霧の中でふわっと、左右両方から閉じるように描かれる円文字、それらの微妙な筆跡の違いをパーツ化、分類して意図として再構築する言語学者(一方で中国は麻雀で虐殺文法を教えようとしていた)、時制のない言語に>>続きを読む
ヒトラーの映像や船の図面をカールジェンスキーで受信して、階層化されたデータを解析するあたりまではSF的な理屈で組まれていてよかったけど、後半の船の建造やらファーストコンタクやら技術的な問題をすっ飛ばし>>続きを読む
灰色の空とか地上に積もった灰、弾痕がないのに枯れ木だらけになっている山とか遠くの方から聞こえる気が倒れる音、廃墟化したオフィスで見つけた缶コーラを開けるプシュという音、日常にありふれたものを腐らせるだ>>続きを読む
MANのトラクターにスピーカーを積んだ軍楽化で雰囲気を盛り上げて、タトラのトレイラーとキャデ二台載せのカーチェイスをやらせるあたりは暴走族的な発想なのに、軍団が抱える膨大な情報をすべてを包み込むような>>続きを読む
終末の砂漠でモヒカンどもがガソリンを奪い合って、よりにもよって燃費の悪いフォードのパトカーモドキで爆走したり、ボウガンで武装してホッケーパッドで防護した善人を襲ったり、処刑の場でカワサキZ-1に乗って>>続きを読む
不眠症を抱えた賃金奴隷に成り下がっていないだけ保険屋タイラー・ダーデンよりマシじゃん悩みなんてないじゃん、と思いながらみたら買い物依存の果てに自己同一性を見失うし、猫をATMに入れようとしても誰も助け>>続きを読む
ニーチェへの明らかな誤解はさておき、科白劇に堕ちがちな倒叙ものをチェストと蝋燭台と死体をつかったサイコパーティー、鶏を締めた思い出と首と本を締めたロープ(とそのクローズアップショット)等々、科白と小道>>続きを読む
昭和のおっさんから見た女子高生の悩み(援交)とか世紀末の不安(オウム)とか猟奇的な十七歳(酒鬼薔薇)とか90年代の事象を週刊誌風のフレームで構築したような作品で、正直物語としてはどうなんだ、と思う部分>>続きを読む
賃金奴隷生活も買物依存症も自己破壊の前では無力ってあたりは同年のコロンバインやオウムその他の終末思想諸々と同じなのに、フィンチャーとパラニュークの手にかかるとジキルとハイドとかっこいい何かに見えてしま>>続きを読む
退廃的で白塗おしゃれでファッションもかっこいい90年代がロスト・ジェネレーションの枠で囲うことのできる過去の存在になるとは思わなかった。
コングのアクションは33年、62年の模倣なのに、モーゼル(一四式?)をぶっ放しながら米兵を追いかけ弾が尽きても抜刀して飛びかかる日本兵とか、B29の旋回機銃を零戦とマスタングの魔改造船に積むとか通常の>>続きを読む
ポストコロニアルの戯画なのに狂気を連呼しているうちに(オリエンタリズムに溺れたカーツ大佐を含めて)サイードの手のひらのうえでぐるぐる回る喜劇に見えてきた。
ネビル・シュートの原作からターミナルケア的な会話(否認、憤怒、受容)を切り抜いて、ペックを主演に据えたらメルボルン市民の終末がローマ市民の休日とオーバーラップし、イタリア市民が次々と自殺していく映画に>>続きを読む
キッシンジャーにルメイにテラーまでいるのにニクソンがいない、というのがこの作品の救いなのに相互確証破壊の前では如何ともしがたいのだよ、というのが同時代的な感覚でありこの作品の黒さなんではなかろうか。
博士の異常な愛情のフレームに「丘」のバランスゲームを突っ込んでくるとは思わなかったぜ。
予感はあったが、まさか平成になってから「ヤマトよ永遠に」と同じものを観ることになるとは思わなかった。戦争映画の画で推理モノをやるのはヤマトシリーズのお約束なのだろうか。
ミステリーの意味はよくわか>>続きを読む
ダイジェスト版というよりは戦闘場面の詰め合わせ。本家の筋を追うのではなく、ガミラス側のちょっとした政治事情の説明とそこへ派手に殴り込むヤマトという二軸で話を組み立てることで、映画館の上映、音響設備を>>続きを読む
戦後八年目の戦艦大和。画面から科白にいたるまで薄暗く、異様に重々しい雰囲気のある作品。甲板上はいつも闇夜で乗員の足元は見えず、艦橋は巨大な墓標のようにそそり立つ。乗員は常に自分の人生の意義や残された>>続きを読む
主人公らのまわりに軍に縁のなさそうなプチブルや涙腺の緩そうな家族がいるから元海軍少尉も時代に適応せざるおえなかったか、と思ったが最後はやはり松林宗恵だった。
作品自体はナレーションが史実の解説から>>続きを読む
アドレナリンの分泌が止まると死ぬと聞いてバスター・キートン風アクションかと思って観たら、意外にも小仕掛けが組まれていた面白かった。
タクシーを強奪して逃走したり白バイを奪って立ち乗り運転するのも面>>続きを読む
20世紀前半の大英帝国側の正義と恋に生きた人をこれまた植民地主義的な視点から描いた、という点でジェイン・オースティンも驚愕するほど画期的だし、支配階級が見れば「砂漠が我々の手中にあった時代」を脚本的に>>続きを読む
創成期を意識しているようなところがあるので、物語が素直に面白かったとはいえないが画期的な映画ではある。生物兵器に追い回された挙句にドアで頭部を切断されるホログラム、生物兵器の宿にされてゴミのように放棄>>続きを読む
英変人少佐によるアラブ反乱始末記。アラブ反乱の複雑な様相を第三者ロレンスの立場を利用して的確に捉えている。砂漠を愛する異端者として指導者となったロレンスが反乱を成功させる前半の英雄譚、アカバ攻略によ>>続きを読む