生永這人さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

生永這人

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私の男(2013年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

数日経っていますが未だに鑑賞を後悔しています。「インセスト・タブー」は文字どおりの「タブー」でありながら何故「タブー」なのかに絶対な正解はなく、つまり客観的立場から事象を捉えることが非常に困難な「人間>>続きを読む

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

3.4

ありきたりな「ヴァンパイア恋愛モノ」に辟易している方へオススメ。血を求める本能から湧く猟奇的な描写や嫌らしさが無い。厭世観あふれる背景だけれども、なんだか「理想の世界」だなあと。ヴァンパイア夫婦の睦ま>>続きを読む

消えたシモン・ヴェルネール(2010年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

本作は『桐島...』や『明日、君がいない』『エレファント』等に使われている、斬新ではありますが、使いようによっては単なる各シーンとの接点に多少の面白みを感じるだけの凡作に終わってしまう可能性をも隠し持>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

チケット売り場で「始めがつまらない映画は最後までつまらないのよ、だから帰っちゃうわ」と得意げに語る人に、心のなかで「いやいや、そんなことない作品だってありますよ、おすすめ致しましょうか」なんて偉そうな>>続きを読む

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

5.0

【主人公の職業:人生そのもの】

オスカーは、ときに殺人依頼まで受ける何でも屋。日ごとに異なる帰宅先、幾通りの父親としての姿。巨大なリムジンで移動するあいだ特殊メイクをしてクライアントの先々で一人何役
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スティーラーズ(2013年製作の映画)

4.6

面白いかどうかなんて所詮は主観で、スコアだって然り。少なくとも自分にとっては大当りで、後半笑いが止まりませんでした。

原題は"PAWN SHOP CHRONICLES"つまり質屋を中心に廻る複数パー
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塀の中のジュリアス・シーザー(2012年製作の映画)

-

これはもう「番狂わせ」【予告編は鑑賞後に】「2012年度 金熊賞」受賞作品というだけで、DVDを手に取る十分な動機です。

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

-

"愛は「性」の垣根を超えるー"
LGBTの象徴、虹色の旗が出てきましたから、やはり「同性愛」を主題とした作品なんだろうと一見思うわけですが、事実、「衝撃の愛の7分間」を除けてしまえば、上等な恋愛物だっ
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フルートベール駅で(2013年製作の映画)

3.7

実話を基にした作品は、どうしても特別視してしまう、そんな傾向を誰しも無意識に持ち得ると思います。戦争であったり、有名事件であったり、映画化するにあたっての恰好な題材は、私たちに如何様な意味を抱かせるの>>続きを読む

箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

3.1

「韓国ホラー」では有名どころでしたので(漸く)鑑賞したところ、実にアーティスティックな作品で感銘を受けました。背景・衣装・カメラ構成、美しい。

たしかにホラー要素はありますが、飽くまでも心理的描写と
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生きてるものはいないのか(2011年製作の映画)

3.2

人が次々死んでゆく、その理由は不明。そんなシチュエーションに『ハプニング』という映画作品がありました。

比べて、不安感を煽るものではなく「みんな死んでしまえ」との「誰かの願い」が叶った、ハッピーエン
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人狼ゲーム(2013年製作の映画)

4.0

多数決という「多数決主義」正当化プロセスには純粋さが欠けており、「偏見とか嫌悪感とか嫉妬とか恨みとか自己顕示欲とか」正義感とか、そのような人間元来の性質が少なからず作用しています良くも悪くも。

さて
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Miss ZOMBIE(2013年製作の映画)

3.1

主演の小松彩夏はグラビアアイドルとしても名を馳せていますが、本作は最近流行りのアイドル×ホラーではありません。アイドルと女優間の線引きなどもう古い、そう思わせる可能性に富んだドラマ作品です。

もっと
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トランス(2013年製作の映画)

4.3

一回目劇場での鑑賞時には、自分がトランス(催眠状態)に陥ってしまい、映画という総合芸術の観点からすれば、少なくとも★★★★以上の秀作であるとの感覚でしか、表現ができませんでした。
映像。音楽。テンポ。
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バイロケーション(2013年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

本作は、ジャンルこそ「ホラー」に分類されていますが、その正体は「解離性障害」についての「健常者」による無理解を問題として提起しているものと私は解します。
というのも、私は「解離性障害」当事者であり、同
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スノーピアサー(2013年製作の映画)

1.5

経済格差社会を極寒のなか走る機関車の各車両を単位に表した、ヨコ型の革命劇。
ポン・ジュノ監督はもう明らかにアメリカ的な受けを狙い、いかにもB級ハリウッド作品らしさを醸し出しています。が、実際は狙い過ぎ
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エビデンス-全滅-(2013年製作の映画)

2.8

POV形式の作品としては少し異質。イーサン・ホーク主演『フッテージ』が好みの方にはお勧めできます。彼が扮する主人公と一緒に怖い映像を見ている臨場感と安心感。

本作は、きっちり観る必要こそなく、しかし
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.7

「貯金ゼロから年収49億円 ヤバすぎる(実存:ジョーダン・ベルフォートの)人生へようこそ。」ということで、「たったの179分間」、彼の人生を追体験できる...わけがない。

金持ち自慢から始まり、金持
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

3.1

端的に表せば、二次元愛のお話。

「二次元女性は裏切らない」

これを念頭に、少しずつ、二次元女性へ感情を含ませてゆく。ドールで言うところの着せ替えのような儀式と同等である。いつしか自分に見合った女性
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アイ・アム・レジェンド(2007年製作の映画)

4.1

まず、「ウイルス感染により、彼は、地球最後の男となった」という情報のみで、既に鑑賞者はある一方的価値観を潜在的に偶成させ、更にタイトルと相成って、我々の視点というものはウィル・スミス扮するネビル博士の>>続きを読む

愛、アムール(2012年製作の映画)

-

本作は飽くまでも「二人だけの愛」について語られた、排他的性質を帯びるものであり、「残酷」・「衝撃的」・「気重」「だけどハッピーエンド」・「絶美」等の語句を容易く使うべき対象ではない。

ワールド・コード 陰謀の支配者たち(2012年製作の映画)

3.6

POV形式における恐怖の対象は、いよいよ「オカルト」では済まなくなりました。
同系統『ラスト・エクソシズム』が、宗教色交え、人間に対する恐怖心を煽り、「体験型お化け屋敷」と評されたPOV形式に一潮流を
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エビデンス -第6地区-(2011年製作の映画)

3.5

パニック系のPOV形式作品はこれまで数多く撮られてきました。
よく挙がる『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』等が、その後の映画ファンにとって新ジャンルの可能性を提示し、次いで『クローバーフィールド』は、
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

公開初日以来、特異な感覚の正体について悩み続け、漸く本日その立脚点は「撮影技法への好奇」であると確信しました。

就中、秀でたストーリーでもない。ややもすれば、宇宙あるいはステーションからの中継で見た
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V/H/S シンドローム(2013年製作の映画)

2.8

良いものが集まれば更に良いものに仕上がる、相乗効果を信じたいところですが、残念ながら、必ず「飽和状態」に達するのが人間の悲しい「性」。

アニメオムニバス『SHORT PEACE』の鑑賞時と同じで、映
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ペインレス(2012年製作の映画)

3.9

スペイン映画は質が高い。

「痛みを感じない子ども」から当然連想される「実験・研究・実用化」のフローですが、これを表面的ではなく、飽くまでも心理的描写を巧く織り交ぜて一つの「悲劇」を物語る。
この上等
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キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

実話ベースであるため、飽くまでも「事実」としか見ようがない作品の評価は殊に難しく、事件概要そのものに対して文句は言えません。

しかしながら、この『キャプテン・フィリップス』というタイトルについて、果
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トランス・ワールド(2011年製作の映画)

3.3

DVDスルーされた作品を「ジャケ借り」する、レンタルビデオ店での醍醐味でありましょう。

本作は、設定こそが命であり、その設定を広げ過ぎることもなく上手い具合に収束させています。

キーワードは「小屋
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ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

5.0

此の上無い映像美を纏われた「哲学(者)」は幸福と思います。

現時点では、「死後の世界においては、幾通りもの記憶の分岐点を辿って、全ての選択肢つまり人生を進むことができる。なぜなら、そのどれもが自分で
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悪の法則(2013年製作の映画)

-

分からない。掴み所がない。弱った。
[前編]でも見逃したのでしょうか。

鑑賞前に、是非とも公式サイトを参照ください。ただ、「あ、そういう関係で、こういうことだったのか」と閃いたとて、特に衝撃はなく、
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