coroさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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君が君で君だ(2018年製作の映画)

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"アイスと雨音"の時と同じように感じた冒頭の違和感。それがエンディング近くまで続く異色のラブストーリー。
守るためだけに作られた国(根城)も、ある出来事をきっかけに見守るだけじゃ足りなくなってくる。ず
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優しさ(2014年製作の映画)

4.0

心が痛い。続けて2度見てまた心が折れた。
葉も落ちて姿が露わになった冬の木々が、物悲しそうに回転している。いずれ天地が逆転し、あるべき姿に戻ったとき、平穏な日常が一瞬で破壊されてしまったことを知る。
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マキシプレイス(2014年製作の映画)

2.5

壁に設置されているマシンにお金を投入すると、壁が動いて隣人の部屋からスペースを奪えるという奇想天外な物語。

終始波長は合わず仕舞い。

アフガニスタンからきた少女(2012年製作の映画)

3.5

出稼ぎのためスイスの難民収容所で暮らすアフガニスタンから来た少女。故郷に残る父が病に倒れたことを知り、お金を送金するため、初めて街へと繰り出す。そこで偶然出会った少女との交流を描いた心温まる作品。>>続きを読む

メトロ42(2012年製作の映画)

2.9

モスクワ川の川底が(地質学的な説明など一切なく)崩落。大量の水が地下鉄に押し寄せてくる。脱線するメトロ。宙を舞う人々。生存者たちは力を合わせて(ポセイドンアドベンチャーにオマージュを捧げているかのよう>>続きを読む

海底47m(2017年製作の映画)

3.1

シャークケージの中から海中の風景を楽しむ姉妹。突如ワイヤーが切れ、海底まで落下してしまう。そこは無線も届かない漆黒の闇。

妹の甘いキャンディヴォイスが闇を漂い、それにつられて厄災が次々と降りかかっ
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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.9

女性画家モード・ルイスと彼女の妖精と彼女の夫の半生をリアルに綴った物語。

フェリーニの道のようなオープニング。窮屈で息が詰まるような現実が彼女の魔法にかかって、どんどんお伽話のような世界へと変わって
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あるふたりの情事、28の部屋(2012年製作の映画)

3.2

出張先のホテルのレストラン。視線と笑みが重なり合って、そのまま情事に落ちる。それぞれに愛する人がいて、2度と会わないつもりのはずが、出張の度に逢瀬を重ね、重ねる度に心を通わせていく。

不倫を肯定した
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カーテンの向こうに(2014年製作の映画)

3.3

うっすらと微睡むように揺れる北欧色のカーテン。イジメっ子も、イジメられっ子も、眼鏡の先生も、小春日和に包まれて…

華麗なる晩餐(2008年製作の映画)

3.6

次々とテーブルに運ばれてくる豪華絢爛な料理。それを貪るように食べる紳士淑女たち。次第に料理は生き物たち本来の姿に近づいてくる。もちろん五臓六腑は切り離されて… というシュールな展開が可笑しい黒い風刺劇>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

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直情的で本能の赴くままに行動するブリー・ラーソンも魅力的だけれど、若き日のフューリーを演じるサミュエル・L・ジャクソンが誰よりもキュートで魅力的(両目健在!)。猫のグースにかまって欲しくて、赤ちゃん言>>続きを読む

少女邂逅(2017年製作の映画)

3.9

目を覆ってしまいたくなるほどの無慈悲が透き通った景色を覆う。少女にとって唯一心の支えだった蚕(つむぎ)さえ、もっと広い世界で苦しめばいいという言葉だけを残して消え去ってしまう。少女の名はミユリ。イジメ>>続きを読む

At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)

3.7

ある屋敷でのパーティの夜。帰りそびれた人たちがテラスで過ごすシュールなひととき。舞台劇をそのまま撮影して映画にしたような作品。序盤は、嫉妬にかられた専務夫人の傍若無人な胸を半分拒絶しながら見ていた。そ>>続きを読む

ダークスカイズ(2013年製作の映画)

3.3

郊外の静かな住宅街に暮らす一家。家族の周りで不可解な現象が次々と起こりだす。その原因解明にと、また、パラノーマル・アクティビティのスタッフが家中に監視カメラを設置する。






少しだけネタバレ
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ブルー・マインド(2017年製作の映画)

3.4

移ろいゆく季節のように、少しづつ変化していく思春期の心と身体。そんな普遍的な成長とは異なるものが同時に目覚め、覚醒していくまでを並行描写しながら物語は進められていく。それに加えて(私の思う思春期像とは>>続きを読む

乙女たちの秘めごと(2017年製作の映画)

3.3

1850年代、ナポレオン政権下のフランス。ある理由から女性だけになってしまった山間の村。農作業に明け暮れる日々が続く中、乙女たちは村の未来のためにある秘密の約束を交わしていた。そんなある日、村にひとり>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

天才ピアニストながら孤独で、何処にも居場所を持たないドクターシャーリー。彼がコンサートツアーの運転手兼ボディガードとして雇ったのは、ガサツなイタリア系アメリカ人のトニー。彼らの向かう先は黒人差別が根強>>続きを読む

女教師 シークレット・レッスン(2016年製作の映画)

2.5

美しき男子生徒と女教師の禁断の情事。それは、新たな悲劇の始まりだった。
この浅はかなキャッチコピーに、商業主義的な負の部分が見え隠れするサブタイトル(シークレット・レッスン)。それでもつい手にしてしま
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

-

原作既読

この景色を忘れないでと祈っているようなオープニングの俯瞰ショットが印象的。
幼少時にインドで迷子になり、養子としてオーストラリアで育った青年が、微かな記憶とGoogle Earthを頼り
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セルフィー・フロム・ヘル (2018年製作の映画)

2.6

従姉妹のハンナを訪ねてアメリカへとやってきたジュリア。久し振りの再会だというのに、どこか不自然で何かに怯えている様子のジュリア。部屋に入ると、彼女は怯えながらシャッターを切る。しかも不自然な自撮りを繰>>続きを読む

野獣(2018年製作の映画)

4.0

山間の長閑な風景。鉄道の廃線跡を戯れながら歩くふたりの少年。死を具現化したような狐との出会い。
空がそのまま降り注いで白にも青にも灰色にも輝く美しい泥濘みに、怯えながらゆっくりと堕ちていく。
まるで、
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青い犬(2018年製作の映画)

3.7

心を患い部屋に閉じこもりっきりの父を心配する息子。街で偶然見かけた女性の纏った青に惹かれ、すがるように彼女のうしろをついて行く。この一連のシークエンスから彼もまた病んでいることを知る。
やがて彼女の名
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哀しみのベラドンナ(1973年製作の映画)

3.8

中世のフランス。魔女狩りをモチーフとして、史実に虚構を織り交ぜながら描かれたアダルトアニメ。60年代のジャック・ドゥミの恋人たちをトリッキーな技法で弄び、神と悪魔の手(魔羅)で転がす淫靡で残酷な恋物語>>続きを読む

エンドレス 繰り返される悪夢(2017年製作の映画)

3.3

原題のハル(A Day)と主人公の娘ハル。

目覚める度に繰り返される悪夢のような1日。時間に抗い最愛の家族を事故から救おうとする男の姿を描いたタイムスリープもの。

因果律に矛盾をきたすことのないシ
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アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)

3.2

16歳­のトランスジェンダー、レイと、彼(彼女)を見守る個性豊かな母と祖母。

女の子として生まれたけれど心は男の子というレイを、エル・ファニングがまるで若き日のレオナルド・ディカプリオが憑依したかの
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風に濡れた女(2016年製作の映画)

3.5

辺鄙な山小屋で独り暮らす男。彼が海辺でくつろいでいるところへ、突然若い女性が自転車に乗ったまま海へ突っ込んでくる。そんな印象的な出会いから物語は始まる。
誘惑するように濡れた肢体を曝け出し、犬のように
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一人の男、私の息子(2017年製作の映画)

3.7

通り過ぎて来た方を眺めてみると、悲しい出来事ことで一杯。そんな家族にとっての久し振りの再会までを、優しい優しい目をしたカメラが付き添うようにあとをついていく。

守ってあげたくなるほど不器用なお父さん
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コレクション(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ナチス専属の、人の心を持たない美術商。と匂わせる描き方が秀逸。
そうだと分かっていながら優しい嘘が触れ合う瞬間は、その優しさに共鳴して心が震える。


やさしい嘘、秘密と嘘、優しい嘘と贈りもの、色とり
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あいつの声(2007年製作の映画)

3.0

韓国3大未解決事件のひとつ。

犯人と両親とが80回以上にも渡って交わした電話(盗聴)や手書きの脅迫状といった数々の証拠を手にしながら未解決に終わった事件。
解決しないと分かっていながら見続けるのは辛
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.7

北イタリアの避暑地で家族と夏を過ごす17歳のエリオ(ティモシー☆シャラメ!)と、アメリカから研究生としてやって来た24歳のオリヴァー。
初夏の日差しを浴びながら優雅なひとときを共に過ごしていくうちに友
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ゴア・ゴア・ガールズ(1971年製作の映画)

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ハーシェル・ゴードン・ルイス
未見の2作品

喉元に浮かび上がる赤い三日月。再生不能な暗褐色の塊。タイトルはGore Gore Girls 。それでも飛散することのない慎ましやかな血糊。
B級特有のチ
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カラー・ミー・ブラッド・レッド(1965年製作の映画)

2.0

ハーシェル・ゴードン・ルイス
未見の2作品

血染めのキャンバスに魅せられ、動脈色の絵の具を求めて猟奇殺人を繰り返す画家。

美術批評家の咥えるエレガントフォルダーのように仰々しくてリアリティに欠ける
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.5

社会と隔離した森に住む、ちょっと変わった家族。自然と親密なルールや慣習に縛られない自由な生き方を見ていると(動物を殺めることは出来ないけれど)羨ましくなってしまう。
そんな家族が母(妻)の葬儀に参列す
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私たちの愛は誰にも負けない(2018年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

小さな雑踏の中から彼だけを見つめ、ゆっくりと近づいていく目線。もうそれだけで少女の想いが充分に伝わってくる。

遠い瞳をした少女の憂いを、輪郭が霞んでしまうほどの目映い光が、優しく包み込みこんでいくよ
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小さな手/リトル・ハンズ(2017年製作の映画)

3.7

触れてしまうと壊れてしまいそうな
大きな手と小さな手
複雑な心境を際立たせる喧騒と静寂の対比に、現実から目をそむけてしまいそう

少しばかり雑に思えてしまう編集も、子供の無垢さが打ち消してくれる
濃密
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ワイルド・ラブ(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

愛に溢れたふたり。知らず知らずの内に小さな命を奪ってしまう。そんなふたりを襲う悲劇をシニカルな笑いに変えて描いている。けれど、ビーバーのような小動物を人間に置き換えて見るとその笑いは消える。
空想世界
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