過剰なバイオレンスに頼ることなく、適度な軽さで実録をやり切った。
その軽さを呼び込んだのは綾野剛を始めとするメーンの俳優陣で、特にYOUNG DAISは若さと誠実さと胡散臭さを併せ持ったスペシャルな存>>続きを読む
脚本は面白かった気がするし、石橋蓮司の芝居にもかなり笑わされたのだが、全体としてはひたすらノレなかった。『大鹿村騒動記』もどうしていいか分からなかったので、これはもう阪本順治と"相性"が悪いということ>>続きを読む
ドキュメンタリー「映画」として全く評価できない。例のラストはあくまで「テレビ」へのカウンターとして機能しているのであり、佐村河内騒動を知らない外国人が見ても大した衝撃を覚えないだろう。万国共通の感動が>>続きを読む
#Filmarks2016 第5位
ホラー映画が怖くなくてどうする?と言わんばかりの恐怖演出のつるべ打ち。その全てが的確で最良のパフォーマンスを発揮しており、めちゃくちゃ怖いしめちゃくちゃ面白い!や>>続きを読む
黒木瞳初監督作品。予告編がなかなかよくできており、もしやダークホース的傑作なのではと期待して観たら、そんなことは全くなかったという笑
ただ致命的に演出が下手ということはなく、退屈しないようそれなりの>>続きを読む
ドローンまで動員して不穏さを煽りまくったり、エキストラと照明のありえない使い方で劇空間を仕立てたりと、中盤までは黒沢清最高傑作か?!とガン上がりしていたが、"地獄の門"が開いて以降の脚本が全く納得でき>>続きを読む
大量のエキストラを動員できない低予算時代劇は絵作りが難しく、それなりの工夫を要する。この作品はそれを一種の奇抜さで切り抜けようとしているが、大して目新しい演出でもなく失敗していて、ドラマの強度を弱めて>>続きを読む
存在自体が死亡フラグの清瀬やえこと、終盤の佐津川愛美の"こんな世の中呪ったる"顔はよかった。が、こうした不穏さが肝心の「呪いのビデオ」や「伽倻子の家」にはいかほども感じられなかったというのは、やはり致>>続きを読む
アメコミ映画がわりと苦手(観たらだいたい面白いけどわざわざ見に行かない)な中、こういう変化球なら楽しめそうと思い鑑賞。結果、シンプルで愉快な映画でした。
ヒュー・ジャックマンのくだりとか、最近この手の>>続きを読む
ヒッピー→ヌーディストのギャグで「どんだけヒネリ効かせとんねん!」と喜んでいたら、それを超える壮絶にヒネった物語展開が用意されていたという・・・
そこそこ複雑な"差別・被差別のメカニズム"をここまでシ>>続きを読む
二部構成で2作目にしか登場しないラスボスという難役を松岡茉優が好演。"神様の通り道"を颯爽と歩いてくる場面など、要所要所をしっかりおさえていて偉い。
にもかかわらず、クライマックスがまったく盛り上がら>>続きを読む
原作と俳優の魅力を真正面から受け止め、青春映画として一本軸を通した潔さ。連載マンガの映画化として、教科書的ではあるがしかし認めざるをえない成功パターン。
広瀬すずのプロフェッショナルな仕事ぶりもさるこ>>続きを読む
4DX専用で『雨女』なのに、こんな雨が降らないとかアリか?!『ボクソール・ライドショー』の方がよっぽど濡れたぞ!!
同じ場面を3回も繰り返したり、つまらぬロケーションで撮ったり、演技が棒だったり、予算>>続きを読む
映画にこんな直球で驚かされたのも久々である。主人公の最初の"打撃"から何か異次元的感覚はあったが、まさかあんなことになるとは!しかもそのサプライズが持続し、終盤近くの幻想的場面でも一切衰えないところに>>続きを読む
#Filmarks2016 第3位
ここにきてなぜ日本のバイオレンス映画が"レベルアップ"を通り越し、"ネクストステージ"の域まで急上昇しているのかは別途考察するとして、まずは長年の吉田恵輔ファンと>>続きを読む
前篇で生徒らが見出した"性善"がエスカレートした結果、過剰な領域に達し、後篇では"偽善"にすら感じられるものに転化されてしまった。
登場人物たちが頭を下げるという行為を執拗に繰り返す演出がとにかく異>>続きを読む
「1990年」を舞台に「昭和」をやりきったのが新鮮に見えた。ヘアメイクや衣装をしっかり統一し、フィルム撮影を行い、「昭和の映画」ルックを徹底して作っている。
その効果は、女生徒のイジメのシーンや、生徒>>続きを読む
#Filmarks2016 第4位
日本のバイオレンス映画史において『その男、凶暴につき』(89)以来の事件なのではないか。『クローズ EXPLODE』でその猛獣性を覚醒させた柳楽優弥は、本作でつい>>続きを読む
柳英里紗のおっぱいが見れるとは知らなかったので、ちょっとだけ点数があがりましたが、絡みを撮るのがすごく下手だったので、結局この点数です。
冨永昌敬にちょっとでも何かを期待した自分を恥じます。
演>>続きを読む
一ヶ月ほど前に、レジェンド応援上映にて鑑賞。
応援上映とは、サイリウムを持ったファンが息のあった合いの手を入れまくるという上映スタイル。劇場を汚さない『ロッキー・ホラー・ショー』と考えればまぁだいたい>>続きを読む
格闘技でありダンスであり性行為でもあるという究極の「アクション」が(映画界においては)まず発明だが、そのアクションだけで全編を構成してしまおうという意欲と、その企みを完璧なまでに成し遂げてしまうドワイ>>続きを読む
一作目にあったエネルギーと"節操"が失われ、平凡な低予算自主映画に成り下がっていた。さして新鮮味もない悪趣味描写が延々続く終盤の展開はどうにも救いがたく、主人公が映るラストショットの印象も薄かった。>>続きを読む
市民の"痛み"はどこへ消えたのか。イスラエルから被害を受けるのは専ら主人公たちであり、その他の市民は平穏に暮らしているように見える。秘密警察に石を投げる住民のほかに、怒りや憂いや悲しみを体現するパレス>>続きを読む
衣装も美術もとにかくデザインが悪い。ワクワク感に欠けるし、実写ならではの興奮に繋がっていない。名のある俳優の顔を特殊メイクで塗り潰すのは三池の趣味だが、今回はそれが悪い方向にしか作用していなかった気が>>続きを読む
携帯がガラケーなので、今見ると全く怖くないという(笑)いわゆるJホラー的な演出と三池崇史の資質が噛み合わず、終盤の"お化け屋敷"もそこまで盛り上がらないのが残念。
何より、柴咲コウがなんとも取っ付きづ>>続きを読む
やはりキャスティングこそ映画の命である。画面に登場するたびに容貌が微妙に変化していく山田孝之から、ほんの数カット顔を見せたあとすぐに"ブッ込まれる"ジジイまで、精密な配役が作品を分厚いものにしている。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
紳士が、ボタン一つで数百人(数千人?)の首を吹っ飛ばしていいの?差別主義の極右なぞゾンビと同じと言わんばかりの教会バトルロワイヤルも全く楽しめなかった。
スラップスティックやるんなら、もうちょい戯画化>>続きを読む
とにかくよく撮影したと思う。あの幼女を見つけてこれただけで、映画としての価値が一つ保証されたといってもよい。彼女の生活が地獄化していく描写は『誰も知らない』が欺瞞の塊であることを暴いた。
とはいえ、>>続きを読む
宮藤官九郎に何の魅力もない以上、それに憧れる佐藤健になど一抹の興味もわかない。そもそも彼の才能がどこにあるのか、染谷将太との差がどこにあるのか、分かるようで分からない。
バーチャル空間でのアクションは>>続きを読む
富江が姉だったらという斬新かつ無茶な設定が、原作のムードを壊さない形でラストまで活かされいるのに驚かされる。
やや不自然におもえる大林宣彦の引用が、伊藤潤二のシュール・レアリスムと見事に調和するクライ>>続きを読む
やはり面白い。ショック描写と「これは所詮映画ですよ」の描写の配分が絶妙で、娯楽映画として成立するギリギリのラインの綱渡りをしている気もする。
7年前のレビューは下記。この時とは私の娯楽の倫理観がやはり>>続きを読む
#Filmarks2016 第9位
日常の変異が街全体に感染していくさまを、主人公の疾走とともに一挙に見せつける序盤の演出が心地よい。先行する、主人公の日常描写にちゃんと時間を割いたのも偉い。
また>>続きを読む
#Filmarks2016 第1位
震災やテロなどの強大で恐ろしい"現実"を前に、人はもう気楽な"夢"を見れなくなった。それでもなお"夢"の力を信じる篠崎誠は、"白昼夢"という形式を使い"現実"に対>>続きを読む
予告が超カッコよくて20回くらい見てたため、全く新鮮な気持ちで見れなかったが、それでも目が離せない場面が連続。かといって傑作とは言いたくない(笑)
Vシネ的なノリのような、それだけではないような、珍品>>続きを読む
全編にわたって緊張を強いられるタイプの映画だが、絶妙に緊張の種類が変化していくので、疲れつつも惹かれていってしまう。よくできた映画である。
ただ、唯一にして最大の不満が、結局最後はベニチオ・デル・トロ>>続きを読む
女の尻にも見えるガスタンクと赤く点滅する警報機がオーバーラップする、テンションの高い序盤。女の絶頂とともに辺り一面が雪原と化し、夫婦間の緊張が画面に満ちていく中盤。18年のブランクを感じさせない佐野演>>続きを読む