「アポカリプト」に代表される対原住民映画の元祖。
「猿の惑星」の2年前に公開されたところからも先駆的な作品だとよく分かる。
典型的な悪徳白人対原住民という構図が「ガントレット」の中、逆転する痛快さ、少>>続きを読む
ドタドタとしたマペット独特の動きや、客層の狙いか説明過多になっている科白がいい味になっている。
人間とクーキーや森の住人との隔たりを言葉の速度で表現しているところなんかは、なかなかうまいこと扱っている>>続きを読む
ほとんどプロパガンダに近い作品ながら、軍需工場で働く女性たちの喜怒哀楽を美しく描いたクロサワ初期の佳作。
しかし、ノルマを男性の半分と言われれば、せめて3分の2に引き上げてくださいと抗議したり、病で帰>>続きを読む
何と強固な映画か。
トルコ東部の広大な大地、学校の学芸会の王子役になりたかったが村長の息子に奪われ不満を抱く少年アスラン。
この序盤のシークエンスを観たとき、子供の頃、演じる役が同時にその集団での序列>>続きを読む
新生クリードの大健闘。
どん底からの這い上がりを「自分」という絶対的な芯を持たせて描いたロッキーと比べてしまうと、如何せん説得力に欠けるが、伝説のチャンピオンの息子であるが故のプレッシャー、それが隠し>>続きを読む
ウディ・アレンとは縁が無く、恥ずかしながら監督作は初めての鑑賞。
結論から言うと、笑えるけどもそれだけの映画。
結局のところ映画というのは、作為に違和感を抱いてしまった時点で終わりだと思っている。>>続きを読む
ロシア映画と思って観ていたら面食らった。
ロシアとドイツの戦争の中で、国の違いだけで認められない関係に苦しむ男女の姿をバルネットらしいギャグを交えつつ描いている。
リンチを受けるドイツ人捕虜を庇う女性>>続きを読む
大人の識字率が圧倒的に低く、親と子の教養の格差が問題になっていた頃のイランの小学生へのインタビュードキュメンタリー。
罰の意味はベルトでぶたれること、ご褒美の意味は分からない。
父がぶつから僕もぶつ>>続きを読む
説明や脈絡の無い子供たちの言動のリアリティに裏付けされた「無秩序」な反抗が、教師や神父たちの体制や、時折、鳴り響く軍鼓と対比され、非常に説得力を持つ。
比較的、ロングショットで教室などにいる子供たちを>>続きを読む
ring(腕輪)の恨みはring(リングの上)で
返す、妻の不倫に業を煮やしたボクサーのロッキー的ラストファイトが秀逸。
素晴らしいモンタージュの数々でこちらの方がよりドラマチックにすら感じた。
ただ>>続きを読む
宗教を疑い権力に追い立てられる男と、熱心なクリスチャンで多大な権力を持つ市長を二本軸とした黙示録的な作品。
巨大な魚型の骨や、取り壊される家を内部から描いたシーンなど、死や破滅を連想させる映像が非常に>>続きを読む
天才がいた。
虚構と現実を活かしたプロット、奇術師メリエスを彷彿とさせる映画内映画のシーン、香港アクション映画さながらの大スタント、かと思えばボンドカー並の車の登場。
非常に奥行きを感じさせる空間の使>>続きを読む
チャップリンはただ歩くことすらも笑いに変える。
冒頭のクマの展開からもう分かる、度肝を抜かれる映画的センス。
反復とズレ、勘違い、トゥーマッチな演出、その中で見せるチャップリンの哀しき横顔、全てが宝>>続きを読む
ルノワール喜劇の傑作。
特筆すべきはやはりミシェル・シモンのアナーキーな言動で、チャップリンを彷彿とさせるドタドタした立ち回りが何とも愛おしく、彼の無秩序で自由奔放な姿と、一見幸福なようで愛欲にまみれ>>続きを読む
ラジオドラマの脚本執筆をきっかけにこれまで図らずも繋がっていた二人の女性が出会う。
二人の関係性の描き方が非常に丁寧で、出会う度にコロコロ変わる立場の変化に「一体次はどうなるのか」と先を読ませず、且つ>>続きを読む
グルジアの監督オタール・イオセリアーニの初期の傑作。
とあるアパートに住む男女の美しいほど真っ直ぐな物語。
顔を見つめ合うだけで良かった二人が言葉を手にした瞬間、不和が起こる。
火も水も電気も止まり、>>続きを読む
かの淀川長治氏が絶賛した籠城映画。
なるほど、素晴らしい。
警察がストライキに突入したカナダの無法地帯。
「ニューオーダー」なる自警団vsアパートの住人の籠城戦が繰り広げられる。
まずこのアイデアが素>>続きを読む
大学の映画批評の講義でタルコフスキーを色々調べ、近頃ロシア映画に傾倒し始めている中、観た映画。
とある家族に飼われ始めた子猫が、ひょんなことから窓から落ちてしまい、トラックで遠くへ流れてしまう。そこか>>続きを読む
とにかく脚本が素晴らしい。
最上位の娯楽性を持ちながら、「生きる」という人間の究極的なテーマを達成している。
成し遂げた全ての結果や過程も、生きていればこそ。
生まれたこと、人生に感謝し、とにかく生き>>続きを読む
原作読まずの鑑賞。
当初は、鈴木なる男がある組織に復讐を誓うが、その組織から派遣される殺し屋から逃げまくる、手に汗握るサスペンスアクションかと思っていた。
その予想も前半部からいきなり裏切られ、どうや>>続きを読む
一揆を題材にした時代劇に、時折鳴り響くジャズやアニメーションなど、現代解釈を加えた力作。
ファーストカットをラストカットの舞台裏にしている円環構造となっているが、この円というのものがこの映画の一つのシ>>続きを読む
人気アイドルの顔を隠し、平凡な女子高生を見事演じきっていた。
同じグループのメンバーで固められているが、気持ち悪い仲良し感は無く、意識をしているのかは分からないが、微妙な距離感がうまくハマっていたと思>>続きを読む
余命幾ばくも無い男は、悲しみも恐れも押し殺し、明るく生きていこうとする。
「静かにしろ」死を連想させるそんな言葉に荒れ狂う心、生きている内に父親にリモコンの使い方だけでも教えてやりたい優しい心。そんな>>続きを読む
POVの必然性を人物とうまく絡ませ、使い古された手法に再び息吹を与えたシャマランにまずはお帰りなさいの拍手。
原点回帰に至った彼のこの作品は、一糸一糸丁寧に縫うように構成され、特に映画音楽の使いどころ>>続きを読む
死に接近した女たちの物語。
肉体的な死を目の当たりにした時、自らの行く末を予期するのと同時に、過去(精神的な死)も迫ってくる。
双方から圧迫された者はただ今を我が儘に生きることしか出来ない。
そんな人>>続きを読む
日本の常識や性格をデフォルメし、それに翻弄される二人のアメリカ人というユーモアの裏側は、眠れない人たちの物語であり、プライベートの映画。
女は東京の街に足を延ばし、男はホテルの中で憂鬱に過ごす。
夜>>続きを読む
常に己の身を抱きしめるかのような佇まいや、ふてくされたような行動全てが彼をほっとけなくさせる、ディーンはキャルそのもの。
愛を欲し、愛を拒絶され、愛を失う。
何とも酸っぱい青春映画だった。
また、キャ>>続きを読む
「インディペンデント映画の父」の肩書きに恥じない、自由奔放で扱いにくい彼の映画監督としての姿と同時に、シークエンスごとにその時代の彼の私生活がホームムービーを通して語られ、アルトマンという監督、いや人>>続きを読む
SFの様々な要素の断片が垣間見え、経験主義者でもないし、感性さえあれば生まれた時期など関係ないと思っているが、やはりもっと過去に生まれたかったと思わせてくれる映画の一つ。
テンポの良すぎる構成もチープで懐かしいエフェクトも素晴らしい、さすがエドガーライトと言ったところか。
オタクになりきってない人種を主人公に置いてるとこまた良い。
久方ぶりのレビュー。
前半部は良かった…
人物造形やプロットは見事なもので、メンバー集結までの流れは筋が通っていたし、惑星ゼロへの一次テレポートの際の緊張感も良かった。
前ファンタスティックフォーと>>続きを読む
映像や音楽など神経を直接刺激するその造りやセンスが非常に独特で、今まで観たことのない類の作品
クスリとさせる演出もクセになりそう
結論
この作品に置けるキリスト教徒とユダヤ人(シャイロック)は、どっちもどっちの異常者
特に、キリスト教徒たちの慈悲深い人間性かなんだか知らないが、少なくともただの自己主張の強い者たちにしか見えない>>続きを読む
ストップモーションから「1、2、3」で始まる「black is black」
スタイリッシュで一見乱雑にも見えるカメラワークが非常にポップなオープニング
そしてラストで再び流れる「black is b>>続きを読む
不条理劇のつもりなのだろうが、あまりにも説明不足過ぎる
過程も描かれないし、狙ってるのか狙ってないのかつゆ知らず、リアリティも排除されているためまるでやきもきしない
作り手の自己満足丸見えの中途半端な>>続きを読む
長回しや音楽、俳優の演技もなかなかで、特にオーディションからのロボット引き取り契約への繋ぎなんかは、お!と思ったが、後半になるにつれ冗長で飽き、ラストの展開も何だかな
色彩や子供の描き方、そもそも作風>>続きを読む