Lenさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.1

野崎くんから突然レコメンしてもらって至急で鑑賞。このショットの力強さは動物を信じていることの現れだろうか。神に近い存在としてのロバの視点を通して人間たちの愚かさ、どうしようもなさが描かれてゆくのに、人>>続きを読む

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.2

ファスビンダーと同棲していた愛人の自殺の直後に自主制作されたという経緯は観た後に知ったのだが、この社会から排斥された者に対する肯定は、彼自身の懺悔と諦念、それから救済のための儀礼のように見えた(鎮魂と>>続きを読む

そして光ありき(1989年製作の映画)

4.0

Filmarksを主戦場にしていながら、半年ぶりに映画を観た。なので半年ぶりのMark。

この作中の会話ほとんどに字幕がつかない演出こそが近代文明の視線というか、我々が否が応でも近代化された目線でし
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最も危険な遊戯(1978年製作の映画)

3.6

半年遅れのMark

以下、残っていたメモだが全く思い出せない興奮

>
おおよそ拳銃から発されるとは思えない発砲音とおおよそ人体から発されるとは思えない打撃音に始まり、映画的快楽の連続である最高の部
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囚われの女(2000年製作の映画)

4.3

あのマジカルな車中キスのためだけにあるような前半90分の煮え切らなさ。完璧なカットの連続。

オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

4.1

やっと外に出たり劇場に足を運んだり出来る気分になってきて、文化的な暮らしを取り戻しつつあって嬉しい。

"ラブソングが街を揺らした頃に
映画館では本当を映したりする"

と誰かが歌っていたが、感動的な
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乱れる(1964年製作の映画)

4.8

忌々しき戦前のパターナリズムを、ルンペンを自称する戦後の若者=加山雄三が対象への愛によって打ち砕かんとする姿がなんとも感動的である。

物語は冒頭よりスーパーマーケットと小売店の対比が軸になる。加山雄
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.4

橙の粒子を纏う当たり前のように完璧なカットの連続と流線形のタイムライン
昼間の自然光と夜のネオンはカサヴェテスの花鳥風月
異様な長さで映される能天気なクラブと急速なノワールの振り子がセクシー

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.7

私たちの生活の中では数多の選択が不可視化されていて、タイムスリップによって全ての選択が可視化されてゆくのだが、その、選択が与える感動のみで成り立っているような映画だった。終盤の父とのシーケンスはどれも>>続きを読む