POV形式の傑作。
長回しを多用することによる緊迫感の増幅。緻密なタイミング設定。キャストの魅力、迫真の演技。全て「本気」の、続編こそ不要な完成品です。
何が、数多くのPOV形式とは一線を画する要>>続きを読む
実に「クール」な作品!
配役が巧みですから、騙されないぞ、暴いてやるぞ、という方こそ「ミス・ディレクション」に陥るのではないでしょうか。そっちかよ、と苛つくほど。しかし思い返してみれば、の話であって、>>続きを読む
もはや人間の域を超えて存在する「セレブ」という大衆が作り出した概念体は、一度神々しく崇められ、「憧憬」つまり精神世界の幻となっていた筈ですが、その憧憬が、近未来では肥大化した「欲望」に依って、ついぞ資>>続きを読む
POV形式である本作は、間違いなく住み分けに成功した佳作。
超能力で「取り返しのつく」イタズラをしてみたり、ちょっと誰かを驚かせて人気者になってみたり、良くある話ですが、超能力を手にした高校生たちの>>続きを読む
コメディという枠組みでもって漸く正当化されるものの、それでも尚、「食み出て」しまっている作品。
下手に中途半端でキレイな笑を取られるよりも断然面白いです。ヤクザが映画を撮るという構想自体が大成功で「狂>>続きを読む
「なーにが凶悪じゃ。もっと残虐な描写なんぞー」という感想は御門違い。登場人物に一人でも満足に救われた者は居ない本作のストーリーこそが「凶悪」なのだから。
ピエール瀧演じる死刑囚須藤は「凶悪」の言うな>>続きを読む
例えば、未見の方にアンケートを採るとする。様々な邦画監督のワンシーンを約十秒に編集して、その中に本作を混ぜる。どれが岩井俊二監督でしょうか。
他の本監督作品を一度でも見た方は直ぐ選別できると安易に予想>>続きを読む
『第9地区』のニールブロムカンプ監督作品。
今作では、異星人こそ出てこないが、人間同志において「地球外と地球内」の二層に隔てられている。富裕層は「地球外」すなわち「宇宙人」であり、貧困層は「地球人」で>>続きを読む
CMと本編とで乖離が激しい。
ウルヴァリンが「死」と「生」のパラレルワールドを往き来する姿はあれど、その振り子となる原因が余りに御粗末ではないか。
西洋人側の一方的解釈で、日本もSAMURAIも「汚く>>続きを読む
相当な期待を持たない限り、気圧され途中退場を余儀無くされる程、激甚たる映像表現だった。
第一幕開始からタイトル表記までの十数分の短編作品であったとしても満足出来てしまう。
まず、重量感は去ることなが>>続きを読む
平均的かつ「普通に良い」作品。映画評価の際の指標となる標準レベルを提示している御手本のような出来栄え。
各作品は、観客に想像を委ねる終わり方にもかかわらず、余韻を感じさせる尺も無く、次の作品に取って代わる。
確かに、各作品は日本のアニメに対する期待心を「煽る」描写に違いない。しかし、作品同士の繋がりは希>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
実話ベースのため物語に対する「批評」は困難であるが、そもそも映画化する意義は何だろうか、と感じてしまう作品。「服従の心理」という副題からして、巧妙な話術・知的な犯人像を期待しがちだが、そのようなサスペ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「覚悟はいいか!?これが今年一番の“衝撃映像”!」と大々的に宣伝されている『マニアック』ですが、この文句の最後に「?」が足りないのでは。 主人公がマネキンに神秘性を与えるべく丁寧な殺人を、とイメージ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「その想像を超えた結末は、あなたの心を打ちのめす」との予告は見事その通りだった。幼児虐待はしていないと必死になって弁解してきたにも拘らず、実は…というような流行りの結末とは違って、決して奇を衒うような>>続きを読む
戦争を題材にした映画は数多くあるが、これほど時間の尺を永遠に感じる作品は他にないだろう。爆弾処理班長である主人公を讃えるストーリーではないと気付くと、途端注目すべきものが不明瞭になってしまう。視聴者は>>続きを読む
初回の衝撃は忘れられない。 RECオリジナルとは異なり、今回は敵地に乗り込む追体験をするわけだが、専ら感染の恐怖といった心理的な探求は希薄で、その代わり、ゾンビの出現タイミングが絶妙かつ完璧、直接的な>>続きを読む