CookieMonsterさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ゾンビランド(2009年製作の映画)

3.8

ゾンビランドと化したアメリカで、内気な男とゾンビハンター、詐欺師姉妹が繰り広げるゾンビスプラッターコメディ

それぞれのキャラが立っていて、過去のゾンビ映画だけじゃなく、結構な映画愛に溢れていて好き
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

舞台監督の夫と女優の妻
離婚に至るプロセスの中でみせる2人の戸惑いと苛立ち

これは結婚についての“マリッジストーリー”ではなく、どちらかと言えば離婚成立までの過程を描く“ディボースストーリー”だ
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

3.8

保守派と改革派
カソリックを分断するふたつの大きな流れ
様々なスキャンダルから求心力を失いつつあった教会を背景として、ふたりのローマ教皇のそれぞれが信じる宗教の役割を巡る議論の果てに行き着く先を描く
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ルディ・レイ・ムーア(2019年製作の映画)

4.0

歌手でもコメディでも鳴かず飛ばずのルディがドールマイトという下品なキャラの確立によって人気を博し、更なる成功を目指して映画製作に挑む物語

ファンキーなモータウンサウンドにのせて紡がれる物語は軽快であ
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.1

行方不明になった少女を助けることを生業とした退役軍人が、ある少女を探す依頼を受けた彼の1日を描く

虐待を受けたキズは癒えない
幼い頃自分の父親が自らに振るったのと同じ金槌を手に、男は悪を罰する
それ
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

3.9

ベルリン壁建設直前の東ドイツ
第二次世界大戦の傷跡が生々しい社会主義国家の下で、進学クラスの子供たちが行った2分間の黙祷が自らの運命を狂わせていく

彼らは自分たちの黙祷がどういった結末をもたらすか、
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.7

1971年、ブエノスアイレス
善悪の概念が破綻した美しい少年の犯罪の記録

冒頭のダンスシーンからラストまで、主人公は踊るように走り、盗み、殺し、愛した
盗みの現場で、犯行を急ぐパートナーに“盗んでい
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.9

敏腕の女性ロビイストが不可能に近い銃規制法案可決に挑む物語

ある意味で言えば、アメリカが大好きなヒーローものだけれど、これはダークヒーローであり、女性が知性を武器に男性社会に挑戦するフェミニズムの物
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ハニーVS.ダーリン 2年目の駆け引き(2006年製作の映画)

2.7

アパートメントを共同購入するほど仲の良かったカップルが些細な喧嘩を機に別れるまでの過程を描く

他の人がレビューしている通り、性別で感想がかなり異なりそう
共働きの家庭における家事の分担に関して理解が
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.6

先住民居住地で起きる殺人事件
アメリカから孤立した土地で、事件を捜査することになる害獣駆除のハンター
分断されたアメリカの暗部と個人の闇に光を照射するミステリー

アメリカ先住民というマイノリティ問題
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モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

3.5

かつての五輪候補のスキーヤーが世界に類を見ない規模のポーカークラブ経営者になり、その栄枯盛衰の中で、自らの信条故の国家との戦いと揺らぎを描く、自伝の映画化

冒頭の五輪選考ゲームで生み出される疾走感を
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柔らかい肌(1963年製作の映画)

3.4

著名評論家が講演に向かうリスボンで同乗した若いキャビンアテンダントに惹かれた不倫の果て

男は性欲に支配される生き物で、女はただただ感情的な風見鶏
子供だけが純真な生き物として存在する世界観
登場人物
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

-

ジャンヌ・モローにジュリーとジムが恋に落ちる物語

寝ても覚めてもジャンヌ・モロー
女に支配される男と奔放な女
時代背景的には性別への蔑視の問題について意識的になってきた時期と符合しているのか、そのあ
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天使の涙(1995年製作の映画)

3.9

1995年、香港
ネオンが眩しい街で、殺し屋とそのパートナー、殺し屋に恋するファンキーな金髪の女、自分の爪痕を残そうともがく喋れない男と常に誰かに恋をしている女、5人を巡る物語

最初殺し屋とパートナ
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帰れない二人(2018年製作の映画)

3.6

女と男、2001年から2018年の記録

暴力によって成り上がった男が実は弱く、そんな男に依存するように愛した女は逞しい
バスに揺られる炭鉱の街の労働者の表情から始まるこの作品は、とてつもないスピード
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青い春(2001年製作の映画)

3.4

ある高校の不良グループ、卒業を間近に控えそれぞれの道が定まっていく
暴発寸前の感情を持て余し、学校という楽園に囚われている
いまにも弾けそうな空気感をミッシェルの音楽が加速させる
高校時代を象徴するよ
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家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。(2018年製作の映画)

2.8

バツイチ夫と専業主婦の夫婦の日常物語

ヤスケン見たさに鑑賞したけど、思い切り男性目線の作品で萎える
年下の専業主婦で日々ご飯を作って夫を待つ、ちょっと抜けてて、死んだフリをして夫を出迎えるユーモアを
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私の20世紀(1989年製作の映画)

3.6

エジソンがアメリカで電球を発明した1890年、ハンガリーのブダペストでは双子が生まれ、生き別れたふたりは見えない糸で繋がりながらまったく別の人生を生きる

最初のパレードのシーンから兎に角映像が美しい
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.2

広大な屋敷に住う或る家族、三姉妹と1人の女中
次女の闘病と死を通し、家族の在り方、愛と無関心について描く

物語は霧が覆う、早朝の広大な庭の静謐
それは一時的だとしても家族の幸せが展開された場所であり
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.3

何も望まないラザロが繋がりを希求する物語
無償の愛と搾取のシステムを巡り幸福とは何かを考えさせられる

小作人制度が終焉した時代のイタリアの地で、村人たちを支配する公爵家と、その村人たちに利用されるラ
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運び屋(2018年製作の映画)

3.5

仕事ばかりで家族に見捨てられた老齢の園芸家が借金苦もあり麻薬の運び屋を始める物語

イーストウッドお得意の、男らしさを是とするアメリカ保守派の男性像でありながら、近年の頑迷さは取り除かれ、そこにユーモ
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦後のポーランド、民主主義と共産主義の間で未だ続く冷戦の中で揺れる男女の揺らぎと音楽の物語

ふたつの心、よっつの瞳
歌が象徴する様に、2人は愛し合い離れられないのに離れてしまう
それは決
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ロックンローラ(2008年製作の映画)

3.3

ロンドンを舞台にした、金と絵、権力を巡る犯罪者たちの群像劇
ガイ・リッチーのオハコ展開だけど、ロックストックの劣化版

役者陣はとてつもなく豪華
マーク・ストロングはいいし、トム・ウィルキンソンはなに
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.1

いじめられっ子のオスカーとエリの関係性の変遷を、好意と血、暴力と従属などを使って描く

原題の直訳は、
『正しいものを招き入れよ』
“正しいもの”の定義は難しいが、エリはオスカーにとって正しい存在か?
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夏の遊び(1951年製作の映画)

3.8

スターとなったバレリーナが開演前日にかつての恋人の日記が届いたことで過去を回顧する1日を描くベルイマンの初期作

青春時代の奔放さや瑞々しさが夏の眩しさと共に描かれている
男女における老いの差異や仕事
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フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

4.0

小さな村の人々の春夏秋冬
綿毛が吹いて春が始まり、綿毛が吹いて冬が終わる
その間に人生は廻り、そこら中で愛が溢れる
それはごはんであり、歌であり、喧嘩であり、祭りだ
人と人が交わるとき、そこに何らかの
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横道世之介(2013年製作の映画)

3.9

ある1人の、少し変わり者で単純な、まっすぐで優しい、平凡な男の子は、誰かの記憶に残り続けるという現代の寓話

人生とは当たり前のドラマで、劇的なことをしなくても誰かに影響を与えられるのだという救済に満
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.7

米ソが組んでナチの野望を打ち倒そうとするガイ・リッチーのスタイリッシュなスパイ映画

久しぶりに観るいいレベルのガイ・リッチー
私達世代はスタイリッシュといえばガイ・リッチーだったけど、戻ってきた感あ
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8 1/2(1963年製作の映画)

-

次作の構想がまとまらない映画監督が様々な人々から重圧をかけらる中で、夢と現実を行き来しながら、行き詰まり、墜落していく様が詩的な映像で綴られている

以下、雑感

基本的にストーリーラインは
①冒頭に
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あるふたりの情事、28の部屋(2012年製作の映画)

3.0

ホテルで出逢った、名前のない男女が、ホテルの中で情事を重ね、その出口を探す物語

ふたりの男女はずっと無名で、28室のホテルで過ごした時間を描くというコンセプトは好き

IとYOU、himとher
a
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ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ(2015年製作の映画)

3.3

ヘミングウェイやフィッツジェラルドの編集者だったマックスが、トマス・ウルフの才能を見出し、共同作業をしていく中で育まれた関係性を描く

あらゆる関係性は依存的であり、ふたりの関係性も仕事ではありながら
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.1

20世紀は女性の生き方が加速度的に変わった、ターニングポイントとなった世紀だ。
家庭に閉じ込められ、家という社会的な役割を負わされていた彼女たちは、ひとつずつその権利を拡大させていった。
彼女たちは、
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.2


カメラは廻る。
まるで地球の外側を廻る月のように。
私たちは誰も地球の中心にいて、気づかぬ間に月光はその人生を照らしている。

ムーンライトはマイノリティの映画だ。
語りかける口調はとても個人的だ。
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

4.2

Coldplayのyellowで始まるこの作品は少年が大人に移り変わる時間を時代と共に描く2000年代の記録

ひとりの男の子に起こる、両親の離婚や引っ越し、初恋、ハイキングなどを、まるで夏休みにつけ
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.9

ジョーカーがジョーカーになるまで、を描くDCの名を借りた社会派作品

ジョーカーもゴッサムも出てくるけれど、その設定はDCの世界観を描く為のものではなく、社会との隔絶や弱者の孤絶を描く為のツールとして
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

3.7

名声欲と自己承認欲を持ったコメディアンが自分が尊敬するコメディアンを利用して一夜の夢を成し遂げようとする

妄執的な物語としては、タクシードライバーのB-SIDE
狂気の発現は様々な形をしていて、本作
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