しもんぬさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

しもんぬ

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木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

4.8

左翼の保守化。現実的な歩み寄りによってもたらされる決定の盲点。

多目的な文化施設をつくって村の過疎化に歯止めをかけたい社会党の市長さんと、建設に断固反対な環境保全派の地元教師。現実主義者vs理想主義
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.6

パリっ娘のミラベル、田舎っ娘のレネット――ものの見方・感じ方がまるで違うふたりの女子大生。そんな彼女たちの友情の芽生え~ルームシェア~都会生活での小さな冒険を四章仕立てで瑞々しく♪

ミラベルの「聞く
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.5

バブリー・ラブリー・トレンディー♪

いいな~この軽さと原色感。若い男女の四角関係(ラブコメディ)にはやっぱこの時代の空気がよく似合う。パリではないどこか郊外のニュータウンみたいな場所で、さり気なくア
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緑の光線(1986年製作の映画)

4.9

物事を気楽に考えることが苦手なタイプの文化系女子が、人並みのバカンスを過ごそうとしてどんどん精神的に追い込まれてゆく映画。

周りの女友達の暴力的なポジティブ思考・前向き発言に、体内の塩分濃度が狂わさ
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愛について、ある土曜日の面会室(2009年製作の映画)

4.1

三つのドラマで刑務所の面会に訪れる人々を描いた群像劇――いっぱい人は出てくるし、三つの話は重なってこないし、最終的に上手い着地もしないんだけど、僕はこのレア・フェネールという若手フランス人女性監督の人>>続きを読む

美しいとき/サマータイム(2015年製作の映画)

3.4

レズビアンな女の子の「恋と人生の選択」を描いた成長物語。70年代フランスの保守的な農村集落が舞台の作品で、セシル・ドゥ・フランス、ノエミ・ルヴォヴスキといった有名女優が脇を固めている。

画的にもスト
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ギャロップ(2012年製作の映画)

4.0

親の死、マリッジブルー……裸の自分(実存)と向き合わされる人生の時間帯。そんなタイミングで出会った男女が激しくお互いの体を求め合う。(男50代/女30代)

映画の大半は男の家庭環境を描くことに費やさ
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愛欲のセラピー(2019年製作の映画)

4.2

中年期特有のアイデンティティ危機に直面した女性作家が、置き去りにしてきた過去の自分と向き合い、対話し、今の自分とも折り合いをつけながら、この大規模定住社会を成りすまして生きていくと決める。(対話=ヒア>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

3.9

束縛強めな彼氏と現在同棲中のルイーズは、お互いの関係の為にも自分はもっと"孤独"を経験すべきと、パリにもう一件部屋を借りる。パリではルイーズに恋心を寄せる男友達(既婚者)が連日アタックに来るが、彼氏思>>続きを読む

パリ、恋の診療室(2013年製作の映画)

3.7

パリのチャイナタウンで診療所を開業している兄弟医師が同じ女性を好きになる。相手は糖尿病を患う少女の母親で、夜バーテンの勤めに出ているシングルマザーだ。お互い気軽に恋をできる状況にはない三人だが――>>続きを読む

旅芸人と怪物たち(2015年製作の映画)

4.8

複数の大人や若者で複数の子供を育ててる健全なヒト・コミュニティ。言外のシンクロ/法外のシンクロ案件。(祝祭と性愛、共同身体性の回復、ケ→ケガレ→ハレ、ウンコのおじさん)

監督のレア・フェネールは実際
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悲哀クラブ(2014年製作の映画)

3.7

疎遠だった兄弟が父の死の知らせを受け実家に戻ってみると、そこには腹違いの妹と名乗る美女の姿が……。中年男女3人が奇妙なトリオを結成し、フランスの田舎町で家族の過去を探っていく。サスペンスフルな悲哀コメ>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.0

エリック・ロメール監督特集@ザ・シネマメンバーズ

美しき結婚(1981年製作の映画)

3.7

エリック・ロメール監督特集@ザ・シネマメンバーズ

飛行士の妻(1980年製作の映画)

4.7

フランソワの小物感、自分の中にも思い当たる節がありすぎて直視するのがツラかった。「早くフッて楽にしてくれー」と思いながらも、ギリギリのところで女性が"可能性"を匂わせてくるもんだから、ついつい甘えてし>>続きを読む

日曜の昼食(2015年製作の映画)

3.1

ヴァンサン・マケーニュ出演作品@MyFFF STAY HOME EDITION

鑑賞機会を逃してたフィルモグラフィー初期の短編三作。この度の配信企画で初めて観ることができました。2012年の二本は『
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風の電話(2020年製作の映画)

4.3

三宅唱が俳優として参加してた。空族作品の田我流みたいな立ち位置で。

盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~(2018年製作の映画)

3.7

生物学における「適者生存」(自然選択)とは――。言葉が独り歩きしていろいろ誤解されてるこの学問概念を、ダーウィンに代わって誤解部分も含めて描き説く。

ウサギは代表的な被捕食動物。

ブレス あの波の向こうへ(2017年製作の映画)

4.1

ひとりっ子で内気な少年が、サーフィンや仲間との出会いを通して自分が何者であるかを理解していく――自己認識プロセスを描いた青春文学映画。

親目線で観ると結構グッとくるものがあった。全ての言葉をのみ込ん
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.0

母親の写真の裏に"love your smile, TW"って書いてあった気がする――本人も気付いたはずだけど、あの時はもう完全に心が渇ききった貴乃花状態だったってことなのかな……?

帰れない二人(2018年製作の映画)

4.8

激動する中国を背景に、時代に取り残された男女の17年に渡るすれ違い、さすらいを描く。(2001山西省大同~2006長江三峡奉節→新疆ウルムチ~2017山西省大同)

出所してからが俄然面白かった。チャ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968年製作の映画)

5.0

先日BSプレミアムで放送された「ウエスタン」も2時間45分のオリジナル版でしたが、いま劇場で公開されてるこちらとは字幕が異なりました。BS版の方が親切でストーリーを追いやすい、劇場版の方が渇いた言い回>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.4

怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。(フリードリヒ・ニーチェ『善悪の彼岸』より)

立派だった父親がSNSの宇宙で
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荒野の誓い(2017年製作の映画)

4.6

魂を揺さぶる2時間15分、ウエスタン・ロードムービーの傑作。

西部開拓時代が終わりを迎え、新しい時代の価値観がアメリカを覆い始めた頃、かつてインディアン戦争の英雄だったジョー大尉は、宿敵部族を居留地
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