きぃこさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

きぃこ

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スパイの妻(2020年製作の映画)

5.0

信じきることでしか到達できないものがあるのかもしれない、終始そう思った。ドラマの空気感が拭いきれないものの、そこに拘る必要もないなと思えるほど引き込まれた場面も多数。

カンフーハッスル(2004年製作の映画)

5.0

何だか頭の中をリセットしたい気分になり、そういえばまだ観たことがなかったと思い開封。見事、リセットされました(笑)。思いの外、技に劣らぬほど表情が物語るので惚れ惚れ。

恋する遊園地(2020年製作の映画)

5.0

「なぜ駄目なのだろう」という問いがずっと頭の中をぐるぐる。駄目だとしたら、誰かが幸せとは何かを決めているわけで。母の心の揺れが温かかった。

偶然と想像(2021年製作の映画)

5.0

互いを知っているようでいて、二人しか知らないこと、自分一人しか知らないことが狂おしい程温かく切ない。映画館の観客席で共に笑うのを楽しみながらも、不意に訪れる物悲しさがとても印象的だった三編。これを観な>>続きを読む

地球に落ちて来た男(1976年製作の映画)

5.0

皆が皆さみしいのだろうなぁという印象。誰が他所者だろうと、誰がまともに見えようとも。誰もが常に何かに飢えている様子がリアルだった。ラストの彼が思った以上にしんみり。

来るべき世界(1936年製作の映画)

5.0

観てみてよかったという意味で五つ星。「戦争が終わらなかったら」「一体どこまで発展するのか」といくつもの問いが今の時代にも届く。当時撮影技術は限られていたはずなのに見せられるものの幅広さに驚かされ、未来>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

5.0

ポスターを見かける度に「映画館で観た方がよさそうだよなぁ」と思いつつ、あまりにもクイーンを知らないので敬遠すること数年(苦笑)。今更ながら思い切って劇場へ行って本当によかった。ゼロから知る私でも、四人>>続きを読む

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

5.0

振り返ると、ここ!という絵画になるような名場面がないような。でも、それがかえってこの作品らしいというか、それこそがメッセージとも思えるような。肩に入った力をほぐしてくれる、そんな「特別でない」温かさ♪

茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)

5.0

繊細な水墨画の中にすっぽりと身を置き、一人ひとりに気持ちを重ねながら海辺を漂う心地。儒学を少し齧っていると、さらに考えさせられることが広がったり。何を“道”とするかだけでなく、そうした生き方そのものか>>続きを読む

楢山節考(1958年製作の映画)

5.0

今になっても新鮮、斬新と言われる訳がよくわかり、また、今になっても耐え難い感情が押し寄せてくることに感じ入ったり。もともと長唄は好きで、これまで歌舞伎や演奏会へも行ったものの、映画で長唄を味わうとまた>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

言葉というものが好きになる作品だった。走る車内、カセットテープの声、母語の異なる役者たち……面と向かって思いを伝え難い環境の中で、それでも、言葉にするからこそ湧き上がる感情もあるのだと思い知らされた。>>続きを読む

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

5.0

監督が見せたいものがあまりに明瞭でぐうの音も出ない。隙も無駄もない時間の行き来、視界の切り取り、図太い台詞と表情が圧巻。犯人は最初からわかりきっているのに、私は何をそんなに食い入るように見てしまったの>>続きを読む

(2021年製作の映画)

5.0

牛目線ゆえ最後まで全体像が見えない。観る人間は知識として牛乳が売れることや子牛と離されることを知っていても、牛には見えない。予定されていることでも、牛にとっては突然起きたりもする。全体像が見えなくても>>続きを読む

オマージュ(2021年製作の映画)

5.0

映画界に限らず、今自分が何気なく歩いている道は、昔誰かが時に涙しながら歩き出そうとした道なのだと胸に響いた。同時に、自分も何かしら残すことはできるのだろうかとも考えずにはいられなかった。生きる意味と、>>続きを読む

夢追い人(2020年製作の映画)

5.0

私のようにインドや音楽に疎くても、伝統や師弟関係に関心があればきっと夢中になれる作品。「道」を追い求めることはやっぱり無駄なのだろうかと考え続ける2時間。終盤の彼の歌が、私はとても好き。

CURE キュア(1997年製作の映画)

5.0

怖い。いろいろ怖いのだけれど、何が一番怖いって、自分がもし巻き込まれたら逃げられそうにないのが怖い。

市民ケーン(1941年製作の映画)

5.0

一糸乱れぬ筋立て、それを逃さないカメラ、忘れ難い役者にハッとする台詞、相応しいセットに音楽。これさえ揃えば映画はいつだって面白い、そう言われているような心地だった。ケーンがどういう男だったのか、それが>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

5.0

自分は自分勝手になる時があるし、とりわけこの頃は自分しか見えていなかったように思えるけれど、それは十数年生きた身にとってはあまりにも人が多く、人の心も複雑で、不可解なことばかりだからだったのかもしれな>>続きを読む

大脱走 コルディッツ収容所(2005年製作の映画)

4.0

いや、やっていいことと悪いことがあるだろうに。クッションを何度も画面に投げたくなった。腹が立ったということは、それほどのめり込んだということでもあるものの、それにしても頭にきた(笑)。

風立ちぬ(2013年製作の映画)

5.0

肌が呼吸しているなぁと感じられるアニメーションは久しぶり。走る鉛筆、揺れるカーテン、血が沸き立つ瞬間、すべてが息をしているようで惚れ惚れ。特に、実際の音よりも臨場感あふれる音が素晴らしかった。エンドク>>続きを読む

世宗大王 星を追う者たち(2019年製作の映画)

5.0

ドラマ「根の深い木」とも重なり、王と腹心の想いが手にとるように伝わる度に涙々。幸せとは何か、忠心とは何か、ずっと考えながら魅入りました。王にこんな腹心がいたなら、いてくれたなら、そんな夢のようでもある>>続きを読む

楽園の夜(2019年製作の映画)

5.0

正統派ゆえ腑に落ちる納得感。ヨビンさんをはじめ、俳優一人一人の持ち味がよく生きていると終始感じた一本。ノワールゆえ爽快とはいかないし、満足と言うと語弊がありそうだけれど、温かい言葉をかけたくなる描写が>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

5.0

事前情報ほぼ皆無で観たこともあってか、参った。完全にのめり込んでいたし、ごく日常的に描かれる事件に圧倒されたし、「やっぱり事実は小説よりも奇なり……」とまで思ってしまった。後で知って愕然。完敗。

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

5.0

淡々と時は過ぎ、選択を迫られる。今もこうやって生きているんだよなぁとつい思う。ごく短い期間の出来事なのに、一生のあらゆるものが詰まっていて不思議。

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

5.0

何とも何から書いたらいいのか……いい意味で、観た後困るくらい言葉が出てこない作品。人間の世界にラザロほどの善はあるのか、宗教がないと善は語れないのか、自然の世界になら善はあるのか、でもそもそも善という>>続きを読む

ジャングル・クルーズ(2020年製作の映画)

5.0

ジャングルを冒険するという緊迫感を、ディズニーらしく存分に楽しませてくれて満足!偶然先に「アギーレ/神の怒り」を観ていたのでつい重ねましたが、あのスリル感を「楽しい!」と思わせてくれる演出は期待通り。>>続きを読む

黒い罠 完全修復版(1958年製作の映画)

5.0

冒頭の有名な長回しに始まり、何年経っても色褪せることを知らない場面の連続。そして、あのラスト……!!すっかり監督に魅了され音声解説付きでも観たところ、今度は編集の威力に圧倒されるばかり。編集の重要性を>>続きを読む

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

5.0

まさしく「超大作」!これは映画?演劇?まるで仕掛け絵本の中に吸い込まれるように観始め、何時間もかけて第1部、第2部…と進むうちに、すっぽりとエクダール家の中へ。作品のジャンル分けさえ難しい程見所も尽き>>続きを読む

脱出(1972年製作の映画)

5.0

原作に魅せられつつも、映画として描くことにこだわり抜かれ、小説のような繊細さも映画ならではの臨場感もどちらも満足に味わえて驚いた!息をのみ脳裏に焼きつく場面の数々には、監督とカメラの演出力、役者の演技>>続きを読む

ナッシュビル(1975年製作の映画)

5.0

わぁ……と思いながら次を次をと欲して観てしまうのは、意外な程緻密な筋立てのせいか、笑えるような笑えないような皮肉が痛烈だからか。歌も印象深いのに、どうにもこうにも歌どころじゃない場面もあってもはや台詞>>続きを読む

大脱走(1963年製作の映画)

5.0

ひとりひとりが惹きつけてやまないから、出だし1分から既に面白い上に、3時間が1時間半ほどに思えてならない。音声解説で知った撮影当時の様子や実話との繋がりも興味深い。

レイジング・ブル(1980年製作の映画)

5.0

息を呑むほど瑞々しい白黒の描写。スポーツものにいまいち惹かれない私でも片時も目を離したくなかったのは、腕っ節以上に心の揺れが見事だったから。