desperadoiさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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麗しのサブリナ(1954年製作の映画)

3.5

全編を通じてビリー・ワイルダーらしい茶目っ気たっぷりのユーモアが味わえる作品だが、1番好きなのは絶望したサブリナがある行動を取る序盤のシーン。本来であれば深刻な雰囲気に包まれるはずなのに、クスッと笑>>続きを読む

ディパーテッド(2006年製作の映画)

4.0

『グッドフェローズ』や『レイジング・ブル』ではなく、今作こそアカデミー賞4部門受賞に相応しい傑作かと問われれば僕も躊躇してしまうが、スコセッシのある種総決算的な作品として充分楽しめる。
リメイクと
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狩人の夜(1955年製作の映画)

3.5

カルト的な人気を博すのも納得の怪作。前半のサイコサスペンス的な雰囲気から一転して、後半はダークな童話のようになる構成に驚いた。中盤に当たる子どもたちがボートで川を下るシーンは穏やかで美しい自然の情景>>続きを読む

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.0

さすがキューブリック!と言いたくなるようなシャープで斬新な映像の数々に痺れる傑作犯罪映画。時系列をシャッフルし、異なる視点から再び同じシーンを見せる脚本の構成は、タランティーノやノーランへの影響が窺>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.5

監督のみならず脚本も手掛けたグレタ・ガーウィグの半自伝的な青春映画だけあって、主人公の抱く故郷への屈折した感情や家族・友人たちとの人間模様が非常にリアル。スクリーンが暗転した後も続いていく彼女らの人>>続きを読む

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.0

鮮鋭な映像と混沌とした音楽で、観る者の感覚を否応無く過敏にさせるリン・ラムジーの演出が冴え渡る犯罪映画。
21世紀の『タクシードライバー』との評も見かけたが、レフンの『ドライヴ』に近い印象を受けた
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ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル(2016年製作の映画)

4.0

リッキーの絶妙なアシストのせいでヘクターが誤解されるシーンと、いかにもワイティティ作品らしい適当なことばっかり言う女の子のキャラ最高じゃない??

最後の追跡(2016年製作の映画)

4.5

アカデミー作品賞ノミネートも納得の見事な現代版西部劇。例えば「テキサスの田舎町を舞台に、土地を取り戻すため2人の兄弟が銀行強盗を繰り返す」というプロットは、西部劇としてそのまま通用するはず。本作が優>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.5

至高の美と歪んだ欲望が同居する美しき変態の映画。端正な映像や甘美な音楽に心地よく浸っていたはずなのに、知らぬうちに毒気に当てられてめまいが…
ダニエル・デイ=ルイスの引退作に相応しい傑作であること
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

3.5

謎が謎を呼んではどんどん話が膨らみ、思わぬ所で繋がってみてはまた遠のいてしまう。結局事件を解決できたのかはよく分からないが、まぁいいや。そんな『ビッグ・リボウスキ』に輪を掛けたゆるさを味わえる摩訶不>>続きを読む

ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.0

4〜5年前に観た時は全く気付かなかったが、65mmフィルムによる撮影がこれほど凄まじかったとは。今までに観たことのないレベルの深い色調で描かれるディテール豊かな映像に酔いしれる。正直なところストーリ>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

3.5

美しい映像を評して「絵画のような」とはよく言うが、そういった作品の中でも恐らく今作は別格では。光の具合や構図から衣装・小道具等の細部に至るまで、並々ならぬ拘りが感じられる。完璧主義者キューブリックの>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.0

公開から50年という歳月を経てもなお、衰えることのない鮮烈な映像と音に度肝を抜かれる。依然として絶大な影響力を誇る理由も納得。本作がなければ僕の好きな『インターステラー』や『ゼロ・グラビティ』等の作>>続きを読む

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

3.0

冒頭からアーロン・ソーキン印のマシンガントークに心を掴まれる。仮に字幕が付いておらず意味をほとんど理解出来ないとしても、音楽を聴いているような心地良さに浸れそう。
会話劇としては濃密かつ歯切れも良
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ハードエイト(1996年製作の映画)

4.0

20代半ばの青年が撮った初監督作品とは到底思えない風格の漂う傑作犯罪映画。
さり気ない仕草ひとつで様々な感情を表すラストが秀逸。擬似的な親子関係、「父」の抱える秘密と嘘、滑らかなトラッキング・ショ
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Daydreaming(2016年製作の映画)

-

街、ビーチ、雪山を彷徨う男性をカメラが追う。ただそれだけの映像なのにどうしようもなく孤独感と不安が湧き上がる。紛うことなきPTAの監督作品。

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

顔、顔、顔。カメラ目線の役者を捉えたクローズアップが強烈な印象を残す。俳優たちが視線の変化や瞬き、口角の上げ下げといった微細な演技によってキャラクターの心理を雄弁に語っていることがよく分かる。
P
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.5

“It's not going to stop till you wise up. It's not going to stop. So just give up.”

それぞれ孤独や不安、そして後
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.0

初めのうちこそキャラクター達のオーバーな言動に笑えるものの、次第に滑稽さを通り越して恐怖を覚え始める劇薬的な傑作。デ・ニーロのにこやかな表情から滲み出る狂気に震える。彼に負けず劣らずイカれたキャラの>>続きを読む

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

2.5

オリジナルへのリスペクトを随所に感じるが、古風で大仰な音楽といかにもスコセッシらしい忙しないカメラワーク・編集との組み合わせがどうにもミスマッチな気がしてならない。演出も演技も過剰で、怖がらせようと>>続きを読む

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.5

懐からサッと取り出されたナイフの長さ、憔悴した表情に被さる有名なあのナレーション…衝撃的な冒頭から2時間半を高いテンションのまま一気に駆け抜けるスピード感が堪らない。ほぼノンストップで流れる音楽も躁>>続きを読む

フェスティバル・エクスプレス(2003年製作の映画)

3.5

The Band目当てで観始めたが、レイドバック感が心地よいGrateful Deadと、熱に浮かされたようなジャニスのパフォーマンスが特に印象的だった。願わくばDelaney & Bonnieの出番>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.5

観る者の不安を煽るPTAの演出は『パンチドランク・ラブ』のそれから更に効果を増し、これから起きる「何か」の予感に緊張せずにはいられない。地面から突如噴き出た石油の暴力的なまでの勢い、そして地獄の業火>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.5

神経を逆撫でする奇妙な音楽、目の眩むようなレンズフレア、繰り返し挟み込まれる抽象的な映像、そして脈絡無く発生するハプニング。PTAの風変わりな演出には少々面喰らうが、バリーの不安定な精神状態をよく捉>>続きを読む

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

3.5

コーエン兄弟が送る、長髪&髭面のマリファナ好き無職中年男性と更に個性豊かな脇役たちによるゆるゆるハードボイルドムービー!タバコのポイ捨て失敗と車違い、そして遺灰ギャグが特に好き。ソファーで寝転がって観>>続きを読む

トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

4.5

前半こそ会話シーン等の随所にコーエン兄弟らしいブラックユーモアが見られるものの、少女の復讐譚はいつものように二転三転することなく、余りのシンプルさに拍子抜けするほど。だがその素朴さ故にキャラクター達>>続きを読む

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.5

1本の映画として観れば、アクションシーンがあまりに多くを占める歪な作品だと思う。それでも退屈することなく2時間半も興奮が持続するのは、10年もの歳月をかけたキャラクター描写とドラマの積み重ねがあって>>続きを読む

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

4.0

『ヒート』『フレンチ・コネクション』をオールタイムベストに挙げる犯罪映画好きとしては、リアルな迫力に身の竦むような住宅街での攻防や、容疑者発見に至るまでの地道な捜査シーンに大満足。
ピーター・バー
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.0

硬派な実話ベース作品続きだったスピルバーグが久しぶりに王道のアクションアドベンチャーを撮ってくれた!彼が監督/製作したその手の作品をきっかけに映画好きになった身としては、こんなに嬉しいことはない。>>続きを読む

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

絶対絶命の状況に直面した主人公が困難を乗り越え帰還する。超絶技巧の長回しも、新しい視覚効果も全てはこの極めてシンプルなプロットを「最高の旅」に変えるため。ライアンが新たな一歩を踏み出す姿を捉えたショ>>続きを読む

天国の口、終りの楽園。(2001年製作の映画)

4.0

とびきり儚くて切ない物語なのに、乾いた風がふわりと吹き抜けていったかのような不思議な感触。今作以来久しぶりにメキシコが舞台になるというキュアロンの新作も楽しみ。

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

『キアヌ』でもその片鱗が窺われたが、相当な映画オタクだなジョーダン・ピール!過去の名作へのオマージュをたっぷり盛り込みながらも確固としたオリジナリティが伝わってくるという点で、エドガー・ライトの『ベ>>続きを読む

キアヌ(2016年製作の映画)

3.5

根が真面目なせいでギャングスタ役のお芝居に必要以上にのめり込んでしまうクラレンスが可笑しい。ちょっとしたセリフや部屋のポスターに映画ネタが散りばめられているのもニヤニヤしてしまう。

マネーボール(2011年製作の映画)

5.0

野球に全く興味がない僕でも退屈する瞬間なんて1秒もない。なぜならこれはビリー・ビーンという人物についての物語だから。それも世界を相手に孤独な戦いを挑んだ男の。
ベネット・ミラーと脚本家の視点はアス
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.0

『ベイビー・ドライバー』関連で久しぶりに鑑賞。こんなにも無茶苦茶なアクションをやっていたとは…半ば呆れながらも爆笑するシーンばかり。”I Can’t Turn You Loose”に合わせて破壊の限り>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.5

音楽を聴いていて、自分の歩くリズムや目に映る景色にピッタリの曲が流れ始めた瞬間の高揚感—まるで魔法にかかったような気分—は実生活でそう頻繁に経験できることではない。
だけどその感覚が全編に渡って味
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