マッサンさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

マッサン

マッサン

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幸せへのキセキ(2011年製作の映画)

3.2

妻を亡くし、息子との接し方に悩む父親。
母親を亡くし、父親の愛を感じられない息子。
この親子がぶつかり、心が通い合う描写が絶妙。
僕自身、父とは苦労したので余計に心に刺さった。
あと、この味も素っ気も
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

4.5

愛犬を葬ってやろうとする優しいポレット。
彼女の喜ぶ顔が見たくてお墓を作ってやるミシェル。
無邪気に十字架を集めるポレットとミシェルの無垢な姿が、戦争中ですら隣家といがみ合う大人により際立つ。
ポレッ
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街の灯(1931年製作の映画)

4.5

チャップリン演じる浮浪者が、一目惚れした盲目の花売り娘の目を治そうと奮闘する物語。
映画史に今なお燦然と輝く傑作。
こんなに切ない結末、どう消化すればいいんだよ。
観た人は生涯忘れることはないだろう。

ミッドナイト・ガイズ(2012年製作の映画)

2.4

「俗に人は二度死ぬという。魂がその肉体を離れるときと、名前を口にされなくなるときだ…」
アル・パチーノ演じるヴァルが、死んだ仲間への弔辞を即興で謳い上げる場面の台詞。
こんな言葉をサラッと言えるジジイ
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.2

マーティンの陽気さが良い。
「スーシェフになった」という粋な台詞や、トラックを運転中にタマキンにコーンスターチを練り込んだり。
SNSを上手くプロットに組み込んでいる点もグッド。

挫折しても前向きに
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シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

3.9

命の軽さに衝撃を受ける…あまりにも簡単すぎる。
無邪気に笑いながら殺すその姿に残虐性が倍加する。
しかし、暴力で支配した上下関係は容易に崩れる。
貧困や差別に満ちたその環境こそが暴力の無限の連鎖の元凶
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キッチン・ストーリー(2003年製作の映画)

4.0

ノルウェーの寒い冬を舞台に、頑固な独居老人イザックと孤独な中年フォルケの温かい友情がじわりと伝わる。
静かで起伏のない映画なのに、随所に散りばめられたユーモアのおかけで 終始ニヤニヤしっぱなしだった。

戦争のはらわた(1977年製作の映画)

3.8

正直終始退屈に感じていたことは否めないけど、ラストのシュタイナーの高笑いに度肝を抜かれた。
弾倉の装填すらできない名誉欲や自己保身の塊の上官。
これはそのまま他の組織に応用できる。
昇進のことしか頭に
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

3.4

音楽プロデューサーのダンがバーでヤケ酒を飲んで酔い潰れていたところ、グレタの歌声が聞こえ、その歌詞に自分の現状がオーバーラップし、やがて聞き入りながらその曲や彼女の魅力を見出だす描写が素晴らしい。
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ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

2.3

暴力とsexにまみれた愛の逃避行ロードムービー。
正直、この作品からはリンチの良さが伝わってこない。
もう一度観たら変わるんだろうか。

リトル・ブッダ(1993年製作の映画)

2.9

ブッダの魂を受け継いでいるとされる子供と、シッダールタ王子がブッダとなるまでの半生を交互に描く。
輪廻転生を描いたその神秘さに若干置いてけぼりに。
ベルトルッチ監督の独特の映像美には圧倒された。

ローマ環状線、めぐりゆく人生たち(2013年製作の映画)

2.5

ローマの「GRA」という古びた環状高速道路周辺に暮らす市井の人々の生活を、淡々と静かに美しい映像で捉えたドキュメンタリー映画。
植物学者、ウナギ猟師、救急隊員、没落貴族、車上生活者…それぞれの内面にも
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「たった2日の旅だったが、町が小さく、違って見えた」
「学校で顔を合わすだけの関係に…よくあることだ、友達はでき、また離れていく」
「あの12歳の時のような友達はもうできない…もう二度と」

ラストが
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プレイタイム(1967年製作の映画)

2.2

近未来のパリをひたすらウロウロする様を描く。
パントマイム役者出身のジャック・タチならではの作品となっているが、物語がないので退屈に感じる。

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.3

ひたすら上品なエスプリの効いたほのぼのコメディ。
斬新なデザインのセット、カラフルな色使い、コミカルな音楽、機械化される社会への皮肉…ジャック・タチの真骨頂。

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)

3.0

タリバンに対して最も怒りを抱いているのは、他ならぬただ平穏に暮らしたい村人だということに思い至る。

ドリーマーズ(2003年製作の映画)

2.6

パリ5月革命の動乱の中、アメリカ人留学生のマシューが、まるで恋仲のような双子の姉弟が暮らすアパルトマンに転がり込み、自堕落な生活を送る様を描く。
狂騒から隔絶した空間での過激で際どい性表現、随所に見ら
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青春☆金属バット(2006年製作の映画)

3.3

坂井真紀の胸が強烈な印象を残す。
目に焼き付いて離れない。

運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

3.6

兄が妹の靴を失くしたために、親に言えずに一足しかない靴を兄妹で交換しながら学校に通う姿に心打たれる。

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)

3.2

サウジアラビアに暮らす10歳の少女ワジダが、母親に反対されても自転車を自分で買おうと奮闘する姿を描く。
日常の映像が淡々と流れる中で、この国ではイスラムの厳格な戒律により女性に人権がないことがわかる。
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バーディ(1984年製作の映画)

3.7

ベトナム戦争でPTSDを患い心を閉ざした青年バーディと、彼を立ち直らせようとする親友との友情を描く。
観終わってから、これほど意表を突かれながらも、清々しい気持ちになったことはないかもしれない。
これ
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愛を読むひと(2008年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ナチスの大量虐殺に加担したという決して贖えない罪を背負ったハンナの人生を、彼女を初恋の相手とするマイケルの視点から描いている。
原題の「朗読者」とはマイケルのことを指す。
つまり、マイケルがハンナに本
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ブラッドシンプル ザ・スリラー(1999年製作の映画)

3.5

コーエン兄弟のデビュー作であり、彼らが一貫して描くブラック・ユーモア溢れる犯罪映画の原点。
短気でケチな酒場の店主が、妻の浮気を疑って私立探偵に調査を依頼したことから物語が展開していく。
スタイリッシ
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マンマ・ミーア!(2008年製作の映画)

3.4

エーゲ海に浮かぶギリシャの島でホテルを経営する母娘が主人公のミュージカル映画。
父親を知らずに育った娘は結婚式を控える中、ヴァージンロードを父親と歩きたいという思いを密かに抱く。
そこで、母親の日記か
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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

4.0

性転換手術のミスで股間に「怒りの1インチ(アングリーインチ)」が残ってしまった東ドイツ生まれのロックシンガーのヘドウィグが、バンド(アングリーインチ)を引き連れて全米各地を愛を求めて旅するミュージカル>>続きを読む

約束 ラ・プロミッセ(1999年製作の映画)

3.6

小児ガンに侵された10歳の少年と、全身麻痺の70歳の老人との友情をユーモラスに描く。
小児病棟でスケボーを乗り回したり、高齢者病棟に忍び込んでイタズラしたりと元気いっぱいの少年マルティ。
一方、意識は
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ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

2.8

スクール・カーストを真正面から描いた青春映画。
スポーツマン、ガリ勉、不良、お嬢様、天然娘…休みに朝から誰もいない学校に補習で呼び出された男女5人。
全く接点がなく初めはギスギスしていたのが、お互いに
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

「無口なのが良い。それに根が無いところが俺と同じだ」
鉢植えを大切に育てるレオン。
「大地に植えれば根を生やすわ」
慰めるマチルダ。

死を覚悟したレオンは鉢植えをマチルダに持たせて逃げさせる。

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仕立て屋の恋(1989年製作の映画)

3.4

向かいの部屋に暮らす美女の私生活を窓越しに覗き見る主人公のストーカー行動に、最初はドン引きする。
しかし、女性の思惑に気付きながらも 受け入れてしまうその一途な思いに、次第に切なさを覚えてしまう。
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ボーイズ・ドント・クライ(1999年製作の映画)

3.2

実際に起きた事件を基にして描く、性同一性障害に苦しむ女性と、彼女を男性として受け入れ愛した女性の愛の物語。
かなり過激な描写が出てくるが、ヒラリー・スワンクの渾身の熱演に胸が熱くなる。
今は当時よりL
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

2.3

ミュージカルなのに陰鬱極まりない。
勿論暗いミュージカルがあってもいいと思うけど、この映画は本当に気が滅入る。
何度も観返してみてもやっぱり、こんな風にプロットを組み立てたら観客はセルマに同情するだろ
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アリゾナ・ドリーム(1992年製作の映画)

3.3

魚になりたい主人公、車を月まで積み上げたい自動車販売業の叔父、映画スターになりたい友人、空を飛びたい夫殺しの未亡人、生まれ変わって亀になりたい自殺願望を持つその娘…それぞれ夢を持った摩訶不思議な映画。>>続きを読む

クリスチーネ・F(1981年製作の映画)

3.9

13歳の孤独な少女がドラッグに溺れ売春へと身を落としていく様をドキュメンタリー風に描いている。
当時の西ドイツでは若者の薬物依存が社会問題となっており、この映画も実録手記に基づいている。
淡々と描いて
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マイ・ビューティフル・ランドレット(1985年製作の映画)

3.6

閉鎖的なロンドンの下町で、パキスタン移民2世の青年と移民排斥グループの不良青年との同性愛を描く。
背景にイギリスにやって来て事業を成功させた移民と、彼らを疎ましく思う地元民という移民問題がある。
排外
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草原の輝き(1961年製作の映画)

3.4

草原の輝き 花の栄光
再びそれらは還らずとも 嘆くなかれ
その奥に 秘めたる力見出だすべし

最後にこの詩が詠まれ、その意味を噛み締める。
まるでこの詩のために撮った映画のよう。

バットマン(1989年製作の映画)

3.0

ジャック・ニコルソン演じるジョーカーの狂った演技と衣装がコミカルで音楽と相まって楽しすぎる。
肝心のバットマンがほとんど目立たなくて、全部ジョーカーに持っていかれている。