梅田さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

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こういうのがリマスターされて映画館でかかるの本当にありがとうございますって感じ。前にDVDで観たときより夜の場面の美しさが際立っていて、個々の人物の造形についても、心なしか輪郭がくっきりしたような気さ>>続きを読む

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(2021年製作の映画)

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良かった。メンバーのソロ活動への言及は最小限で、バンドとしてのヴェルヴェッツにフォーカスしつつ、同時代のニューヨークのアートシーン関係者の声を集めたドキュメンタリー。神格化して伝説的に描くでもないとこ>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

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『ウィンド・リバー』の雪山を山火事に直した映画。
少年が預けられてしまったという「秘密(マクガフィン)」の中身も一切明らかにされないという、見事なまでにシチュエーションとアクションだけで作られたサスペ
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

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前にDVDで観た時も(他のカサヴェテス映画よりも)ノワール感が強いなと思ったけど、改めて映画館で観ると夜の闇の深さもさることながら無音のシーンが印象深い。「クレイジー・ホース」のショーも実はアカペラが>>続きを読む

こわれゆく女(1974年製作の映画)

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『オープニング・ナイト』から続けて観たが、演じるジーナ・ローランズ本人のメンタルが心配になるくらいに鬼気迫る演技。不安定な人間の内面が何も整理されないまま剥き出しでぶつかり合うさまを、フォーカスの甘い>>続きを読む

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

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7年半ぶりの鑑賞。他人から見れば不合理な行動を取り続ける人間が、それでも何かかけがえのないものに懸けて生きているという姿に胸を打たれてしまう。フラフラでオープニング・ナイトに駆けつけたジーナ・ローラン>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

5.0

ライアン・ゴズリングが可愛くてしょうがない。早く『グレイマン』の続編が観たい。みんなバービー観ろ!点数は適当です。

セレブレーション(1998年製作の映画)

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地獄の晩餐会。似た題材の映画は探せばありそうな気もするけど、『ドグマ95』の誓いのもと、他に類するもののない狂った映画になっていると言うほかない。
10の戒律のうち映像に最も影響を与えているのは照明効
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炎628(1985年製作の映画)

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序盤の主人公と少女のキャッキャウフフを観てると「あれ?セカイ系?」とか思ってしまうのだが、なんの劇的さもなく画面に映ってしまう遺体の山で目が覚める。泥と炎と顔の 皺、途中からは顔芸映画。
雑然と撮られ
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ステフィン・カリー アンダーレイテッド(2023年製作の映画)

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NBAのスター選手は曲者揃いでキャラ濃いめの人が多いけど、本作の主人公ステフィン・カリーは明るくて超いい奴そうな人柄で、普通の兄ちゃんって感じの親しみやすさがある。まぁバスケさせると超絶ハンドリングス>>続きを読む

ストーリー・オブ・フィルム エピソード9. 新しいアメリカ映画(2011年製作の映画)

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「面白くするには、まず悲しいことを考えろ」アメリカン・ニューシネマの時代。

テレンス・マリックの『天国の日々』撮影のテクニックとかギミックの話がおもしろかった。イナゴの大群が飛び立つシーンは、実際に
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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シンゴジラは結構好きだしシンウルトラマンも文句はあれどつまらないとは思わなかった。でもこれはだめだ、何一つ面白くないし演出も殺陣もバイクアクションもセリフも設定も衣装も美術も全てがダサすぎる。子供向け>>続きを読む

Zolaゾラ(2021年製作の映画)

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日本でも電車男はじめネット発のおもしろ話が映画化したみたいな事例はあるわけだけど、あえて観ようとは思わないものが多く、A24ブランドが無ければこれも観ることはなかっただろう。そんな感じのモチベーション>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

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なんかここに来て株価最高値を記録し続けているトム・クルーズ、さすがのアクションでマジ楽しかった。この映画シリーズ第1作を観た遠い記憶を探ると、あの頃はまだスパイムービーとして騙し騙されみたいなサスペン>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

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映像がマジでやばい。ロングショットとクローズアップの選択、手持ちカメラの荒々しいショットを差し込むタイミング、ロケーションの的確さ、美術や衣装の実在感、どれを取っても素晴らしかった。付け加えるなら、マ>>続きを読む

憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

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大差ゆえ試合的に見どころのない予選リーグの間のほうが、その分バックヤードのシーンが多くて面白かった。準決と決勝の映像はテレビで何遍も観たので正直はいはいって感じであった(映画館で観たらもう少し没入した>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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父と過ごす一夏のバカンスを撮影したビデオテープ。観ていてしばらくは、前半では20年前の光景を中心に謎を散りばめていって、後半でその裏にあった出来事を詳らかにしていく構成なのかと思っていたら、なに一つそ>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

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なんかアメリカ中西部のホワイトトラッシュのちよっといい話、みたいなの想像してたけど、そしてだいたいそんな感じではあるのだが、クズ男の主人公といいその周りの人間といい、映画を通して何かしらの成長(あるい>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

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少年がタフな荒野を歩いていくタフなロードムービー…これは超よかった。主人公チャーリーに見えている視界のほかは何一つ写さないのに、大きな自然に包まれているような神の視点も同時に感じさせる、パーソナルでい>>続きを読む

ストーリー・オブ・フィルム エピソード15. 映画の未来(2011年製作の映画)

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『ストーリー・オブ・フィルム』シリーズ完走。これは2011年の制作だが、その後の10年の映画史を追加した劇場版もあるのでそのうち観てみよう。
これだけ膨大な映画のアーカイブを参照しながらある一つの映画
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ストーリー・オブ・フィルム エピソード14. デジタル時代の幕開け(2011年製作の映画)

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タランティーノ、ヴァーホーヴェン、そしてガス・ヴァン・サント登場。観たことないけどリメイク版『サイコ』について語ってるのは面白かった。ゲーム「トゥームレイダー」から受けた影響を語るガス・ヴァン・サント>>続きを読む

ストーリー・オブ・フィルム エピソード13. フィルム時代の終焉(2011年製作の映画)

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キアロスタミやホウ・シャオシェンのインタビュー、めちゃくちゃ面白い。ホウ・シャオシェン、すごい福耳!
ラース・フォン・トリアー、ミヒャエル・ハネケなどオルタナティブな作家たちが主役になる後半。観てない
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ストーリー・オブ・フィルム エピソード12. 世界の映画製作と抗議(2011年製作の映画)

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この回は全く知らない作家も多かった。80年代がモチーフだが、拡大するブロックバスター作品ではなくそのカウンターとなる社会的な作家たちが主役。
キェシロフスキの『殺人に関する〜』とか前に見たときはあまり
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

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あんま事前情報なく観に行ったらモンキーズが流れるシーンでマジでびっくりした。これ、2010年の話なのか!? 寓話であると同時に、彼女らにとっては現実の・リアルタイムの話であるという。
唯一の成人男性で
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ストーリー・オブ・フィルム エピソード11. 大衆文化の革新(2011年製作の映画)

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香港アクション映画で武術指導を行っていたユアン・ウーピン、インタビューしに答える背景の本棚に日本版の「ドラゴンボール」のコミックスが。

ストーリー・オブ・フィルム エピソード10. 革新的映画作家たち(2011年製作の映画)

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ベルトルッチの『暗殺の森』を観たゴダールがベルトルッチを呼び出して、毛沢東の肖像に「帝国主義や資本主義と戦わなくてはならない」って書いたメモを渡して無言で立ち去った…って話が面白すぎる。

『ゆきゆき
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ストーリー・オブ・フィルム エピソード8. 世界を席巻する新しい波(2011年製作の映画)

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ソ連、イラン、キューバ、セネガル…欧米から離れた映画の隆盛、60年台。タルコフスキーはまだあんまり観たことがないけど、ここで紹介されてたものはどれもラストショットがヤバかった。

ストーリー・オブ・フィルム エピソード7. 西ヨーロッパ映画の革命(2011年製作の映画)

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「ゴダールのショットが伝えるのは『女性が車にいる』ではなく『この瞬間が美しいと思う』ということだ」「『思う』が大事なんだ」

このドキュメンタリーの撮影中に犬の散歩してたおっちゃんに話を聞いたら、たま
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レディ・バード(2017年製作の映画)

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普通にいい映画だ…。妊娠中絶に関する講演中に軽くイキった発言して停学くらったり、就職面接先で親子が会ったり、そういう小ギャグでいちいち笑ってしまった。当たり前の存在すぎる母とか街への思いに厚みをもたせ>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

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ブレッソンばりにストイックと見せかけて、全編めちゃくちゃ過剰。あらゆる自然音や劇伴がめちゃくちゃデカいサウンドデザイン、サイケデリックな色の照明、レンズフレアや四隅が滲んだ「動物視点」などの映像ギミッ>>続きを読む

三つ数えろ(1946年製作の映画)

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昔原作を読んだときも内容についていけなかった(そしてついていけなかったこと以外の記憶が無い)が、これも正直よくわからないところ多し。Wikipediaを見たら「プロットが大変込み入ってることでも有名」>>続きを読む

ストーリー・オブ・フィルム エピソード6. 映画の膨張(2011年製作の映画)

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1950年台はメロドラマの時代。サークの描く感情の爆発。対照的に、インドではサタジット・レイが庶民の生活を描くリアリズムが生まれる。『オプー三部作』は昔一度観たけどほとんど覚えてないので、また見返した>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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こんな面白いものを人間が作れるのかとマジで信じられないくらい面白かった。絵のタッチも一つ一つが楽しすぎた。時間が合わずに吹替版で観たけど、字幕を追わなくていい分画面に集中できて良かったかも(とは言え、>>続きを読む

ストーリー・オブ・フィルム エピソード5. 戦争の爪痕、新たな映画の潮流(2011年製作の映画)

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フォードの奥行きある画面作り、赤狩りにかかわったエリア・カザンのアカデミー名誉賞、フィルム・ノワールやイタリアンネオレアリズモ。

ぼけますから、よろしくお願いします。(2018年製作の映画)

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東京でTV制作の仕事をしている「娘(監督)」が、広島県呉市に住む後期高齢者の両親を撮影したドキュメンタリー。アルツハイマー型認知症と診断された母と、耳が遠いながらも矍鑠とした父の生活は、はじめは父の家>>続きを読む