Kawaguchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

Kawaguchi

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The Recorder Exam(英題)(2011年製作の映画)

4.0

『はちどり』のベースとなった、キム・ボラ監督の2011年の短編『リコーダーのテスト』です。MUBIで無料公開されています。(英語字幕)


「家族から関心を向けられない事」と「クラスの同級生からの関心
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透明人間(2019年製作の映画)

4.1

本作は「MeToo」のひとつの回答なんじゃないでしょうか。「誠実になりなさい。真実を吐かないと、喉をかっきるよ」と。

声をあげても聞き入れてもらえない主人公が、世界各地の様々なハラスメントに抑圧され
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東京物語(1953年製作の映画)

4.3

戦争を経て失われたものと、急激に復興を遂げた1950年代前半の東京の喪失を重ね合わせ、戦前の古き良き日本と戦後これから発展を遂げていく新しい日本の対比と嘆きがとても面白いです。

「家族」の本質とは?
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.2

ハードで激烈な物語ですが、ここまでリアルに感じるのは、監督の個人的な思いが伝わってくるからじゃないでしょうか。

ティーンムービーに、「オピロイド(アヘン)などの医療ドラックの問題、アフリカ系アメリカ
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

4.1

ティモシーシャラメに自分を重ねてる時点でウディアレンは甘い。けれど、お決まりのジャズ、早口で捲し立てる台詞など、と無条件で喜んでしまう自分もいるので、評価が難しいです。

主役の2人は出演料を全て寄付
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.2

アカデミー脚色賞は「ジョジョ・ラビット」ではなく、本作が正しいでしょう。ジョジョは原作とはかなり違うらしいですし。

ジョーにオルコットとグレタと実人生を重ね合わせた編集素晴らしすぎませんか。

女性
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ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

3.8

すごいよね。トランプをぶっ殺す(メタファーではなく)映画をこのタイミングで作られ、公開されることが。MeToo事の「スキャンダル」公開の時も思いましたが、本当に早い。日本では「福島をちゃちい美談に仕立>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.5

今度ちゃんと書こうと思いますが、

我々がみたいものを見せない撮影、イライラするカットなど、抑圧され居場所のないウニやその時代そのものを思い起こされます。

エドワード・ヤンの「クーリンチェ少年殺人事
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.6

HBOのテレビシリーズ「ウォッチメン」や「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ著でも描かれてる様に「自由意志と決定論」という概念はトレンドですよね。量子力学と相対性理論には、統一理論が存在しない。量子>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.1

ラリー・ペイジがモデルですよね。孤島にひっそりと暮らし、宇宙など、研究してるという噂がありますが、本当にラリーはどこにいるんでしょうか。

この映画の本質は「完璧なAIの定義とはではなく、私たち人間の
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.4

5/17 追記

コピーとか宣伝に「古き良きハリウッドの物語」とありますが間違ってますよね。本作は「古き良きハリウッドが終わり、取り残された人々と新しい時代に適用できた人」の物語ですよね。もちろん、取
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.6

5/16 追記

「イカとクジラ」で成功を収め、そこから興行的には上手くいかず、停滞していたノア・バームバックですが、パートナーであるグレタ・ガーウィグに出会った事が最高の選択でしたね。グレタと共に作
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グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル(2016年製作の映画)

3.2

マミーの冒頭の演出、「タイタニック」を参考にしてたなんて、目から鱗です。

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.3

5/12 追記

ドランは観客が観客がどの場面で何を感じるか、いつ打ちのめされるか、いつ心を深く動かされて幸せを感じるかよく分かっている。そういう意味では昨今のクリント・イーストウッドと対局にいる存在
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アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.3

不快感が快感に転じる瞬間がたまりません。
イメージはあるけど、今まで意外と描いてこなかった「宝石、賭け事、金に汚いユダヤ人」を露悪的に描いてるのが逆に新しい。

日本劇場公開してたとしても、人入らなか
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.2

コメディを一切入れてこない、ジョールッソ。
ラスト無くても良かったんじゃない?

シャイニング(1980年製作の映画)

3.0

原作のスティーブン・キングが認めてないってのも、キューブリックぽい。笑

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.7

少年は光を求めて、冒頭で電球に灯りともし、懐中電灯を盗みます。しかし物語が進むにつれ、自ら電球をバットで壊し、盗んだ懐中電灯を返します。

劇中にでてくる、トルストイ「戦争と平和」で描いてる様に、わか
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セッション(2014年製作の映画)

4.3

すべてのフラストレーション(ジャズを: 1人は世間を見返す為の道具にしかみていない+1人はジャズで生徒を潰す/自分も本物の音楽家になりたかった嫉妬でしょう。描かれてないですが)がラストで昇華される構成>>続きを読む

地球が壊れる前に(2016年製作の映画)

3.8


今年も庭のさくらんぼが豊作です。久しぶりに外にでて、肌が焼けました。5月初めだというのに、31℃越えの真夏日(家の室外機では)。ほんの10年前にはには「猛暑日」なんて言葉が無かったように、肌で温暖化
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

3.5

邦題の「黒い」はネガティブな意味で使ってるからアウトでしょう。マイケル・B・ジョーダンにオスカー取らせたい!と思うあまり、事実を箇条書きにしたような脚本で(映画的な面白さがない)空回りになってる印象は>>続きを読む

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

4.0

1939年ビリー・ホリデイの「奇妙な果実」というアメリカの人種差別を告発する歌があります。

題名や歌詞の「奇妙な果実」とは、リンチにあって虐殺され、木に吊りさげられた黒人の死体のことです。「南部の木
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.2

システムが介入することで、家族が離れ離れに、なってしまうことを描いた「万引き家族」、格差社会をエンターテイメントとして昇華させ、オスカーまで取ってしまった怪物「パラサイト」、そして今作は社会福祉から漏>>続きを読む