渋谷駅に落下するギャオスを俳優込みのワンショットで組んでしまうあたりとか京都駅突入で内側に流れ込む破片(これも前田愛とフレームが一緒)とか、やっぱり特撮としての完成度は一級。イリスを包む細かい雨粒と>>続きを読む
酒場、高利貸し、ボクシングジムと舞台は紛れもなくアメリカで、そこで展開する物語も典型的なものなのに、どこまでも貧乏臭くて、それ故に愛おしい。夜の路地、超クローズのキス、金魚の友達、何となくアメリカン>>続きを読む
最後の「演説」を除いてランボー自身の語りを切り落としてるけど、それで作品が成立してるんだからすごい。ベトナムでの出来事は留置所の格子(牢屋)と剃刀(拷問)のマッチカットで表し、あとは森林での潜伏活動>>続きを読む
ロシアンルーレットの引き金を引くまでの時間≒戦場での死生観の表現、あとデニーロの演技がいい。
が、恣意的なズームやクローズ、あとゴッドファーザー以下の披露宴はあれ。ロシアンルーレットがなかったら映>>続きを読む
ヘンテコというかひねくれてるというか、ペキンパーらしい映画。横取りして満足げなカウボーイをわざわざ長回しで見つめて不快感を煽るのに、逆に不潔なはずのゴミ処理場には青いフォルクスワーゲンが花を咲かせて>>続きを読む
銃をぶっ放して小麦色の平原を車で疾走するだけでもすごいのに、保安官を写真機で「撮る」とかオーバーキルにも程がある。車内の人質にブチューと顔を押し付ける嫌味ったらしさとか、野原に舞う対の新聞紙も感情を>>続きを読む
記憶を回復する際はわざわざ実家の台所からマッチカットで家族の団欒をつなぐのに、身体はゴミのように扱うあたりバーホーヴェンは身体性よりも記憶の確かさを信じてるんだなってわかる。マーフィが穴だらけにされ>>続きを読む
ノコギリとナタのどっちで殺すか考えるやつで「あ、そこで迷うんだ」ってなった。未来なのに...
西部劇みたいな画面なのに筋はサイコサスペンス。賞金は正規の手続きを踏んでないし武勇伝は嘘八百。なのに沈黙と銃声だけに質感がある。最後の銃撃戦なんか語る暇があるなら撃て、と言いたげな編集で心が凍った。>>続きを読む
義眼でも眼帯でもなく単に目が光っているせいで恐れられているのがいい。黙示録の馬の下りに合わせて登場する演出といい、怪奇映画的な趣がある。
ドンシーゲルとレオーネを経由してこれに至るってイーストウッ>>続きを読む
ジョンフォード流の儀式(賛美歌)をぶち壊してメキシコに亡命したかと思えば皆死んでしまうしでもう滅茶苦茶。さらば、すべての西部劇。
列車強盗の連結や穴に車輪を取られた馬車も程よく時間を引き伸ばしてる>>続きを読む
昼下りの決闘がランドルフスコットの同窓会でジュニアボナーがロデオの哀歌なら、これは駅馬車の葬送。賛美歌は娼婦が投げた食器で中断し、司祭は人妻に手を出しジャンプカットで逃げ惑う。駅馬車でさえ「休憩」を>>続きを読む
ワイルドバンチとかよりもこっちの方が最後の西部劇らしい。もう全部が逆さま。ランドルフスコットは老眼で契約書が読めないし弾も当たらない、そもそも運ぶ金塊もみみっちい。金もない、体もボロボロ、せめて志は>>続きを読む
賛美歌や酒場の歌唱が銃声で止まるやつが良い。2回あるから3度目は最後の締めか、と思ったらそんなことはなかった。
保安官は公平なように見えて単なる暴力嫌い。開拓民もなんの断りもなく牛の進路を妨害した>>続きを読む
横転したらすぐバラバラになるのに山を登り切るくらい走破性能があるし意外とすごい幌馬車。縦隊で川を突っ切ったり山を斜めに登る光景なんかもう装甲車の群れ。近現代の乗り物。
ただ何だろう。画はホークスの>>続きを読む
背中で語る、というのにはこういうのもあるのか。殺すつもりだった子どもを抱っこして掲げるだけでスイッチが入ったかのように殺意が無効化される。もちろんティルトしている効果もあるんだろうけど、それ以上にジ>>続きを読む
ジョンウェイン引退映画。手綱引いたり馬から降りる場面が多い。眼鏡を掛けて手紙を読んだりする。
包囲された小隊がインディアンの大群と土埃にかき消されるように全滅するショットがあって怖かった。砦でジョンウェインを出迎えるインディアンとか騎兵の隊列も整然としているけど、妙なところにフックがあるんだ>>続きを読む
棍棒で殴られるジョンウェイン遅刻するジョンウェイン階段から転げ落ちるジョンウェイン、ジョンフォードの作品に比して醜態を晒す数の多さ。それでもずっと表情を崩さない、というより崩せないんだから面白い。構>>続きを読む
ジョンウェイン苦手だから、あまり見る機会もないのだけれど、見直したら大傑作で驚く。亡き妻への贖罪が今の傲慢な自分と微妙に重なり合って養子との和解(殴り合いだけど)に至る、この限界を攻める作風がたまら>>続きを読む
ウィスキーをジョッキで飲み干し劇場の全座席を買い占める狂ったアイドルオタク(ウォルターブレナン)の西部劇。死んで平和になったのに所有地がそのままテキサスになってしまったのには笑ってしまった。
もろ>>続きを読む
ゲリークーパーの引退映画なのかと思うくらいに寂しい。住民は目をそらすし加勢したはずの味方は戦況を知った途端にガンベルトに銃を収納。終いにはクレーンショットで街からも見放されてしまう。
ただ、それは>>続きを読む
密度の高い脚本なのに詩情がある。ジョンフォードの作品はいつもそうなのだけれど、テンプレートに収まりそうな物語を画面がゆうゆうと越えていく。
弟の十字架を巡るワイアットアープの復讐、免許証の前で酒を>>続きを読む
モンタージュによる効率化が過ぎる、とか思うこともあるがペキンパーが息の根を止めつつあったジャンルでこれほど純度の高い「西部劇」が産まれたこと自体が奇跡なわけで、そこは褒めるべきだし、そのような前提で>>続きを読む
メキシコ革命家の死刑囚選別からIRA時代の裏切り者につなぐやつだけは良かった。レオーネが顔の力を信じてるのはわかるけど、ちょっとはスクリーンサイズを考えて画面を設計してほしい。
史劇で政治にも片足>>続きを読む
でっち上げの戦功で勲章を貰おうとする将校と泥と血にまみれながら鉄十字を受勲する一平卒、慰問会用の肉をかっさる将校とサラダに群がる負傷兵。対立軸はハッキリしているが、戦地の薄汚れた画面が二つを結びつけ>>続きを読む
絞首刑長回しと自白剤を盛られて不倫と拷問の記憶をマッチカットでつないでるやつは良かった。今どきフーパーみたいに死に際の人間を痙攣させたがる人がいるんだーって素直に感心してしまった。拷問中の撮影にやた>>続きを読む
第三帝国のお葬式。止まない砲声、着弾しない砲弾、追い詰められ書類を焼き捨てる役人、踊り狂う妻たち、責任を擦り付け合う重臣。ベルリン市街が炎上し、瓦礫の山と化しているのを尻目に帝国の主人たちは総統地下>>続きを読む
人道に目覚めるのはいいけど映画を撮ってるってことを忘れないでほしい。ブリキの太鼓でラインを越えてまで旦那に不倫を見せつけた意気込みはどこいった。というかパリで独仏の高官が言い合いしてるのにヴェルサイ>>続きを読む
フランスの副知事が背を向けている向こう側で転向者と独軍将校が処刑組の選別してるやつだけは良かった。(あからさまなダッチはちょっと)
それ以外は何だかな。執行者が脱落するとか実行前に囚人が義足を外す>>続きを読む
主観だけで送る側を送る側にしてしまうすごさ。きっかけは新聞の誤配、警察側の証拠もそれだけ。しかし、それはクラインをユダヤ人に認定する契機にはならない。すべては同人クラインの痕跡をたどり、視線を同化し>>続きを読む
海岸線を逆走するとかプールやバーで女を口説いているところまで呆れるくらい洒落てる。計画書から海岸線、見立ての菓子箱からエレベーターへのマッチカットも小綺麗。構図で見せてはいないけど、シネスコの見世物>>続きを読む
金の不始末部下の不始末女の不始末、ギャングの日常系映画。
何かあったらとりあえず酒飲むか煙草吸うかのどちらかで、その脈絡のなさ、その格好のつけなさいが良い。相棒とラスク食ってワイン飲んでパジャマ出>>続きを読む
彼女から貰った愛の証は間男の狩猟の証、それを知ったあとでは一緒に映り、目線を交わした鏡の思い出も撮り合った二枚の写真も上滑りする。自殺後に慟哭のように鳴り響く目覚まし時計と催涙弾の涙がひたすら哀しい>>続きを読む
霧にはじまり硝煙で終わる詩的リアリズム。案内人は車で引きかけた犬で運命の女はトレンチ型のレインコート姿。フランスが舞台のはずなのに、画面は常に湿気ていてジメッとしている。淡い感じがたまらない。
マ>>続きを読む
夫婦は喧嘩ばかりするし警察は自白強要に誘導尋問とやりたい放題。だけど誰もが職務の前に産まれと育ちに対する劣等感をもっていて、その人間臭さが強引な警察と庶民を結びつけている。社会が回らなければ革命すれ>>続きを読む