飯さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

悲情城市(1989年製作の映画)

4.9

ドン・キホーテのような殉道者に、いや、傍観者さえにもなれず、埃よりも無力な個々人が激変する時代に流される悲劇。

もしエドワード・ヤンの『ヤンヤン』は思考者目線だとすれば、『悲情城市』は神目線とも言え
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.8

禅。節気。詩句。

『道』の女性生涯と茶道哲学。

一期一会。樹木希林。

毎日はいい日です。

愛おしき隣人(2007年製作の映画)

4.4

この映画は監督の夢。

監督の夢で夢を見る。


失意人間の浮世絵

Adorable~

ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

4.7

「詩人的に人間は住む」

悲鳴を詩意で隠す。

死亡、衰老、離別と杏の成熟... 物事が終結する時に美と醜が混同している。

老年の健忘、中年の欠失、青年の犯罪。
家庭関係の不健全から韓国社会の不健全
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裸足の1500マイル(2002年製作の映画)

-

大学の授業で触れたオーストラリアのstolen generations。

題名の"Rabbit-proof fence"はダブル・ミーニングで、家に導く印であり、"人種のfence"という意味も捉え
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活きる(1994年製作の映画)

4.5

興,百姓苦。亡,百姓苦。

中国人全員観るべきだが放送禁止。(笑)

「反抗」ではなく濁ってる時代と共に活きるんだ。

共産主義の家畜たち。(言い方悪すぎ)

修羅(1971年製作の映画)

4.3

日没はオープニングから

極黒、極白

光影調和、フラッシュバック

貪欲、愛嗔

善悪交錯、人獣転換

月黒殺人夜、白刃血紛々

内心羅生門

メビウス帯

鈴木達夫

「この世は血の海である。」

トロピカル・マラディ(2004年製作の映画)

4.2

東洋嗅覚、仏道霊道、野蛮荒夷、神秘主義

虫鸣、雨林

脱人類

愛は熱帯疾病、愛は洪水猛獣

"every drop of my blood sings our song."

色即是空

(1974年製作の映画)

5.0

草浪
風船
熱気
天井
小鳥
浮空
火屋
牛乳
骤雨
漏雨
沼沢
水草
燃焼






内戦
二戦
核爆
文革

バッハ
ソラリス

塵埃
神跡
睡魔

聖母哀傷

凱里ブルース(2015年製作の映画)

4.5

貴州黔東南、湿気氤氲。
神秘亜熱帯、桃源夢境。


映像の詩歌化、時間の空間化。
ビー・ガンの美学は個人的なものである。彼は人生、映画、詩からの二次創作で観客の一次体験を想起させる。

理解するより感
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世界(2004年製作の映画)

4.2

北京郊外の「世界の窓」というテーマパークを舞台とした小人物の「世界」。

脱故郷。

廉価公園が提供している「幸福」というのは濃縮された景色である。見るだけで、手に入れないものだ。

「北京から出ない
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.0

暴力材料を探し、家を建てたいエンジニア。

"The lamb has been bestowed with the honor of living forever in art, and art i
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.9

私「愛してる。」

Siri「どうもありがとうございます。お気持ちだけいただいておきますね。」

(sigh

オアシス(2002年製作の映画)

4.3

彷徨うロミオと孤独なジュリエット。

現実の砂漠に愛のオアシス。

あなたのために陰をなくしてやる。

けれどこの社会は巨大な陰である。

陽炎座(1981年製作の映画)

4.3

大正浪漫。水月鏡花。西洋崇拝。異色世界。

劇中劇。夢中夢。聊斎志異。叙事迷宮。

桃さんのしあわせ(2011年製作の映画)

4.3

1人の人間の生老病死苦。
水の流れのような人生。

アン・ホイ監督のもう一本の作品『生きていく日々』の老人ホームバージョン。そっちの方が素晴らしすぎて、本作にも期待していたが結局超えなかった。また、感
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

5.0

映画ではなく宇宙を作りたい男からの教え。

人生の目標について
"The goal of life is to create yourself a soul."

システムについて
"This sys
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メイド・イン・ブリテン(原題)(1982年製作の映画)

3.8

人類交通+憎しみ+操行ゼロ

誠実な生き方とは。

"Respect authority, obey the rules."
"Shut it, and keep it shut."
"That's
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(1961年製作の映画)

4.5

極普通の一日の出来事。
対話、対話、対話。何も言っていないようだが何もかも言い尽くした。

ディープフォーカス、バランスのない構図、俯瞰、透視、反射。

対話の中にヘリコプター、往来する車、建築、都市
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マクドナルド橋のフィアンセ(1961年製作の映画)

4.0

A short film in 《Cléo de 5 à 7》.

ゴダールとアンナ、左と右、白と黒、悲劇と喜劇の対称構造。

Salute Buster Keaton!

可愛い時代だった。

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.5

神視点全開。

《Pulp Fiction》と《Lock, Stock and Two Smoking Barrels》の父。

氷の微笑(1992年製作の映画)

4.0

情色を偽る心理学。

観客の情欲と殺意を引き起こすプレイである。

性別の不平等の世界は男性の目線に支配される。女性は永遠に覗かれる側に置かれるため、男に勝つために覗かれるようにするしかない。

40
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スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

4.6

3人の男、2人の女。2つの愛のパターン。南京の春風沉醉の夜晩。

同性愛ではなく純愛である。
愛だけでもなく時代である。

ロウ・イエの慣用手法: 大量のクローズアップ、少量の対話、適量の音楽。そして
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バウンス ko GALS(1997年製作の映画)

4.0

渋谷コギャル24時間。

日本社会において「変態」こそが「常態」。

中国風の濫用(意外と奇妙な化学反応が起きる。
ちなみにチャイニーズギャバ嬢を演じるのは中国中央テレビ局のアナウンサーであった、、、
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コストニツェ(1970年製作の映画)

4.3

納骨堂。

神聖と残酷の交わり。

観光宣伝、、、でしたか。

音声を消してひたすら発狂チャンネルをBGMで流したら意外と似合ってた。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.6

"Female Gaze"

男性は欠席しているが男性社会の圧迫感が半端ない。窒息しそう。

自然光と燭光から篝火。火の凝視。燃えている裾。

女のユートピア。

堕胎草。

剃らない脇毛。

燃焼す
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