EDDIEさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

The Son/息子(2022年製作の映画)

3.9

心をズタボロに抉る作品。
観た後は放心状態…選択に正解はあったのか。
人生が続く中で都度思い出される苦い思い出。愛しい息子を想う父。それでも足りない?じゃあどうすればよい?
『ファーザー』のF.ゼレー
>>続きを読む

戦慄の絆(1988年製作の映画)

3.8

一人二役で一卵性双生児の兄弟を、ジェレミー・アイアンズが不気味にも見事別人のように演じる。
まるで性格が違うため、同じ人物が演じているとは思わないほど…なのに途中からはどちらがどちらかわからなくなるぐ
>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.2

人と人の繋がりに“The End”はない。
別れがあっても記憶にとどまり続けるから。映画は記憶と記憶を繋ぐ役目を持つと感じた。
“破壊と創造”を続けたスピルバーグ監督フィルモグラフィーの伏線を見事回収
>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.9

卒業式を間近に控えた4人の少女たちの悩みや葛藤、そして決意の過程や瞬間を描く群像劇。
答辞を読む者、図書館に通う者、音楽に想いを馳せる者、地元から旅立つ者。
それぞれの秘めた想いが詳らかにされるにつれ
>>続きを読む

FAKE(2016年製作の映画)

3.7

「ゴーストライター騒動」で一世を風靡した佐村河内守を追うドキュメンタリー。
もはや真実がどうなのかなんてどうでもよく、佐村河内氏を常に献身的に支える妻の存在に目が向く。
もはやこれは純愛映画?
ラスト
>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.7

未来の不透明な人生はまるで暗闇を手探りで歩くかのよう。
だけど光を回し続ける映画のように、自らの足元を明るく照らし歩み続けるのが良いのだろう。
ロジャー・ディーキンスの美しい撮影、オリビア・コールマン
>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.1

これは痛快…!
勘違いした支配者階級の富裕層と労働者階級の立場逆転劇。ただそれで終わらぬ想像に委ねるラストも後味が良い。
ゲロやクソを富裕層にぶつける鬱憤ばらし。危機を脱しても我々の三角形に変わりはな
>>続きを読む

日本統一3(2013年製作の映画)

3.4

侠和会を脱会した元幹部の上田。襲撃に遭った川谷が負傷し、責任を感じた護衛の田村はかちこみを企てる。
ヤクザの盃は一般社会でいうアルバイトの待遇を良くするために正社員に昇進させる雇用契約書みたいなもんだ
>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.5

何かに夢中になれるって素敵なことやね。
鬱屈した日常を送る中でも共通の趣味を語り合えるって本当に気持ちが晴れやかになる。サイン会のシーンでは思わず涙がこぼれ落ちた。
一つのきっかけでつながりができるこ
>>続きを読む

レッドシューズ(2022年製作の映画)

2.0

父の夢を叶えるために…戦うシングルマザーの奮闘記。
映画初主演を飾った朝比奈彩はボクシングシーンもかなりの力の入れよう。我が子のために頑張る様子はわかるが、いかんせん脚本が1日で書き上げたのでは?と思
>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.2

固定観念や価値観を思いっきりぶっ壊してくれるちひろさんが気持ち良い。
そもそも過去は過去だと前を向くことの大切さを再認識できる。
数人での食事が居心地悪い時もあれば、1人での食事が美味い時もある。
>>続きを読む

静かな雨(2020年製作の映画)

4.0

「それ前にも言ったよね」
記憶以前の話で普段友人との会話でもこんな台詞は珍しくない。
敢えて言わない優しさってのもある、と学びにもなった。
特に行助が足を引きずっている理由…わざわざ過去を追及しないと
>>続きを読む

バッドガイズ(2022年製作の映画)

3.8

世間一般の固定観念は強い。
見た目や雰囲気で善人か悪人かの判断をされてしまう。
ちょっとのきっかけで良くも悪くも転ぶ。
「あんな良い人が犯罪なんて信じられません」
事件後のインタビューでよくある回答。
>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.9

正方形という人工物に“全ての人が公平に”という人間の身勝手を詰め込んだ作品。
人間とは矛盾した生き物だと再認識させられ、その描き方があまりにも巧み。
モンキーマンのシーンは人間のずるさが全面に出ていた
>>続きを読む

ホーリー・トイレット(2021年製作の映画)

3.8

なんてこった…!
目覚めたらトイレ、片腕しか使えず身動きできない危機的状況。
叫んでも誰も助けに来ない。
あまりにも痛すぎて我慢できずに声が出る!趣向を凝らしたアイデアの連続に感心しっぱなしの90分ワ
>>続きを読む

Sharper:騙す人(2023年製作の映画)

4.5

これはやられた!
壮大な騙し合い。話が進むにつれ都度「騙された」感覚を味わえる快感。
“オーシャンズ”や“グラスオニオン”以上の爽快感がこの映画にはある。
主要人物の他、サブや細かい台詞にも気が抜けな
>>続きを読む

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

4.1

人間の強欲だけでなく、弱みに漬け込む浅知恵など、一度不正に手を染めたら引き返せない恐ろしさを実に巧みに演出。
金に目が眩むのはとことん恐ろしい。
事の発端が銀行としては杜撰すぎるが伏線が回収されていく
>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.4

血肉を求め人を喰らう人種。
どう生きる?誰を頼る?
“同族”と呼ぶ同じく人を喰らい生きる人を見つけ、自分のルーツを探るロードムービー。
人を殺し食べ生き存える行為は肯定できないが、社会的マイノリティの
>>続きを読む

怪獣大戦争(1965年製作の映画)

3.1

地球の人々が対峙するのは宇宙人!?ガンの特効薬と引き換えに地球人にゴジラとラドンを貸してほしいという意味不明な展開から始まる。
怪獣大戦争とは名ばかりで主に変な宇宙人との心理戦がメイン。
ゴジラとラド
>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.6

量子世界や多元宇宙と数ある世界線に君臨する征服者。
のほほんとした日常から一変する“小人”の壮大な娘の尻拭い。MCUの流行りは誰かのツケを払うことなのか?
「小さい者を見過ごしてはならない」
しかし
>>続きを読む

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)

3.5

超高速飛行の巨大生物ラドン!
ゴジラの次に登場した東宝三大怪獣の巨星。しかし前半は古代トンボ・メガヌロン主体の話で後半でやっとラドンが登場。
俳優の演技は悪くないし、話の構成としてもモスラより全然面白
>>続きを読む

モスラ(1961年製作の映画)

2.9

東宝三大怪獣モスラ初登場作品。
前半は耐え難い俳優陣のわざとらしい演技、外国人の意味をなさない英語セリフとこれまた意味をなさない片言日本語セリフ。
ファミリー向けにコメディとして作られたのだろうが当時
>>続きを読む

日本統一2(2013年製作の映画)

3.6

三上の親分がたまらなくカッコいい。
もはや理想の上司。部下を褒めて伸ばす。
氷室が躍進し、田村は出所。日本統一伝説はまだ始まったばかり。
今回は任侠会内部の抗争…上田最高顧問のあからさまな悪人面はお見
>>続きを読む

ユアプレイス、マイプレイス(2023年製作の映画)

3.6

典型的なすれ違うばかりの2人が主人公のラブコメ。2人は親友、女はシングルマザーで息子に命を賭けてる。男はヤリチンだけど心から人を愛せない?
LAとNYの生活を取っ替えっこして気づく本当に大事なこと。割
>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

3.8

アメリカ銃乱射事件の加害者と被害者の両親、4人の対話劇。
キリスト教を準えて“赦す”ことを度々描くアメリカ映画。
「アメリカだから?」
日本で銃乱射事件は遠い話かもしれない。ただ殺害事件は起こりうる。
>>続きを読む

砂漠でサーモン・フィッシング(2011年製作の映画)

3.6

砂漠の国イエメンの大富豪の野望を叶えるため、鮭を泳がせて釣りをするという一大プロジェクトがスタート。
それは置いといて、恋愛映画として観たら選ばれなかった側の経験を持つ人の視点に立つとあまりにも酷だ。
>>続きを読む

#マンホール(2023年製作の映画)

4.1

邦画でこんなにも見応えあるソリッドシチュエーションスリラーが観られるとは!
スマホやSNSを駆使した現代版脱出劇。
この映画…誰も信じられない!?迫り来る危機とまさかの展開。こりゃあネタバレ厳禁だわ。
>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.9

映画とは人生。
その時に何を選択したか。
すべては巡り合わせ。
生まれながらのスター、きっかけを掴んだスター、技術を持つスター、堕ちるスター。
境遇の異なる個性的な人物を交通整理させながら類い稀なる物
>>続きを読む

BAD CITY(2022年製作の映画)

3.7

小沢仁志還暦記念作品!
マジでこの人還暦⁉︎って思わせる、クライマックスでは怒涛のスタントなしアクションの連続。都市のヤクザ抗争や犯罪の背景に司法や財閥が絡む陰謀論。
“日本統一”をはじめとした任侠映
>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.9

鉄塔の高さ、地上600m。東京スカイツリーに匹敵する塔の頂上に登る2人の若者。
彼女たちはなぜ鉄塔に登るのか。
そこに鉄塔が立っているから、そう答えるだろう。
新感覚恐怖体験スリラー。
落ちたらThe
>>続きを読む

ザ・クロッシング(2021年製作の映画)

4.1

悲惨、壮絶…移民迫害の歴史を絵画タッチで描き心を抉る。
なぜ人が人を追い殺すのか。悪事を働いているわけではないのに。
こんな感想すら薄っぺらい。姉弟が国境に向けて逃走を繰り広げ、親切な人たちとの出会い
>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.8

いい子のためにクリスマスプレゼントを贈るくたびれたサンタ。そろそろ引退か…そんな時に遭遇した強盗たち。
決して強すぎはしない…しかし覚醒の瞬間が気持ちいい。「ホームアローン」を引き合いに出すだけあって
>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.3

これが報道の力だ!見てるかマスゴミども。己の信念を貫き、権力に屈する弱者を救うべく立ち上がる2人の記者。
電話が鳴るたび「次は誰が⁉︎」と息を呑む展開の連続。性暴力を見逃してはならない。不可解な法律は
>>続きを読む

友情にSOS(2022年製作の映画)

4.2

3人の大学生、彼らはただパーティの全制覇ツアーをしようとしただけだった…1人の意識不明の女性と遭遇するまでは。次から次に不都合の連続に見舞われる。
境遇の異なる親友同士を軸に見事な脚本で黒人差別などあ
>>続きを読む

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46(2020年製作の映画)

3.6

まったくもって触れてこなかったアイドルライブの世界。欅坂というグループの栄枯盛衰、とくに闇の部分を惜しみなく披露するドキュメンタリーとしてはかなり上質な代物。
ただ何よりも平手友梨奈というセンターの別
>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.7

コテッコテやないか。
「筋肉×ワイルド=アレクサンダー・スカルスガルド」の構図が見事にハマった北欧神話的復讐劇。アニャの美しさも生尻も素晴らしいのだけど、この映画は筋肉を求める者たちに捧げるレクイエム
>>続きを読む