CookieMonsterさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.7

ど定番のストーリーながら、創作物に救われた経験がある人なら誰しもグッとくる作品すぎて正常な判断ができない
取り敢えず、製作陣がエヴァ好き過ぎるのと、吉岡里帆と作品中の声優のメタっぽい作り方とか、色んな
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

3.7

こんなにも視線の芸術を感じた作品は久しぶり
男と女の間で交わされる視線は勿論、密やかな愛と殺人、によって他者の視線が2人を囲む檻に変わっていく過程がサスペンスフルな音楽と相まって緊張感を増していく
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.4

ミッドサマーと同じく罪をテーマにしたコメディだけど、もっと滑稽
ラストはハンバーガーみたいにチープだけど、その滑稽さすら狙い?
食べること=原罪、の図式をうまく用いていて、途中の自己批判の場面は文革を
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.7

現代の寓話的な語り口の中に、凡庸さと退屈さに生きる全ての人が身悶えするような、時間が経つにつれて身体に回る猛毒が仕込まれていて、長閑な風景と対照的な秘められた激しさ

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.9

精神病と人種
時代背景による自らを恥じた2人が必要とされるが故に繋がりあう
誰かに依存することと同様、求められることが世界の狂気から救ってくれる
映画館の闇は隠れ場所となりそこで2人は無名になって物語
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ハンナ・ギャズビーのナネット(2018年製作の映画)

4.3

スタンダップなのに一本の剥き出しの物語を見せつけられた気分
どこまでが用意した構成でアドリブなのかわからないけど、知性と感情の鬩ぎ合いが張り詰めた緊張を生み出し、緩和と思索に導く
笑いと怒りは人を結び
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.8

ジャック・タチへのオマージュも感じられる表現の数々
従来の作品群が結実したような絵画的構図、紙芝居的演出
雑誌のページのような物語進行
雑多なテーマのないまぜのようで人生の理不尽と不思議が描かれる
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かくも長き不在(1960年製作の映画)

3.4

記憶は自分を写す鏡
ということになるのかしら
過去ではなく記憶
過去がどうだったか?ではなく、
過去を自らがどう記憶しているか?
が自らの人間性や考え方を表象していて、それを覚えていないことはとても不
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

大資本が製作したノマドランドという矛盾を成立させたクロエ・ジャオとフランシス・マクドマンドは鮮烈
ザ・ライダーと同様、荒涼な大地が主題でもあり、そこで生きなければいけない人々がフランシスの顔に刻まれた
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フェイシズ(1968年製作の映画)

3.6

たぶんタランティーノ作品にある無駄話の源流はここにあるのではないかと思わせるほど中身のない表層的な会話で埋め尽くされ、それ故に不意に引き剥がされる登場人物たちの本当の顔が印象的に炙り出される
キューブ
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

4.0

密度の濃い画
時間と記憶がテーマとなり観客を夢へと誘う
果たせなかった後悔と気持ちの残骸
時間軸は自在に移り変わり、視点すら移り変わる
どこか人は関係性を繋ぐもの、運命を運ぶものという位置付けも感じさ
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.4

ラスト、打ち震えるほど凄まじかった
ヴィバルディが鳴り響く中観客ひとりひとりがマリアンヌ同様、エロイーズの横顔に念じ、叫んでしまう
丹念に描かれる視線の交錯
描くものと描かれるもの
自由とは?
表現と
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青いドレスの女(1995年製作の映画)

3.4

失業中の男が仕事欲しさに請け負った女探しをキッカケに市長選という大きな思惑に巻き込まれていくフィルムノワール

黒人差別が時代背景かと思ったら主要テーマ
黒人であることを理由に失業した男が差別が要因と
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.3

ジム・ジャームッシュのオフビートゾンビムービー

小さな町で突如として発生するゾンビ事件
地軸が歪んだという、よくわからない陰謀論のような理由が前提になって進む物語はQアノンを想起させるし、スティーブ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.3

昔運命的に好きあった男を忘れられずにいる女がまったく同じ顔の男に出会う

容姿が好きなのか、その人が好きなのか
過去に心を占めた相手が現れたとき、心はどう動くのか
自分を信じることができない相手と生き
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.0

東大を卒業したフリーターが女の子との偶然の出逢いから働くことになる銭湯では日夜人殺しが行われていて、好奇心からそれを知ってしまった主人公もその手伝いに巻き込まれていくサスペンスのようでいて、ブラックな>>続きを読む

トラベラー(1974年製作の映画)

3.5

サッカー好きの少年がテヘランまで試合を観に行く為に、どうにか必要なお金を工面して旅をする

アッバス・キアロスタミの初期作
学校では問題児の少年が、試合見たさに悪知恵を働かせ、親から金を盗んだり、自分
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アップグレード(2018年製作の映画)

3.4

仲睦まじい夫婦をある日襲った悲劇により妻を亡くし、四肢不随になった男の復讐劇を描く近未来SF

人智を超えた人工知能が存在する世界における人間や人工知能の在り方がサブテーマ

基本的なストーリーライン
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

3.9

ブルースの母と謳われた、マ・レイニーのスタジオ収録の1日を描いた戯曲の映画化

支配と従属がメインテーマになり、それは白人対黒人という単純な構図ではなく、黒人対黒人の中にある差別をも包含し、関係性の移
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