コーディーさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.6

途中までは良いやん!ってなってたけど力を与えられた本郷猛の苦悩が今一つ積み重ならないまま感傷的な物語に突入し、それを深みのない台詞で処理する…雰囲気は好きなだけに惜しい。
けど昭和×CGな趣向凝らした
>>続きを読む

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

4.0

未熟だけど一生懸命ヒーローやってるビリーももうすぐ18歳。中身は子供…と言い訳出来なくなってきたしフレディら家族も引っ張りたいと絶賛空回り中wなのにノリだけじゃ勝てない神の娘達が襲いかかる!
もはや戦
>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

4.0

虚しい日々に愛想が尽きて、もう人生終わらせたい不機嫌オットーを陽気に煩わせる新しい隣人家族との交流が悲しみに引きずられた彼の心を解していく…
しぶしぶ受け取った手料理が美味しいし思ったより繋がれる!そ
>>続きを読む

オマージュ(2021年製作の映画)

4.1

商業的な成功に縁のない映画監督ジワンが任された60年代映画の修復作業。
劣化したフィルムの失われた声を取り戻す過去への旅が映画人として、女性として人生に行き詰まる彼女の心を解放していく…
時を超えて共
>>続きを読む

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.3

避けられない別れを前に、最愛の息子に新しい家族を残す。けれど里親候補への僅かな訪問で相応しいかなんて判断出来るわけがない。
伝えたくない父と、何かを感じ父を見つめる息子の眼差し。残された時間、確かにこ
>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.9

名誉に駆り立てられし若き新兵達が目の当たりにする戦争、そこには何の意味や感情も入り込む余地のない悲惨な死と虚しさだけが漂っていた…
正気なんて保てない地獄でふと我に帰る人間の脆さ、恐怖や苦痛だけが落ち
>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.7

黒人居住区に育ち、彼らの音楽にルーツを待つエルヴィスがキングの名声と引換えに失ったもの。混沌とする社会情勢や契約という名の支配、win-winだと思っていたマネージャーとの隔りを様々なキャリアと共に見>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.2

映画館での衝撃が少年にカメラ越しの魔法を授け、そして思い通りにならない現実も見せた。
仕組みを諭す父と、想像を刺激してくれる母。家族から受けた愛も悲しみも畏れも全て注ぎながら人の人生をも巻き込む映画を
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

今いる世界だけで自分の価値を測るのは早過ぎる。だって宇宙はとんでもなく馬鹿げた可能性に溢れてる!
こんな筈じゃ、と人生を憂うエヴリンを突如誘う多元宇宙。そんな持たざる彼女が挑む宇宙の、家族の真理を巡る
>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.1

誰かと親密に繋がりたいわけではないから受け取らない、ちひろさん。そりゃ寂しい時もあるけど孤独を恐れず、むしろ必要だとする彼女の生き方が周りの人々の疎外感を優しく解していく…
自分や他者を理解しようと足
>>続きを読む

スマホを落としただけなのに(2023年製作の映画)

3.6

拾われた相手がサイコ野郎だった場合、スマホは最悪の凶器になる。
平凡な会社員ナミのあらゆる情報が指先一つで握られリアルな社会性や人間関係が脅かされる。そんな些細な出来事から起こり得る最悪のケース、依存
>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

自分より経験で上回る雪祈を感嘆させ、未経験者•玉田を夢中にさせる大のドが付くほど真っ直ぐなJAZZへの激情!成長と挫折、そして何より〝好き〟を感じながら全力で走る3人の込み上げる感情がそのままステージ>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.2

廃校間近の高校での最後の卒業式、とその前日。たった2日という時間に濃密な3年間が浮かび上がる様な、もうじき無くなる校舎に残していく想い。
卒業式なんてなければ区切りを付ける必要もないのに…そんな想いと
>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

表面的な平等や汚れに敏感なフリ、身になってない知識を得意げに語る富裕層をこれでもかと揶揄い揺さぶり、本性を吐き出させる…そうやってハイブランドを笑いながら階級社会ごと破壊する…
と、さすがに暴論が過ぎ
>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.2

寝台列車で同室になった粗野で下品な酔っ払い。そんな1ミリも接点あるはず無いと見下してた男との最悪な共有が他者や自分自身、人生への凝り固まった価値観を解していく…吹雪の中をガタガタと走る列車、居心地の悪>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.8

フェーズ5開幕!
やがて訪れる脅威を前進させる重要な任を授かった割に気楽なままのスコットで安心したし宇宙に混乱を招く征服者と対峙しても小さなパパであろうとする…それでこそアントマン!壮大なのに馬鹿っぽ
>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.2

抑えられない人喰いの本能と拭えない罪悪感。周りとの違いを認識しながらも恐れや孤独を解消する術の無かったマレンが初めて出会う、欲求を理解し合える同族リー。良い人そう…と無防備に語る純真さと残酷な宿命の狭>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

転落死事故が惹き寄せる定義不可な関係、そして欲望。取調べも監視も捜査と言うより別のプロセスの為にあるような、翻訳機による間接会話さえ妙にエロいwそんな直接的な表現を排し、もはや無意識のレベルで溢れる官>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

4.3

違うけど同じ。被害者と加害者、共に銃乱射事件で子を失った両親による対話。感情なき雑談から核心に触れるほどに抑えていた悲痛や憎しみが溢れ、この数年間の計り知れない絶望が密室に充満していく…折り合いなどつ>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.7

映画という魔法に魂を捧げた人々の野心や悦楽が夜通しうねるクレイジーな宴。そんな文明中心地の狂気にまず目が眩みながらw目まぐるしく流れる時代の波に置き去られるスターの陰り、宴の終わりを憂う…
と、陶酔し
>>続きを読む

呪呪呪/死者をあやつるもの(2020年製作の映画)

3.9

3ヶ月前に死亡したはずの人間が起こす殺人事件。そんなゾンビとも一味違う不気味な群れに人々が混乱する中、満を持してあの謗法師が帰って来る…
ドラマ版の設定を踏まえながら一気に世界観を広げた映画ならではの
>>続きを読む

すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

4.2

もう終わりにしたい、と願う父に悲哀や憤り、少しの理解で寄り添う家族。延命による生に無関心でむしろ死を待ち侘びる頑固さに哀しみと可笑しみが入混じる様な…自ら死を選ぶ父の平静と様々な感情に当惑する姉妹の姿>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.8

今度こそ無理…しかないw
クライマーでトラウマもあるんやから、もう少し準備しようよ〜と、錆びだらけの鉄塔と同じくネジぶっ飛んでる女性2人。特にハンターに対しては馬鹿な若者って見方をしてたけど地上600
>>続きを読む

あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

3.9

関西ノリ全開な母と二人賑やかに暮らす千夏。初恋の苦味により臆病になっていた彼女がようやく心の〝しこり〟を取り除けそうな恋心と再会した矢先の、乳がん…更に母の恋の予感や同僚など一筋縄でいかない人間関係や>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.3

昨日まで仲良かったのに…と困惑するパードリックと頑に拒むコルム。些細な諍いかと思いきや、その絶望的隔たりは狂気を纏い二人を修復不能な争いへと誘う!理解はできるから傷みを伴う、そんな人と人の間で起こる様>>続きを読む

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

3.8

情けや良心を持ち合わせない悪に対し普通の市民がどう対処できるのか。誘拐された娘を救いたいが要求を呑んでも解放されず、暴力や失踪蔓延るメキシコの現状に警察も機能しない。何も頼れるものがない絶望の中、真っ>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.7

非情な世界の洗礼を受け、獣の狂気に憑かれた男の復讐。シンプルな物語ながら一向に共感を許さない暴走具合w血生臭さと超自然、ハイテンションと虚無を境界なく重ねながら〝有り得そう〟な10世紀北欧へと誘う…>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.9

涼しい顔で凄腕ドライビングを魅せる特殊配送員ウナ。報酬以外に関心のない彼女がある事件に巻き込まれた少年との関係を通して運ぶ、ではなく〝守る〟想いを強くしていく…カーチェイスから近接戦、更にクールも人情>>続きを読む

よりそう花ゝ(2019年製作の映画)

3.8

葬儀師として尊厳ある死に寄り添ってきたソンギルが下半身不随の息子との生活など礼節だけでは儘ならない現実に踠きながらも、そんな葛藤を癒す隣人との交感を通じ〝生〟を見つめ直していく…
光なんて簡単に見つか
>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.0

求めた音楽の本流を外れても、その劣等感さえ創造の力に変え伝説となったマエストロ。どこか達観し経歴を振り返る饒舌と控えめな自己評価、そして何より楽しそうに語る天才らしからぬ可愛げw
彼の映画音楽が親しみ
>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.2

一体どれだけの女性が沈黙を強いられてきたのか。長年、性的虐待の罪を揉み消してきた怪物を起訴する為、立ち上がる2人の記者。証言を躊躇う被害者を護りながら告発する難しさを痛感しながらも、今度こそ世界に声を>>続きを読む

呪詛(2022年製作の映画)

3.6

娘に現れる不可解な兆候と、6年前に母が侵した禁忌。過去と現在を交互に映しながら母娘に起こってる現象に迫っていく…
安易な好奇心が招く取り返しつかない災い!と、ありがちな展開ながら超自然やカルト儀式、不
>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

3.8

逃げ場のない機内で発生するバイオテロ。ハワイ行に賑わう人々の平穏が壊されるまでの緊張がまず物凄いし、シワン演じる男の〝こいつ話通じない〟不穏に既に心拍数爆上がりw
得体の知れぬ脅威に空も地上も混乱する
>>続きを読む

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

3.9

ふとした思いつきから始まる計画が憂鬱な日常を奮い立たせ、昨日までなかった胸の高鳴りを人生にもたらす!夢の同盟に託され疾走する、たった1頭の競走馬が人々の失いかけた自尊心や生きる活力を呼び覚ましウェール>>続きを読む

Mr.Children 「GIFT for you」(2022年製作の映画)

4.3

去年参戦した長居スタジアム、ファイナルの映像も多くて最高だった。

自分もそうだったように、嬉しい時も悲しい時も寄り添ってくれた彼らの音楽。ファン歴に関係なく〝あなたたち〟の歌をミスチルと重ねてきたん
>>続きを読む

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY(2022年製作の映画)

4.1

〝私は歌うだけ〟と語ったホイットニーの才能が瞬く間に時代を熱狂させ、アメリカの威厳を背負う。そんな栄光や闘争に精力を注いだ彼女が欲したもの…願いとは裏腹に心を削られ破滅へと向かう偉大なるシンガーを悼み>>続きを読む