日曜深夜の都会の地下鉄、自身の人生に対し、様々な不満や不安や葛藤を抱えた人々が偶然に乗り合わせる。
それはどこにでもある日常の風景だろう。
そこに、単純な「粗暴」という言葉ではおさまらない、気が違って>>続きを読む
血で染めつくされた広大な大地で、絶え間なく続く愚かしい紛争。
見誤ってはならないのは、「愚か」なのは、争いを続ける当人たちではなく、その「大地」から遠く離れてまるで関係ないように生きる人々、詰まりは>>続きを読む
前回感想を書いたレイプリベンジ映画『発情アニマル』。
30年もの時を経てリメイクされたのが、本作『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』である。
基本的なストーリー展開は、30年前も今も変わらない。>>続きを読む
個人的な話になるが、人生19年が経つ。
普段、このようなアニメーション映画を観ないのだが、昨日は何を思ったのか、気付けば本作のDVDをデッキにセットし、両膝を我が子のように優しく抱きながら鑑賞した。>>続きを読む
今回感想を述べたいのは、『発情アニマル』。
なんともピンクっぽいこのタイトルを聞いて、「モテなさの限界に達したベチィが遂にトチ狂ってAVの感想を書き始めたのか…」と思われる方もいるだろう。
しかし、本>>続きを読む
ニール・プロカンプ監督の前作「第9地区」は、彼の出身国である南アフリカ共和国でかつて行われた人種隔離政策(アパルトヘイト)が社会にもたらした影響を如実に反映した特異なSF映画だった。
個人的に、映画と>>続きを読む
なんと瑞々しい作品だろう。
大不況にあえぐ1985年のダブリンを舞台に、一目惚れした年上の彼女にアピールするべく、仲間たちとバンドを結成する少年の恋と成長を描く、パワフルな青春音楽映画だ。>>続きを読む
無数のクローン少女たちが、何も知らぬまま「死」への歩みを進める。
その不穏さに溢れたシーンが、手塚治虫の「火の鳥」における人間の精神を受け継いだ万能ロボット″ロビタ″の″死の行進″と重なった人は多かろ>>続きを読む
ホラー界に新風を吹き込んだ革命児的作品『SAW』のクリエーター、ジェームズ・ワンとリー・ワネルのコンビに加え、これまたホラー界の″定番″を覆す、″ファウンド・フッテージ″スタイルを確立した『パラノー>>続きを読む
裕福な家の娘、″アンナ″。
パパとママが共産主義活動にのめり込み、生活が一変。
大きな家から狭いアパートへと引っ越すことになる。
しかも、アパートには得体の知れないヒゲ面でタバコをプカプカとふかす変な>>続きを読む
2015年アメリカ公開の傑作「ゾンビ・コメディ」。
日本では劇場公開されなかったと思うのだが、こんな傑作を銀幕で楽しめないなんて、やはり我が国のゾンビ人気はまだまだ下火のようだ。
さて、本>>続きを読む
白昼、大衆の面前で起こった″大統領暗殺″。
その場に居合わせた9人の視点から、導き出される″コトの真相″を描く。
正味数十分間の出来事を、9つの視点から描き出すことによって文字通り多面的に描き出した>>続きを読む
本作は、『ホステル』シリーズでお馴染みの変態悪趣味監督イーライ・ロスが、監督作としては『ホステル2』以来、実に6年ぶりに手がけた変態悪趣味食人鬼映画だ。
このような作品のDVDリリースを実はと>>続きを読む
往年のサスペンス映画やスリラー映画は、どんなに名作であっても総じて″テンポの悪さ″を感じてしまう。
最新作品の展開の早さやそれに伴う″衝撃性″が、そういった過去の名作を礎にして生まれていることを考えれ>>続きを読む
バンパイアが全世界を支配した近未来。
残り僅かな″人類″は血液補填のために大企業に「飼育」されているーー。
という設定は新しく、非常に興味をそそられたので、大学からの鬼のような課題で気がおかしくなっ>>続きを読む
″なにか″に触れ、自分のその先の人生をかけるくらいに熱狂する。
それは、すべての″男の子″に与えられた「権利」だ。
その熱狂が、たとえ盲目的で何かしらの弊害を生んだとしても、熱狂したその瞬間こそが彼ら>>続きを読む
宣伝では『パシフィック・リム』と対抗するかのようにロボット映画である事を強調しており、私自身もそう思い込んでいた。
しかし、蓋を開けてみればガチガチの戦争映画であった。
それもロシア謹製の>>続きを読む
観たのはもうずいぶんと前になるのだけれど、2013年のホラー映画『MAMA』の感想を書く。
本作は、アルゼンチンの映画監督アンディ・ムスキエティなる人物が作った同名ショート・フィルムが原作となっ>>続きを読む
まったく″とんでもない″映画だ。
アクション?サスペンス?ホラー?映画のどのジャンルに当てはめようとしても、すべてに「?」を付けたくなる。
というよりも、こういった風に論じようとすること自体が馬鹿ら>>続きを読む
この映画は深い。
冒頭のイラクの発掘現場からすでにいやな予感的演出。
当時、43歳のマックス・フォン・シドーの特殊メイクと演技力は、健康に不安を抱える老神父として、その後の悪魔との対決に不安を覚えさ>>続きを読む
最後の最後まで言いようの無い緊張感が続く映画だった。
ただしそれは、脱獄によって夫と妻そして幼い息子が逃げおおせるかどうかという作品のイントロダクションに明示されたことに対してではなかった。
それでは>>続きを読む
はっきり言って、非常に感想の表現が難しい。
とてつもなく深遠な映画のようにも思うし、至極退屈で浅はかな映画のようにも思える。
監督自身が過去に女性問題で何か嫌な目にでもあったのか、その自身の内情をその>>続きを読む
とても奇妙な映画だった。
「微妙」と「絶妙」の狭間に存在する一線をひたすらに渡らされるような、とても意地悪な映画だったとも言える。
渡りきったその先でしばし立ち尽くしつつ、「ああ、シャマラン映画ってこ>>続きを読む
40年前の少年少女7人失踪事件、皆既日食が近付くにつれおかしくなっていく父親、長女にだけやたら厳しい母親、知らぬ間に体に傷を作っている弟、頼れるのは医者の祖父だけ…。
近年稀に見る切な過ぎるラストと>>続きを読む
表面的に綴られたストーリーは、あまりに稚拙であざとい。
しかし、その裏に見え隠れする「意図」に気がついた時、この映画に対する価値観は一変した。
その意図が、真の狙いか、偶然的なものかは定かではないけれ>>続きを読む
SF映画とは、作品全体の90%が退屈でも、残り10%で示される顛末と物語に秘められた″真意″によって、その価値を誇示できる娯楽だと思う。
金曜の深夜、この映画を観始めたが、6割近く観たところであまり>>続きを読む
いわゆる″人類滅亡系映画″には目がない私だが、こんなにもおもしろくなさそうな作品のためにわざわざTSUTAYAまで足を運んだのだから、曲がりなりにも″人類滅亡系映画ファン″を自称してよかろう。
実>>続きを読む
ホラー映画の登場人物に対して、こんな風に思ったことは無いだろうか。
「危機感が無さ過ぎる。そんな風だから殺されるんだ」と。
私は常々思う。
そして、本作でも、早い段階でそう感じた。
「執筆なんてして>>続きを読む
なるほど、よく出来た映画だ。
身分の違う女性ソフィーとの悲しき過去、そして殺人…
「ミステリー」と「サスペンス」の要素が上手く合わさっている。
幼い頃、アイゼンハイムは、自身の″奇術″の未熟さ故に>>続きを読む
いわゆる″拷問系″の映画というのも、今やもう立派に市民権を得た、と言っていいだろう。
このジャンルの作品を紹介する際は毎回コレばかり言って恐縮ではあるが、やはり始祖にして金字塔は『SAW』だと思う。>>続きを読む
馬鹿馬鹿しいほどに悪趣味なB級モンスター映画であることは明らかなのに、想定外のクオリティーを見せ、世の好事家たちを興奮のるつぼに叩き込んだ前作は最高だった。
続編の製作が早々に決まったということで期待>>続きを読む
私は普段、自宅で映画を鑑賞する際の音声は「日本語吹替」を選択する。
だが、気の利かない配給会社が「日本語吹替」という選択肢を排除した場合は、黙ってソレに従い、″自分は外国人である″と自己暗示し、外国語>>続きを読む
2000年代後半から急速に流行り始めた感のある、いわゆる″ヴァンパイアもの″。
もちろん、吸血鬼映画の押しも押されぬ古典的金字塔『吸血鬼ノスフェラトゥ』辺りは1920年代初頭に制作されているのだが、>>続きを読む
終末を迎えた世界を、或る″ウォーカー(旅人)″が一冊の「本」を持って、ひたすらに西へ向かう。
デンゼル・ワシントンを主演に、そしてゲイリー・オールドマンを悪役に迎えたそのイントロダクションは、ミステリ>>続きを読む
とめどない宗教論争を核心に孕んで、世界的大ベストセラーとなった原作、そういった素材を「完璧に映画化」することなど実際不可能に等しい。
ならば、映画化なんてしなければいいのにとも思うが、これほどまでに話>>続きを読む
本作の何が素晴らしいのか?
それは当然、その″設定″だろう。
すなわち、ゾンビと化した生徒たちと教師が血みどろの死闘を繰り広げる、というプロットだ。
″聖職者″なんて呼ばれていたのは過>>続きを読む