猫エッグさんの映画レビュー・感想・評価

猫エッグ

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カリスマ(1999年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

初めの方は難解でしたが、青年が大事にしている一本の「カリスマ」という木と森の木々とが、藪池が初めに殺してしまった犯人と人質との対比になっていると見ると腑に落ちました。

この作品で優れているのは、人間
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

3.8

このようなディストピア作品があるのかという衝撃と、映像と音楽、物語の美しさにただただ圧倒される作品。
中盤で語られる未来人類の精神に、ヘーゲル的な「絶対精神」とそれに至る人類の進化を感じて、その崇高さ
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

圧倒的な裏社会のドン。

話が難しくてなかなかついていけず、途中で何回も巻き戻し、カイザー・ソゼの予想も見事に外して、それでも最高に爽快だった。
終盤、クイヤン捜査官が部屋のものを見回す場面で完全にや
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

最も「こうあってほしくない」宇宙生物像。
「寄生獣」など、擬態&変形する生物像の元祖・・・?

対象が生物であれば何にでも擬態できるって恐ろしい生存戦略だなと。
しかも、今作の宇宙生物は相手の知能も取
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.3

ジャンプスケアだけがホラーじゃないんだなと、本当に見てよかった作品です。
スタンリー・キューブリックは、不安感や不気味さをとても研究したのかなと思いました(初見です)。
怖いだけでなく美しさも感じさせ
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.8

病気や障害に完治はないが、自分らしく生きる権利が誰にでもあるという医療・福祉の視点を描いた傑作。

精神神経科の症状や病棟の雰囲気など、妙にリアルだなと思ったら実話を基にした映画だとは。
患者が急にパ
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メメント(2000年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

「時間を知らない俺が癒されるのか」

クリストファー・ノーランの映画は初見。
構成が凄い・・・。未来が分かっていて、そこから記憶を辿っていくという流れは、主人公レナードの記憶障害のようで怖いし、続きが
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

地下に監禁された挙句、電話線の切れた黒電話に死んだ少年たちから電話がかかってくるという、ずっと出られない悪夢のような映画。こんな設定の映画、今まで見たことがない・・・。結局どうなるの!?と続きが気にな>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

オリジナルがあると知らずに、こちらのリメイク版を鑑賞。
「絶対訳ありだ」と確信できるくらい情緒不安定な主役が、緊急通信司令室の電話で事件を解明していく・・・という話。

今作で一番凄いのは、司令室の中
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.0

ストーリーが込み入ってて私にはさっぱり分からなかったけど、アクションだけでも十分楽しめた。

岡田准一は邦画アクションの最高峰だなぁと改めて。
個人的には、まだアクションを始めて間もない頃の『SP 警
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

本気で突っ走って疲れた時、誰でも雨宿りしたいときがある。その時に、傘に入れてくれて、一緒に雨が上がるのを待つ「優しい大人」がいてくれたら救われる。

アキレス腱の断裂をして陸上に挫折した主人公のあきら
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バックドラフト(1991年製作の映画)

4.3

越智啓太さんの著書『ケースで学ぶ犯罪心理学』で取り上げられていて、関心を持ったので鑑賞。
確かに、主人公がピロマニア(放火癖)の連続放火犯を訪ねて犯人像を教えてもらう場面は、『羊たちの沈黙』での、クラ
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

4.7

数年ぶりに再鑑賞。
当時はよく理解できなかったけど、理不尽さに打ちのめされても生き抜く登場人物たちに、日々を生きる勇気をもらった。
まさかこんなに素晴らしい作品だったとは・・・。

キリスト教の色が強
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母性(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

家族は、壊れるのを耐えながら次の世代に続いていくのかな、と考えさせられた映画。

前半は、おばあさまや母親(ルミ子)がまるで人形のように感じられたり、父親が育児に関わらなさすぎて、これは人間模様を描い
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この物語は悲劇だったのか、喜劇だったのか。それが、見る人に委ねられる作品。

主人公がどのように終盤の展開を迎えるのかというミステリー要素がありながら、各々の秘密を抱えたキャラクターたちのドタバタ群像
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

2.8

「これぞ不条理」という映画。
後半に行くにつれて難解で、頭を抱えた・・・。

クレイグが働くことになるビルに7と1/2階があるのが面白い(天井も低い)。ハリーポッターの「9と3/4番線」みたいな、非現
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

「精神科医が出てきたら怪しげな催眠術をかけられる」は、もはや映画のお決まり。

今作の催眠術は、スプーンでコーヒーをかき混ぜる音を利用した古典的なもの。※似たものだと、2016年の邦画『秘密 THE
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

見ながらもやもや。見終わってももやもや。監督の思う通りに鑑賞してしまったのだろうな。
呪いの原因は日本人? 白い服の女性? 祈祷師? 毒性キノコ?
結局、どれが原因だったのか分からない。どれもが原因だ
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エクソシスト(1973年製作の映画)

3.5

ホラーの金字塔。最近ホラー映画にハマっているので、名作も観ていこうと思って鑑賞しました。

どれだけ恐ろしい現象や信じられない現象が起こっても、それに惑わされずに立ち向かうメリン神父とカラス神父は本当
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

農場での閉塞感、抑圧と解放、そして狂気・・・。
前作『X エックス』での予告から、とても楽しみにしていました。
前作のスラッシャーホラーとは異なり、サイコサスペンスといった感じ。パールがいかにして殺人
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グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

マジックは、騙されるのが楽しくて自分から騙されにいっているところがあると思っているから、この作品のオチには爽快な気分にさせられました。

※以下、ややネタバレあり。

マーク・ラファロが本当に良い役で
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呪詛(2022年製作の映画)

4.0

こんなに後味の悪いホラー映画は初めて見ました。
他のホラー映画だったら、見終わった後の「生きて帰れた」感で、ある種のカタルシスがあるのだけど、この作品はそれを一切許してくれない。
「巻き込み型ホラー」
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この子は邪悪(2022年製作の映画)

3.0

公認心理師が診察をしたり病気の診断をしたりエセ精神科医として活躍する心理系ホラー!
というのは冗談で、真面目にレビューします。

精神科医と心理士が出てきたら、たいていお決まりの展開があるけど、これは
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.0

初っ端から「このろくでなし(笑)」と笑ってしまうくらいのクズが本作の主人公。一切共感できないので、主人公のすることもむしろ笑えてしまう。
初めから軽犯罪を犯しても何の罪の意識もないので、撮影で違法しよ
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

最後の怒涛の展開には「うえぇ・・・」と声が漏れた。
主人公も榛村にとって獲物の一人にすぎず、住む場所や時期さえ違えば殺害されていたかもしれないということ。榛村は刑務所に入っていても、過去に関わった人た
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トランスフォーマー(2007年製作の映画)

4.0

10年以上前に見たけど、細かいところを忘れたのでまた鑑賞。
カーチェイスにアクションに米軍っていうアメリカSFの良いとこ取りみたいな映画。

主人公たち、米軍兵、ハッカー、国防長官がセクターセブンに集
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