ドスティさんの映画レビュー・感想・評価

ドスティ

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男たちの挽歌(1986年製作の映画)

3.8

香港ノワールの記念碑的作品を初視聴。

内容を全く知らないので予想外の展開に驚き戸惑ったところもあるけど、ジョン・ウー監督がスローモーションで描く銃撃戦と裏社会の濃密な兄弟愛を堪能。

熱く滾るチョウ
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トゥモロー・モーニング(2022年製作の映画)

2.4

ロンドン発ミュージカル舞台劇の映画化。

レ・ミゼラブルの印象も強いサマンサ・バークスとラミン・カリムルーの歌声は文句無しだけど、同じような楽曲ばかりで飽きるし何より演出がチープでダサい…。

話も単
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ある女流作家の罪と罰(2018年製作の映画)

4.0

伝記作家リー・イスラエルの実話を、悲劇と喜劇の狭間にあって哀愁漂う映画にしたマリエル・ヘラー監督がスゴい。

犯罪者の人生を消費し、面白ければ真贋に拘らず楽しむ事への風刺が効いた脚本も秀逸。

人より
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.2

(私のように)弱い者に居場所はあるのか、信仰とは何かを問う重くて長い160分ながら、質の高い映像と豪華役者陣で見応えあり。

無宗教の私に殉教する気持ちは理解出来ないけど、日本は沼地でキリスト教は根か
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グレイマン(2022年製作の映画)

4.0

この大作が(限定で劇場公開されたとはいえ)配信用とは…。

ド派手なアクションの連続で全く飽きず、話はオーソドックスで単純に面白かった。

内容が軽くても演技で深みと重みを出せるライアン・ゴズリングが
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ベイウォッチ(2017年製作の映画)

3.4

有名な原作ドラマはビーチを走るシーンしか知らないものの、タイトル出た瞬間からバカ全開なので何も期待せずただ頭カラッポにし笑って観た。

悪ふざけで下ネタ多く超くだらないし、ライフガードの越権行為がヒド
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エセルとアーネスト ふたりの物語(2016年製作の映画)

3.9

先日他界したイギリスの国民的絵本作家レイモンド・ブリッグズが自身の両親の人生を描いた名作。

小さく個人的な話であると同時に大きな歴史の流れの中で営む普通の生活は政治と密接に関係し、戦争が庶民の暮らし
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愛しのフリーダ(2013年製作の映画)

3.7

17歳でビートルズの秘書になり11年に渡って傍らで支えた女性のドキュメンタリー。

話題には事欠かないのに暴露本など一切書かず記念品はファンに譲り名声も富も求めず、恐ろしく控えめで真面目な普通の人なの
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.9

ケリー・ライカート作品を初視聴。
映像の質感や風景の捉え方が好み。

ルーシー可愛いし、寄る辺なさを漂わせるミシェル・ウィリアムズも見事。

仕事が無いとお金が無く住所が無いと働けない悪循環。
人より
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.8

悲しみは使い古された喜び…。

自由気ままに生きる旧友と久々に会い、出産を控えた妻を家に残し(ここ腹立つ)森の温泉へ小旅行。
車内のラジオが社会性を帯び、普遍的な解放と喪失と別離の物語。

ケリー・ラ
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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.9

フレッド・ロジャースについてはドキュメンタリー「ミスター・ロジャースのご近所さんになろう」と数多のパロディ(レジェンド・オブ・トゥモローとか)で知ってる程度だけど、穏和で優しく子供に語りかける姿そのま>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.9

クールでタフなアウトローの主人公パク・ソダムが最高!
変にセクシーじゃなく恋愛要素無いしストレスフリーでひたすらカッコいい。

カーチェイスのアクションは後半失速するきらいはあれど見応え充分。
所々詰
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ガールズ&パンツァー 最終章 第4話(2023年製作の映画)

3.8

時間経ち過ぎて忘れてたので3話から見直し。
あんこう陥落からの雪煙の戦闘は苛烈だった。

モデルがフィンランドだけに白い死神ならぬ白い魔女が登場。
アキ・カウリスマキ監督へのオマージュも。

卒業を前
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Guava Island(2019年製作の映画)

3.7

Amazonオリジナル作品なのにもうすぐ配信終了となり慌てて観た。

楽園だった島を支配する独裁者に音楽で立ち向かう神の子、聖者の行進、概念のアメリカ。
アートと資本主義と自由讃歌の寓話。

ドナルド
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

3.8

アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した監督が、映画は記憶を形作り記憶は歴史を作ると語った。

ロシアのウクライナ侵攻の激戦地で爆撃音が響き包囲される中、命懸けの撮影。

夥しい遺体に慄然とする。
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エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993年製作の映画)

3.4

ドラマのギルデッド・エイジ(金ぴか時代)を観る前にと初視聴。

19世紀末NYの社交界を舞台にしたラブロマンス。
麗しい衣装や美術が目の保養。

苦悩する繊細な男ダニエル・デイ=ルイスの演技は流石。
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ワイルドライフ(2018年製作の映画)

3.7

ポール・ダノ監督、パートナーのゾーイ・カザンとの共同脚本作。

60年代のモンタナを舞台にした家族の崩壊。
少年の成長物語にしては子供が可哀想過ぎた。

キャリー・マリガンとジェイク・ギレンホール、名
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ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.9

89年の同名映画は未見だし、コミカルとシリアスのバランスが変な他愛ない話だけど、ジェイク・ギレンホールの鍛え抜かれた身体と魅力溢れる演技のおかげで楽しめた。

レッスルマニア40が熱すぎたから、元UF
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.3

スピンオフドラマ観たのでオリジナルを視聴。

麻薬ビジネスを巡るカオスな騒動なのは同じだけど、ストーリーに繋がりは無し。

ガイ・リッチー印の独特な編集とスタイリッシュな男たち。
女性の描写は酷い。
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バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

3.6

ナイトメアなクリスマスでティム・バートンの世界観が強過ぎだけど、悪役の魅力が際立って前作より面白かった。

バットマンが躊躇わず人を殺す姿は違和感。

ダニー・デヴィート怪演のペンギンは狂いきれてない
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オリオンと暗闇(2024年製作の映画)

3.7

子供向けの単純なドリームワークス・アニメと思いきや、複雑な多層構造になるあたり流石チャーリー・カウフマン脚本。

怯えるのは想像力や感受性が豊かだからこそ。
不安障害を抱える大人としても、未知の恐怖は
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ミーン・ガールズ(2004年製作の映画)

3.2

ミュージカル版に備えて、2004年のオリジナルを初めて観た。

リンジー・ローハンは最初から輝き過ぎで設定に合わず笑える。
悪魔の女王レイチェル・マクアダムス良かった!

アマンダ・サイフリッド可愛い
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The Son/息子(2022年製作の映画)

2.9

フランスの劇作家フローリアン・ゼレールの「ファーザー」に続く家族三部作の2作目ということで観たけど、全然良くなかった。

宣伝で衝撃の物語と謳ってるのもキツいし、愛だけでは治せないメンタルヘルスの問題
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ブレードランナー(1982年製作の映画)

3.3

SFの古典と名高い1982年のカルト作を初視聴。

シド・ミードの美術デザイン、メビウスの衣装、ヴァンゲリスの音楽とサイバーパンクな世界観は今見ても強烈。

監督のリドリー・スコットが元々苦手だし、ア
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

2.4

楽曲は最高!
ベン・プラット(年齢的に10代の役は無理があると批判されてたけど、それはgleeとかでもあるし特に気にならず)の歌声も素晴らしい。
でも話が最悪!

誰かの自死を踏み台にして前に進むのは
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カンフー・パンダ3(2016年製作の映画)

3.8

最愛のジャック・ブラックの化身であるパンダの映画なのに日本では劇場未公開の憂き目に遭い、観そびれてた。

ややマンネリながらも中国武術の伝統と継承と家族の話で安定の出来。

世界がハウス・オブ・ザ・ド
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ジ・アンダーテイカー ~呪いの館を脱出せよ!~(2021年製作の映画)

2.6

視聴者の選択で展開が変わるインタラクティブ作品を初めてプレイ。
これは映画じゃなくてゲームだわ。

ニュー・デイがWWEでも特に好きなスーパースターのユニットだから観たけど、ファミリー向けの他愛ない内
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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

3.4

ド派手に華やかにスケールアップしたけど、大好きな前作ほど心に響かず。

野心家ムーンは更に自分勝手なクズ野郎まっしぐら、迷惑かけられまくりの周囲は善良過ぎて殆ど咎めないので流石にキツい。

U2のボノ
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世界の人々:ふたりのおばあちゃん(2023年製作の映画)

3.1

アカデミー短編ドキュメンタリー賞ノミネート作。

監督の父方と母方の祖母は仲良しで共に暮らし同じベッドで眠り一緒に歌って踊る。

苦労した辛い過去と先に逝った友や夫の思い出を胸に、今を楽しむ。

会う
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ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝(2018年製作の映画)

3.0

無名に近いゴッホの才能をいち早く評価し、その芸術の価値を高めた収集家ヘレーネ・クレラー=ミュラー。

かねて後世に伝えるコレクターやキュレーターが偉大だと思ってるので、ゴッホより彼女の話がメインのドキ
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謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス(2016年製作の映画)

3.2

美術史上異次元の傑作である三連祭壇画「快楽の園」に魅入られるドキュメンタリー。

私はボスの絵を見るたび、奇妙奇天烈摩訶不思議奇想天外~落書無用と頭に流れてしまう。

人の数だけ解釈が存在し、永遠に物
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

いかにも戯曲が原作な舞台劇で、メンタルヘルスについての物憂げな話。

オスカー受賞のブレンダン・フレイザーは文句無しに素晴らしく、彼自身が鬱などに苦しんだ過去を思わずにはいられない。

ケアする典型的
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フェルナンド・ボテロ 豊満な人生(2018年製作の映画)

3.1

去年91歳で逝去したコロンビアの画家兼彫刻家ボテロ。
人も物もふくよかに膨らんだユーモラスな作風は唯一無二で美術史に名を刻む。

批判も歓迎し芸術は楽しくあるべきと語る一方、社会や自身の悲劇も描いた。
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バットマン(1989年製作の映画)

3.3

1989年ティム・バートン監督作のマイケル・キートン版を初めて観た。

とにかくジャック・ニコルソンが嬉々として演じる狂気に満ちたジョーカーのインパクトが強すぎて、夜な夜なコスプレで悪を成敗する変人(
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.4

看板俳優エズラ・ミラーの演技がどんなに良くても多くの不祥事を起こし問題を抱える事実は看過出来ず。
ワーナーとDCスタジオ側の対応も悪かった。

アローバース版フラッシュの大ファンなので、マルチバース設
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ヴァル・キルマー/映画に⼈⽣を捧げた男(2021年製作の映画)

3.5

初めてのバットマンはヴァルだったし思い入れある役者。
気難しい完璧主義者のレッテルを貼られてたけど、演技に真摯に取り組むエリートゆえ。

咽頭がんにより機械の助けで発声する現在の姿と若い時から撮りため
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