カルビさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

4.0

※ネタバレあり

クリストフ・ヴァルツ演じる、ユダヤハンターの《ランダ大佐》がめちゃくちゃ格好良い。アカデミー賞助演男優賞も納得。英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語を巧みに操り、加えて並外れた洞察
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WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常(2014年製作の映画)

3.0

メインプロットは主人公勇気(染谷将太)の成長モノ。かっこいい先輩ヨキ(伊藤英明)と出会い、大人になっていく。また、サブプロットで描かれる「セックス」のモチーフが面白かった。盛りのついた犬、子作りに努め>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.5

俳優として活躍するディカプリオと、そのスタントマンのブラピ。社会的に見ればディカプリオが「陽」で、ブラピが「陰」である。でも2人の性格はその逆で、ナヨナヨしているディカプリオをブラピが励ますという関係>>続きを読む

22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

3.0

テンポ感のあるエンタメ映画でありながら、警察組織・マスメディア・心的外傷・時効・震災など、色々な社会的なテーマが含まれている。このような社会的なテーマが、作品に説得力を持たせている反面、詰め込みすぎて>>続きを読む

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

4.0

本作は、2002年に北海道警察で実際に起きた稲葉事件をモチーフに作られた映画である。警視庁銃器対策室刑事を、音尾琢真が演じていたが、彼の父親は稲葉事件の当事者である稲葉圭昭の同僚であったという。
演出
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SCOOP!(2016年製作の映画)

3.5

※ネタバレあり

終始セクハラ全開で古臭さを感じたが、そういう古いダサい文化みたいなものが本作の魅力だと思う。福山雅治演じる中年パパラッチの静はセクハラ連発で気持ち悪いし、彼が写真を持ち込む写真週刊誌
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.0

異国の心地よさを描いた映画という印象。物語の展開で魅せるというより、登場人物たちの生き方を写しているように感じた。ビジネス的に媚びることなくコツコツと食堂を営業したいというサチエ(小林聡美)のイズムや>>続きを読む

“隠れビッチ”やってました。(2019年製作の映画)

2.0

※ネタバレあり

前半は主人公であるひろみ(佐久間由衣)がコンスタントに男を惚れさせていくポップな展開で楽しい。後半は精神的に不安定で、男に依存してしまう彼女の弱い部分が描かれている。この作品のパッケ
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ホームレス ニューヨークと寝た男(2014年製作の映画)

4.0

本作で密着されているマークは、友人のマンションの屋上で生活している。彼がホームセンターで購入したシートに包まり、雨の中屋上で眠ろうとする姿を哀れに思った。ただ彼は容姿端麗でスタイルも良く、多くの魅力的>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.0

スター三島由紀夫が、"青い"学生たちと知の闘争を繰り広げるドキュメンタリー。何より、ビジュアルが格好いい。復元されたフィルムで描かれる、時代性溢れる映像に、興奮した。例えば、煙草を蒸しながら頭を抱え、>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

2.0

ハマらなかった。あれを一人で作り上げたのは間違いなく信じられない偉業だし、エンドロールで軽く流れたメイキングには、拍手喝采という感じだった。底知れない地下迷宮や、キャラクターたちの手触り感はロマンに溢>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.5

主人公であるおっこが、悲しい過去を受け入れ、成長していく姿を描いたセラピー映画。様々な事情を抱えたお客さんたちをもてなすことを通して、結果的に、自分自身と向き合っていく。苦しみを抱えながらも、必死にも>>続きを読む

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.5

美味しそうな料理と、センスのいい音楽。すごく心地いい映画だった。カリカリのベーコンと、とろけるチーズに冷えたビールは本当にたまらない。テキサスでのBBQや、ニューオーリンズのベニエも美味しそう。ヒップ>>続きを読む

渇き。(2013年製作の映画)

1.5

加奈子の台詞「愛してる」から始まって、藤島の台詞「ぶっ殺す」で終わるという円環構造は、後味がいい。藤島の言う「(娘を)ぶっ殺す」は、「(娘を)愛してる」と同義なのだと、気付かされる。
ただ、終始、登場
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

5.0

※ネタバレあり

鈴子と弟が、交互に描かれるのが印象的だった。鈴子は海や山を転々としながら、自分と向き合うことから逃げている。反対に、弟は学校でどんなにいじめられても、彼らに向き合っている。また、鈴子
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mellow(2020年製作の映画)

4.5

映画全体を通して、メロウ、というか甘ったるい。長回しで、役者の間の取り方をそのまま描いているから、リアルな雰囲気で心地いい。撮影技法からはリアルを感じるけど、脚本内容はとにかくファンタジー。部活の先輩>>続きを読む

浪人街(1957年製作の映画)

2.5

※ネタバレあり

浪人という、江戸の街の浮浪者たちを描いた作品。浪人は、現代でいう非正規雇用労働者のような立場の人々で、すなわち社会的に弱い立場の人々である。そんな彼らの、不器用ながらも美しい友情や、
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

4.0

※ネタバレあり

夏生もたまきも可愛いんだけど、今ヶ瀬が一番可愛かった。今ヶ瀬が、男か女かということが、あんまり気にならなかった。なんだか、恭一と今ヶ瀬がイチャついている描写が、かなりしっくり来た。逆
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.0

※ネタバレあり

ユニバースでもなく、マルチバースでもなく、スパイダーバースという世界観で描かれる。すなわち、単一宇宙でもなく、多元宇宙でもなく、スパイダーマンの数だけ宇宙があるということなのかな。
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

2.0

※ネタバレあり

学生版『パラサイト』で、資本主義の空虚さを感じさせる作品。頭の悪いボンボンが、"バッドジーニアス"な奨学生に寄生するという話。終盤、主人公リンともう一人の奨学生バンクの、決断の違いに
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

4.5

※少々ネタバレあり

小道具の使い方がいいなあと思った。最近の映画を見るときは、「スマホ」をどういう風に劇中に登場させるかということに注目してみている。本作『ハッピーオールドイヤー』で印象的だったのは
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

2.5

※ネタバレあり

前半、妻が失踪してからのニックの日々を描く描写と、エイミーの日記を映像化したものが交互に流れる。エイミーの日記には、まんまと騙された。前半は、本当にニックがエイミーを殺したのではない
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劇場(2020年製作の映画)

2.5

※ネタバレあり

ラストシーンが素晴らしかった。映画的な演出で、わっと驚かされた。
本作『劇場』で描かれていたのは、全て《永田》による舞台の演出だったことが、ラストシーンで暗示される。《永田》が《沙希
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.8

【恋は、汚れていて、それでいて美しく、止めどなく流れる。】※以下、ネタバレレビュー

朝子は、亮平との結婚を祝う食事の場で、麦と駆け落ちをする判断をしてしまう。麦と車に乗り、北海道へ行くという選択をす
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.0

【病んでいる普通の人々】※以下ネタバレレビュー

登場人物が基本的にみんな病んでる。主人公のレスターは恥ずかしげもなく娘の同級生であるアンジェラに欲情する。これまたアンジェラはブロンドヘアが素敵な美人
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

1.0

エンタメを放棄して、完全にアートに振り切った作品。監督であるスタンリー・キューブリックの作家性(というかエゴというか)が詰め込まれた映画。味わい深い作品で、見れば見るほど引き込まれるというのは頷けるが>>続きを読む

ターミナル(2004年製作の映画)

3.0

完全にエンタメ映画だから、特に考察とか深掘りとかの要素はない。気軽に楽しく見れて、結構笑える。たまにはいいよね、こういうシットコムみたいな映画。トムハンクス演じる主人公ナボルスキーの置かれた状況はかな>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.5

【男女3人のモラトリアムな青春、「青」が印象的な映像表現に関して】以下、ネタバレレビュー

男2人と女1人という、夏目漱石『こころ』にも見られるような黄金のパターンで、閉塞感に満ちた退廃的な環境で、諦
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マトリックス(1999年製作の映画)

4.5

【ファッションと映像の格好良さ、運命と自由意志、トリニティとネオの恋愛描写いらなくないすか】

20年前に公開された映画ではあるものの、前衛的な映像がすごく格好いい。映画全体の映像スタイルに一貫性があ
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明日への地図を探して(2020年製作の映画)

5.0

【マークもマーガレットも、重大な勘違いをしている】

何度も何度も、同じ毎日が繰り返す。だから、主人公のマークは、その日に何が起きるかということを完全に把握している。序盤、マークが颯爽と街を踊り回る(
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.5

【この映画のリアリティとか、中原青の格好良さとかについて】※ネタバレレビュー

テルコはマモちゃんのことが好きだ。でも、マモちゃんが振り向いてくれることはないと分かっている。それなのに、テルコはマモち
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.5

こういう映画好き〜。

『勝手にふるえてろ』が面白かったので、大九明子監督の作品を他にもチェックしてみようと思い、鑑賞。キャストがとても良い。以下、ネタバレレビューです。

【飛行機への苦手意識、パニ
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ザ・ホワイトタイガー(2021年製作の映画)

2.5

【結局、檻の中なんじゃね?】

「ジャングルで最も珍しく、一世代に一頭だけの動物」。それがホワイトタイガーである。インド社会というジャングルの中で、主人公バルラムは、ホワイトタイガーになることができた
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下妻物語(2004年製作の映画)

2.0

ガールズカルチャー映画。

ロリータの桃子とヤンキーのイチゴの友情の物語。演出の一つ一つがハイセンスで、素晴らしかった。特に、イチゴの「パチンコ行こうぜ。ダチだろ。」的なセリフに対して、桃子がキャベツ
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.0

空気感が絶妙!

主人公であるフランシスの、たわいのない日々が淡々と描かれている。序盤、物語が進んでいく上で、別に必要ないんじゃないかという会話の集積に、宙ぶらりんな印象を受けた。でも、そんな宙ぶらり
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