久しぶりに観たがこんなに怖かったっけ…と2時間驚かされっぱなし。スピルバーグ作品では『ジョーズ』と並ぶ素晴らしいスリラーでは。トライポッドの襲撃シーンはその巨大さ、破壊力の高さ等からもはや怪獣映画と言>>続きを読む
91年の作品だが、使われている楽曲やファッション等がまだまだ80年代っぽい。全体的にキラキラした雰囲気で、キャラクターはみんなテンションが高く、グランジなんて影も形もないというのは雑過ぎる分析か。個人>>続きを読む
奇抜な発想と時間の操作というノーランの作家性が最大限発揮された作品で、前代未聞の映像体験だった。似たものはいくらでもあるだろうが、ここまで大掛かりだとは本当に度肝を抜かれた。観賞後しばらくは世界がそれ>>続きを読む
あれだけ小難しい科学的な理論を用いながら結局全てを超越するのは愛だなんて、ノーランったら超弩級のロマンチストなのね…舞台や旅の目的は壮大なのに、物語の核となる部分はとてもパーソナルであるという対比がエ>>続きを読む
キャグニー演じるコーディの暴れっぷりが強烈なギャングものなのだが、捜査官側の視点も意外に多くて驚いた。それも指紋の照合はもちろん、容疑者の衣服に付着した土を分析・車に取り付けた発信器での追跡などなどか>>続きを読む
ドン・シーゲルらしくきびきびと無駄がないと言えばそうなのだろうが、前半は本当にキャラクター紹介と状況説明だけに感じられて少々退屈。肝心の戦闘シーンは低予算という製作側の事情と、限られた武器弾薬で工夫せ>>続きを読む
前作ではほとんど映らずにやきもきさせてくれたあのマッコールさんの本棚が、遂にベールを(少しだけ)脱いだ!読むべき100冊リストの一部分と思しき『白鯨』『ライ麦畑でつかまえて』『怒りの葡萄』等に挟まれて>>続きを読む
娯楽性の高いアクション映画だけれども、文学好きの人にも実はオススメしたい作品。何しろ主人公が読むべき本100冊のリストに挑戦中で、読んでいる本が単なるキャラクター設定のための小道具ではなく、ストーリー>>続きを読む
ノーランらしい複雑な設定と理屈っぽいストーリーが煩わしく感じられる部分もなくはない。でも僕がこの作品を好きなのは、それらを超えて観る者の感情に強く訴えかけるものがあるから。何でも可能な夢の中にもかかわ>>続きを読む
リアルなファイトシーン、俳優陣の見事な役作りと熱のこもった演技(中でもトム・ハーディのそれは鬼気迫るものを感じる)等々素晴らしい点はいくつもある。だけれど最も特筆すべき事柄は音楽の使い方、The Na>>続きを読む
数年前に1度観ているが、ある程度ヒッチコック作品を鑑賞した今の方が数倍楽しめた。スコセッシやフィンチャーをはじめ、各監督たちのコメントにも頷くことしきり。『サイコ』と『めまい』は同業の監督たちにも人気>>続きを読む
ひたすらセリフで説明する序盤で脱落しそうになるも、犯罪計画が実行に移される段階になるとさすがの面白さで引き込まれた。犯罪がバレるかバレないかを犯罪者視点で描く時こそ、最もヒッチコックのカメラは冴え渡る>>続きを読む
設定には少々無理がある気はするが、POVの使い方や不安定なテルミンの音色が効果的でハラハラさせられる。夢のシーンの美術はダリが手掛けていると知らずに観ても1発で分かるほど特徴的。観ていて何だか次第に足>>続きを読む
こんなロマコメも撮ってたのねヒッチコック。『情婦』が最もヒッチコック的なワイルダー作品だとすればこれはその逆で、最もワイルダー的なヒッチコック作品と言えそう。脚本にそれほどひねりは効いていないが、その>>続きを読む
恐ろしい。あまりに有名なシャワーシーンは、振り下ろされるナイフのリズムに合わせた編集や不快感を煽る音楽の効果が見事で、今観ても逃げ出したくなるような怖さを覚える。ただ、他のヒッチコック作品と比べるとス>>続きを読む
圧搾機やブランコ、ロープ遊び等の繰り返される単調な動きが、終わらない報復の連鎖に囚われているキャラクターの境遇と重なる。牛が…!のシーンはロドリゴ・サントロの表情が見事で、観ているこちらも底知れない虚>>続きを読む
作品のカラフルなトーンを決定付ける刺繍画風のオープニングクレジットが素敵。四姉妹に関しては、ジューン・アリソンは声の演技でジョーらしさを見事に表現しているし、ジャネット・リーのメグは個人的に原作のイメ>>続きを読む
グレタ・ガーウィグの大胆で野心的な脚本を讃えよ!単に古典を現代的な解釈で語り直すだけでなく、鮮やかな手法で原作者オルコットの意志を汲み取ってみせるガーウィグの手腕には脱帽するしかない。
時系列順に少>>続きを読む
ジーナ・カラーノが放つアクションの説得力よ。殴る・蹴る・走る・跳ぶのどれをとってもめちゃくちゃかっこいい。嵌められた主人公と徐々に明らかになる陰謀といったプロットやデヴィッド・ホルムズによるジャジーな>>続きを読む
勇気を出して観たが、今このご時世で観ると笑っちゃうぐらい怖いな…前半部分は特に。抑制の効いた演出は却って恐怖感を煽るし、感染の拡大範囲とスピードや飛び交うデマ等の描写はリアルだ。脚本を手掛けたスコット>>続きを読む
手持ちカメラを多用したドキュメンタリータッチの映像が生み出す臨場感が凄まじい。特にデモや蜂起のシーンは、作り物だとはとても信じられない迫力に圧倒される。ポール・グリーングラスは映画監督を目指したきっか>>続きを読む
小・中学生の時以来久しぶりに観たが、実に見事な冒険活劇。アクション・アドベンチャーではなく、冒険活劇と呼びたくなるようなある種の古めかしさを感じる。インディ・ジョーンズ的な雰囲気と言うべきか。実際スピ>>続きを読む
あらすじから『怒りの葡萄』と同じく貧しい農民の暮らしをユーモアを交えつつ描くのかと思いきや、完全にスラップスティック・コメディじゃんこれ。しかもそのドタバタ具合が度を越してて笑っていいのか迷うレベルの>>続きを読む
貧しくも逞しく生きる人々を描き出すフォードの筆致はどこまでも優しく、そして力強い。西部劇よりも彼の思いがストレートに伝わってくるようで、僕はこの作品や『わが谷は緑なりき』の方が好きかもしれない。
何>>続きを読む
二大スター共演との謳い文句から想像するようなヘンリー・フォンダ演じるサーズデイ中佐と、ジョン・ウェイン演じるヨーク大尉の対立は思ったよりも控えめ。むしろ辺境の砦に暮らす兵士とその家族の生活の様子に重点>>続きを読む
『リオ・ブラボー』からの流れで久しぶりに鑑賞。まず80分台というタイトな上映時間、それを劇中の時間の流れとほぼ一致させた大胆な構成に唸る。それでいてキャラクターたちの関係や背景等が説明不足と決して感じ>>続きを読む
何はともあれピーター・セラーズの怪演ですよ!1人3役だなんてどんなだ?!しかも主要キャラばかり。それを声色やアクセントから身ぶりに至るまで完璧に演じ分けているのだから、脱帽する他ない。久しぶりに観て驚>>続きを読む
冒頭の長回しを始めとして、華麗な撮影技術や陰影に富んだ硬質な映像美には惚れ惚れする。オーソン・ウェルズのこういったテクニックとビジュアル・センスは、ヒッチコックのそれに勝るとも劣らないのでは。ただ、問>>続きを読む
短編小説を膨らませて長編映画化した例は数あれど、短編のまま映画化したものをアンソロジーとして仕上げた作品は珍しい気がする。ポーの短編が原作の『世にも怪奇な物語』や『バスターのバラード』にもジャック・ロ>>続きを読む
『リオ・ブラボー』に続いてハワード・ホークスの西部劇を。マチスモに凝り固まったキャラクターを演じるジョン・ウェインが素晴らしい。苦々しげに相手を睨みつけるあの目と言ったら。お陰でモンゴメリー・クリフト>>続きを読む
多勢に立ち向かう主人公は肝っ玉の太い保安官、彼の味方にはアルコール依存症で手が震える保安官補にとぼけた爺さん、そして機転の利く若者と男勝りなギャンブラーとキャラクターは皆個性豊か。見せ場もたっぷりで、>>続きを読む
極彩色とも言うべき派手な色合いの映像がオリジナル版の魅力の1つだろう。ではモノクロになったら魅力減かと言えば全くそうではない。確かに情報量が少なくなったことで何が起きているのか分かりにくいシーンもある>>続きを読む
断片的な情報から流れ者が悪を討ち、見返りも求めずまた去って行く物語だと思っていた。大筋は外れていないにせよ、その想像は良い意味で裏切られた。これは単純な勧善懲悪ではなく、暴力について正面から向き合った>>続きを読む
少女が主人公という点では異色西部劇なのだろう。しかしこの牧歌的なトーンは王道と言うべきか何だろうか。ニューシネマ真っ盛りの69年、そして同じ西部劇としては『ワイルドバンチ』や『明日に向って撃て!』が公>>続きを読む
紅葉の美しい長閑な田舎町で起きた殺人事件!犯人を巡って住民たちの間には疑心暗鬼が…生まれない。生まれることは生まれるが、誰が犯人かではなく、自分が殺したのかもとの疑念。ヒッチコックらしい凝ったカメラワ>>続きを読む
最近モノクロ作品ばかり観ていたせいもあってか、テクニカラーとビスタビションの生み出す鮮やかな映像には目を奪われる。赤と緑を中心とした色彩もゆったりした編集のテンポもバーナード・ハーマンの音楽も全てが幻>>続きを読む