しもんぬさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

しもんぬ

しもんぬ

映画(709)
ドラマ(1)
アニメ(0)

オリ・マキの人生で最も幸せな日(2016年製作の映画)

4.4

身体性を搾取され、時代の流れに翻弄されながらも最終的には自分の感性に従った行動をとるプロボクサー兼パン職人の男と場の空気に左右されない女。(身体に根ざした自信)

スポーツが商業化していくその裏で、人
>>続きを読む

サマーフィーリング(2016年製作の映画)

4.2

男女や親子の関係性がとてもしなやかに描かれてた所がまず良かった(互いを所有し合わない良い距離感)。説明的でないストーリーの語り口も、重くなり過ぎず軽くなり過ぎず、アラサー世代の男女の夏を、アンニュイな>>続きを読む

オルフェ(1950年製作の映画)

4.5

MyFFF2021 長編作品 <星取り>

-コンペティション部門
『君は愛にふさわしい』★★
『フェリチタ!』★
『バーニング・ゴースト』★★★★
『ワーキング・ガールズ』★★
『カミーユ』★★★
>>続きを読む

クエシパン ~ 私たちの時代(2019年製作の映画)

4.1

私の母国語には自由という言葉はありません。
今まで一度も限界はなかった。
とらわれてみないと自由は分かりません――。

映画『サーミの血』を観た時と同じく、周辺人のまなざしで西欧近代主義的価値観を少し
>>続きを読む

ジャスト・キッズ(2019年製作の映画)

3.5

両親を失い、大人になりきる前に責任を背負う立場になった19歳の長男坊の話――展開で魅せる作品ではなく、いわゆる淡々系?主人公が抱く喪失や葛藤をくみ取りながら、自立に向かって歩みだす姿を見守っていく感じ>>続きを読む

奥様は妊娠中(2019年製作の映画)

3.7

大好物な中年カップルもの!なんだけど、主人公たちのアイデンティティがちっとも揺らがない。故にマージナルな視点が乏しくて、迷える中年男性の僕にはあまり響くものがなかった。

表面的なドタバタや辛辣さより
>>続きを読む

カミーユ(2019年製作の映画)

3.8

中央アフリカ共和国の紛争を取材する若き女性戦場カメラマン、カミーユ・ルパージュの生きざまを描いた実話ベースの物語。

冒頭のそれと分かるシーンがずっと頭に残って、最後まで「嘘だろ?嘘だろ?」と思いなが
>>続きを読む

ワーキング・ガールズ(2020年製作の映画)

3.6

人の尊厳を踏みにじる言動が出口のない負の連鎖を巻き起こし、家庭や地域社会を蝕んでいく――その最前線に立たされている三人のセックスワーカーたちの物語。第93回アカデミー賞国際長編映画賞部門のベルギー代表>>続きを読む

バーニング・ゴースト(2019年製作の映画)

4.3

以前は"普通"だった。何も問題なく暮らしていた。"他の人と同様"に……。ここから出て"普通"に戻りたい。

ジュストが過去の自分を語れないのは"私"が無かった(まだ何者でもなかった)からだと思う。霊界
>>続きを読む

幸運の女神(2019年製作の映画)

3.6

イタリア映画祭2020@オンライン配信

倦怠期を迎えたゲイカップルが、友人(シングルマザー)の二人の子供をあずかることに――。ユーモアとペーソスを織り交ぜた、オズペテク監督らしい人間ドラマ。人生讃歌
>>続きを読む

朝が来る(2020年製作の映画)

4.2

浅田美代子がこんなにやれる女優さんだなんて知らなかった。フィクションとドキュメンタリーの媒介役を、前作『Vision』の夏木マリ、或いは『あん』の樹木希林らと同じレベルの技量でこなしてる。

エンドロ
>>続きを読む

切られたパンに(1968年製作の映画)

3.3

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.1@広島市映像文化ライブラリー

◆見出された映画作家ギィ・ジル
『海辺の恋』L'amour à la mer (1964)
『オー・パン・クペ』Au pan
>>続きを読む

海辺の恋(1963年製作の映画)

3.3

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.1@広島市映像文化ライブラリー

◆見出された映画作家ギィ・ジル
『海辺の恋』L'amour à la mer (1964)
『オー・パン・クペ』Au pan
>>続きを読む

今晩おひま?(1959年製作の映画)

3.8

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.2@広島市映像文化ライブラリー

◆ジャン=ピエール・モッキー特集
『今晩おひま?』Les dragueurs (1959)
『ソロ』Solo (1970)
>>続きを読む

マダム・ハイド(2017年製作の映画)

3.9

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.2@広島市映像文化ライブラリー

『ティップ・トップ』と合わせて二作品鑑賞。両方ともイザベル・ユペールが主演の風変わりなコメディ。以前特集されたブリュノ・デュ
>>続きを読む

君は愛にふさわしい(2019年製作の映画)

3.7

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.2@広島市映像文化ライブラリー

アブデラティフ・ケシシュ監督『クスクス粒の秘密』に出てたチュニジア系の女の子が監督兼主演を務める作品。Amazonプライムの
>>続きを読む

Liberté(原題)(2019年製作の映画)

3.0

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.2@広島市映像文化ライブラリー

◆2019年ベスト アルテ共同製作作品
『見えない太陽』L'adieu à la nuit (2019)
『アリスと市長』A
>>続きを読む

シノニムズ(2019年製作の映画)

4.0

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.2@広島市映像文化ライブラリー

◆2019年ベスト アルテ共同製作作品
『見えない太陽』L'adieu à la nuit (2019)
『アリスと市長』A
>>続きを読む

アリスと市長(2019年製作の映画)

3.6

映画批評月間 フランス映画の現在 vol.2@広島市映像文化ライブラリー

◆2019年ベスト アルテ共同製作作品
『見えない太陽』L'adieu à la nuit (2019)
『アリスと市長』A
>>続きを読む

ボクの彼女は地球人/BRAND NEW GIRL(1988年製作の映画)

3.7

パステルな色彩と80sサウンドが軽快なSFロマンチックコメディ。『ザ・フライ』での共演がきっかけで当時夫婦関係にあったジーナ・デイヴィス&ジェフ・ゴールドブラムや、ブレイク前のジム・キャリーが出演して>>続きを読む

リヴァプールから手紙(1985年製作の映画)

4.1

ソ連の水兵と束の間の恋に落ちた女の子(港町リバプールに暮らすプロレタリア女子)が、帰国した彼にもう一度会いたい一心でブレジネフ書記長に手紙を出したら、まさかのお返事が返ってきて、英国の外交筋がバタつく>>続きを読む

エレクトリック・ドリーム(1984年製作の映画)

3.1

a-ha「テイク・オン・ミー」のPVを作った人がその前年に撮った初めての映画。

イギリスのヴァージン・レコードが当時、映画制作に新規参入した時の第1号作でもあり、サントラの参加アーチストがかなり豪華
>>続きを読む

今宵、212号室で(2019年製作の映画)

3.6

夫に浮気がバレて一晩だけ向かいのホテルに泊まったら、そこに25歳当時の夫が現れて、軽く説教されーの焼けぼっくいに火が付きーの……してたら今度は夫が少年時代に付き合ってた熟カノまで現れて「あちら側の旦那>>続きを読む

私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)

3.3

年下の彼氏にポイ捨てされたビノシュがSNSで24歳に成りすまし、新しい恋を手に入れる。しかしその恋の結末は彼女の心に大きな傷を残してしまったらしく、現在は精神科のカウンセリングを受けながら、事の顛末が>>続きを読む

パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.4

男の求愛をヒラヒラとかわしながら、三人の若くて美しい女性がパリの街を蝶のように舞う♪三編オムニバス。

クララ・ベラール♡朝、モンパルナスの市場でナンパされるシーン、めちゃくちゃカワイイ!二話目からは
>>続きを読む

人形(1968年製作の映画)

4.3

1863年1月蜂起失敗後のワルシャワ。シベリアから戻り新興商人としてのし上がった主人公が自国の退廃貴族と立ち上がらない庶民に対して向ける、憤りと諦めのまなざし――。俺以外全員ニートの悪夢。おまけで商人>>続きを読む

月曜日が嫌い(1971年製作の映画)

3.5

ポーランド映画祭@広島市映像文化ライブラリー

陽気でカラフルなジャック・タチ風味のコメディ。1970年のワルシャワの街がこんな活気に満ちた息づかいをしてたなんて!どこの経済成長国家だよって感じがした
>>続きを読む

尋問(1982年製作の映画)

3.8

ポーランド映画祭@広島市映像文化ライブラリー

1951年スターリン体制下のワルシャワ。キャバレーで歌うひとりの女性歌手が突然身柄を拘束され、スパイ容疑で逮捕される。かつて一度だけ男女の仲になった知人
>>続きを読む

宝島(2018年製作の映画)

4.4

ギヨーム・ブラック監督新作、やっと観れた。

パリ郊外にある人工リゾートで夏をエンジョイする人びとを撮ったドキュメンタリー映画。ロメール監督『友だちの恋人』のロケ地でもあるセルジー・ポントワーズのあそ
>>続きを読む