もももさんの映画レビュー・感想・評価

ももも

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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.5

最初から最後まで予想通りのことしか起こらない映画。画面の隅々に至るまで監督の意図が張り巡らされており、その「陰謀」の範疇から一歩も外に出ることがない。嫌なことが起こりそうな予感が示され、その予感の通り>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.1

カルト宗教というよりは極左団体(特に連合赤軍?)の話という感じが強い。閉鎖的で統制的な集団が、俗っぽい感情をきっかけとして狂気へと落ち込んでいく。

性描写が多いけど、おっぱいがたくさん出てくるのに対
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

遊び心たっぷりでたのしかった! 「女王陛下のお気に入り」の好みだったところが拡張・誇張された感じの映画。特に美術(セットや小道具・衣装等)と撮影(魚眼レンズを用いた歪みのある画面・ズーミング・ぐるぐる>>続きを読む

霊的ボリシェヴィキ(2017年製作の映画)

4.2

タイトルの意味はよくわからないけど、共産主義と幽霊という組み合わせはいいなと思った。言うまでもなく共産主義は唯物論で、幽霊を祓うための思想なんだけど、『共産党宣言』の冒頭部に表されているように、共産主>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

4.1

徹底的に「内」側の話だと思った。ニモーナはクィアネスに溢れててとても魅力的なキャラクターだし、同僚の金髪名門キラキラ騎士と付き合ってる困り顔系サイバーパンク騎士も(義手はそれほど活用されていない気もす>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.4

女同士の争いの話なんだけど、無意味な争いを延々と続けさせられる女の悲惨さの話でもある。ドイツ人の男のペニスをしゃぶる生活から女王の脚を揉む生活への、迂遠でナンセンスな移行(ひざまずき、髪を掴まれたまま>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

4.3

人肉食は、善でもなければ悪でもない。それは、非人道的で「加害」的なおぞましい行為でもなければ、キリストの血と肉を口にすることでもない。少なくとも、雪山で遭難し、孤立無援の状態で二ヶ月以上を生き延びた彼>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

自閉症の映画だと思った。食に関心を持たず、誰とも深く関わらず、決まった手順で生活をこなし、貧しい感情表現を頼りに「違う世界」を生きる人。

登場人物のほとんどは、寡黙な主人公の決して直接には語られるこ
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.4

イニシェリン島の精霊にならなくてよかった〜
会話が軽妙でいい感じ。話は素直すぎるかも。マット・デイモンの背中が綺麗だった。

LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標(2014年製作の映画)

4.0

もっとキレのあるアクションが見たいという気持ちになった。わがまま。

クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃(2016年製作の映画)

4.3

映画クレヨンしんちゃんシリーズのゲストキャラって個性が強いわりに物語の中ではたいてい影が薄かったりするんだけど、今作のゲストキャラのサキは最初から最後まで存在感が強くてとてもいい感じだと思った。今作の>>続きを読む

クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃(2015年製作の映画)

4.2

まさかのゾンビもの! 次々と人を飲み込んで増殖するサボテン、事態を隠蔽しようとする市長、ショッピングモールへの遠征、音に反応する敵を息をひそめてやり過ごす展開……。ゾンビ映画が大好きなのでとても楽しめ>>続きを読む

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014年製作の映画)

4.1

メインキャラの死を物語のフックにする、という禁じ手をやってのけたものすごい作品。ゲストキャラの死が描かれる例はあった(「戦国大合戦」の又兵衛、「ヘンダーランド」のトッペマなど)けどそれも例外的なものだ>>続きを読む

映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(2019年製作の映画)

4.3

「ブリブリ王国の秘宝」以来のみさえがかわいい映画! 「ブリブリ王国」では直接描写されることのなかったキスシーンまで用意されている。新婚旅行を夢見て心をときめかせ、家の中で水着を試着し、「ラブラブ写真」>>続きを読む

香川1区(2021年製作の映画)

4.2

たまたま訪れていた香川県高松市(香川1区!)の映画館で鑑賞!

「なぜ君は総理大臣になれないのか」の問題点(特に、取材者と対象者の距離の近さ)はそのまま引き継がれていて、小川淳也のドキュメンタリーとし
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード(2003年製作の映画)

4.2

とっても愉快な映画! ギャグもそうだけど、特にアクションがユーモアたっぷり。しんちゃんが無限の身体能力を発揮する自転車競走のシーンが白眉だけど、ジェットコースターでの一幕や熱海での乱闘シーンも、アイデ>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.1

フランス革命に関する話だと思った。グッチ一族が代々統治するグッチ王国。そこへ現れた闖入者レディ・ガガ。彼女の無際限な欲望が、自由主義的な貴族(アダム・ドライバー)やしたたかなプロレタリアート(ジャック>>続きを読む

クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!(2013年製作の映画)

4.3

「オラと宇宙のプリンセス」までのシリアス路線とは打って変わって、初期作品に近いギャグ中心の作風の作品。「嵐を呼ぶジャングル」のパロディのような遭難シーンもあり、意識的に路線変更を行なっている印象がある>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス(2012年製作の映画)

4.0

「金矛の勇者」をエンタメ的に洗練させた感じの作品。しんのすけが内容を十分に確認しないまま契約書にサインしてしまうところから物語がスタートする。

この映画には悪役が存在しない。ヒマワリ星の人々は地球人
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦(2011年製作の映画)

4.1

しんのすけを(ギャグアニメ基準ではあるが)等身大の子どもとして描こうとしている点に好感が持てた。他の映画シリーズでは、しんのすけは無限の運動能力を持つ超人的な存在なのだが、この作品ではそうではない。階>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁(2010年製作の映画)

3.7

物語にまとまりがなく、演出もことごとく単調な、退屈な印象の作品。「未来から来た花嫁」がキーワードなのだが、未来要素はオマケ程度で、花嫁の話が中心。そのアンバランスな配分がさまざまな問題を引き起こしてい>>続きを読む

クレヨンしんちゃん オタケべ!カスカベ野生王国(2009年製作の映画)

3.8

環境問題をテーマにしているように見えるけど、本当のテーマは「虐待」だと思う。子どもを怒鳴ったり、殴ったり、蹴ったりする親を、「動物」として描く作品。

動物になる薬を飲んで身体がチーターと化したみさえ
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クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛(キンポコ)の勇者(2008年製作の映画)

3.9

「ヘンダーランド」のリメイクという趣きの作品だけど、社会的・政治的なメッセージの比重が大きい。解決の糸口の見えない年金問題と環境問題。政治家は汚職を止めず、満員電車はなくならない。街全体が鬱屈とした空>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!(2007年製作の映画)

3.8

あまり印象に残らない作品だった。まず、歌の印象が薄い。ミュージカルっぽい演出がいくつかあるんだけど、全体の演出と調和していないので、後付け感が強い。「ブリブリ王国の秘宝」のジャングルの中でとつぜん歌い>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!(2006年製作の映画)

4.1

前半のホラー描写が楽しい作品。トオルくんのママが半ばミーム化しているけど、他にもしっかりホラーをやろうとしているシーンがたくさんある。サンバの踊りに非人間的な不気味さを重ねる描写はアニメならではのもの>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ ブリブリ 3分ポッキリ大進撃(2005年製作の映画)

4.0

家事・育児の話だと思った。いつ現れるかわからない怪獣たちを、出現してから3分以内に倒さなければならない、という設定。みさえが毎朝こなしている家事の様子を細かく描写した映像が冒頭に置かれており、怪獣退治>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004年製作の映画)

4.4

「オトナ帝国」と同じノスタルジーという主題を、映画(西部劇)というモチーフのもとで展開する作品。映画を見るとき、ひとは現実世界とは別の世界に没入する。現実世界における出自、所属、人間関係を忘れて、あら>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦(2002年製作の映画)

4.5

もはやしんのすけたちとは無関係に時代劇のドラマが展開される映画なのだが、だからこそしんのすけたちの役割(つまり、フィクションの役割ということだ)が純粋な形で表現されていると思う。設定は「雲黒斎の野望」>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

4.3

改めて見てみると、演出上ちぐはぐな部分が目立つように感じた。前半はもう少しシリアスにしても良かったのではないか。
ひろしとみさえが仕事も家事もやらなくなるシーンや、笑顔の大人たちが軽トラの荷台に乗って
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル(2000年製作の映画)

4.8

もともと大好きな映画なんだけど、改めて見てみてやっぱり最高の映画だなと思った。過去のシリーズ作品と比べて、演出のレベルが格段に向上している。前半のドタバタジャングルサバイバルも最高だし、後半のメタフィ>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦(1999年製作の映画)

3.7

いろいろと中途半端な作品だと思った。温泉がモチーフである必要がない、というのはまあいいとして、格闘シーンは「ブタのヒヅメ」等々に及ばないし、巨大ロボットバトルは「雲黒斎の野望」の縮小版だし……ゴジラ(>>続きを読む

アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

4.1

考古学者の中年女性が「理想の伴侶」として創造された男性アンドロイドと共同生活する話。

いかにもロマンスが始まりそうな設定だけど、二人の関係はどちらかというと母子関係に近い。想像と演技を通じて過去を疑
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クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(1998年製作の映画)

4.1

「暗黒タマタマ大追跡」に続いて、近接格闘のアクションに力を入れている作品。特に本作のアクションシーンはシリーズのなかでも最も素晴らしいもののひとつだと思う。

物語としては、一種の創作論を提示している
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