デッカードさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

白いリボン(2009年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ドイツの架空の小さな村で起こる数々の不可解な事件。

犯人が気になるが映画は狭い社会で起こる妬み、恨み、怒り、蔑みなど禍々しい人間の感情を露わにしていく。

モノクロの映像が味わい深く美しいがゆえに残
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

ある日突然親友コルムから絶縁されたパードリック。

いきなり始まる二人の諍いにその前を知らない観る側はどちらにも味方することができず成り行きに翻弄される。

親友だと思っていた友だちのちょっとした一言
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.0

いつまでも子どもであり続ける少女あみ子。
自分はいつから大人になったのか?ふとそんなことを考えさせられた。

全ての出来事はアップで映し出されるあみ子の目から見た無垢なフィルターをとおしている。

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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.5

とにかく「好き」が詰まっている。

成績はよくないが魚が大好きなミー坊。夢は魚博士になること。

ミー坊を応援する母の井川遥、友だちの柳楽優弥、磯村勇斗、岡山天音がとにかくいい。

最初大丈夫?と思っ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

懐かしさとオリジナルへのリスペクトがあふれている。
あわせて新しさも楽しめた。

冒頭のトラックチェイスは、仮面ライダーらしくなくBGMも含め超ハード。
戦闘員を殴り殺すシーンなどお子さま対象につくら
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

2.5

湿地に一人孤独に生きる娘カイア。
突然現れた変死体は殺人と判断されカイアは容疑者にされてしまう。
裁かれるカイアは無罪となるのか?死刑になるのか?

父親のDVはじめ男たちの暴力は父権が強かった時代だ
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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

3.5

70~80年代のポルノ映画界を舞台に変遷する時代を生きる人々を描いた群像劇。

ポルノ映画のスターにのし上がる青年を軸に、たくさんの人々の流転の人生が語られるがそれぞれ味わい深い。

映画館からビデオ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

60年代後半、落ち目の俳優リックとそのスタントマンのクリフ。二人の独特の友情をハリウッドへの愛を込めタランティーノ監督が描く。

兄弟以上夫婦未満のリックとクリフの関係はベタつかずサラッとした感触で心
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ある日突然マルチバース世界の安定化の使命を負った普通の主婦エブリン。対決する巨悪の根源は実娘のジョイ。
おバカなことをするたびにバースジャンプを繰り返し、違う世界の別な可能性で生きる自分から能力を獲得
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

2.5

エブエブ、アカデミー賞受賞記念で鑑賞。
FFさんの紹介で。

無人島に漂着したハンクの前に現れた死体。ハンクと死体のサバイバルが始まる。

下ネタが次々に出てくるし、そもそも死体を連れ回して友情を深め
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.0

エルヴィス・プレスリーの生涯を彼を食いものするパーカー大佐の視点で描く。

後半大佐といびつな関係を続け搾取されながらも歌い続けるエルヴィスは痛々しい。
だがファンに愛され続けることを純粋に望み続けた
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茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)

4.0

最果ての島に流刑になった元高級官僚チョン・ヤクチョンと漁夫の青年チャンデの師弟関係とその行く末を味わい深く描く。

映画は19世紀に海洋生物学書「茲山魚譜」を編纂したチョン・ヤクチョンの実話に基づいて
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.0

激動の幕末を新選組鬼の副長土方歳三の視点で描く。

岡田准一が独自の道を突き進む土方をまっすぐに演じる。
多摩の百姓から京に上り独自のケンカ剣法と新しい時代の武士道を追求するストイックな土方歳三を岡田
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靴ひも(2018年製作の映画)

3.5

TwitterのFFさんのつぶやきを見て鑑賞。

30年振りに発達障がいのある息子ガディと同居を始めた父ルーベン。

障がいのある子を持った親の気持ち、親を大切に思う障がいのある子の気持ち。お互いを
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

10代のジャズメン3人のかけがえのない友情に心揺さぶられた。

個性的な3人の姿とジャズ演奏がセッションし圧倒的な描写で迫ってくる。

アニメならではの、画面からはみ出しそうなくらいの臨場感と効果的演
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

記憶を失った黒髪の女性。彼女に協力するブロンドの女性。
黒髪の女性は何者なのか?
二人を中心に無関係に見える出来事が同時進行する。

理解困難な展開が続くが全てがハリウッドの夢、愛が招く絶望的な終幕へ
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.0

75歳で自ら死を選択できる制度が定着した日本。

超高齢社会に生きる社会的弱者の高齢者がそれを選択せざるを得ない姿が痛々しい。

必死に生きてきた人生の最期を決めるのは自分なのか?天命なのか?

PL
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.5

超国家的諜報機関キングスマン創設の物語。

第一次世界大戦を起こし世界を混乱させる悪の組織は歴史上の有名人も加わり今までのシリーズ作品とは違った雰囲気。
しかしアクションはやはりキングスマンだと楽しま
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.0

ユリアが二人の男性の間で互いに揺れながら人生の1ページを過ごしていく。

ユリアは移り気で何でも自分勝手に振り回すが男たちは彼女を最高と言う。ユリア自身自分のやってることは最悪かな?と思っているのかも
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エゴイスト(2023年製作の映画)

5.0

心の奥底がズキズキと痛みを感じる。

ゲイ男性たちは何も悪いことなどしていないのに「ごめんなさい」という言葉を繰り返す。

痛々しく純粋な愛の姿に何度も涙。

全編をとおして悪意のある人やあからさまな
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天国の日々(1978年製作の映画)

3.5

20世紀初頭どん底の生活から抜け出そうとする男。愛する女性と農場主との三角関係は人々の運命を翻弄していく。

農場の風景そこにいる生き物など全ての映像が美しく人々の激情を柔らかく包み込む。
人間も自然
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オールド(2021年製作の映画)

2.0

楽園のようなプライベートビーチ。
しかし、そこは生物の成長を極端に早め人間の一生が1日で終わってしまう怪異現象が起こる場所だった。

人間は誰もが潜在的に「老いる」ことへの恐怖感を持っている。
その恐
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.0

スウェーデンの奇祭に招かれたアメリカ人の大学生たち。

祭は常軌を逸しているが、迎える村人たちは祭にいっさい疑問を持っていなくてそれゆえに不気味。

こんな祭があるわけないだろうが、見知らぬヨーロッパ
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オンマ/呪縛(2022年製作の映画)

1.5

アメリカで世間と離れて娘と静かに暮らす養蜂家アマンダの元に韓国から母親の遺骨が届けられたときから異変が起こるサイコホラー。

母親の拘束にアマンダ自身が囚われ同じことをしてしまうのは典型的な虐待の構図
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.0

なりゆきで甥を預かることになったラジオジャーナリスト。甥との共同生活は驚きや戸惑いばかりだが、いつしかそれは人生とは何かを考える思索の旅へとなっていく。

唯一無二の人生を人は否応なく「先へ、先へ」と
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太陽とボレロ(2022年製作の映画)

2.5

解散が決まった地方の弱小交響楽団。そのさよならコンサートを巡る人間模様。
水谷豊監督脚本作品。

曲者揃いの俳優が繰り広げる楽団員同士の迷いや諍い、恋などは今までもよく見てきた話なので目新しさはなく平
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冬薔薇(2022年製作の映画)

3.0

口先で大きなことを言うが中身はない、他人に金をせびり不良仲間とつるんでその日暮らしをする青年。
親とも互いに向き合うこともできず、他人に近づくほどに距離を置かれていく。
簡単に人生を変えられない過去と
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.5

3歳のときに養子縁組されて韓国からアメリカに来たアントニオ。
貧しいながらささやかに幸せな暮らしをする彼に強制送還の現実が突きつけられる。

アメリカの国際養子縁組制度の事実が重くのしかかる。

今ま
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スティルウォーター(2021年製作の映画)

3.5

マルセイユの刑務所に収監されている一人娘を助けるため父親が真犯人を探す。

サスペンス映画なのだが人生の挫折を味わった熟年の男性がどうにもならない不幸と幸せの間を翻弄される姿が丁寧に描かれている。
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.0

名門ブランド"グッチ"一族の御曹司と結婚した市井の女性。穏やかに過ごしていたセレブ一族の崩壊が始まる。

一族が覇権闘争へと向かう導火線となる女性をレディー・ガガがエキセントリックに演じる。

伝統あ
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

麻薬組織ゴールデン・サークルによってキングスマン壊滅!
生き残ったエグジーとマーリンは?

前作同様息もつかせぬアクションの連続。
007へのオマージュも健在で、雪山の要塞など「女王陛下の007」っぽ
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キングスマン(2015年製作の映画)

3.5

英国の諜報機関キングスマンの若きエージェントの活躍を描く。

古式ゆかしい秘密兵器、大物俳優が演じる誇大妄想の悪役とその無敵のボディガード、巨大要塞基地など往年の007の王道をオマージュしているのがう
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.5

日本の新幹線。乗り込んだ運の悪い殺し屋「てんとう虫」は殺し屋だらけの殺戮に不本意に巻き込まれていく。

日本の描き方はトンデモなのだが、どこかスタイリッシュ。
運が悪いとボヤキながら、なりふり構わず奮
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100日間生きたワニ(2021年製作の映画)

3.0

漫画『100日後に死ぬワニ』の後日談を中心に描く。
当たり前というかけがえのない日常。そして突然の死。
漫画でのワニの死はショックだった。

ワニが死んだ後、仲間たちがどう生きていくのかが焦点となる。
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.5

ホドロフスキー監督の幻のSF大作『DUNE』。その片鱗を見せるドキュメンタリー。

特異なキャラ、独特の世界観、ストーリー全てが奇抜。
12時間以上の上映時間も常識では考えられない。
想像できない映画
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続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

3.0

パトカーをジャックした男女と警官、それを追跡するパトカー群のロードムービー。
男女の目的は里子に出された赤ちゃんを取り戻すこと。ピュアで若さゆえの行き当たりばったりの逃避行。
3人はいつの間にかヒーロ
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