earlgreyさんの映画レビュー・感想・評価

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スーパーマン(1978年製作の映画)

3.0

 バットマンに続いて、スーパーマンも観てみることに。
 存在は知っていると思っていたスーパーマンが、まさか地球人じゃなかったとは。冒頭からびっくり。

 クラーク・ケントとして一般家庭で育てられたとこ
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100日間生きたワニ(2021年製作の映画)

2.5

 まだ若い友人が突然死ぬという出来事は、ネズミたちにとって自分たちだけが見舞われた、この世で一番不幸な事件だっただろう。
 けれど、カエルという偶然知り合った相手、しかも傷心の心では直感的に疎ましいと
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バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

2.5

 ペンギン男の出自は惹かれるものがあったが、全体的につくりが雑。
 キャットウーマンとW悪役(+悪人シュレック)なのもあってカオスで、観ている側に深く考える隙を与えず、勢いのままに終わらせようというよ
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バットマン(1989年製作の映画)

3.5

 ジョーカーは精神に異常をきたした悪役だが、相手を手にかける方法には化学×芸術の生き様が感じられる。
 掌に仕込んだ装置で握手して感電死させる、羽ペンを首筋に投げて刺す、生活用品として流通させた毒物で
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リング2(1999年製作の映画)

1.0

 残念。30年前に埋められた井戸で発見された貞子が1、2年前まで生きていたと判明、這い上がろうとして剥がれた爪が井戸には散乱。という始まり方は最高におぞましいし、期待したんだけどなあ。

 肝心の霊媒
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らせん(1998年製作の映画)

3.0

 呪いや心霊現象が安っぽく感じないのは、実際の歴史が通ってきたどこか既視感のあるモチーフが、オカルトの原因として下敷きにされているからだろう。
 伊豆の療養所、結核と天然痘、身内の超能力で儲けようとし
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リング(1998年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

 ダビングして人に見せれば自分は死なずに済むってチェーンメールみたいな設定だけど、よりたちが悪いのは「ダビングしないと死ぬ」という情報が添えられず呪いだけが伝わっていくところ。
 サイレントキラーのよ
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

2.0

 うーん、ちょっと期待外れだったな。予告で絶対これ好きなやつって確信して、大事に鑑賞しようと温めてきたのを満を持して観たんだけどな。
 文明の正しさが届かない田舎の閉塞感と、信仰の怖さを包む世界そのも
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

2.5

 結末から考えると深掘りはナンセンスなんだろうけど、見世物小屋の二人組として衆目に晒されていたカリガリ博士と夢遊病者チェザーレ、彼らが二人きりのときにどう過ごしていたのかもっと知りたくなる。
 博士が
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チャタレイ夫人の恋人(2015年製作の映画)

3.0

 下半身不随になった夫は、妻が別の男と子供を作ることは受け入れられても、相手が下賤の者であることはゆるせないんだね。これぞ階級社会の価値観という感じだ。
 チャタレイの名で予想したほど過激な場面はなく
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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

2.5

 悪いやつは悪く、茶目っ気あるヒロイン、ラブコメっぽい二人。
 そういうムードと、この時代の背景と日韓関係を取り合わせるのは難しかったのではないか。
 あまり複雑なことは考えず、エンタメとして楽しんだ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.5

 みさきの運転技術は母の支配の産物だったと知らされると、すべて見え方が変わってくる。
 母の足代わりとして搾取され続けてきて、正式に免許を取った直後に母が死んだこと。父の苗字が多いとされる土地で、車が
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オズの魔法使(1939年製作の映画)

3.0

 無事もとの世界へ帰れたら、カラーだった画面が再び白黒になって、別れたはずの仲間三人に再会。白黒かつボロを着た、どこか古びた姿で。
 この輝きのないのが良くも悪くも現実だよなあと、制作側の意図ではない
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天使のたまご(1985年製作の映画)

3.0

 年端もいかない少女だし、お腹の中に抱えているのは卵なんだけど、これはまだ見ぬ命を妊娠している姿なのかなと思った。

 廃墟みたいな街で、亡者のようにも見える大人たちは、存在しない魚の影を追っている。
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.5

 人は愚かに生きる自由がある。それが他者の犠牲の上に成り立つものでも。当然、被害者は訴え、国は拘束して罰することになるが、やってしまった結果に後手で対応するのが限界なのだ。悲しいかな、犯すことそのもの>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

2.0

 世間の評判や隠喩的な豆知識は知らないが、中身がないのに要領だけよかった男が、勢いと運で財産を築いたらそれはやはり中身を伴わなかった話として受け取った。
 新聞王でありながら、彼が歩いたのはジャーナリ
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

2.0

 運命は決まっていても、それがいざ目の前に現れたときどう解釈するかはその人次第。ってことなのかなと思った。
 母の言葉と小隊長の言葉は共に、片側からの視点なんだろう。

 死ぬのが当然だと思い込んでい
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カサブランカ(1942年製作の映画)

2.5

 終盤、二人を送り出す心を決めたリックはイルザに「君は彼(ラズロ)の一部だ」と言った。
 それに対し、リック自身は恋が燃え上がっていた当初から最後まで一貫して「君の瞳に乾杯(Here's lookin
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

2.5

 好奇心からであっても、死んだ動物のために墓をつくって弔ってやるっていうのが、“禁じられた遊び”というのはあまりしっくりこないなと思いながら観ていた。

 問題なのは、よその所有物である十字架を盗んだ
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風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

3.0

 似た者同士のスカーレットとレットの名前が似ているのはわざとかな? 
 強く鮮烈な炎を思わせる我が道を行くスカーレット。その強さの中に隠されているような、存在のレット。
 こう考えると、飄々としていて
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 シヴドゥが滝の上に登っていく段階で、あっこれ主人公補正で死なないやつね、とわかり、その後はそういう目で観られたので純粋に面白かった。
 アヴァンティカがタトゥー彫られても気付かないのも、そういう世界
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.5

 本作では無声からトーキーだけど、それに限らずこんなふうに世の流れが大きく変わったとき、今まで食えていた人や人気者が食いっぱぐれるっていうのは普遍的なんだろう。
 現代だとやっぱAIで仕事が奪われる人
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.0

 ユキノが「靴なしでも歩けるように練習していた」と言えば、それは“タカオがいなくても生きていける自分であらねばならない”という意思の表明で、
 タカオが「靴職人になるなんて、そんな想いなんてどうせ叶い
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.0

 原作はまったく知らないが、先住民としてのホモサピエンスという立ち位置から起こる世界の混乱は楽しめた。地球人の我々の視点から見れば小難しく作ってあるのも納得。
 地球規模の科学ではわりと遠い距離にある
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名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレイン(2023年製作の映画)

4.0

ミステリートレインはテレビ放送時に見ていたので期待していなかったのだけれど、列車の外観や車窓から覗く風景、会話のこまかい補足、あと全体の作画と、思った以上に力入れてリメイクされていて満足。
以前のもの
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2LDK(2003年製作の映画)

2.5

こんな性格正反対のライバル同士が同居したらまぁこうなるわな、というのを愚直にやり抜いた感じ。
エスカレートするひとつひとつのきっかけと行動はありがちだけど、ここまでの展開にさせたのは、
小池栄子の「わ
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.0

海や潜水艦やベイを静かに映している場面とかは尺を惜しんでいるのがわかるのに、脚本に隙があるのがまず気になった。
博士との会話、灰原との会話が刈り取るべきところまで不自然に削り残されていて、全体のプロッ
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.5

多くの人とは感想が違うだろうけど、個人的には、
死んだら産廃扱いだったとしても、吐き気止めも与えられて清潔なベッドで苦痛なく逝けるのならアリと思ってしまった。
もちろん葛藤するだろう。すごく悩んで受け
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