CookieMonsterさんの映画レビュー・感想・評価

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ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)

3.4

BTTF+スクリーム(というより最終絶叫計画?)みたいなホラーコメディミステリー
B級映画として素晴らしい出来なので、映画好きはいろんな楽しみ方ができるし、展開も定番ながら楽しい
こういうミステリーあ
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イタリアのシェフ(2017年製作の映画)

3.2

かつてNYで活躍するも家族の事情で帰郷した一流シェフの喪失と回復

親友を亡くす喪失の最中でも割とすぐに恋愛ができるし、ご飯の美味しさを見出すこともできるイタリア人の悲しみ方のスタンスの違いみたいなも
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サリー・ポッターのパーティー(2017年製作の映画)

3.7

大臣就任祝いの日に集まった7人
それぞれの秘密が晒され、暴発する

表題のThe partyは、就任祝いのパーティーであり、政治的な意味での政党であり、それぞれの罪に加担する人々を示してもいる
白黒映
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

まず最初に絶望がある

自身が書いた小説は一向に認められず、教職を追われ、帰った故郷では母は認知症になり、唯一心を通わせられる関係のような姉を亡くす
少しの軽やかさとユーモアをもって描かれる導入は絶望
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マダムと泥棒(1955年製作の映画)

3.8

イングランドらしいブラックコメディ
一々画角が綺麗だし、怪しげなサー・アレック、英国らしい悪気はないけど煩わしい隣人、間抜けな怪力男などのキャラも立っている
人殺しを直接的に描かず、列車に乗って皆が旅
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パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

3.0

調香師と運転手
最初折り合いの悪かった立場の違う2人がそれぞれの問題を抱えながら、やがて補完し合う関係になっていく
テンプレの、毒にも薬にもならない物語

これがあまり好きになれないのは、
調香師が運
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デリシュ!(2021年製作の映画)

3.5

フランス革命直前、レストラン誕生秘話を模したフィクション
主人公のモデルはルイ14世に仕えたこともあるフランソワ・ヴァテールらしいが、時代性も役割も異なるように思えるし、舞台となるレストランの始まりも
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.8

出産を間近に控えた身重の妻を持つ男と根無草のような男が連れ立ち、1泊2日で山間の温泉に向かう

2人の男は対照的な生き方をしている
そして家族を持とうとするものは身軽になろうとこの旅行を引き受け、
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カレとカノジョの確率/一目で恋に落ちる確率(2023年製作の映画)

3.5

アメリカ人と英国人の恋愛もの
数字の使い方が上手
ロムコム好きにはたまらない佳作

ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

3.6

その計画は最初から破綻している
考えたつもりの計画には無数の綻びに溢れていて、それに気づきながらもどこかで大丈夫だと無根拠に信じる彼らには想像力とリアリティの手触りが欠如している

命を身籠る鹿を事も
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.5

女性が製作した、女性の為の、女性が格好良く映るアクション映画
設定は様々な映画からの借り物に思えながら、画は小気味良く進む

こういう作品では必ず助けてくれる男性役がいるものだけど、それもなく、徹頭徹
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

リュミエール兄弟のシネマトグラフを想起させるように、一隻の船が左から右へ横切っていく
2体の白骨体から、物語はアメリカ開拓の時代に遡っていく
物資は貧困で、人々は道なき道をいき、夜は暗い
ただ希望だけ
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ロンドンゾンビ紀行(2012年製作の映画)

3.5

イーストロンドンを舞台にコックニーたちがゾンビを相手に生き残りをかけて戦う社会派コメディゾンビ映画

再開発で立ち退きを迫られた老人ホームに収容される行き場のない老人たちと、それを救うために銀行強盗を
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BECKY ベッキー(2020年製作の映画)

3.1

女の子が父親を殺した脱走犯4人を相手に大立ち回りする
少女が男たちを相手に殺戮を繰り広げる作品はハンナとか他にもあるけど、何らかのスキルを身につけるバックグラウンドがあるけれど、この作品はどちらという
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遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.8

ノーベル賞作家、ルイジ・ピランデッロの遺灰を巡る物語

ファシズム政権下の都合で意志に反してローマに安置されたシチリア出身の作家の遺灰を、戦後改めて故郷に埋葬されるまでを描く
これは遺灰を巡る物語だが
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.6

アメリカで起こったテロ事件をトリガーに、前作で扱った麻薬カルテル、移民問題を絡めながら、ヘイトの環状的な構造を死と再生によって描く

登場人物は一部前作から引き継ぎながら、扱うテーマや表現はガラッと変
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.8

半地下に住む貧しい一家が金持ちに寄生していく物語

言わずと知れた英語圏外作品として初めて米アカデミー作品賞受賞した有名作
基本的にはシニカルなコメディでこのジャンルがアカデミーとったのアメリカンビュ
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

3.4

ドラッグ漬けの私立探偵が昔の恋人の依頼を受け、その恋人を探し続ける

ストーリーはあるようでなく、ドラッグ決めてる男の妄想のよう
ファーストカットからPTAのセンスが画面から炸裂していて楽しい

シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

3.3

ママ友になった女性がある日忽然と姿を消すことから始まるミステリー

小説が原作のようだけど、基本的な物語の体裁はゴーンガールに近しい印象
妻の失踪
疑われる人々
智略を巡らす狡猾な妻
後半に変貌する物
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.5

或る音楽コンクールとそれに参加したコンテスタント4人に焦点をあて、音楽に人生を捧げる孤独、葛藤、諦念、伴侶を探す道程を追う

恩田陸の同名小説の映画化
音楽を題材にしている作品の宿命として、読者の頭の
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X エックス(2022年製作の映画)

3.3

テキサスの片田舎で繰り広げられるタイ・ウェストのホラー

宗教的な穢れがテーマになっており、殺戮は一種原罪への罰として描かれつつ、性的興奮の代替としての殺人があり、ミア・ゴスのアザは穢れのマークとして
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.3

女子高生の殺し屋×ゆるふわ日常×アクション
みたいな漫画的要素がだるっとした邦画的空気の中にうまく溶け込んでいて、作品構成的に好き
アウトレージのオマージュとかも笑えた

日本のアクションは決して殺陣
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.6

来るもの、出ていくもの
隔てるもの、繋ぐもの
という対比があり
家族という正解のない問いがある
許しもせず許されもせずただ状況を受け入れざるを得ない
対称から外れた非対称性としてのバランス
ベルイマン
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ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

3.2

バート・レイノルズの人生に物語を重ね合わせた、古臭いロマンチシズムと男よがりの後悔に塗れた作品だけど、バートの顔だけで画がもってしまう不思議
冒頭とラストのアップだけでお金とれそう
こういう男の救済を
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悪人(2010年製作の映画)

3.2

音楽のせいで砂の器的な昭和っぽさが全編に溢れる
みんなが悪人にみえるなか、人を殺したという一点で主人公と登場人物たちは線引きされる
悪意に対する無自覚性
踏み越えようとして踏み越えるわけではなく、ふと
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.1

人物の立ち位置と乗り物との関係性がとても秀逸だったので自分の中で整理
冒頭、門脇麦はタクシーでホテルへ向かう
街は流れる風景に過ぎず、彼女の関心はそこに暮らす人々にない
結婚相手を探し合コンをするとき
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.2

あっという間の3時間
女のいない男たち、を原作としながら映画はチェーホフのエッセンスを多く取り入れた全く別作品の印象
示唆に優れるものの、描いた無機質さのわりにあまりにドラマ過多な印象もあり、何故濱口
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グッバイ・クルエル・ワールド(2022年製作の映画)

2.3

クルエルワールドは残酷と狂えるがかかってるのね
タランティーノオマージュにしてはポップさの欠片もないし、劇中音楽の割にリズム感もない
ドラマティックな画が撮りたいのはわかるけど、感情がノッてなくて演者
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ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

3.8

低く垂れ込めたヨークシャーの空
男と牧場と家族と
すべてが行き詰まっている閉塞感を助長するような美しさがよく似合う田園風景
大事なことは言葉では交わされず行動で示されるからこそセックスが重要になる
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ワインは期待と現実の味(2020年製作の映画)

3.4

よくある家族モノでありながらワインの熟成過程になぞらえ、それぞれの関係性や主人公のワインへの想いや動機が時間経過とともに熟していき、単純なサクセスストーリーに陥らないラストは途中の雑さを差っ引いてもア>>続きを読む

ブラッド・スローン(2016年製作の映画)

3.3

原題はshot caller
どっちのタイトルもイイけど、引き金を引いたのは誰か?ってことを考える意味では原題は深い
ひとつの過ちで泥沼に引き摺り込まれ、生きたい人生は目の前にあるのに遠い
家族が謎の
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.7

ど定番のストーリーながら、創作物に救われた経験がある人なら誰しもグッとくる作品すぎて正常な判断ができない
取り敢えず、製作陣がエヴァ好き過ぎるのと、吉岡里帆と作品中の声優のメタっぽい作り方とか、色んな
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

3.7

こんなにも視線の芸術を感じた作品は久しぶり
男と女の間で交わされる視線は勿論、密やかな愛と殺人、によって他者の視線が2人を囲む檻に変わっていく過程がサスペンスフルな音楽と相まって緊張感を増していく
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