変わっても元からこうだったように感じてしまったのと、犯人像のショボさ>>続きを読む

シラノ(2021年製作の映画)

-

映画に限らないが、ここまで尺の全て使って恋愛の話ばっかりしてる作品を、ひさしぶりに見た気がする。ディンクレイジさん渾身のワンカットアクションも素晴らしかったし、楽曲も良かった。ロクサーヌのちょっとした>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021(2021年製作の映画)

-

子供の頃に思った「落下際に地表に一発撃ち込めば騙せたんじゃないの?」をやった上で、「やっぱりダメでした」としてたのは良かったのか悪かったのか。姉ちゃんのキャラはもうちょい活躍しないと、単にパピを動かす>>続きを読む

ボブという名の猫2 幸せのギフト(2020年製作の映画)

-

ヤクはやめても貧乏なのは変わらず、世の中もつらいことばかり! 貧困と悪意の問題を描きながら、それでも寄り添いつながって生きていく。その中心になぜかいる、ボブ・ザ・キャット! 映画の後でボブさんも亡く>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

-

冒頭のモノクロパートがめちゃくちゃ決まってて、『ベルファスト』も楽しみになったな。全編嫌な奴しか出てこないのだが、愛の物語と言いつつ情に流されないのが「探偵」であると描き、ポアロという男の背負った業ま>>続きを読む

ドリームプラン(2021年製作の映画)

-

ほぼ狂気そのものな話なのだが、ところどころ理解できるところもあるのが困り物な、THE 実話映画という感じで強烈。定型のスポ根ものは明らかに外していて、中盤に試合がないところや後半の展開など定石外しもい>>続きを読む

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

-

筋はあの薄ぼんやりした『チョコレート』に似てるんだが、罪と罰に逃げずに向き合い、ソリッドに作り込んだ印象。贖罪したいと願うある種の誠実さを持つはずの男が、肝心なところで逃げ回ってしまう曖昧さは、一人の>>続きを読む

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

-

全く完璧ではない人物を主人公に据え、脛に傷はあるけれども、それはそれとして権利は守られるべきであると訴えかける。これが最近の王道になりつつあるね。
渾身の主題歌シーンには度肝を抜かれたし、冒頭と繋がる
>>続きを読む

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

-

ブチ切れたデカプーが顔にシワよったすごい顔になってて、これだけで一見の価値があるな。結婚、出産、家庭という墓場に緩やかに爆進していく男女。見て見ぬふりをし、本質を考えず、夢など抱かなければ穏やかに生き>>続きを読む

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

-

お話は『奇妙な果実』一点集中だが、時間の幅は長めに取ってるので、ちょっと構成としてはボケた感がある……が、その薬物中毒の背景を描きつつ、昨今の映画では珍しく、意味のあるセックスシーンでまとめるあたりに>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

-

残念ながら特に何も思い出さなかったんだが、時系列が巻き戻っていく構成が完璧にハマっていて、非常に上手い映画だったな、という印象。数々のゲスト的配役も嫌味がなくて、ちょっと鼻につくギリギリをかわして、な>>続きを読む

ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

-

新世代への継承……ではなく、とんだノスタルジイ映画なので逆にちょっと驚いてしまった。フレッシュなキャストも揃えているが、オチを完全に持っていかれてしまうので、わざわざ四人揃えたのに、せいぜい引き立て役>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

-

笑えねえ〜! めっちゃ面白いけど。豪華キャストで、VFXまわりもびっくりするぐらいちゃんとしてて、何よりメディアを通してものを見るということに、我々がいかに説得力を感じるか、を意識的に使っている。アメ>>続きを読む

355(2022年製作の映画)

-

観ながら最後まで「これイカリスだっけウィンターソルジャーだっけ?」と区別つかないままだった。シーンごとのアイディアとかは割と面白かったし、人が死にまくるハードコアさも良かったと思うが、ラストがイマイチ>>続きを読む