きねまっきいさんの映画レビュー・感想・評価

きねまっきい

きねまっきい

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

私的年テン上位当確。
最適量の物語と最効率の台詞で
生れる余白を観客に委ねた。
観客は映画内に静かに同席し、
主役三人の心情を何とか汲まんとする
心地好い緊張感。
この余白の緊張感が遂に幕切れ迄途切れ
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.0

支持。
このサイズの小品を手堅く撮れるのが米映画の強さ。
無駄無く無理無く主人公の恐怖、苦悩、絶望、奮起、努力、根性に寄り添わせてくれる。
着想、構成、脚本、配役、演技、演出、編集、劇伴の職人技な映画
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

2.0

だから何?な大作風の小品として笑納。
のたうち回ってアレコレ手を尽くす悪魔を前に、
只々並んでちゃんとお経を読むだけの師弟坊主。
Rクロウ、アオラレまんまの変にデカい図体と
工藤ちゃんなベスパは良いキ
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.0

こりゃ凄い。
戦争を徹底的にエンタメとして撮る単純明快の潔さ。
ナチスが既に劣勢ゆえの腐った悪のリアリティも良し。
ビビリっ放しの悪の下っ端がガンガン殺られる爽快感。
水中での驚愕の息継ぎ方法だけでも
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モスキート・コースト(1986年製作の映画)

3.0

今更初見。
何時も何処か薄味な引き演のHフォードの
珍しいブチ切れブチ壊れ演の異様を愉しめる一本。
良い役だ。
カーツ大佐軍団未満でジャングルを彷徨う
素人一家の所在無さ。
Rフェニックスは汚れたラン
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ルトガー・ハウアー/危険な愛(1973年製作の映画)

3.0

今更DVD初見。
これが正調バホベン節か。
汚物と腐臭にまみれたハードコアな純愛の極み。
全編ほぼ裸身激演の二人が
ラストで魅せる静謐と凄みに慄いた。
ルトハウのこの類い稀な危うさがブレランとヒッチャ
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

2.0

前作に続き美少女Mグレイスの
黒巻き毛アラレ眼鏡ツナギで
ビーム砲ブッ放すハコ乗りを愛でる、のみ。
爺さん特にBマーレイがイタい。
今の武にタケちゃんマンを演らせるかの気詰り。
真面目なくだらなさを笑
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レンフィールド(2023年製作の映画)

2.0

推薦者三宅隆太氏の評、
着想は良いが、東洋系女警官の物語が本筋と噛み合わない、に賛同。
それでもニコケイの愉悦の怪演は必見、と言おう。
及第点。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.0

冷戦下の赤狩り悲話に9割、
非人道的殺戮兵器開発の呵責に1割、
って論点の軽重が逆だろ。
呵責に苛まれる実験から終戦直後迄の
異様と不気味は良し。
全編会話劇に強者役者陣の
演技合戦は見応えアリだが。
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

1.0

年ワースト暫定。
朝日、海外絶景、フィルム写真、闘病を並べて
台詞と手紙で全部説明する。
何か思うと直ぐ音楽を鳴らす。
これで恋愛映画っぽいでしょ?だけ映画。
元カノ今カノがこの二人じゃそりゃ揺れるか
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.0

原作未読。
強く支持。
某有名漫画を不気味な悪意で読み変え、
あるあるアキバ高円寺なサブカルで包み、
その向こうに非ギャル系JKの想う
気持ちの悪い絶望的な終末を置く
試みは成功。
後章を待つ。

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.0

東洋の美魔女系猟奇毒親の不気味に
亜細亜の家父長制偏見が混ざり
終盤迄の9割は引いた。
最後1割で、
直近父母の呪縛からだけでなく、
歴々先祖の呪縛から史上初めて脱却する
世代の物語と知り、漸く乗れた
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BUG/バグ(2007年製作の映画)

3.0

DVD初見。
こういう一級の珍品を見逃している。
癖の強い劇薬のよう。
主演美人女優のブチ切れ演り過ぎを買う。
例えば大竹しのぶと香川照之で見たいかな。
小品の枠を出ない映画のサイズが良い。
追悼、フ
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.0

DVD初見。支持。
タクドラから40年、
同じテーマ同じ物語を
尚も鈍重に痛切に沈み掘る御大ポルシュレ。
スコセシ成分減って純度UP。
この手は家で見ても。
劇場で見ねばだった。

グレート・ウォリアーズ/欲望の剣(1985年製作の映画)

3.0

DVD初見。
眼福のJJリー。
なるほどのバホベン臭。
体臭腐臭獣臭の充満。
性と神、権力と罰当たり、血と汚物。
既にほぼベネデッタなのね。
本作は85年、
ルトハウが終盤で濡れて半裸で
急にブレラン
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.0

支持。
まんまとやられた。
火サス未満の導入から延々見せられる
脚本配役演技演出台詞劇伴のベタ凡庸稚拙が、
テーマの毒の高濃度化に最効率に貢献。
気持ち悪さ最大での幕切れに愕然とし、
エンドロールで深
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

1.0

何とツマラナイ物語だろう。
伝説の巨匠が久々に撮るという触れ込みの高級感のみ。
筋に無理アリ且つ凡庸、
キャラは全員立たず、
説明台詞が延々ゆえ字幕を読まされっ放しの3時間。
なんじゃこりゃ。
本作の
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ドミノ(2023年製作の映画)

2.0

意外っちゃ意外だが、だから?な一本。
その抜け感を愉しめ、な一本かな?
続編が黒沢清なら見るかな。
DVD初見。高橋ヨシキ氏推薦作。

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

2.0

ロマンシングストーン、
ロングキスグッドナイト、
ナイト&デイ、
トゥルーライズを混ぜて何れにも劣る。
極彩色なアクション場面の幾つかは楽しんだが。
転調や捻りの全てが物語を失速させた感。
無理有りダ
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枯れ葉(2023年製作の映画)

2.0

だから?な一本。
幾ら何でもそのまんま過ぎる。
これ系を持ち上げた方が通っぽいが。
健さん倍賞で見たいかな。

ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.0

必見。
この重量の悲劇と憎悪の折り重なりが今昔の戦争の火種なら、
私の無邪気な反戦など軽薄軟派。
我が国では起きない(と思いたい)激辛の修羅場。
乾いた暴力の下敷きだろう北野の近作の緩さが哀しい。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.0

非支持。
中盤の2時間が丸ごと余計。
序盤はスコセッシのアフターアワーズかと乗ったが、
直ぐ失速し以後延々停滞。
序盤と終盤だけの45分なら、
まあまあの短編だったろう。
テーマは毒親と稚拙凡庸。
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パリタクシー(2022年製作の映画)

2.0

非支持。
二人の尊大に引く。
身綺麗な老婦人でも駄目。
老健施設入所時刻遅参で所員に残業を課す尊大、
物語の為に施設は杓子定規な悪所と解するなど。
往年の女性運動の旗手だった故の?傲慢な時代錯誤は見過
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一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.0

ザ芸能人な主役3人の異物感が作品の異様に貢献。
中でも今やアップで爺ィ然となるカルーセル(田中泯でないのが味噌)が頭一つ出た。
喪失、鎮魂、悔恨にただ向き合って生きる、か。
哀川の娘、鉄パイプを担いで
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

2.0

引いた。
幾ら何でもゴア強過ぎ。
二つの映画的要素を無理に密室に詰め込む
韓流の無節操だけで満腹なのに。
静かに緊張感を高めれば快作だったろう、
原型留めぬが。
チョン・ソミンちゃんの薄着と長持ちは救
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.0

DVD 初見。
スパイダーバースより断然こっち。
物語を並行世界に逃がさず、
整理され、
目まぐるし過ぎず、
アクションが落ち着いて、
誰と誰が如何に闘っているか、
が分かるから。
て当たり前か。
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.0

松村北斗の新味。
普通人の普通量の正義を何処か内包する気配。
きのう何食べた?からの有望株。
都会大企業でなく地方中小なら
時間空間の余裕と人情味アリ(ホンマ?)
と語るに最適の物語サイズを評す。
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そばかす(2022年製作の映画)

2.0

引っ掛かり無し。
性志向の多様性を受容し、
無神経な弄りを非礼とする令和の世に、
ただ正しいことを正しく語る当たり前の一本。
非礼な奴が一人もいない世にはならない前提で私だって生きている。
寧ろ表では
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STAND BY ME ドラえもん(2014年製作の映画)

1.0

初見。
ルッキズム他様々な異和を安穏と温存する驚きの扁平。
それでいて三流感動ポルノとは。
よくこれを子に見せたものよ。
憎むべき物語要素の多く(全て?)が内包される
糾弾すべき重要案件だ。
2もある
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

2.0

次、見なくては、か。
続き物とは余り言わない不誠実。
物語殆ど進まず幕、
即ちこの前編は丸ごと不要。
次には出すキャラ羅列で煽る後編予告部分だけは良し。
当時多かった不出来な方の角川映画レベル。
薬師
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.0

配信初見。
秀作。
ベタを撮りきる胆力。
新幹線大爆破(今見ると猛烈にタルい凡作)を
易々と更新する中盤までは快調だが、
終盤モタつき、
甘辛な幕引き(何処か異様だ)で締まる。
岸田今日子化するチョン
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

2.0

無数の世界線を跨ぐ系のお話しの何処を如何に面白がるか?が未だに分からぬ。
終始ルール説明で、要はどうとでもなる、のよね?
折角の高度に革新的な映像はもう少し落ち着いた物語で見たい。
正直、お話しに追い
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.0

配信初見。
硬質上質。
トップ次第で業界全体が恐怖に染まり腐敗すると。
我が国でも同課題の幾つかが進行中。
調査が進展し核心に迫る程に
神妙に緊張感が高まる作劇は成功。
評決、を想う。
素敵な仕事だ。
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喜劇 とんかつ一代(1963年製作の映画)

4.0

超緻密演出で全員儲け役の傑作群像劇。
五輪前夜の新品の昭和で
食欲性欲旺盛な日本の青春の輝きを
鬼才川島雄三が存分に撮った。
腹一杯喰らい大らかに接吻する若者達。
某シーン、フランキー堺の命懸けの軽妙
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.0

気持ちワル。
支持。
女性を幽閉調教する鬼畜の異様を撮り続ける変態監督の冴え。
肉体は頭脳と繋がりつつ分離し、
内側から腐り腐臭を放つ。
グロテスクに蠢く汚物の如き群像を撮りきってこそキラリ光る高強度
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