otaさんの映画レビュー・感想・評価

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

真実なんてものは無く、人間は拾い集めたファクトを各々の基準で都合よく選び取って蓋然性を高めて解釈しているに過ぎない事を皮肉たっぷりに描いていて全然スッキリしないけど痛快でした。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.2

アリ・アスターの新作。母の葬儀に出席するため帰省する中年男性のロードムービー。ホアキン・フェニックスが3時間ひたすら理不尽な目に遭い続けるんだけどその内容や描写は不安や恐れを肥大化させた、メンタルが極>>続きを読む

サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

4.3

太平洋戦争直前の魔都上海における日中欧の諜報部員たちの暗躍を描いたスパイ映画。めちゃめちゃ面白かった。

劇中劇が物語の随所に挟み込まれ、その上に諜報部員の不安定な帰属意識や、上海租界の寄る辺のなさ、
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

4.2

ガンダムSEED、多感な時期に一番夢中になって観ていた映像作品だったのだと改めて思った。誰かにとってのエヴァやスター・ウォーズが自分にとってのガンダムSEEDであり、今回の劇場版は愛とノスタルジーが詰>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

ヨルゴス・ランティモスは世界の不条理さと人間の醜さを一貫して描いてきたけど、今回初めてそれらに飲み込まれない主人公が描かれて痛快だった。過去作を象徴するような不条理を押し付けてこようとする登場人物たち>>続きを読む

脱・東京芸人(2023年製作の映画)

3.8

『山形県住みます芸人』として活動するお笑いコンビソラシドの本坊元児に密着したドキュメンタリー。

麒麟川島のラジオで何故か本坊の近況を報告するコーナーが毎週あり、それでなんとなく存在や活動内容を認識し
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香川1区(2021年製作の映画)

4.4

『なぜ君は総理大臣になれないのか』の続編。2021年香川一区における衆議院選挙を与野党両陣営、各々の有権者の視点から描いたドキュメンタリー。

選挙というある種の狂乱の中で、候補者や周囲の人達の人間性
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.9

伝説のハガキ職人「ツチヤタカユキ」の半生を描いた人間ドラマ。

オードリーのANNの構成作家見習いになったツチヤタカユキについて当時若林が面白おかしくエピソードを話していたが、当事者の視点だとこれほど
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.0

暫く四国に滞在しているのでどうせなら四国に纏わる作品を観ようと思い調べて鑑賞。

総務省の官僚だった小川淳也氏が32歳当時、一念発起し初出馬したところから2020年までの17年間、政治家としての苦悩を
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

サブカル中年の夢を体現したような清貧で文化的で豊かな生活が終始映し出される。ヴィムヴェンダースと役所広司の圧倒的な手腕による映像的な心地良さに溢れており、特に物語が無くてもずっと観ていられた。

その
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.2

自分の人生の退屈さを他人を揶揄することで埋め合わせる主人公。

親友(スカーレットヨハンソン。若い。)は着々と社会人としてステップアップしていき、舐めてたイケてない年上の男(スティーブ・ブシェミ。通常
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終わらない週末(2023年製作の映画)

4.2

中産階級の人間の嫌な部分と、近い将来起こり得る最悪な事態が垣間見えるスリラー。可愛い鹿ちゃんが沢山出てきます。

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