あめれもんさんの映画レビュー・感想・評価

あめれもん

あめれもん

  • List view
  • Grid view

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.5

「男は強くあるべし」を叩き込む父の過度な期待に応えようとした兄弟たち。屈強な肉体とは裏腹に心が崩れていく姿が辛い。この悲劇の連鎖が実話とは……。
ケビンが解きほぐされたラストのある言葉は、私たちにも沁
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

登場人物が多いという前情報から、関連記事は少し読んでいたけど、作中ではほぼ説明がないのでやはりだいぶ置いていかれた感。
トリニティ実験と原爆投下の成功に大喜びする人々をみて、悔しくて悲しくてはっきり嫌
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

面白かったけどかなり消耗もした。
少しずつ見えてくる事実(かもわからないが)に、夫の死が自殺かサンドラによる殺人か、観ているこちら側の気持ちも揺れる。真相はわからず、ある部分ではイメージでしかないこと
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

これぞ映画体験!
PART1を復習して勢力関係、未知の言葉や文化は準備万端で臨んだけど、前作はほんと「始まったばかり」だった。新たなキャラクターの登場やスケールアップした場面は前作を、想像を軽く超えて
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

2に向けての復習。
シャラメの件で後ろ向きな気持ちになっていたけど、まだ始まったばかりのこの先が観たいし、何よりスクリーンで観たい!の気持ちが大きくなって2を観に出かけた。

ニモーナ(2023年製作の映画)

4.0

「ぶち上げ〜!」って訳がいい!キュートでパワフルに動いていくニモーナは見てて本当に楽しかった。
伝統やよいとされている考えは果たして正しいのか、差別構造がどうやって生まれるのか。社会問題を織り込んでエ
>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

3.5

飛行機墜落シーンからもう恐ろしすぎる。映画館にいたらその生々しさに気を失っていたかもしれないと思うほど、極限の状態を突きつけられる。これが実話とは……。
生還したことの喜びだけでは済まない生存者の思い
>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.5

ブラッドリー・クーパーってこんな顔だったっけ?と驚いたのだけど特殊メイクだったのね。バーンスタインの音楽家としての生涯というよりは、彼の妻フェリシアを主軸とした話だった。エンドクレジットの最初にキャリ>>続きを読む

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.5

お互いに噛み合わないままの母と息子、実は似たもの同士のふたり。最後にふっと目線の高さが合う瞬間が心地よく感じられた。

ほかげ(2023年製作の映画)

4.0

上映後、塚本晋也監督の舞台挨拶付きで鑑賞。戦争が終わっても終わらない暴力の連鎖や生涯消えることのない心の傷をうまないために戦争を始めてはならないという、監督の言葉が胸をつく。
少年役、塚尾桜雅くんの眼
>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

ままならない日常とラジオから繰り返し流れるウクライナ侵攻のニュースに現実に引き戻されて暗い気持ちにもなるけれど、シンプルながら味わい深く愛おしいお話で大好き。
ウインクと犬がとてもチャーミング!

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

鑑賞後に「お互い様」という言葉が浮かんだ。特別見返りを求めるでもなく、この言葉が内包する優しさの形を表したお話でとても温かな気持ちに。
誰かの痛みや苦しみが完全にはわからなくても、思いやることはできる
>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

リバイバル上映で鑑賞。
ウィーンの街を歩きながらのシーンほとんどを占める詩的で知的で、たわいなくても2人には意味のある会話は、どれも書き留めておきたいほど素敵だった。好きなシーンは色々あるけど、電話ご
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

私の身体は誰のものでもなく私のことは私が決めるのだと、自分を獲得してみせるベラの成長が誇らしくて眩しい。突飛な設定で始まる物語にこんな気持ちにさせられるとは思わなかった。衣装、美術、音楽にずっと心を奪>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.5

ああ、良すぎた……。

大人の存在は自己形成に影響があって、特に幼少期においてとてつもなく大きなもの。
最も身近な大人のひとりである父親にコットは「役立たず」とも言われ、十分な愛情を受けられずに過ごし
>>続きを読む

アシスタント(2019年製作の映画)

4.0

夜明け前に出社して夜中まで、あらゆる雑用や面倒ごとを引き受ける新人アシスタント。映画業界からイメージする華々しさとは真逆の無機質な空間でハラスメントが横行する職場。余計な説明がなくても彼女の置かれた立>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.5

どのキャラクターも想像以上に原作を飛び出してきたようでしっくりきた。特にノーマークだった二階堂!
公開前から言われていた衣装や時折仰々しい音楽が気になってしまったけど、これは邦画大作を見慣れてない個人
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

「愛は与えるものらしい」
聡実くんの愛が、愛が……涙
原作読み返しててもこんなに「紅」の作品だとは思わなかった。映画オリジナル設定と台詞が違和感なく原作の世界観を深めていて、とても楽しかったしまさか
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

役所広司は一人の人間が「そこにいる」感じがした。すばらしい。
平山の慎ましくも豊かな生活はこうあれたらという理想的なもの。そうせざるを得ない境遇なのではなく、実はしっかりと後ろ盾がある環境の中であえて
>>続きを読む

もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

3.5

近未来のSF設定だけど、本質は現代でも横たわっている個人の尊厳の話だった。
映画としての面白みはそれほど……で、シアーシャ ・ローナンとポール・メスカルだから最後までもったかな。
ヘンが口角上げようと
>>続きを読む

人生は、美しい(2022年製作の映画)

3.5

余命宣告された妻に対する夫の態度が酷いのが気になっていたけど、実は…と真相が明かされる後半は韓ドラ仕様。「その時」はいつやってくるかわからない。思いは伝えられる時に言葉にしないといけない。
自分の命が
>>続きを読む

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.5

2024年の映画館初め、楽しい映画でよかった!ダンスシーンやドイツ語のアレなど、笑えるシーン多数。難しいことを考えないでみられる気楽さはありつつも、「統一とは」に続く台詞にはしんみりさせられた。

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

アンドロイドやクローンが普及した未来。ヤンは幸せの感覚がわからないといったけれど、ある時間を記憶しておきたいと思うほど大切なことがそれだと、本能的には(本能などないのだろうけど…)わかっていたんだろう>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.0

2024年映画1本目。観るタイミングを完全に間違った気がする……。
あり得ないでしょ、で済ませられないリアリティさが怖い。ラストは「これ、あなたの姿ですよ」と言われてる感じがした。

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.5

余命わずかなシングルファーザーが4歳の息子のために新たな家族を探す。過剰な演出は一切ないにもかかわらず、息子の幸せな未来を願う父の大きな愛情に終始涙が止まらなかった。
反抗する様子さえも愛おしく感じる
>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

4.0

居心地の悪さでは2023年に観た映画ナンバーワンかも。会話と見えている人物の表情で何があったかがわかっていくのだけど、途中でほつれたわけじゃなくて多分はじめからほつれた状態だったのが、2人とも向き合わ>>続きを読む

青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

3.0

何者かになりたくてもなれなくて、燻っていたものがあるきっかけで変わっていく。好きなテーマだし、演奏シーンのエモーショナルな演出は好きな感じ。
北欧、暮らしの道具店は時々利用する好きなECサイトだけど、
>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.5

ナポレオンと聞いてイメージする「カリスマ性ある英雄」感は薄かった。妻の浮気を知って敵前逃亡、即帰国しておきながら、「私がそんなことするように見えるか」と虚勢を張ってみたり。妻への執着然り人間味あふれる>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.0

他人を完全に理解するなんて不可能なことだけど、わかりたいと寄り添う人がいてくれたらそれは尊くて大切にしたいし、その人たちなりの生き方があっていいんだよな。生き方の正しさなんて、誰にもジャッジできない。>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

愛憎まみれる大真面目な戦国時代コント、結構楽しく観た。加瀬亮の狂気的な超イキリ織田信長は強烈だった。ぶっ飛んでたけど、彼の最期に純愛をみてちょっと同情しちゃった。現代風刺ともとれるラストの切れ味は好み>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

なんとなく避けてきた山崎貴監督作、お金を払って観るのは初めてかも。私はゴジラフリークではないけど、序盤からゴジラ大暴れなのは怖いながらワクワクしたし、ゴジラのテーマが流れると「よっ、待ってました!」と>>続きを読む

クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

2.5

うーん……いつ面白くなるのかな?と思っている間に終わってしまった。坂元裕二節の台詞もあったけど、話の展開の薄っぺらさが何よりも勝ってしまった感じ。軽やかなラブコメと事件の食い合わせは全然ダメでした、私>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

4.0

楽しかった〜!チームアップってだけでワクワクが止まらない。カマラの天真爛漫さとティーンらしいいい意味での遠慮のなさがスパイスになってた。大変な局面でも深刻になりすぎない軽やかさがよい。複雑さも上映時間>>続きを読む

北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

3.5

原作の雰囲気そのまま、ほわっとしたあたたかさのある作画の中で客のリクエストに応えるべく秋乃さんが奔走する動きが楽しくて、アニメーションになって嬉しい作品だった。
マンモスのウーリーさん、声のお芝居がと
>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

5.0

たまたま予告で上映があると知り、その時点でとてつもなく惹きつけられたので観てきた。
はー、このすばらしさをどう表したらいいか。虞美人である蝶衣は、レスリー・チャン自身と重なって見えた。レスリーの全てに
>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

さすがに体感5秒とはいかなかったけど、206分の長尺でもダレることなく見入った。そこまで派手さはないんだけど、これが「映画のうまさ」なんだろうな。
薄っぺらくて情けない人間を演じるディカプリオ、抜群に
>>続きを読む