dendohさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

インスペクション ここで生きる(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

題材は良いのに、最後は少し船を漕いでしまった。

海兵隊訓練所に入学したゲイの主人公は同級生や教官からのいじめに合うが、徐々に打ち解けていく。一見、性的少数者を受け入れる余地がなさそうな海兵隊は『ゲイ
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バービー(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

隠喩でも何でも無いストレートなフェミニズム映画。でも娯楽的。クッッッソ面白くて特に不満なしの五点満点。

バービー世界のみならず、バービーという商品の持つ社会的位置づけや政治性をうまく理解した上でエン
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ゲーム・フェイス(2015年製作の映画)

3.6

トランスジェンダー映画祭で鑑賞したので最初勘違いしていたのだが、登場する二人のスポーツ選手のうちトランスは総合格闘家のファロン・フォックスのみであり、バスケットボールプレイヤーのテレンス・クレメンスは>>続きを読む

メジャーさん!(2015年製作の映画)

3.6

"I'm Still Fucking Here"

トランスジェンダー(特に有色人種のダブルマイノリティ)の収容者/服役者を支援するミス・メジャー・グリフィン・グレイシーの活動を追ったドキュメンタリー
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The Most Dangerous Year(原題)(2018年製作の映画)

4.8

トランスジェンダー映画祭で鑑賞。本邦のトランスジェンダー問題(特にLGBT理解増進法関連)を論じる上でも非常に有意義な映画だった。

最も危険な年とは、厳密には『米国人トランスジェンダーにとっての危険
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アロハの心をうたい継ぐ者(2014年製作の映画)

3.6

トランスジェンダー映画祭で鑑賞。

ポリネシア文化圏に古くから存在する第三の性『マフー』であるヒナ(クムヒナ)を中心として描くハワイのドキュメンタリー映画。ヒナのパーソナリティについては英語版ウィキペ
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カパエマフの魔法石(2020年製作の映画)

4.2

トランスジェンダー映画祭で鑑賞。
お恥ずかしながら『マフ』の存在をこの映画で初めて知りました。ポリネシア文化圏に伝統的に存在してきた『第三の性』を持った人々のことであるとのことです。厳密な意味ではトラ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

2.7

2023/7/30 2.7点
詰まらなかったくせに2回目の鑑賞(イオンシネマ港北ニュータウンにて)。残念ながら2回目も楽しめなかったので点数下げる。
理解できないから駄作とは言うつもり無いが、その理解
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ニモーナ(2023年製作の映画)

3.7

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SNSの評判が良くて視聴。
冤罪を受けた騎士が、変身能力を持つモンスターの子供と組んで奔走するバディもの。
主人公がゲイだったり、種族としての『モンスター』のマイノリティ的な使われ方が評価を受けてるの
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ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

3.5

ながら観しつつも睡魔に負け、最後は寝落ちしてしまったが、つまらない作品ではなかったよ。

本作については昔から名前だけ知ってて、勝手に『戦争映画かな』と思ってたのだが、いざ借りて観たらドキュメンタリー
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.0

年の差シスターフッド。

原作既読。原作読書時にはそこまでエモーショナルにはならなかったが、映画の『この漫画のおかげで私たち 友達になった』のセリフで泣いてしまった。二人に対してもそうだが、コメダ先生
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.1

寝不足の夜に観たせいもあり、後半は船漕いでしまった。

『アドルフ・アイヒマン』『ハンナ・アーレント』『凡庸な悪』の話は知っていたので、これ自体に驚きはないが、当時ここまでの論争になったとは知らなかっ
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パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)

3.6

ながら観してしまった。続編?の『妖怪の孫』が安倍晋三の映画なのに対し、『パンケーキ』は菅義偉の映画...の筈だが、赤旗など菅本人とは直接関係ない話も多く、とっちらかってる印象がある。アニメーションの尺>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

多数登場する性被害者達の方々の顔と名前が一致せずに苦労したが、物語の大枠を掴む上では問題なかった。

「#MeToo」運動が広がるきっかけとなったハーヴェイ・ワインシュタインのセクハラ告発を描く。如何
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セルロイド・クローゼット(1995年製作の映画)

5.0

Filmarksで私が満点をつけている『怪物』『機動戦士ガンダム 水星の魔女』については、各所で絶賛されている一方で、クィア表現の観点から批判も上がっている。前者は子供のゲイカップルが描かれる実写映画>>続きを読む

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

3.8

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『流行りのLGBTQ』という文言を含む雑語りを観てしまった🤮
そんな人には名作SF恋愛小説「ハローサマー、グッドバイ」のセリフを引用したい! 『お話ってのはある目的があって語られるもので、その語られ
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にわのすなば GARDEN SANDBOX(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

十函(トバコ)という街...何かあるようで何もない、道の狭い住工混在地域をひたすら散策するお散歩ムービー。主人公が歩く→酒を飲む→歩く...の繰り返しで、劇的なことは一切起こらない。現地で出来た友人と>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

アクアマンから久々のDC映画。
今回はあくまでフラッシュの映画なので、ジャスティスリーグはバットマン以外禄に活躍しない(スーパーガールもすぐ死んだり復活したりなので、活躍した感じがしない)

フラッシ
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

公開初日に早上がりして鑑賞(映像の情報量が多いので、吹き替えで観て正解でした)

敵も味方もモブもメインもスパイダーマン!
『み~んなトモダチ! み~んなアイドル!』がキャッチコピーの多様性の坩堝のプ
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.8

主人公(シイノ)が、自殺した友人マリコの骨壷を持って彷徨うロードムービー。『まりがおか岬』は映画では八戸設定だが、原作段階では設定されておらず、映画化段階で決めたみたい。あまり細かい設定は開示されてお>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

『老兵は死なず、ただ去るのみ』を『だが今日じゃない』と一蹴するオジサンスゴイ映画。

前作は大昔に何度か観たが、ほとんど内容忘れた。

劇場公開時はスルーしたが、ヒット作なので義務感で鑑賞。ストーリー
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.8

スタート直後にちょっとした観客間のトラブルがあり(笑)、序盤の展開に集中できなかったが、それでもまあまあ楽しめた。

事件の発端に性暴力があるが、それが劇中で描写される事は殆どなく、あくまでも女性達の
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羅生門(1950年製作の映画)

3.5

是枝裕和『怪物』からこちらに流れてきました。黒澤映画は『七人の侍』『生きる』は鑑賞済。芥川龍之介の『羅生門』も既読でしたが、実際には『藪の中』が原作らしく、内容の違いに混乱しました。

現場の三人(全
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

終映しそうだったので駆け込みで観てきた。

子供がうるさかったり、後ろからキックされたりと何故か鑑賞環境が悪い。周囲がめちゃくちゃ泣いているが故に、寧ろ逆に冷めた目で観てしまった。とはいえよく知らなか
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怪物(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

本当は初日に観たかったのに生憎の台風で断念。二日目も朝一番は雨が強くて家を出るのを逡巡してたが、何とか午前最後の回で観てきた。

是枝裕和×坂元裕二という時点で鑑賞することを決めていたため、カンヌで脚
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波紋(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

スタッフロールでムロツヨシが出ていたことに気づいた。夫に話しかけていたホームレスがそれらしい。

監督は枯山水での喪服フラメンコが一番やりたかったシーンだったりするのかな?というラストシーンが印象的。
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.7

英語原題『The Passengers of the Night』。離婚した女性が第二の人生の中で職を得て、恋愛をし、少女を助け、新しい住まいを得、その中で生きがいを見つける話。

タルホへの『職を得
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

初めてのモンゴル映画。

親の言いなりで原子力工学科に通う女子大学生が、アダルトグッズのバイト経験やオーナー(元ダンサー、髪型が海原雄山)との交流を通じて自主性が育まれ、自分のやりたい事を見つけるとい
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ターは信用出来ない語り手なのか? どこかでめっちゃ精神的に来る展開が来るのか? めちゃくちゃ期待してたのだが、ベトナムのコスプレイベントで指揮するシーンで終わり、『フーン』という感じ。

どうも『衝撃
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ドンキーコングJrが設定から消えてるのが気になったが、それ以外はこの手のアニメ映画として完璧。なおクッパがキノコ王国に攻めてくるといういつものマリオシリーズなので、ストーリーは無いに等しい。
マリオフ
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ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

3.9

『ひょんな事から一流コーチが落ちこぼれ集団を鍛えなおして大会優勝』的なスポーツものの亜種映画。

主題が『移民』『料理』とは実にフランス的。前半は明らかにコメディだが、後半はまあまあシリアス(移民を扱
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ハマのドン(2023年製作の映画)

3.8

イオンシネマがこの手のドキュメンタリーを放映するとは珍しい。GW明けの月曜に鑑賞したが、横浜市内という事だからなのか、7-8割程度は席が埋まっていた。

ドキュメンタリー映画とは思えないほどにドラマテ
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

人の死なないディザスター映画。
RTAでもTASでもない。人生はいつも初見プレイ!というお話。

最初の三十分は本当に退屈だったが、事故の回想がスタートしてからハラハラするシーンが続いて俄然面白くなる
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高速道路家族(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

『高速道路家族』というタイトルだけど、高速道路から離れてからが本番。

エンタメ性の強い万引家族やパラサイトと比べるとより社会派だなと思った。リサイクルショップの夫が酔っ払いに絡んだ経緯とか観ると、監
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.6

昔懐かしい剣と魔法の王道ファンタジー、コメディ要素たっぷり。

スルーするつもりだったが、評判が良いので観てきた。エログロありのダークファンタジーや異世界転生ものに食傷している人にこそオススメしたい。
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

最近は蔑ろにされがちな市民運動と報道の力を改めて実感(しかし多くの描写が創作である事は留意)

少数派意見を『p.p.m.』呼ばわりするのは、高速鉄道事業における佐賀県や静岡県を思い起こさせられた。公
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