ダイナさんの映画レビュー・感想・評価

ダイナ

ダイナ

ゴールド/金塊の行方(2016年製作の映画)

3.8

1980年代の金塊採掘シーンを背景とした詐欺事件をブロマンスにコメディに不穏なサスペンスでまとめ上げた一作。密林の湿度やら泥やら土臭い画面に汗臭さが漂ってくるような金塊採掘の場面、ブリーフで頭皮の薄い>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

凄惨な事件を前提としているためユーモアは抑えたという内容ながら、観客を引っ張っていく脚本の上手さ、流れを遮ることのないブラックユーモア要素、復讐ターンの連続においてのやり返しの動機付けや各登場人物が何>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.2

靴を履いた小さな貝のドキュメンタリーをYouTube公開したらバズっちゃったOMG!なハートフルストップモーションモキュメンタリー。フィクションの生物へのインタビューは幼い子との取り止めのない会話のよ>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

本作のテーマを知った瞬間、何年も前に柴田哲孝氏の「KAPPA」をワクワクしながら読んだことを思い出し、ホラーシリーズではあるものの河童を追うなんてUMA的な、ゾクゾクとする恐怖もありながら探究心くすぐ>>続きを読む

セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

4.1

脚本執筆に息詰まった主人公を助けようと画策する友人。その手段が新聞広告でサイコパスを募集し、モノホンのネタを仕入れよう!というあたおかなアイデアで、あっという間に主人公の周囲に多様なサイコパスが集まっ>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊(2012年製作の映画)

3.9

前作からスケアにエロスにバイオレンス(?)にミステリアスさがボリュームアップしていて見応えあり。想像以上に震えている幽霊にビビり、前作のアイテムをそんな使い方する!?という擦り具合には予想の斜め上を提>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

3.4

住宅地に現れた口裂け女を追え!なモキュメンタリー作品。怪異のルールが分からないなら一般常識ベースで立ち向かうしかないじゃないということで地道な検証に体当たりの調査。依頼の時にマネーをちらつかせたり、犬>>続きを読む

ハードエイト(1996年製作の映画)

4.1

PTAの初期作。「マグノリア」や「ゼアウィル〜」で印象的だった父子の関係性が本作にも色濃く映されています。といっても疑似的な繋がりで、父親を失った男(ジョン)に対しての擬似親として金稼ぎのイロハを教え>>続きを読む

狼の死刑宣告(2007年製作の映画)

4.3

子供達の幼少期のホームムービーの導入に嫌な予感しか感じない復讐系ハードアクション。ただの復讐おじさん系と侮ってはいけない良作。武器選定・武器購入シーンは全ての映画に盛り込むよう義務付けよう(提案)。>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.1

「X」の前日譚。パールお婆ちゃんの若かりし頃1918年を映すという3部作の2作目。そこ掘り下げる?と思うものの、農場で足踏みする女性の閉塞感や襲いかかる誘惑、地雷のように潜在する作中の「危険」がいつ暴>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.9

ラッセルクロウの柔0剛100のようなストイックにゴツい外見、スクーターをブーンと転がす運転姿が微笑ましく、去年の夏観ようかなと迷っていて時期を逃したもののアマプラに来たので鑑賞。

最大の魅力はラッセ
>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.2

ショッキングな犯行にババーン!と表示される「黄金少年」のオープニングがカッコいい。「首」といい最近の邦画の題名が出る時のインパクトは嬉しいものがあります。

サイコパスの犯行を偶然デジカメで捉えてしま
>>続きを読む

ハンニバル・ライジング(2007年製作の映画)

2.9

ハンニバル・レクターの幼少期から青年期を描いた小説を映画化。家族構成や教養をどのように身につけたのか、猟奇的な一面が沸々と湧き上がる根源を映したビギンズな一作。つまらないわけではないけど退屈さはあり義>>続きを読む

レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

4.0

レクター博士の危険領域に踏み混んでしまったFBI捜査官、刺されるも反撃からの逮捕に成功。退職の身ながら諸事情で現場に復帰するも難解な猟奇事件を紐解くために因縁のレクター博士に知恵を借りることに…。>>続きを読む

ハンニバル(2001年製作の映画)

4.1

前作から10年後公開の本作、内容も前作の10年後となっておりアンソニーホプキンスは続投なもののジョディフォスターはジュリアンムーアに変更、監督はデミからリドスコへと前作の素晴らしさ故変更点にやや不安に>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.6

シュールな演出が目立ちますが冒頭から示されている通り母親の存在による萎縮というアリアスターお得意の人間関係の嫌さが描かれていて過去作とシリーズと捉えると面白いかもしれません。なのでみんなヘレディタリー>>続きを読む

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.5

連続殺人事件捜査に参加するFBI訓練生と助言を与える猟奇殺人犯の交流を映したサイコサスペンスの傑作。

教養深く紳士的な佇まいに洞察の深さを現しながらも、ガラスや檻を一枚挟んだとてこちらが安全圏とは言
>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.3

トーキングヘッズのロスツアーを後に「羊たちの沈黙」を撮るジョナサン・デミが映画作品としてまとめた一作。ベースのティナのステップが可愛すぎ!

普遍的かつどこか神経質な歌詞に相反する軽快なメロディに始ま
>>続きを読む

カリスマ(1999年製作の映画)

4.0

和ホラー欲を満たせそうかと思い観てみたけどなんだこれは….なんなんだこれは!?と困惑せざるをえない黒沢清・役所広司タッグの問題作。カリスマと呼ばれる大木(本作で異様な存在感を放つでかい木)に翻弄される>>続きを読む

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)

3.8

大衆雑誌のようなポスターの宣伝文句群は品が無いとは思いつつも惹かれる言葉ちらほらと。「壮絶な全くかみ合わない戦いが始まる」「四つ巴」「キレる。」...釣られてやるよ…。

息子をマフィアに殺された模範
>>続きを読む

(1960年製作の映画)

4.4

実際の脱獄事件を描いたサスペンスドラマ。淡々としたシステマチックな監視体制に挑む脱獄プロセスがエンタメ多分で面白いです。

見張りや持ち込み検査の厳重な描写、囚人同士のネットワークなどなど、刑務所内の
>>続きを読む

コミック雑誌なんかいらない!(1986年製作の映画)

4.2

80年代中盤の日本マスメディアの混沌ぶりをユーモアに映したコメディ映画。世間体やプライベートを度外視した人気取りのための奮闘はいつの時代もといった所ですが、公道でピンク映画撮影とか、「豊田商事会長刺殺>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

貧富の差なんてなんのその、友情の一線を超える愛…なーんて話じゃなく、陽キャに見染められた陰キャの成り上がりはちゃめちゃコメディ!なーんて話でもなく、性別や貧富間入り乱れた見栄を張り陰謀に踊らされ、足を>>続きを読む

黒い家(1999年製作の映画)

3.7

ホラー・ミステリー・SFと多ジャンルで名作を書き上げる作家貴志祐介のサイコサスペンス小説の映画化。快晴の青空をどんよりと映す画に始まる全体的に不穏な雰囲気よし。近年の韓国ノワールのようなバイオレンス&>>続きを読む

怪談(1965年製作の映画)

4.2

怪談話4遍「黒髪」「雪女」「耳無芳一の話」「茶碗の中」を映すオムニバス映画。

冷遇の環境下で反省し、捨てた元妻への愛を思い知る男や、美女と交わした約束をうっかり反故にしてしまう男などなど、出てくる登
>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

B級映画への愛情を感じる演出に配役やアクションのクオリティは下手なA級に劣らない、カートラッセル演じる変態爆走親父と獲物となるガールズ達の攻防に手に汗握る復讐アクション!

10年以上前に観ました。そ
>>続きを読む

落下の王国(2006年製作の映画)

4.5

撮影中大怪我を負ったスタントマンのロイは入院中の少女アレクサンドリアに出会う。絶望の中自殺を考えるロイはアレクサンドリアに自殺用の薬を用意させるため惹きつけようと他愛のない想像のおとぎ話を語りかける。>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

口コミに釣られて鑑賞。面白かったです。
アニメの枠組みなので妖怪ものだから暗いといえどわりかしポップなんでしょ?な先行イメージを良い意味で裏切るダークな展開。昭和31年という戦後間もない時代背景が登場
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

首だせ首!とか舌出せ舌!のセリフ思い出しちゃうし相棒ポジに大森南朋といったらもう随所にアウトレイジ思い出しちゃう!まず配役に触れておきたいのが先行情報で出ていた面子に加えてキタノブルー映画で見かけた方>>続きを読む

トレマーズ3(2001年製作の映画)

3.7

モンスターの存在を糧にしてやるというレジャー業にグッズ販売と商売根性の逞しさは2から健在。懐かしの荒野に政府がグラボイズに目を付け介入、また新形態の怪物が主人公達に牙を剥く…!といった人間怪物新たな勢>>続きを読む

TATTOO「刺青」あり(1982年製作の映画)

3.8

実際に起きた銀行人質事件を題材とした作品。少年時代に強盗殺人を犯しそれについて反省の色無しの主人公はどう描いても好きにはなれない人物像ながら魅力的に見える理由には、演じる宇崎竜童の漢気溢れるヤカラ演技>>続きを読む

キラー・メイズ(2017年製作の映画)

4.2

部屋の真ん中にダンボールハウスを作成した彼氏デイブ。中身は迷路になっているらしく抜け出せなくなってしまったらしい。ということで友人・知り合い達を集めみんなでデイブを助けに行くぞというファンシーで微過激>>続きを読む

メイズ・ランナー(2013年製作の映画)

3.0

高い壁に囲まれた土地に送り込まれた青年。どうやら若い青年達が定期的に送り込まれているらしくこの壁の中で生活しているらしい。壁の裂け目の先は迷路で構成されておりモンスターが跋扈するという壁の中での生活を>>続きを読む

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

4.6

北野武映画作品はバイオレンスかアートかのイメージが個人的に強く、それらの中でもシンプルな第一印象を受けるジャケットと予告の本作はなかなか食指が動かなかったのですが、これマジで傑作でした。

本作で特徴
>>続きを読む

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

4.0

人との関わりは必要最低限、通常業務で敏腕振るいルーティーン行動が目立つ会計コンサルタントが抱える大きな秘密とは…というアクション映画。イコライザー(2014)の2年後という公開時期の間隔の狭さはやはり>>続きを読む

スパイキッズ(2001年製作の映画)

3.6

「SPY×FAMILY」よりファミリー内のスパイ率が高い。それもそのはず、攫われたスパイの両親を助けるために子供達が道具と人脈駆使してスパイになる姿が描かれておりスパイ成分濃厚で一家構成されております>>続きを読む

>|