しもんぬさんの映画レビュー・感想・評価

しもんぬ

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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.5

主意主義の映画。システム(社会)をアップデートすれば人々は幸せになれる……は幻想、むしろ不幸になる(内的動機からではなくシステムの一部として振る舞うようになるので、"没主体=クズ"化が進む)という認識>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.3

大人の恋愛映画のようで、アメリカで結局一番になれなかった(ドリームを掴めなかった)移民女性が自分の人生に折り合いをつける物語なのかな。"前世=青春"の終わりの鐘を鳴らす…。

空気感・テンポ感がアン・
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里見八犬伝(1983年製作の映画)

3.4

角川シネマコレクション@YouTube

懐かしい♪この時はまだ音楽のクレジット欄に監督:NOBODYと歌手:ジョン・オバニオンの名前しかないけど、制作:カルボーン&ジトーの1発目の作品なんだよねこれ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

予備知識ゼロで初日観てきた。途中までRDJが何者なのか分からず、二時間くらい経ってもピンと来なかったからちょっと焦った。あとオッピーまさかの対面座位。あれ要る?ここ被爆建物内にある映画館なんだから、ヤ>>続きを読む

地球へ・・・(1980年製作の映画)

4.5

日曜アニメ劇場@BSトゥエルビ

フィジオクラティックな思考を喚起するSFサーガ。(平和なマーケットや言葉のやりとりは、起点に理不尽な"剥奪=贈与"があって初めて可能になってるという発想を持つ)
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.1

ネグレクト気味な家庭で育った9歳の女の子が信頼できる大人に出会えて生きる喜びに目覚めてくプリミティブな物語。エンタメに転ばない語り口がしみじみ良かった。スタンダードな画角の中で少女の心の機微を静かに丁>>続きを読む

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.7

松竹シネマPLUSシアター@YouTube

中年のシナリオライターが幼い頃死んだはずの両親と再会するファンタジー・ホラー。都心の殺風景なバブル期マンションで暮らす風間杜夫が懐かしい昭和中期の下町(浅
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

myFFFで発掘した"推し"が、長編4作目でパルムドールを受賞しました。感無量。(´;ω;`)

これまでサブプロットで描かれてきた「主夫の悲哀」が肝になるシリアスな法廷劇。モデルはパートナーで共同脚
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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

4.6

世界の終末を信じて7年間も家族を幽閉した男が『ストーカー』の主人公と重なって切なかった(愛すべき偉大な凡人)。それをまなざす詩人が『ストーカー』で言うところの作家で、タルコフスキーの分身なんだと思う。>>続きを読む

BMXサイクル・キッド(1986年製作の映画)

3.3

BMXレースを題材にした80年代のB級青春映画。後にカルト化したので、今ではその筋でとっても有名な映画になってます。監督は『キャノンボール』のハル・ニーダム。『フルハウス』のベッキーや『ロッキー』のエ>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.0

中高一貫の女子校の同級生(言葉にしなくても通じ合えてた仲)が凡夫と結婚して、別のコミュニケーションルール(なんでも言葉にしないと相手には伝わらない)で生活してることに心底幻滅して娘を殺した。コモンセン>>続きを読む

ヒポクラテスたち(1980年製作の映画)

3.8

特集・ドクターたちのドラマ@広島市映像文化ライブラリー

京都の府立医大(大森一樹の母校)が撮影舞台になってて、80年当時の鴨川沿い、喫茶リバーバンク(2015年閉店)、三条大橋東詰等が映ってます。
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.1

Filmarks 90's@八丁座

ロス、ニューヨーク、パリまでは良かったけど、ローマで死んだ。ヘルシンキも……。長かったな~、最後の2都市。途中でリタイアしそうになったの久々。

ブルーバック あの海を見ていた(2022年製作の映画)

3.5

環境活動家の母が脳卒中で倒れたという知らせを受け、実家に戻ったミアたんが少女時代を回想する――ブルーバックというのは人懐っこいブルーグローパーという魚(友達)に幼いミアが付けた愛称。密猟者から"彼"の>>続きを読む

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.0

サロンシネマ、爆音仕様でかけてくれてた。渇いたバッキバキの音で聴く「Little Green Bag」最高♪(^ω^)

Reservoir Dogs Intro - Little Green Bag
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イノセント(2022年製作の映画)

3.6

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.5@広島市映像文化ライブラリー

60歳の母親が服役中の男性と結婚することに!心配でたまらないルイ・ガレルは、出所してきたばかりのパパの素行を疑いの眼差しで追
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台風クラブ 4Kレストア版(1985年製作の映画)

4.0

作家主義 相米慎二 2023@横川シネマ

いつも心に台風を(法外の眩暈を忘れるな)――欺瞞と無関心のスパイラルに嵌ったまさにスケキヨ状態の<普通の大人>を、金閣寺の作者的視点で批判してる。<普通>は
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そして僕は恋をする(1996年製作の映画)

3.5

アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブ@広島市映像文化ライブラリー

大学講師のマチュー(29歳のモラトリアム青年)が3人の女性と付き合う恋愛群像。これも『二十歳の死』と同様、決して飲み込み易い
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二十歳の死(1991年製作の映画)

3.0

アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブ@広島市映像文化ライブラリー

ギブ。まあちょっとアンラッキーなこともあってスジが全く追えなかった。以前MyFFFに出品されたときも観るの途中で諦めちゃって
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フルタイム(2021年製作の映画)

3.9

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.5@広島市映像文化ライブラリー

ロール・カラミー版『ティエリー・トグルドーの憂鬱』だわ。パリの高級ホテルでハウスキーパーの仕事をしながら、子育てと転職活動に
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キングス&クイーン(2004年製作の映画)

4.7

アルノー・デプレシャン監督レトロスペクティブ@広島市映像文化ライブラリー

柔らかな陽光を浴びる旬なドゥヴォスを35mmフィルム上映で観られたことの歓び!めちゃ贅沢な時間でしたわ~うっとり♪かつて恋人
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緑の香水(2022年製作の映画)

3.2

MyFFF2024@AmazonPrimeVideo

普通の男との普通の出会いじゃ満足できない!40代独身サブカル女の頭の中で繰り広げられるスパイ映画みたいな恋。(大人になったデルフィーヌの脳内)
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スペアキー(2022年製作の映画)

3.7

MyFFF2024@AmazonPrimeVideo

ギヨーム・ブラック『みんなのヴァカンス』『7月の物語』のアラン・ギシャワが撮影監督を務める15歳の夏物語。主演はUnifranceの今年注目すべ
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イヌとイタリア人、お断り!/犬とイタリア人お断り(2022年製作の映画)

3.4

MyFFF2024@AmazonPrimeVideo

愛する家族を守るためファシズムが吹き荒れるイタリアを捨てフランスに渡った、アラン・ウゲット監督の祖父母の話。自身のルーツを遡り、オリジン(原点)
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ジャングルのけもの(2023年製作の映画)

3.1

MyFFF2024@AmazonPrimeVideo

基になってるヘンリー・ジェイムズの同名小説とは「偏ったものの見方が目前のチャンスを逃し、悲劇的な結末を招くという、<遅すぎた認識>をテーマにした
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パリ18区 グット・ドール街(2022年製作の映画)

4.0

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.5@広島市映像文化ライブラリー

貧困地域でインチキ霊媒師を営む男に本物の霊能力が舞い降りた?!マジックリアリズムの手法で描かれる郊外映画!重めだけど幻想的な
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パリの記憶(2022年製作の映画)

3.9

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.5@広島市映像文化ライブラリー

開始10分でビストロでテロに遭うんだけど、それがもう生々しくて……ガチでショック受けた。ヴィルジニー・エフィラやブノワ・マジ
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のら犬(2023年製作の映画)

4.1

MyFFF2024@AmazonPrimeVideo

リュミエール賞2024<新人男優賞>受賞。注目の若手俳優ラファエル・クナールと、ひと足先にベルリンで銀熊賞を受賞したアントニー・バジョンの共演。
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.9

WKW4K@ザ・シネマメンバーズ

テレビデオ、深夜のテレ東、ウォン・カーウァイ……あるいはブティックJOY。フェイ・ウォンの『夢中人』を聴くと三茶のコーポで毎晩長電話してた頃の自分を思い出す。ホント
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欲望の翼 4Kレストア版(1990年製作の映画)

4.8

WKW ザ・ビギニング@八丁座

記憶の中で熟成されて年々芳醇さを増していく発酵食品のような映画。たぶんあの湿り気とか密林とか、黄緑がかったメロウな質感の映像が関係してるんでしょうね。

スタイリッシ
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.5

ゴダール、トリュフォー、フェリーニ、ベルイマンなど、クラシックなヨーロッパ映画への愛とオマージュに満ちたラブコメディ。

映画業界で働く奥さんの浮気を疑って、映画祭についてきたシネフィル作家が主人公。
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.8

説明がない、全くない。オリョーリーテリングで構築されたヌーボー・ロマン。ウェルメイドなル・シネマ案件を想定して観に行くとたぶん面食らう。

19世紀末のフランスでガストロノミーを追求する美食家貴族と、
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