生永這人さんの映画レビュー・感想・評価

生永這人

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アンフレンデッド(2015年製作の映画)

3.8

Skypeでグループトークをしようとしたところ、デフォルトアイコンの知らないアカウントがグループ内に…
主人公女性のPC画面をひたすら見るタイプの新しいPOV。

プライベートをリークされたリベンジ物
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

-

N. W. レフン監督作品は『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』を観て、「ああ、最高」と思ったものでした。そして『ネオン・デーモン』も、わざわざその感じを求めて(他にも上映中の作品はたくさんあるでしょうに>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.0

広大な自然と、本来それと対照的な人工物とを、交叉させる撮影構成に、唸りました。

人工知能と、人類との衝突を描いた作品は数多ありますが、本作はとてもミニマルな世界観で、他のどの作品よりも、いっそうセン
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ヴィクトリア(2015年製作の映画)

4.1

『バードマン』のような緻密なタイミング構成が意味をなすような物語性はなく荒削りな印象が強く残りましたが、カット多様な作品では感じられない時間の重さがありました。
「ワンカット手法」の作品は一時POV×
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アレックス(2002年製作の映画)

5.0

「暴力描写を規制する無意味さ」を ここまで示唆できる作品を知らない。

キングスマン(2015年製作の映画)

2.8

命を落とした諜報機関「キングスマン」のメンバーの息子さんが、やはりスカウトされて父を越えていく...という王道ストーリー。

私はスパイ映画をあまり観ないため、シリアスでクールなイメージ、あるいはトン
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ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)

3.9

”約80分間のノーカット”は本当に素晴らしい。
POVはそもそも台詞が少なかったり、最近は、分割編集されていたりしますが、本作はその反対。
俳優陣の熱演が、架空世界を喰ってしまうくらいの効果を有し、フ
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ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

3.1

天才ハッカー集団CLAYがカリスマ的ハッカーMRXに認められるために大胆なハッキングを行う話。
何に対して騙されるのか、主人公か、ハッカー集団を追う警察か、それともカリスマ的ハッカーか。"大ドンデン返
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ドローン・オブ・ウォー(2014年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

Filmarks試写会にて。
ムカつく奥様キャラが登場する非常に「B級」なメロドラマ・実にチープなTHEアメリカ的雰囲気は、間違いなく本作品の「肝」です。
つまり、戦争映画に必ずある「俺にも家族いるか
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

3.9

シリーズ作品になると、もっともそれぞれに良さはあれど、たいていの場合、オリジナルが一番、などと過去に戻ってしまったり、どうしても比較してしまいがちです。
しかしながら、ミンション・インポッシブル シリ
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チャッピー(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ニール・ブロムカンプ監督にロボット対ニンゲンを描かせたら間違いない!
自己のルーツである南アフリカ共和国を舞台に「異文化」を主題とした作品を手がけてきた彼は、『第9地区』で鮮烈な大衆デビューを果たし、
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ドライヴ(2011年製作の映画)

4.3

シンメトリーな表現やスローモーション効果で浮かび上がる甘美さとか、神聖さとか、不変の決意とか。
王道を行くミニマルな「静」の世界のうちに、とてつもなく大きな「動」を見る、一種の体験と言いますか、心地よ
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SCUM/スカム(1979年製作の映画)

-

イギリス少年院での「抗争」を、収容者と教官ら大人の観点から描いた作品。もっとも、真偽は不明ですが。

冒頭、主人公カーリンが教官らの面前に立たされ、自分のナンバーと名前を唱えるシーンにおける張り手。「
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REC レック4 ワールドエンド(2014年製作の映画)

1.6

オリジナルでPOVの新機軸を示し、次作でFPSの要素と見事マッチさせ、震撼を超えてもはや感心させた傑作シリーズ。
「長回しを多用することによる緊迫感の増幅。緻密なタイミング設定。キャストの魅力、迫真の
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アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2(2013年製作の映画)

3.7

(叫び声だけの)B級さを感じさせないカメラワークとも相まって、 本作は「美女」・「ケダモノ」両者活気に満ち溢れており、まったく見ていて飽きませんでした。
しっかりとキャラが確立しており、特に女優さんの
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

(まず、良作でしたと断りを入れて)
「女の復讐」をミステリ・サスペンスらしからぬ大胆さを以て描き、また、フィンチャー監督らしい終始漂わす冷たい雰囲気(主演女優のロザムンド・パイクの演技にゾッとしてしま
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ディス/コネクト(2012年製作の映画)

3.7

SNSが当たり前になって久しい現代にとって、個人の情報は日々ネット海に蔓延っています。
もちろん、人と人とをつなぐ役目も担ってはいますが、そこに闇は潜むもの。本作は、事件となっている現代特有の現象に対
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息子のまなざし(2002年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

私的な解釈となりますが、題名『息子のまなざし』を表すのが、私たちと映画世界との接点である「カメラ視点」だったのではないでしょうか。
私たちは「息子のまなざし」を通して彼らを見ていたのです。

TOKYO TRIBE(2014年製作の映画)

2.3

最近、多色なジャンルに踏み込んでいく園監督。前作『地獄でなぜ悪い』で、謂わばスプラッター・コメディ枠で暴れ回り...ただ、コメディとは言っても、メッセージが込められており、監督の想いが詰まった秀作でし>>続きを読む

2つ目の窓(2014年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

[私には、制作側の意図が読めない。:「セックス」ということばのニュアンスについて]

河瀬監督の作品は今回が初めてで、さらに、前情報一切なしで視聴したから、真っ直ぐな感想を書けるだろうと思う。

円満
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オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「リセット」されたらループして同地点から再スタート。この「設定」は、実は私たちの日常にも似通ったものがあるのではないでしょうか。それは、「ルーチン」と表現している日々でのこと。たとえば仮に、本文を書い>>続きを読む

マーサ、あるいはマーシー・メイ(2011年製作の映画)

4.2

「カルト教団」から脱走したマーサは姉に救助されたが2年間「マーシー」で生きた記憶は、彼女に影を落としつづけていた。でも、ぜんぶが闇じゃなかった。「カルト教団」へ入るまでのあまりに自然なプロセスを描く問>>続きを読む

複製された男(2013年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「く・・・蜘蛛オチかーい!!!」(観客たちは逃げるように消えた)

瓜二つの自分とのエンカウンター。この手の映画に対する私たちの「期待」というのは、その存在原因あるいは理由にあると思います。予想できる
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21グラム(2003年製作の映画)

5.0

無関係だった男女三人がある事故を契機に交錯するサスペンス。時間軸をシャッフルさせた構成が賛否を分けた。その手法は、登場人物の惨憺たる心境を「追体験」する意義を与え緊迫感をフルに満たすと私は思うが。「命>>続きを読む

私の、息子(2013年製作の映画)

3.0

ありふれた人物設定。いい年してまだ反抗期な息子と、理想通りに形成されない息子への憤りを「愛」だのなんだの言って『私の、息子』なんだと「所有錯覚」に囚われる母親。
物語の三分の二は母親が必死で被害者側の
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ザ・イースト(2013年製作の映画)

4.2

しんしんと更ける夜のように、冷たい雪が点々と舞うように、全般におよんで急展開のない暗い展開ではあるものの、実に丁寧なつくりで、かつメッセージ性を最大限込めた作品。

環境問題をはじめ、大企業は社会的責
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渇き。(2013年製作の映画)

4.6

私は「長回し撮影」が大好きで、映画手法のうち常に特別視していたものでした。
しかし「ショット(カット)」がこれほどまでに多用された作品にぶつかって「ああ、ショットも映画手法だったのだ」と改めて感じたわ
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