desperadoiさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.5

スコセッシによるギャング映画の集大成かつ今だからこそ撮れた新たな到達点では。『グッドフェローズ』や『カジノ』のように長尺でも時間を感じさせない速度で突き進むこともできたはず。だが敢えてそうはせず、3>>続きを読む

アウト・オブ・サイト(1998年製作の映画)

3.0

まさかのエルモア・レナード ・シネマティック・ユニバース…!

波止場(1954年製作の映画)

4.0

赤狩りの事が念頭にあるせいかエリア・カザンの自己弁護と取れなくもないが、ラストでボロボロになったテリーが取る行動には素直に感動させられた。ふらつく足下のアップやPOVの使い方も効果的で、自然とキャラ>>続きを読む

昼下りの決斗(1962年製作の映画)

3.5

老いや裏切り等、後のペキンパー作品とも共通するテーマは既に見られるが、アクションやバイオレンスに関してはまだまだといった印象。ラストの決闘はカメラワークや構図に黒澤明ぽさを感じた。

レイジング・ブル(1980年製作の映画)

4.5

大学生の頃に初めて観た時は自業自得な愚か者の物語と切り捨てていたが、愚か者は一体どちらか。理由や状況は違えど、ジェイクのように親しい人との関係を自分のせいでぶち壊してしまうことなど無かったと僕は断言>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

この手のどんでん返し的ミステリはやはり好みではない。ミステリとしての系統は異なるとは言え、同じくスコセッシ&ディカプリオで映画化予定の『花殺し月の殺人』が少し不安になってきた…
ヒッチコック作品の
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エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993年製作の映画)

4.0

スコセッシ、恋愛モノもこんなに面白いのか!主要キャラクター3人の演技が上手いのは勿論だが、カメラワークや編集でも彼らの関係・感情の変化が見事に描かれていて、映像で語る演出はこの時点で既に円熟の域。>>続きを読む

アビエイター(2004年製作の映画)

3.0

『アイリッシュマン』の配信前に未見または流し見程度だったスコセッシ作品をと思い鑑賞。前半の独特な色合いの映像はレトロな味わいがあって面白いが…印象に残るのはそれぐらいか。ディカプリオの熱演も何だか空>>続きを読む

狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.0

膠着状態が続く事件そのものとは裏腹に、刻々と変化していく犯人と人質及び警官、野次馬との関係が面白い。『セルピコ』では音楽が合っていないと感じたが、冒頭を除いて一切音楽を使用しないという大胆な選択には>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.0

トッド・フィリップスがインタビューで語っていたように、70年代から80年代半ばに撮られたスコセッシやルメットの作品が大好きなのはよく伝わってくる。そのため全体のトーンとして他のコミック原作映画と差別>>続きを読む

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

4.0

久しぶりに観ると大義や告発も、そしてもちろんロマンも無いという戦争映画としてはかなり異色な作品だと感じた。
感傷を排したハードボイルド的な空気が全編を通じて漂っているがゆえに、終盤にジェームスがふ
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プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリー畑で活躍するマシュー・ハイネマンの監督作品だけあって、銃弾を潜り抜けて走るメリーを追うショットには凄まじい臨場感があった。映画を観ながら思わず首をすくめてしまったのは久しぶり。
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セルピコ(1973年製作の映画)

3.5

主人公である警官が大怪我を負い、尚且つそれが同僚に撃たれたものかもしれないと匂わす衝撃的なオープニング、そして警察学校の卒業式にまで遡って彼の人物像を丁寧に描く構成には一気に引き込まれる。だがその後>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.0

「男らしさ」の定義を見直すような作品だとのブラッド・ピットの発言に俄然興味を惹かれて観たのだが、テーマの掘り下げが甘過ぎるのでは。敢えて口に出す必要がないようなモノローグも多く、説明的になってしまって>>続きを読む

メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(2005年製作の映画)

4.0

ペキンパー作品のような詩情も大いに感じられるが、女性キャラクターを男性キャラクターにとって都合の良い存在として描かないように注意している点が素敵。トミー・リー・ジョーンズはコーマック・マッカーシーと>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

タランティーノがあの事件を題材にすると聞いてある程度結末の予想はついていたが、映画を愛する人のためのおとぎ話として文句無しの着地だったと思う。
ただ、予想外だったのは事件に至るまでのシャロン・テイ
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イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

4.0

個人的にタランティーノと言えば長い無駄話と言うイメージだが、この作品ではキャラクターの正体や嘘が敵にバレていないかというサスペンス要素を増したことで、会話劇として格段にレベルアップしたように思う。ラ>>続きを読む

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.5

劇場公開時以来久しぶりに観たが、こんなに良い作品だったとは。
現在と過去を並行して描く脚本の構成が非常に効果的だと思う。昔と比べると主人公リーは明らかに人が変わったようだが、その原因は何なのか。判
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.5

スパイダーマンになるのに人種も性別も、年齢だって関係無いだなんて、最高にクールなメッセージ。運命ではなく、選択なんだ。

アポロ 11 完全版(2019年製作の映画)

4.0

予想外にエキサイティングなドキュメンタリー映画。70mmフィルムの映像は50年前に撮られたとは信じられないぐらい綺麗だし、編集やテロップの使い方も上手く、のめり込んで観てしまった。僕みたいに『ファース>>続きを読む

救命士(1999年製作の映画)

3.5

ただ映画を観ているだけなのに、劇中のキャラクターと同じようにナチュラルハイな気分が味わえてしまうヤバイ作品。早回しで見せられる光の洪水のようなニューヨークの夜景と、始終流れるテンションの高めのロック>>続きを読む

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

4.0

原作がブッカー賞最終候補作だけあって、やはりストーリーが面白い。西部劇と聞いてこちらが予想する展開を裏切ってくれるので、肩透かしと感じる向きもあるかも。単なる「父殺し」ではない点が現代的・非アメリカ>>続きを読む

ヴェラクルス(1954年製作の映画)

3.5

元々90分台という短めの作品である上に、要所要所にアクションシーンが挿入されるため、ダレることなく一気に観られる。娯楽映画のお手本のような小気味好いテンポ。
そのアクションシーンも同時代の西部劇と
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ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)

3.5

皮肉・嫌味・ブラックなギャグてんこ盛りで実にマーティン・マクドナーらしい作品。コリン・ファレルの八の字眉も存分に味わえる。

白鯨との闘い(2015年製作の映画)

2.5

あんなに素晴らしいナサニエル・フィルブリックの原作がなぜこんな事になってしまったのか…
まず、事件の回想・メルヴィルによる取材パートともに脚色がありきたりで面白くない。わざとらしい船員間の対立、バ
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ブルックリン(2015年製作の映画)

3.5

何より心理描写が丁寧かつ細やかで、映画のキャラクターとは生まれた時代も場所も全く異なるこちらの心にすっと染み入る。それもセリフだけではなく、ちょっとした仕草や表情の変化等で彼女らの思考・感情を読み取>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

5.0

追う者と追われる者がいる。銃弾が放たれ、死体の山が築かれる。
ストーリーは至ってシンプルだが、それを描き出すコーエン兄弟の演出も極めてストイック。セリフや劇伴は大胆なまでに削ぎ落とされ、映像と音で
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.5

陳腐な表現なのは分かっているが、作り手の狂気と執念が文字通りフィルムに焼き付けられた怪作と呼ぶしかない。禍々しく燃え盛る炎、荒れ狂う風雨以上に凄まじい人間の業。

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.0

‪ようやくあのセリフが聞けたし、彼の物語に納得のいく結末が与えられていたので僕はもう満足。これで心置き無く卒業できる。‬

トリプル・フロンティア(2019年製作の映画)

3.5

‪ 山場だと想像していた強奪シーンがあっさり終わるなと思ったら、なるほどそういう方向性か。クライムアクション要素を増した『黄金』と言うべきか。ただ、そのアクション演出がJ・C・チャンダーには不向きだっ>>続きを読む

ハンテッド(2003年製作の映画)

3.5

ストーリーやキャラクター設定はありがちでそんなに面白くないかも…と思いながら観ていると、中盤のカーチェイス/フットチェイスが始まった途端、空気が一気に張り詰める。台詞無しでもキャラクターの考えが分か>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.0

確かに全体としては、小道具の使い方や繰り返されるシチュエーションのずらし方等々、技巧の光る脚本だと思う。ただ、実際にあったエピソードなのか「良い話」にするための脚色なのかは分からないが、妥当とは思え>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.5

人種差別はもちろんのこと『ムーンライト』に続き「有害な男らしさ」がもたらす弊害について描かれていて、バリー・ジェンキンスの問題意識がよく窺える。それらのシーンはとても現代的に感じたんだけど、原作では>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.5

バッサリと時期を区切った三部構成であるが故に、僕たちが観ている物語の間には一体何があったのか、登場人物たちの変化に想いを馳せざるを得ない。特にシャイロンは多くを語らないが、彼の仕草や数少ない台詞はそ>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

5.0

勇壮で胸が熱くなるようなエンタメ作品にしようと思えばどれだけでも出来るであろう題材を、ニール・アームストロング個人の視点に集中する事で内省的な人間ドラマとして描いた切り口が素晴らしい。人類史上初めて>>続きを読む

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

5.0

 金も無いし家も無い。売れないデュオの相方は身投げするし、知らないおっさんにまで殴られる。運命の女神は猫のように気まぐれで、人生はなかなか上手くいかない。だけど明日こそは良いことあるかも…

 いつも
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