Yuさんの映画レビュー・感想・評価

Yu

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DOOR(1988年製作の映画)

3.0

ストーカーと被害者が
互いの顔を認識できていない事に気付く時
当事者同士と観客側の視点が一致しない
巧妙な展開に驚かされる。

陰湿でリアリティのある前半から一転
ストーカーと対峙した主人公が
常軌を
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.0

『S.スピルバーグ IMAX映画祭』

沖合や水中の静寂と
市民や観光客が集う喧騒の対比を
ホラー的に描きながら
ジョン・ウィリアムズのBGMで
アドベンチャーにもホラーにもなり得る。

また作品を通
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ブリジット・ジョーンズの日記(2001年製作の映画)

4.0

ラブコメで重要な要素の1つが
"ヒロインの表情管理"である事を
R.ゼルウィガーが再認識させてくれる。

常に対極の存在を並べ
主人公に退屈な時間を作らないどころか
第二のラブストーリーを両親が担う徹
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炎上ドライブ(2024年製作の映画)

3.0

「未体験ゾーンの映画たち2025」

トランクに監禁された主人公が
正体不明の犯人の要求によって
ライブ配信で投げ銭を稼ぐ。

犯人を突き止めるミステリーと脱出劇に
視聴者を巻き込む展開が殆どなく
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劇映画 孤独のグルメ(2025年製作の映画)

3.5

旅先で出会う人々との触れ合いで
半ば強引に進行する冒険譚が
井之頭五郎の"異物感"と見事に調和し
映画としての華麗な着地も魅せてくる。

視聴者が求める『孤独のグルメ』と
"井之頭五郎"を完全に熟知し
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グランメゾン・パリ(2024年製作の映画)

3.5

ドラマシリーズの存在を
良い意味で感じさせない補填力や
フランス語の台詞の多さ等
ドラマ版との差別化を図る意味で
ディテールへの拘りを感じる一作。

"チーム・グランメゾン"に訪れる壁を
繰り返し描く
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マー ―サイコパスの狂気の地下室―(2019年製作の映画)

3.0

狂気性が見え隠れする人間の
職場での働きぶりや私的な一面を描き
その人間の過去をも充分に掘り下げる事で
異常性に明確な説得力が生まれている。

サイコパスの人格形成が見事な一方
直球的な邦題が"狂気を
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ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

3.5

暴力とエロスに満ち
女性キャラすらも飲み込む程に男臭く
偏った視聴者層のみが楽しめる
雰囲気がプンプン漂うものの
意外にも受容性のある作品。

カーアクションと挿入歌が
我々を無条件で高揚感に包み込み
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

4.0

2025年の映画運を占う
劇場初めにピッタリな"大吉"映画。

登場人物たちの広すぎる人脈が
物語の潤滑油として機能し
あれよあれよという間に
物語が肥大化する圧倒的な潔さ。

グラシネのBESTIA
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

4.0

事前情報無しで鑑賞するのが吉。

イジメや家庭環境など
直接的な不条理を描くだけでなく
蝿やガムを用いた陰鬱な演出により
効果的な不快感が途切れる事なく続く。

主人公のサラを苦しめる"孤独"と
彼女
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

4.5

優美な氷や雪に存在する脅威。

優雅の象徴でありながら
自身の能力を制御できない事から
ヴィラン的な立ち位置となるエルサ。

"ディズニーいちの最低男"と揶揄される彼。

散りばめられたこれらの二面性
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

自身の歩んできた道を
トトに歩ませたくないアルフレード。

誰よりも信頼を寄せる
アルフレードの言葉を信じた結果
映画を超える青春を掴み取ったトト。

親子でもなければ友達でもない
2人だけの特別な関
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.0

こんなにも
ハートウォーミングな映画は久々。

前半の長い時間を掛け
形成された3人のコミュニティが
外部の人間と接触する為に
校外へと踏み出す際
物理的な解放感を生み出す傍ら
彼等の良き人間性が顕在
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ナイトスイム(2024年製作の映画)

3.5

排水溝や息継ぎ等
プールへの潜在的恐怖を生かしつつ
恐怖対象を段階的に明かす巧さ。

故障中のMLB選手の父を持ち
トレードによる転居に辟易する家族が
物件に留まる理由付けとなる等
不要に見えて繋がる
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ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

3.5

メイキングは観た事があったが
裏方の技術職や生存するアーティストの
インタビューが非常に興味深い。

★2024年新作Best5★
No.1:キングダム 大将軍の帰還
No.2:胸騒ぎ
No.3:哀れ
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.0

母親からの過度な期待や
隠し事による心的負担との相関により
卵が肥大化し"それ"が誕生する。

"それ"の正体と外見的成長が
意外にもホラーらしさ全開で快く
メタファーも分かり易い部類ではあるが
ティ
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あんのこと(2023年製作の映画)

4.0

売春や薬物に依存する杏が
自身の描く理想に向けて動く中
彼女を取り巻く現実がそれを阻む。

実話を基にした作品でありながら
理想から現実への転落を
適度な間合いでエンタメ的に描き
観る者の感情を揺らし
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セキュリティ・チェック(2024年製作の映画)

3.5

空港の手荷物検査を担当する
保安官のイーサンがテロ組織の脅迫から
究極の選択を迫られる怒涛の緊張感。

脇を固めるサブストーリーも
事件の原因究明に欠かせないパートであり
アクションとしての見せ場も確
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.5

乳首をドリルするな!
乳首をドリルしないのか…!

関西だけを舞台にせず
前作の埼玉を後日譚として据える事で
壮大な物語への昇華に成功しており
イジりと自虐の見事な配合も
前作に続く揺るぎない面白さを
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マッド・ハイジ(2022年製作の映画)

3.5

「クララ立って!!!」

『アルプスの少女ハイジ』の名を借りた
全くの別物であるが故に
元ネタのオマージュが適度に効いてくる。

登場人物は多いものの
1人1人に何かしらの意味を持たせる
非常に丁寧な
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バグダッド・カフェ 4Kレストア(1987年製作の映画)

4.0

アメリカ西部のモーテル
「バグダッド・カフェ」に行き着いた
ドイツ人旅行者のジャスミンを中心に
モーテル周辺での人間模様が描かれる。

女主人の"怒り"に焦点が当たり
前半はストレスフルな展開が続く中
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

4.0

大富豪一家を襲う強盗集団と
鉢合わせる形となったサンタの
"他人事感"が非常にユーモラスであり
一家を救う明確な理由付けの元
ヒーロー的立ち位置への昇華が見事。

銃を扱わない(扱えない)主人公が
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ファーザー・クリスマス(1991年製作の映画)

3.0

サンタの1年間の暮らしを
覗き見できるショートアニメ🎅

子供でも取っ付き易い
アニメーションであるにも関わらず
等身大のサンタを描く事で
逆に実在性を持つようになる面白さ。

シャーキュラ 吸血鮫(2022年製作の映画)

2.0

マーク・ポロニア監督と
出会った奇跡がこの胸にあふれてる。

きっと今はクソ映画に
感想を書く気が失せているだけなはず。

Z級映画できらめく世界が
僕たちを拒んでも
ずっとそばで笑っていてほしい。

メリーに首ったけ(1998年製作の映画)

3.0

テッドが雇った私立探偵を通して
メリーの現在パートを主軸に描きつつ
彼女を探すテッド自身の
ロードムービー的機能も並走させており
脚本としての上手さが光る。

一方で「13年」の月日において
其々の魅
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くまのプーさん(2011年製作の映画)

3.5

ウォルト・ディズニー
生誕110周年記念作品にして
現時点でWDASが制作した
最後の2D長編アニメーション映画。

"絵本の中の物語"として
『くまのプーさん 完全保存版』を踏襲しつつ
圧倒的な作画
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.5

自分とは異なる存在として
主に泰明ちゃんの悲哀と接しながら
彼との共通項を発見していくトットちゃん。

子ども同士の目線で
学校生活が描かれる前半から一変
他校の生徒や大人同士の会話など
従来触れ合う
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.0

街の喧騒、生活音、鼻息。

台詞のない2Dアニメだからこそ
鮮明な一音一音に引き込まれ
やや狡猾と言える手法もあれど
ドッグとロボット双方の
視点から描かれる悲哀に心揺さぶられる。

自らの意思で行動
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グリンチ(2018年製作の映画)

3.5

グリンチの悪巧みな計画と
純粋な少女のサンタ捕獲作戦が並走する中
"家族愛"をストレートに描きつつ
グリンチ・少女・トナカイ等
複数の側面からアプローチする事で
一貫性と統一感を感じる作品に。

子供
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六人の嘘つきな大学生(2024年製作の映画)

3.0

面接という名の競争。

就活を正面から"潰し合い"として捉え
ゲーム性を持ち合わせた密室ミステリーは
BGMを駆使しながら物語を勢い付ける。

一方で上映時間の制限により
6人の特性を描き切れない影響
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.5

レイシストの仲間内の言動が
外部の人間との接触で過激さを増す
その過程を描くにおいて
ワンショットの演出が見事に適合。

単なる長回しの会話劇ではなく
登場人物を外に移動させる事で
作品全体に開放感を
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.0

第三次世界大戦後の
2019年が舞台ではあるものの
作中で描かれている景観は
公開時の時代に近い感覚があり
この魅惑的なギャップが
独特な世界観を構築している。

他の方のレビューを見るに
原作による
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DEATH NOTE デスノート the Last name(2006年製作の映画)

3.5

原作の力を借りつつ
オリジナル要素が見事に機能し
実写化する意義を持った
前後編共に満足感の高い仕上がり。