efnさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.8

巴里から農家に流れ着いた戦争孤児と農家の少年の恋愛と墓地作り。異常な状況を文字による説明なしに物語化しているのが良い。(今なら避難民に銃弾を浴びせたり、駐屯する独軍、抵抗する仏軍くらいは出演するだろう>>続きを読む

三人の名付親(1948年製作の映画)

4.0

ジョンウェインでもどうにもならないもの「水」「砂」「赤ちゃん」

乾いた男たちの前で滴る水、行く手を阻む砂嵐、突然鳴き声をあげる赤ちゃんといった、偶然性に重点をおいた演出が素晴らしい。荷台に馬をあげよ
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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.1

信本敬子の脚本が常識的に見える程度に今は性癖を隠さない人で、女の子の怨念が好きということがわかった。基本的なスタンスはパーフェクトブルー、千年女優と同じで、後味の悪さ(というか複雑?)も似てる。格子を>>続きを読む

帝都物語(1988年製作の映画)

3.9

 レイアウトからピントまで建物と人間が同じレベルで撮られているせいで、観ているうちに脳がバグる。画が強烈すぎて、内容が頭に入ってこない(西村晃が親父の学天則を動かしてるのは面白かった。)
 題名はもち
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秘密工作員: 敵地の行動規範(1943年製作の映画)

4.0

 工作員が敵国の民間人になりきるための教習映画なのだが、切り口が演劇、映画的で面白い。
 列車で車内検察を乗り切る方法、怪しまれずに宿を取る方法、ボロが出そうになったときにどうやって乗り切るか、警官に
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戦争の序曲~大戦前夜(1942年製作の映画)

3.7

 軍縮条約に基づいて軍艦自沈さでるアメリカと龍のように東西へ領土を拡張する大日本帝国、血飛沫をあげながら西へ東へ手を伸ばすナチドイツ、家に集い子を生み育み自由に本を読むアメリカ人と集団農場に男女をかき>>続きを読む

スターリングラード攻防戦/なぜ我々は戦うのか: バトル・オブ・ロシア(1943年製作の映画)

3.5

 当時、最新の曲だったショスタコーヴィチの交響曲第7番の編曲が独軍のモチーフに使われていて驚かされる。42年初演だから翌年に使ったことになる。
 引用している記録映像、プロパガンダもほとんど42年のも
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驚異の大日本帝国/汝の敵日本を知れ(1945年製作の映画)

3.8

基本的に日本は戦争が大好きな国ですべての国民は来たるべき大戦に備えて日々を生きている、というプロパガンダのテンプレートから出ない(ドイツは騎士団の頃からロシアの領土を狙っているのと同じ)のだが、そのデ>>続きを読む

震える舌(1980年製作の映画)

3.9

 病気の映画とはいえ、野村芳太郎なので恐怖映画としての完成度のが高い。引きつる四肢や口から血を滴らせながら痙攣に耐える姿はエクソシストのそれを軽く飛び越えていく。なにより、破風症は現に存在しているし、>>続きを読む

カリガリ博士(1920年製作の映画)

4.0

夢幻を投影して歪んで遠近を喪った街、精神病院からそっくり映画に降りてきた患者たち、そこで院内と同じく横暴に振る舞うカリガリ博士(院長)。夢幻と現実の境界を揺るがすドイツ表現主義の傑作。

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

 ホアキンの演技がへなへなしていて怖い。へなへなというのは弱いということではない。彼は間違いなく強い意志を持って演じている。ひとつひとつの表情、動作が確信的で、偶然やアドリブに頼っていない。理解したう>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.9

マイケルキートンとエドワードノートン、映画と演劇中劇、役者と批評家、父と娘、夫と妻、常にどこかに喧嘩していて、始終泥臭い。
特に長回しの最中にぶつ切りで演劇を挿入して、ワンシーンを映画の一片として扱っ
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.8

始終FPSでヘッドショット狙いのプレイをしているようで最高だった。(映画としての快楽は兎も角として)
あと、プロ意識の塊のような人が淡々と仕事をこなして、依頼人とは余計な会話を全く交わさないとか、ドラ
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マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

3.4

造られた異能生存体のネオに特殊な環境下で生まれたスミスをぶつけたり、現実の小競り合いで終わらせるのは、当初の意図から離れてると思うんだよな。神の見えざる手はどこへ行った。

マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

3.6

不思議の国のうさぎ風に小走りで扉を開けたり締めたりするキーメイカーとネオをフォーマットの起動因子として生んだアーキテクト。この二人の語りだけでも見る価値はあった。