desperadoiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

desperadoi

desperadoi

映画(284)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ニューヨーク・ニューヨーク(1977年製作の映画)

2.5

デ・ニーロさん少し抑えて!ジミー・ドイルというキャラクターを『タクシードライバー』直後のデ・ニーロが演じると、才能はあるが性格に難ありどころか狂気じみた危険人物にしか見えない。お願いだから早く逃げてく>>続きを読む

若草の頃(1944年製作の映画)

3.5

“Meet Me in St. Louis, Louis”や“The Trolley Song”を始めとした名曲の数々はもちろん耳に残るが、カラフルな衣装や豪華な装飾品等の美術にも目を奪われる。なるほ>>続きを読む

ハルク(2003年製作の映画)

3.5

噂に聞いていたほど悪くない。コマ割りに見立てたスプリットスクリーンの使い方は、アメコミの映像化として面白い演出だと思う。確かにヒーロー映画に多くの人が期待するであろう爽快感や高揚感には欠ける。だが怒り>>続きを読む

仔鹿物語(1946年製作の映画)

4.0

動物との触れ合いを通じた少年の成長物語とのあらすじから想像するものより、数段はシビアな展開に驚くと同時に感動した。『ヒックとドラゴン』を初めて観た時を思い出す。

けれども何より印象的だったのは主人公
>>続きを読む

馬上の二人(1961年製作の映画)

2.5

先住民に拐われた白人の子どもを取り戻そうとする保安官と軍人。しかし長年の生活で同化している彼らがそもそも帰還を望むのか、そして白人社会も彼らへの偏見を取り去って受け入れられるのか、という主題は同じくフ>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

『ザ・ライダー』と同様に、台詞による分かりやすい説明は避け、俳優の仕草や表情、詩情豊かな風景に語らせるクロエ・ジャオの演出は好み。ロードムービーとしても社会派ドラマとしても楽しめ、バランス感覚に優れた>>続きを読む

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.0

現在と過去を行き来する物語で、そこには数十年のスパンがあるにもかかわらず、役者は変わらない。それどころかメイクで年月の経過を表現しようとすらしてないように思える。その結果、現実と幻の区別が曖昧になり、>>続きを読む

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)

3.5

これが噂のフレッド・アステア!!ジーン・ケリーと並ぶミュージカルのスターだと聞いていたが、タイプの違いがはっきりしていて面白い。アステアは優雅で軽やか。夜の公園でのダンスシーンは、そんな彼の魅力が最大>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.0

黄金期のミュージカル映画がここまで凄いとは思っていなかった…今まであまり観てこなかったけど、これは他の作品も観なきゃ。とにかくパワフルでダイナミックなダンスに目が釘付け。もうこれはアクション映画と言っ>>続きを読む

ローラ殺人事件(1944年製作の映画)

2.5

料理に例えるなら素材はどれも好みなのに、味付けが全く口に合わなかったと言うべきか。フィンチャーとエルロイにタッグを組んでもらってリメイクすれば、より危険な香りのする作品になって面白くなるのでは。

サムライ(1967年製作の映画)

4.0

なんてクールな映画を撮るんだジャン=ピエール・メルヴィル!冷たく光る青みがかった映像、感情を表に出さないアラン・ドロンの演技、ジャジーな音楽も全部含めて「cool」以外の形容詞が思い付かない。台詞なし>>続きを読む

(1963年製作の映画)

3.5

久しぶりに観たけれど、こんな重苦しい雰囲気の作品だったのか。冒頭のロマコメ的なシーンですら色合いは暗く、音楽も流れない。不吉な予感とは言わないまでも違和感が漂っている。メラニーとミッチのそれぞれの母親>>続きを読む

この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)

4.0

ポール・グリーングラスが西部劇を撮ると聞いた時は驚いたが、なるほどそう来たか。手持ちカメラの多用・素早い編集といういつものスタイルはほぼ封印されているものの、南北戦争後のアメリカに現代社会を重ねて様々>>続きを読む

影の軍隊(1969年製作の映画)

4.0

冒頭で引用された言葉は原作からだろうか、自身もレジスタンスの一員だったというメルヴィルの感慨も込められている気がする。それにしてもあまりに苦く厳しい作品だ。占領軍に対する抵抗となればある種のロマンを交>>続きを読む

ミルドレッド・ピアース(1945年製作の映画)

3.5

家庭ドラマ要素の強い変化級的なノワール。主人公が女性というだけでも珍しいが、ファム・ファタールに当たるのが何と娘!興味を惹かれたのはミルドレッドの服装の変化。主婦時代はごく普通のエプロン姿だったが、離>>続きを読む

王になろうとした男(1975年製作の映画)

3.5

『黄金』や『アスファルト・ジャングル』と同じく、男たちの夢と挫折を描いた実にジョン・ヒューストンらしい作品。舞台がアフガニスタンということもあってそれらの作品と比べて冒険活劇的な要素が強く、独特な民族>>続きを読む

勝利への脱出(1980年製作の映画)

3.0

サッカーの国際的な試合・収容所からの脱走・対独レジスタンスと単体でも作品になりそうな題材を一本に収めてしまうのだからある意味贅沢な映画と言える。だがその分大味になってしまった感も否めない。ジョン・ヒュ>>続きを読む

フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)

2.5

キャサリン・ヘプバーン、ケーリー・グラント、ジェームズ・スチュワートら豪華スター競演のロマコメ。キャストから予想される通りウィットに富んだ台詞の応酬はテンポ良く楽しい。だが弾む会話に比べて映像がほぼ止>>続きを読む

ガス燈(1944年製作の映画)

4.0

これは見事な心理サスペンス。不安に駆られ追い詰められていくイングリッド・バーグマンの演技は圧巻。彼女の精神状態を如実に伝えるクローズアップも効果的。揺らめくガス燈の明かりはもちろん、ロンドンの街並みを>>続きを読む

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道(2005年製作の映画)

3.5

ホアキン・フェニックスのパフォーマンスが輝いてる。演技はもちろん、歌声やステージアクションまで一挙手一投足から目が離せない。酒とドラッグの影響で異状な体調でのライブシーンや、荒れて楽屋を破壊するシーン>>続きを読む

拳銃王(1950年製作の映画)

3.0

グレゴリー・ペックが凄腕の早撃ちガンマンとはやはり無理があるのでは。『大いなる西部』を観た後だからという訳ではないが、平和主義の人格者にしか見えない。正当防衛でやむなく殺してきたとの設定も苦しい。口髭>>続きを読む

ハッド(1962年製作の映画)

4.0

単に父子の確執を描く物語であれば全く珍しくはない。だが更に一つ下の世代の視点を取り入れたことが他の作品との違いであり、主人公ハッドの虚しさがより際立つ結果になったと思う。享楽的な生活を送る中で時に屈折>>続きを読む

大いなる西部(1958年製作の映画)

4.0

これも有害な男らしさを扱った作品だったのかと驚いた。従来の西部劇的マチズモを否定する東部出身の男にグレゴリー・ペックとは絶好の配役。注目すべきは男性だけでなく女性キャラもそうした価値観に染まっているこ>>続きを読む

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.0

怪作とは言い過ぎだろうか。ストーリーは主人公がギャンブル中毒の『シリアス・マン』と言えるのだが、妙な熱気を帯びていて観賞後は何だか頭がクラクラしてしまった。とにかくアダム・サンドラー演じるハワードのキ>>続きを読む

弾丸を噛め(1975年製作の映画)

3.0

馬による長距離耐久レースを題材にした珍しい西部劇。大金が掛かっているにもかかわらず出場者たちは競争心をむき出しにしたりせず、お互いに助け合うのには少々拍子抜けだったが、それにも納得。最大の強敵は過酷な>>続きを読む

決断の3時10分(1957年製作の映画)

4.0

以前はアクションシーンが多く、よりドラマチックな展開のリメイク版の方が面白いと思っていたが、改めて観るとダンとベンの関係に焦点を絞ったシンプルなこちらの方が好みかも。狭い一室で静かに繰り広げられる2人>>続きを読む

太陽の中の対決(1965年製作の映画)

3.5

キャラクターは駅馬車に乗って移動していても、物語が中々進まず方向性もはっきりしない前半はかなり退屈。だがトラブルが発生して乗客らが次々と困難な選択を迫られる後半で一気に巻き返してくれる。ポール・ニュー>>続きを読む

スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

3.5

安楽椅子探偵ならぬ会議室スパイと言うべきか、メインアイテムは銃ではなく電話機だ。主人公の取る手段はもうとにかく電話に次ぐ電話での交渉・工作と地味な絵面が続く。ただしカチャカチャした編集はもちろん、少し>>続きを読む

スノーマン 雪闇の殺人鬼(2017年製作の映画)

2.5

どうしちまったんだトーマス・アルフレッドソン…話の取っ掛かりが見つからないままいつのまにか観終わってしまった。突貫スケジュールでの撮影だったとは聞くが、本当に考える間もなく撮らざるを得なかったんだろう>>続きを読む

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

4.5

何度観ても新たな発見があって驚かされる。いかに映像で語るのか、その考え抜かれた演出に。今回気付いたのはガラス越しのショットの多さ。実際にいるのかいないのか別として、監視者の視線を観る者に感じさせ、サス>>続きを読む

タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(2011年製作の映画)

3.0

インディ・ジョーンズと同じく謎解きの合間に一難去ってまた一難タイプのアドベンチャーものなので、観ていて退屈させられはしない。問題はやけに写実的なキャラクターデザインに馴染めるかどうか。これなら実写で良>>続きを読む

戦火の馬(2011年製作の映画)

3.5

児童文学原作でレイティングがGだからって容赦しねぇからなとのスピルバーグの心の声が聞こえてきそう。むしろ決定的な瞬間を見せないからこそ、さっきまで動いていた人間や馬が、次のカットではもはや動かない死体>>続きを読む

ジェミニマン(2019年製作の映画)

3.0

凄腕のスナイパーが自身の若きクローンとの対決を迫られるとのあらすじからは、何だか00年代の作品にあったような懐かしさを感じる。ウィル・スミス主演かつジェリー・ブラッカイマー製作であれば尚更。だがそこか>>続きを読む

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

3.5

噂に違わぬ超絶アクションに燃える。後半のシューリンvsイェンのシーンなんて緩急自在の編集・カメラワークに魅せられて、思わず巻き戻してしまったぐらい。次々と武器を変えながら戦い続けるシューリンの手練れの>>続きを読む

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.5

原作既読。イニスとジャックそれぞれの家庭生活のシーンを増やしたことで、彼らの抱える生きづらさの原因が明確になったと思う。家父長制と有害な男らしさの組み合わせは誰も幸せにしない。特にジャックへの想いと保>>続きを読む

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.0

スピルバーグはフィルムノワール的な雰囲気を目指したらしいが、彩度が低くザラついた映像という点では成功してるかも。近未来が舞台のSF映画はパキッとした無機質さを強調している作品が多い気がするので何だか新>>続きを読む