たむランボー怒りの脱出さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

パッション(1982年製作の映画)

4.0

2022.09.02再見
初見時より面白かった。ZAZYみたいにバカでかい羽生やしたオッサンと映画監督が取っ組みあって静かに喧嘩するところ好きすぎる。オタクが教室の隅でやる喧嘩やん。軟体メイドがわざわ
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愛の世紀(2001年製作の映画)

3.5

話が全然分からない……。DVDに付属している蓮實重彦のテキストを読むと「ゴダールは主人公にとって運命的な女性の顔をはっきりと写していない」とあるが、個人的には女性だけでなく全部の登場人物の顔が覚えられ>>続きを読む

フォーエヴァー・モーツアルト(1996年製作の映画)

4.0

戦争映画。爆発が何度もあるがその唐突さもさることながら何よりも「近さ」が凄い、鳴ると分かっていても何度も驚かされる、戦争映画の高揚感はどうしてもある。役者から数尺も離れていない場所で突然に光が上がり爆>>続きを読む

ファウスト(1926年製作の映画)

3.5

102分版、神崎えりの演奏で見る。ピアノメインだがたまにピアニカが入って二重奏になったりして、そうなると息づかいがはっきりと聞こえてきて、映画が今ここで、リアルタイムで作られているのを見るているような>>続きを読む

書かれた顔(1995年製作の映画)

4.0

101歳の芸者だけ「伝説」が冠されてないの解せぬ…。シュミットの中で厳正な伝説ジャッジがあったりしたのか?劇中劇以外はずっと面白い!玉三郎がリムジンに乗ってるときに片手で弄んでるペンライトみたいなのは>>続きを読む

勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

5.0

2022.09.19
菊川Strangerにて再見。仲良く草を食む二頭の馬を照らす光がめちゃくちゃエロい。
マルボロレーシングカー男、バイカー男二人にしばかれまくる女「私は選ばないわ!」、それを見つめ
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ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.0

ウォン・カーウァイ、不潔なものがいっぱい写ってるのにメシはいつもウマそう。男が厨房で働くときの所作がええんよね。トニー・レオンが従事する労働は全部メシ関係。

汚れた血(1986年製作の映画)

5.0

2022.08.23
もう五回は見ているが見るたびに「こんなカット、シーン、セリフあった?」と何度も思う。そのくらい覚えていない。場面やカット割りの順番もあやふや。常人の思考で撮られたものではないから
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土瀝青 asphalt(2013年製作の映画)

-

大学時代に風景論とか郊外論とか気になってたときに書籍版『場所が揺らす映画』は確か読んでいた。僕も自転車に乗ってハンディカムを手にあてもなく地元の風景を撮っていたことがある、どうにかこれで映画が出来てく>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.0

ここでもまたモテない男が醜態をさらしていく。チャラい男を殴りにかかる場面は『女っ気なし』に続いてこの最新作でもやっぱりある。『女っ気なし』の場合は嫉妬がきっかけだったが今回は友人が嫉妬を代弁してその義>>続きを読む

女っ気なし(2011年製作の映画)

3.5

終盤のベッドでのやり取りがあまりにリアルで恥ずかしくなった。ヴァンサン・マケーニュに優しい人がいて良かった。

遭難者(2009年製作の映画)

3.0

冒頭に自転車を投げる場面があることを知っていたのだが、何年か前に見た『勇者たちの休息』の峠の場面が印象に残っていて、もしかすると峠から投げ捨てるのかもしれないと期待し先走って興奮もしたが見てみると完全>>続きを読む

ザ・シークレット・サービス(1993年製作の映画)

2.5

監督の物故があったり安倍晋三の狙撃があったりして今見るにはタイムリーな映画だと何者かに無理やり感じさせられているような感じがするがたまたま何となくイーストウッドが見たくて、しかもそんなに面白すぎないや>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

4.0

再見。冒頭でわりと露骨な場面があったりするが、それは単にエロいものが写っているに過ぎないので映画の色気ではない、田舎ロケメインの秋篇などに比べると画面の色気度合は薄まる。ロメール映画の頻出主題「偶然」>>続きを読む

恋の秋(1998年製作の映画)

4.0

再見。画面がえっろい。ロメールの画面に漂う健康的なエロスが多分四季連作のなかで一番漂っているのが秋篇かもしれない。人間ではない。草木が、陽光が、風が、色気を放っている。ジョン・フォードの映画における自>>続きを読む

鯨波(2021年製作の映画)

-

断片的かつ印象的な画面の一つ一つに見入っていると、終盤のとりわけ目を引く2つのカットにハッとさせられる。鯨の開かれた口、ヒトの開かれた目、それぞれが一つの空洞、深淵として類似してしまう瞬間。そして3つ>>続きを読む

荒野の女たち(1965年製作の映画)

5.0

やっと見ることができて感激。画質は相当に悪いが歓喜の方が勝つ。
タイトル文字のアニメーションが『荒野の用心棒』っぽい?そんなことよりひたすら陰惨なフォード。遺作にして最も救いようのなさが滲み出てしまっ
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カルト(2012年製作の映画)

3.5

コワすぎと同時期の作品なので世界観が共通している。『パラノーマル・アクティビティ』っぽく監視カメラ視点が多く採用されている。だから住宅の前にどこかから人が群がってきて急に邪教の儀式みたいなの始める場面>>続きを読む

モガンボ(1953年製作の映画)

5.0

上映前に蓮實重彦の舞台挨拶。「私の『ショットとは何か』という映画ですが…いえ、映画ではございませんね、書物ですが…」という言い間違えがあってグッときた。
アフリカを舞台にした猛獣捕獲映画でありながらそ
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血涙の志士(1928年製作の映画)

4.5

フォードのサイレントで一番面白い!この前『四人の息子』見たときにそう思ったが凌駕してきた。
政治闘争に参加したことで祖国を追われ他国の軍隊に所属することになったヴィクター・マクラグレンが復讐のため帰郷
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俺は善人だ(1935年製作の映画)

3.5

エドワード・G・ロビンソン二人二役。
主人公がギャングと間違われて連行された先での事情聴取場面のテンポの良さは確かに見ていて楽しい。何より蓮っぱな感じのジーン・アーサーが良いことはさらに確かなのだが、
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雲から抵抗へ(1979年製作の映画)

4.0

草木の官能と政治性が分かちがたく結びついている。
第1部3話の馬車座席からのカット。台詞終わり後の沈黙と、「朴訥」と形容しても差し支えない緩慢かつ素朴な移動を長時間にわたって撮影した映像を延々と見るこ
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四人の息子(1928年製作の映画)

4.0

フォードのサイレントで今のところ一番良かった。家族が食卓を囲むカットで上から射す光が完全にUFO!何か異常な画面だった!息子戦死の報を聞いた母の悲しみを照らす窓からの光は誰が見てもレンブラントでとにか>>続きを読む

最敬礼(1929年製作の映画)

2.5

1929年作なので最初期のトーキー。冒頭、カット繋ぎとか完全にサイレント映画なのに台詞が聞こえるので奇妙に思える。正直に言うと「醜い」という実感をもった。声を当てられたことで映画の何かが侵犯された感じ>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

3.0

再見。面白かった記憶あったけど今見ると微妙だった!工藤に覇気がない。鉄塔近くの家というロケーションは良い。あと隣家のおばさんが玄関前に椅子出して煙草吸ってる感じが西部劇っぽくて面白い。おばさんとの「距>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

3.5

再見。オープニングエンディングをしっかりと台本が用意されているかのように(本当は全編にわたって用意されているのだろうからこの言い方は不自然ではあるが)喋る工藤と市川の「仕切り直し感」。良くも悪くもとっ>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

3.0

再見。やっぱ最後に宇野祥平出して終わらせちゃう強引さは、コワすぎに求めてる強引さと違う!

↓初見時の感想
うとうとしているときの、妙に具体的で鮮明で変な夢を見ているときのような感覚になる映画だった。

パトニー・スウォープ(1969年製作の映画)

3.5

初ロバート・ダウニー・シニア。満席。
不真面目な選挙で選ばれて社長になった黒人社員が奇抜なコマーシャルで一世を風靡する話。
オープニングクレジット好きとしては、主人公の名前が何度も呼ばれる開票シーンで
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誉の名手(1917年製作の映画)

4.0

現存するフォード作品最古らしいが、めちゃめちゃ綺麗なプリント。100年以上前の映画だが風やそれによって揺らされる草木、そして陽射しがまさしくいま目の前にあるかのように感じられるリアリティで次々と生起す>>続きを読む

砂に埋れて(1918年製作の映画)

4.0

ハリー・ケリー主演作品初めて見たが、どっちかというと悪人顔の人なのか。
酒場の前で馬たちが雨に打たれながらご主人を待っているときにカメラに尻を向けているのが官能的。あと動物が文字通り濡れて輝いているこ
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戦争と母性(1933年製作の映画)

4.5

フォードの中でもかなり好き!死んだ恋人に手向けるためにマリアン・ニクソンが握りしめる花束の慎ましさも涙を誘うが、彼女を嫌っている息子の母がゆっくりと手を伸ばしてその花束を受け取るときの二つの腕の動きと>>続きを読む

プリースト判事(1934年製作の映画)

3.5

裁判と音楽!混ざるはずのない相反するかのように見える二つの要素がフォードの映画においては難なく融合する。これもまた大らかさというか寛容さというか。

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

4.5

めっちゃ面白い!美しい映画。冒頭の夜の明るさが嘘の夜(「アメリカの夜」)っぽくて良いが、こういう地域は本当にこのくらい明るいのかな。クレジット出てる間にも全然ストーリー進ませるドライブ感好き。中島貞夫>>続きを読む

奇跡の丘(1964年製作の映画)

3.5

イエスの顔が川谷拓三にしか見えない!編集のぶつ切り感。「速さ」ともまた違う、ぶっきらぼうに次へ次へと進んでいく感じ。この淡々とした叙述は確かに古代のテクストに忠実な映画化って感じする。ヘロデ王が村中の>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.0

真っ先に思い浮かぶのはケリー・ライカートの『リバー・オブ・グラス』と『ウェンディ&ルーシー』を足し合わせた感じ。あとワンダは飲食店で『ジャンヌ・ディエルマン』と同じ席座ってるなとも思った。入口すぐの窓>>続きを読む

乳母(1999年製作の映画)

5.0

光の射し方かっこよすぎる。白の神々しさ。乳母役のマヤ・サンサの信念を感じさせる顔。言葉を教わるときの真剣さと夫からの手紙を読んでもらうときの嬉しそうな表情が本当に素晴らしいです。「もう一度読む?」と言>>続きを読む