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●何を足し何を削るか、そして膨らませるか。
村上春樹原作短編小説集『女のいない男たち』
(曰くコンセプト・アルバムのようなもの)。
骨格となるドライブ・マイ・カー。
サブテキストしての木野、シェラザー>>続きを読む
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●これはまさに快作。
ほぼ2時間、気がつけば(主要)登場人物が5人だけ。
あれれ?どうなるの?と、思ったままに物語の船に乗る。
楽しめた。
●佐和子(黒木華)の路上教習を俊夫(柄本佑)が車で追いかけ>>続きを読む
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●音楽が生まれる瞬間の映画。
このような描き方があったのか!
1日で語るミュージシャンの現実と希望。
78分が短い。もっと浸りたい。
●オープニングからドキドキした。
アナがベットから起き上がり、煙草>>続きを読む
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●今年ベスト級の素晴らしさ。
着地点が見えないまま見続ける3人の関係性の行方。
ラスト、おぉっとなって大森靖子主題歌。完璧。
編集がいいなぁ、と思っていたら監督自身でした。
各ショットの長さ、切り返し>>続きを読む
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●東京が舞台だった佐藤泰志原作を函館ロケに。
それが功を奏している。
作者の実体験が投影された本作において見晴らしの良い公園の土手やベイエリアを走る主人公・工藤和雄(東出昌大)の姿は鮮やかだ。ただ、そ>>続きを読む
●ボニーとクライドの物語を追う側から描いた傑作。
地平線にフォード、舞う砂塵、佇むケヴィン・コスナーとウディ・ハレルソン。その2ショットだけで、詩情が浮かび上がる。ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウ>>続きを読む
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●エリア・スレイマン監督が本人役。
●監督が出くわすシーンはどこかヘンテコリンで目を丸くしてしまうことばかり。
もう、これが可笑しくて可笑しくて。
遭遇を通り越して、もはや呼び込んでいる?
(レモンを>>続きを読む
全編フラッシュアニメーションによる制作。シェイプトゥイーンによって処理されたルーの髪の毛や瞳の中のうるうるが、ずーっと動き続けて、ひたすら止まることなく躍動感がある。グニャグニャのグルングルンとしたモ>>続きを読む
監督が既にインタビューで詳細に語っているのでネタバレではないと思うけれど、佐々木蔵之助と対する亀梨和也、リリー・フランキーのディスカッションシークエンス。スコープサイズに浮かびあがる対峙するふたり、そ>>続きを読む
変わらぬ語り口。
"夢は夢よ"
ロスとニューヨーク。
ある意味『ふたりのベロニカ(ヴェロニカ)』
撮影、ストラーロとデジタルカラー処理。
それでも"ウディ・アレンみ"は揺るがない。
ナレーション部分>>続きを読む
これが詭弁踊りだ!おともだちパンチだ!
赤玉パンチだ!李白三階建て電車だ!
偽電気ブランだ!プリンセス・ダルマだ!
韋駄天コタツだ!ジュンパイロだ!
(浅田飴も!)
もう、まさに湯浅政明監督ならではの>>続きを読む
イザベル・ユペール演じるナタリーがスタスタスタと前を向いて歩いて行く姿が、もうとにかくカッコイイ!この姿だけで原題のL'avenirを体現している。
そしてフィルム撮影による光のゆらめきのなんと美しい>>続きを読む
子供たちの生き生きとした姿。
父グレゴワールとの戯れ。
娘を抱き抱えながら庭に植えたハーブのことを聞く。
テレビレポータの真似をしてみせる次女と三女の寸劇。
家族で歩く川のほとり。
白い水に浮かぶ次女>>続きを読む
●エットーレ・スコラ監督作品は「マカロニ」「特別な一日」「BARに灯ともる頃」と好きな映画が多いのだが、その中でもフェバリットな一本。
本作は今挙げた作品より先に撮られた1974年の作品(日本では19>>続きを読む
●ドキュメンタリーにならないよう、あえてスコープサイズで撮影し、すごく繊細に室内ライティング(蛍光灯の元での映像は特にドキュメンタリー色が出てしまうと思うのでカラーグレードでの調整込みで)に気を使った>>続きを読む
●「タロットカード殺人事件」のウディ・アレン本人による"トランプマジックあたふた"も楽しかったけど本作におけるコリン・ファース演ずるスタンリー(モデルがいるらしい)の"天才悪魔フーマンチュー"的という>>続きを読む
●いったい、いつからピカピカの都市、流線型デザインの明るさに満ちあふれた未来をイメージしなくなったのだろうか?ということを、思った。
(アメリカだとベトナム戦争泥沼化以前、日本だと1970大阪万博あた>>続きを読む
●トランボを演じたブライアン・クランストンをはじめ妻クレオ役のダイアン・レイン、娘ニコラ役のエル・ファニングとキャスティングのバランスの妙。
●"ジョン・グッドマンの出てる映画はいい映画"という格言>>続きを読む
●予告編を見た印象からテイスティングで道を拓いていく成長物語かと思っていたけど、そこはイギリス映画、そしてケン・ローチ監督。普通のいいこちゃんに更正していくプロットではなく「ホットロック」みたいな、ち>>続きを読む
"チャニング・テイタム"とつぶやくだけで頬がゆるみ "ジョシュ・ブローリン"と3回唱えると顔がひと回り大きくなり"ティルダ・スウィントン"が気のせいか、ふたりに見える、そんな映画を見た『ヘイル、シーザ>>続きを読む
獅子文六の原作はラジオドラマの後、朝のNHK連続テレビ小説の第1作に。
本作は原節子の(引退作「忠臣蔵」は少ししか出ていないので)事実上ラスト。
後妻でやってきたばかりの時と終盤での話し言葉が違ってい>>続きを読む
サミュエル・L・ジャクソンとコング。それぞれの目と鼻のアップがどっちがどっちか、わからなくなるぐらいスゴイ!
また、出るだけで、イイ映画になるという(映画の守護神)ジョン・グッドマンに合わせて、本作は>>続きを読む
やはりマックィーンの立ち姿はスクリーンでこそ映える。ムービースターとは、こういうことだ。
サンフランシスコでのカーチェイスシーン、息遣いまで聞こえる空港での執拗なる追っかけなどアクションシーンもカッコ>>続きを読む
孤島ひとりぼっち。バレーボールを相手にトム・ハンクスが2時間もたせた『キャスト・アウェイ』のような展開で進むかと思いきや、いろいろあって最後まで結構楽しい(科学的にどうのこうのは置いておいて)
その宇>>続きを読む
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●「人々は恐れおののき霊を見ていると思った。そこでイエスは言った。なぜ心に疑いを持つのか。私の手や足を見よ。まさに私だ。触れてみよ。このとおり肉も骨もある」
ルカによる福音書24章 37-39節
監督>>続きを読む
この映画のことを「旅行中に突然、女性が失踪するミステリー」「女性が行方不明になって旅行に来た仲間同士の不穏な空気と葛藤を描く集団劇」「親切で行ったことが、ほんのちょっとしたボタンのかけ違いで大変なこと>>続きを読む
仲間(プティはaccomplice"共犯者"と呼んでる)を集めていくテンポといい、雰囲気といい、時代(70年代前半)も相まってウェストレイク原作『ホット・ロック』みたいで楽しい。
こういうケイパーもの>>続きを読む
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●チャーミングな作品だ。
自分だけ歳をとらずに延々と生き続けたならば…。
いつしか娘は自分の外見を追い越して人には叔母や御祖母さんと紹介するしかなくなり(実際は同年代の)何人もの人の死を見送り(代々、>>続きを読む
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関わりのなかったもの(階層的にみても混じり合わない)が思わぬ形で関わることとなり、悲劇へじわりじわりと侵食していく怖さ。
それは2本の電話(シューアンの"イタズラ電話"とシャオチェンと彼女による"告げ>>続きを読む
黒沢清監督作品のお気に入りベスト3に入る傑作!
フランス人スタッフと共にフランスで撮影された作品であるにもかかわらず漂う『雨月物語』のような気配と品に満ちた作品!
マリーを演じたコンスタンス・ルソー>>続きを読む
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俯瞰ショットから始まるオープニング(まるでスナイパーのようなガンマイク、最初に目につくパントマイマー、紙袋にマイクを忍ばせ近づくチームが盗聴しているカップルを次々と映しとる)から不安を漂わせる室内を捉>>続きを読む
既視感あれど、この手の話はめちゃくちゃ好き!
あまり情報を入れずに見た方が面白さ倍増。
(予告編やTV特番などは後で見るパターンでなるべく遮蔽して見た)
前に座っていた、かなりご年配の方2人連れも終わ>>続きを読む
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Solomon Burke「Cry To Me」で踊るギャビー(アリシア・ヴィキャンデル)に5億点。
イリヤ(アーミー・ハマー)のKGBの秘技「立ったまま気絶させる技」に1億点。
今年はヴィキャンデ>>続きを読む
役者陣のなんという面構えの良さ。大画面に広がる顔、顔、顔。それだけで映画としての熱度が伝わってくる。
そして現在の作劇だと犯人と司令室(コントロールセンターなど)とが直接会話するパターンが多いが本作、>>続きを読む
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●不気味の谷を軽々と越えてしまった感(このあたりに近い将来"違和感なく生活に溶けこんでゆくデザインとしてのアンドロイドのかたち"へのヒントが隠されている気がします)があるA.I.エヴァの姿は手塚治虫先>>続きを読む
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『遥か群衆を離れて』
かつてジョン・シュレシンジャー監督作でジュリー・クリスティが演じたバスシーバをキャリー・マリガンが。冒頭、馬上の姿から魅力的。あと劇中、歌うシーンがサイコーにステキ。オーソドック>>続きを読む