ドイーニさんの映画レビュー・感想・評価

ドイーニ

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

ラストシーンの涙をアーサーはどう受容したのだろうか。アーサーは小説かけちゃったかな?などと、脚本がウディアレン作だったら、感情の赴くままの成り行きでどんな下世話な結果になっだろうかと想像するのも楽しい>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.1

死角。下を向いて歩けば空は見えない。誰かを探しに急いては後ろは見えない。世界は死角で回っているのかもしれない。私には何が見えていないだろうか?と自問自答すれば、見えていないものばかりで不安になる。しか>>続きを読む

30年後の同窓会(2017年製作の映画)

3.8

戦友だから?アメリカ人だから?

考えに異和があっても議論が成立するのは互いに心の底でリスペクトしているからであろう。それは戦友だからであろうか?最近では他者の異を唱えれば分断されてしまうような世間で
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三姉妹(2020年製作の映画)

3.7

鑑賞後に無性に韓国料理が食べたくなって今日は石焼ビビンパを食べた。是枝監督の「海街ダイアリー」と「万引き家族」と辛めのコチュジャンを混ぜ合わせたような味であった。セルフ撮影のラストの笑顔がいい余韻を残>>続きを読む

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

3.5

心が何を求めているかわからない時、ここではないどこかに答えがある気がするもの。わかっていてもそれに振り回される呪いのような言葉。劇中歌 Look / Sebastien Tellier が最高にいいセ>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.1

自分にとって意味のあることに生きていく、とは何かを自問自答した。相手の中に私を見るとき一つであったことの証が映された。自分をあなたに与えてきたという印であろう。しかし、彼女との接点はミラーやテレビや窓>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.4

「理にかなうことはするな」?! 日本語では歯切れのいい言葉に訳せない(私には)ことでそのタイトルを体で感じることができないことがもどかしい。

40年前のものが何も陳腐化することなく新たなテクノロジー
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

ジョンとポールのような偉大な「二人組」の出会いや関係成熟のプロセスを描いた著書<POWERS OF TWO 二人で一人の天才>を思い出した。

一緒に仕事をする上ではっきりと<友達>と呼べる人を持たな
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

鑑賞から一夜明けてクリスマスイブの今日、平山は今何やっているのだろうと考えてしまうほどに作品を抜け出して私のDAYSに存在している。日々がPERFECTと言えるようあの素敵なおじさんに時々相談しながら>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

ボロは着てても心は錦。監督の作品はこの言葉がいつもしっくりくる。映画館を後にしてから目に涙が溜まったままだった。有楽町の暖かい昼間の喧騒の中にその感動が引いていくのが惜しかった。背中で音楽を聴いて目の>>続きを読む

MY (K)NIGHT マイ・ナイト(2023年製作の映画)

3.8

普遍的で重たいテーマが一夜に織り込まれていて90分とコンパクトでありながらも深いものを感じた。朝になり波止場の光の中ではしゃぐKNIGHT達が眩しく終わり方が清々しかった。諦めた夢の束の間の再現が音楽>>続きを読む

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.8

色んなメッセージが溶け込み自由な解釈をさせてくれる距離感がとても好きだった。オセロとは対照的に白黒はっきりしない人生ゲームでは、言えない本音や戸惑いや気の迷いはグレーが濃くなったり薄くなったり空に浮か>>続きを読む

ケス(1969年製作の映画)

3.7

ケスと少年は崇めあい歩みより一緒にいる。辛うじて繋がっている一家とは対照的に、彼らの関係性が美しい。少年の「飼う」とは違うという大人びた言葉が印象的だったが、どちらが上で下であるという関係性ではないと>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.7

誰もが妄想する力関係の逆転劇を再現してくれた。でもいざひっくり返ってみてもアビゲイルが幸せそうには見えなかった。彼女の真の心はラストにあろう。本当に富を手にしている人なら、あそこであげた拳を躊躇なく振>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.3

人間は理屈だけでは行動しないという人間のおかしさの表現。

アンダーカレントに溜まり続けた思いは時間が経つほどに変質し、その流れ次第で人間の行動を常態的に変えてしまうこともあるという表現だったのだろう
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

3.5

まなざしの交換。まなざしがその人の真実を映しているだとすれば、すみれの掴みどころのない眼差しは、ビデオの中に本質が宿っていた。まなのまなざしは表情豊かに画面に映されていてその手法が面白かった。是枝監督>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.2

どこから音楽が鳴っていたのか分からないほどラストシーンの美しさに涙を堪えることができなかった。誰もが通過して失っていくであろう秘密基地が子供時代を追体験させてくれた。駆け出して無性に大声で叫びたくなる>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.3

性、生きる場所、食などボーダーは人間が想像する以上になくなってきているのかもしれないと気づきを与えられた。地球上生物でトップにたつ人間の所業が見えない何かに密かに復讐をされているかもしれないこともあり>>続きを読む

知らない、ふたり(2016年製作の映画)

3.6

バーのマスターやラブレターを読み上げるシーンやコンビニのおばさんなど、笑いの要素がウディアレンのそれと似ていて面白かった。似ていると表現すると角が立ちそうだか、普遍的なテーマの上にあるところが素晴らし>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.7

染め物を生業としている彼が、彼女の白くなったであろう布にこれからどんな未来を描いていくのか、そんな期待がコミカルにエンドロールを染めていた。

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

4.1

主人公のように自分も何を考えているかわからないような若者だった。不器用に不純なものに反応し、周りの人間を困惑させていたかもしれない。言葉にするのは苦手だったし、それをどうにかしようとも思ってもいなかっ>>続きを読む

愛なのに(2021年製作の映画)

3.7

ウディアレンみたいだ。早すぎる出会いや遅すぎる気づきなど、タイミングが悪い要素が愛のあるべき姿を問い、世界を滑稽にしていた。自分でコントロールできないことがあるからこそ、人生が面白いのだと諭された。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.6

自分が20代に夢中になった監督。その後の作品で過度な暴力的なシーンが見るに堪えなく疎遠になっていた。本作は、拷問などの目を覆いたくなるシーンはほぼなく安心して観ていられた。またモチーフがある話のようだ>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

2.5

好きな作家や映画が共通することで男女がときめくことは、コンテンツが増えすぎた現在ではとても希少なのかもしれない。しかし好きな作品は共通しても、感じるポイントは違ったりする。だから、恋愛を加速するきっか>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.6

正解のない自問自答に生きている登場人物が30代前半の自分を見るようだった。特にマモちゃんと葉子は当時の自分のようで身につまされるような気持ちだった。距離感とかとても大事だったし、自分にはないものを持っ>>続きを読む

ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

3.8

母親と娘の確執が裏に流れるテーマであろうか。そのヘビーメタルよりも重厚なテーマは、表の痛快で破茶滅茶な展開とのコントラストがいいと思った。ブランキージェットシティーを聴きながら、ベルイマンの映画を観た>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.7

口より先に手が出そうで、手よりも先に出るその口がまたクールでスリリングだった。だから常に緊張して観ていた。その後、真相を想像することが第二の楽しみであろう。ノマドランドで知った俳優さん、本作でもとても>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.6

三十而立、三十にして立つという言葉があるが、男女問わずその瞬間を描いてくれていると感じた。主人公はここではないどこかをまだ探している。子供扱いされたくないけど、十分に大人の遊びを知っている。自分の感情>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.1

心の奥底に刻まれていたものは語られずして語られた。その行きにくい場所が一人ではたどり着くことができないのだとしたら、人は一人では自分らしさは見つけにくいということなのだろうか。自分の本心に触れさせてく>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.5

幸福はそれ自体を追い求めるものではなく、どういう眼差しで身近な人を見てきたかのかで獲得できるのだとテクノから教えられた気がする。『私はなりたい...』と何かに憧れる、または自然や人を美しいと思える気持>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.6

話者は語ることで自分の本音に気付かされることがあるように、マイクが向けられた時、たくさん語りたくなるような気持ちは、みんな孤独をどこか感じていて、理解し合うことの難しさを感じていることの表れなのではな>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

3.8

チーズケーキの唄が素敵でした。

若者が恋愛を語り合う時間はとても贅沢だ。20代の夜は恋の話で満たされていて、それだけで楽しかったことを思い出した。今では早く寝たいが。

打ち上げの居酒屋・狭いBAR
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