chiyoさんの映画レビュー・感想・評価

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

2024/3/17
人里離れた雪山の山荘で転落死した男性と、容疑者となった彼の妻。真実はあっても事実がなく、本当の意味での結末は未だに分からない。妻が怪しいと思えば怪しく、無関係と思えば無関係。が、誰
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プチ・ニコラ パリがくれた幸せ(2022年製作の映画)

3.5

2024/3/16
いたずら好きの男の子・二コラを生み出した、イラストレーターのサンペと作家のゴシニ。二コラが誕生したきっかけ、二コラの家族や友だちとの日常を描くと同時に、サンペとゴシニの深い友情と個
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市子(2023年製作の映画)

4.0

2024/3/16
3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川からのプロポーズを受けた翌日に、突然失踪した川辺市子。失踪の謎を探ると同時に、彼女のこれまでの人生が紐解かれていく。無戸籍、成りすまし、ヤングケ
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

4.0

2024/3/16
1995年、アイルランドの田舎町。同性愛が違法でなくなってから2年が経っても、差別や偏見がなくなるわけじゃない。自身がゲイであることを認められないエディは、自分で自分を否定している
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.5

2024/3/13
京都の大学に入学し、ぬいぐるみサークルに入った七森。“ぬいサー”は、ぬいぐるみを作るのではなく、ぬいぐるみと話すサークル。人を傷付けないよう配慮がされていて、とにかく優しいの一言に
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.5

2024/3/10
実業家の義両親を崖から突き落とした東昇と、その犯行を偶然カメラに収めた中学生の朝陽たち。沖縄という舞台と少年少女たちの閉塞感や社会的問題が上手くマッチし、二転三転する飽きさせないス
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.5

2024/3/9
地味なクラスメイト・西村たとえに片想いしている、明るくて校内で人気者の木村愛。原作が綿矢りさなこともあって一筋縄ではいかないだろうと思っていたら、予想の斜め上を行く拗らせっぷり。が、
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これで三度目(1952年製作の映画)

4.0

2024/3/7
客席にいたテレーズに一目惚れした、舞台俳優のジャン。所謂、不倫もの・寝取られものではあるものの、全体的にコミカルでついつい笑ってしまう。そして、テレーズの夫アンリの元妻2人にされた浮
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.0

2024/3/3
年下の移民労働者の男性・アリと出会った、掃除婦として働く初老の未亡人・エミ。年齢や人種を超えて惹かれ合い結婚するも、周りの反応は露骨なまでに冷ややか。歯に衣着せぬ差別発言が悲しい反面
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.5

2024/3/3
二度目の結婚に失敗して落ち込む、ファッションデザイナーのペトラ。元が戯曲なこともあり、舞台はペトラの住まい兼アトリエの一室のみ、登場人物も数人と少なめ。そして、ファッションがやたらと
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.5

2024/3/2
東京から海辺の街の一軒家に移り住んだ貴瑚。話せない少年の声なき声を感じ取ったことから、彼女自身の過去が紐解かれていく。介護にDVに育児放棄、貴瑚の周りに社会問題をぎゅっと凝縮した感が
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

3.0

2024/3/1
東南アジアの奥地、河畔の小屋に住んでいる白人男性オルメイヤー。妻である現地人女性との間に産まれた娘ニナを溺愛するものの、妻への愛情は微塵も感じられず、白人至上主義な考え方に閉口するば
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囚われの女(2000年製作の映画)

3.5

2024/2/28
とある女性を尾行する、豪邸に暮らす青年シモン。単純に質の悪いストーカーかと思いきや、女性はシモンと一緒に暮らす恋人アリアーヌ。彼女への想いが強すぎて浮気を妄想し、彼女の行動を制限す
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明日はない(1939年製作の映画)

4.0

2024/2/26
モンマルトルのキャバレーで働く、踊り子・エヴリーヌ。かつては令嬢だったこともあって、知的で客のあしらいもスマート。が、昔の恋人に再会したことで、3日間限定の嘘の生活が始まる。彼の思
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

3.5

2024/2/25
最新作のプロモーションのため、ヨーロッパの都市を転々とする映画監督のアンナ。とはいえ、その最新作の断片が映されたり、イベントに出席しているアンナが描かれることはない。ほぼ設定として
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

2024/2/24
原作コミックとTVアニメは未読で未見。明治末期、日露戦争終結直後の北海道。主要なキャラクターが多いものの、敵味方や個々の立ち位置が分かりやすく、初見勢にも優しい作り。そして何よりも
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フランケンフッカー(1990年製作の映画)

3.5

2024/2/23
草刈機に巻き込まれてバラバラ死体になったエリザベスと、彼女の婚約者で医学生のジェフリー。婚約者の家のキッチンで実験を行い、それを誰もが許しているだけで何だか可笑しい。そして、エリザ
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ハルモニア(2024年製作の映画)

3.5

2024/2/28
「アクターズ・ショート・フィルム4」の1篇で、Filmarksオンライン試写会で鑑賞。年齢も仕事もバラバラで、共通点が何なのかは分からない男女4人。彼・彼女たちの内輪ノリに少し居心
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

2024/2/18
PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない藤沢さんと、パニック障害を抱えて苦しんでいる山添くん。どちらもパッと見ただけでは分からない症状で、自分の感情をコントロール出来ない点が
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世界の英雄(1930年製作の映画)

3.0

2024/2/17
1809年2月12日、樵の子として産まれたアブラハム・リンカーン。伝記映画なものの、時間が短めなので全体的に駆け足な展開。産まれたと思ったら青年に、青年からあっという間に大統領とな
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.5

2024/2/15
ブリュッセル、終電で寝過ごした掃除婦のカディジャ。寒々しい夜にひとりで歩く中年女性の姿が居た堪れず、何か悪いことが起こるのでは?と少しハラハラ。が、夜の街は意外に優しく、誰かを助け
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ザ・クロッシング(2021年製作の映画)

4.0

2024/2/13
MyFFF2023の長編映画。何よりも、ガラスに描かれた油絵を少しずつ直して動きを持たせ、10年以上を費やして制作されたことに驚く。が、この独特なタッチが見事に本作と合っていて、ま
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ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)

3.0

2024/2/9
両親を殺害した犯人が釈放されることになり、復讐を果たそうとするホームレスのドワイト。が、犯人への怒り、両親への愛情、事件以前の彼と、復讐の背景となる彼自身のことがよく分からず。恐らく
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虹を抱く処女(1948年製作の映画)

3.0

2024/2/4
映画女優 高峰秀子特集で鑑賞。互いに好意を寄せながらも病や生活に追われている、看護師のあき子と作曲家の日高。とにかく白衣姿の高峰秀子が可愛らしく、休みの度に日高の元に通う様が甲斐甲斐
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

3.5

2024/2/3
駆け出しのカメラマン・小山田と読者モデルのユカ。若い男女の可愛らしい恋愛映画かと思いきや、予想外になかなかエグイ作品だった。前半は小山田の視点、後半はユカの視点で描かれ、ユカの印象が
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争う美人姉妹(1950年製作の映画)

3.0

2024/2/3
映画女優 高峰秀子特集で鑑賞。元々の「処女宝」は89分、本作は改題縮尺版で67分。約20分もカットされているせいか、真弓が塙との結婚を決める過程、真金と船田の結婚を知った真弓の心情等
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.5

2024/1/28
原作コミックを未読なこともあって、狂児演じる綾野剛、聡実くん演じる齋藤潤、二人ともに違和感なし。現実にはヤクザと中学生の交流はほぼ有り得ないけれど、二人を繋ぐのがカラオケという緩さ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

2024/1/27
序盤の知性がまるでない赤子同然のベラ、“熱烈ジャンプ”と呼ぶセックスに耽るベラ、貪欲に世界を吸収して聡明な女性となったベラ。兎にも角にも、ベラを演じたエマ・ストーンが素晴らしかった
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ベテラン(2015年製作の映画)

4.0

2024/1/24
ファン・ジョンミンが演じるのは、正義感の強いベテラン刑事ソ・ドチョル。冒頭での同僚ミス・ボンとの成金カップルもどき、高級車の密売現場での浮かれダンスを見ただけで、やっぱりファン・ジ
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新東京行進曲(1953年製作の映画)

3.0

2024/1/23
冒頭に当時の東京都知事が登場し、上空から見る街並みに開いた勝鬨橋があるのが貴重。そして肝心の物語は、新聞記者・真砂を中心とした小学校時代の親友たちを描く群像劇。様々な出来事がコンパ
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ディス・マジック・モーメント(2023年製作の映画)

4.0

2024/1/21
リム・カーワイ監督が全国22館のミニシアターを巡るドキュメンタリー映画。その1館目として登場するのは、2022年9月末に閉館したテアトル梅田。あの独特の音楽が久々に聴けて、懐かしさ
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.5

2024/1/20
出産を控えて入院した病院で出会った、フォトグラファーのジャニスと17歳のアナ。二人の子どもが取り違えられたことがメインで描かれるけれど、アルモドバル監督が本当に描きたかったのはスペ
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

3.5

2024/1/20
去った恋人からの連絡を3日間待つ女性。演じるのはティルダ・スウィントンで、様々な衣装に身を包む彼女の姿が眼福。どんなに奇抜な衣装でも、しっかりと物にしてしまうティルダ様が本当に素敵
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兄とその妹(1939年製作の映画)

3.5

2024/1/17
妻・あき子、妹・文子と三人暮らしの間宮敬介。仕事はきっちりで専務の碁の相手をしていることから、社内でやっかまれているのが何とも哀れ。と同時に、妬み嫉みはいつの時代でも一緒だな、とし
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.0

2024/1/16
第二次世界大戦中、ペルシャ人だと嘘をついて一命を取り留めたユダヤ人のジル。偽のペルシャ語を大尉に教えるという設定は、まるでコメディ映画のよう。が、その構図が滑稽でも、懸かっているの
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