アベラヒデノブ0阿部羅秀伸さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

アベラヒデノブ0阿部羅秀伸

アベラヒデノブ0阿部羅秀伸

映画(601)
ドラマ(15)
アニメ(0)

X エックス(2022年製作の映画)

4.2

胸糞悪いけど好き。
年を重ねて老婆側の悲しみの方に感情移入してしまう。
老いを受け入れられない原因は、輝かしき青春時代を戦争や宗教によって奪われたことにより誕生した孤独な空白のせいだ。
やっかいな孤独
>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.1

鉄男。
が現実の世界で巻き起こったかのような、リアリティーに込められた圧倒的な美的センスと歪み突き抜けた愛情表現。
物語は解決するためにあるのではない。
一つの事象を提示する。
愛は理屈を超えてくる。
>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.4

美しい絵画。
性別も越えて。
恋愛の突き抜けるような爽快さと、枯渇してゆく孤独に降りそそぐ霧雨みたいな救いを堪能できた。
自らの宿命に耐え忍ぼうとする姿はとても人間的で尊敬できる。
観客の共感は、設定
>>続きを読む

タロウのバカ(2019年製作の映画)

3.6

好きって何?
死ぬって何?
とても苦しくて切なかった。
タロウが何故こうなってしまったのか?
その背景をもう少し深く覗いてみたかった。
そこがなければ、この興味深く険しいイバラ道を歩く靴もなく、鑑賞す
>>続きを読む

警官の血(2022年製作の映画)

3.8

孤狼の血に近しいテーマ。
パート2へ向けたラストシーン。

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.6

戦いのラストの描写は凄かった。
あの瞬間を観るだけでも価値がある。。。

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.1

天の配剤。
因果応報。
天使と悪魔。
救いと裁き。
かなり神話的。
それでいながらも、サッカー応援するシーンは、みんなカワイイ。
とにかく、アダ、めっちゃカワイイ。
アダム、的なことなのかしら。
女の
>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.2

予想の斜め上をぶっち切り続ける発想力と、観客に新たな謎を少しずつ提供し続けるエンターテイナーとしての構成力。
それでいて最後には、監督自身が生来背負い続けている人種としての宿命を、
切実かつ爆発的なエ
>>続きを読む

ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

4.8

良い映画を観ると体調まで回復する。
欲望を自覚しても、己の品格を守るためにギリギリで我慢する妻。
本音と建前。
建前の美しき信念に胸を打たれた。
近年は個人の自由意志が尊重されているが、それによって本
>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.9

最高だった。
愛を両側から眺めてみる。
人生を両側から眺めてみる。
でもそんなものは幻想だった。
愛も人生もどんなものか知らない。
愛し合うって美しくない。
分かり合えなくても、分かり合おうともがいた
>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

メモ。
かつてのキャスト集結に感動はしたものの、
彼らが集まる必然性があったとはどうしても思えず。
少しばかり、動機づけが弱い気がした。
彼らじゃなければ解決ができない、事件にすべきだったように思う。
>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

4.4

時代劇版のピンポン。
600年越しの友情の再会。
幕府のご意志に背けば、信念は根こそぎ砕かれる。
独裁国家だったかつての日本で、呪いと成仏をひっさげたパンクロックを繰り広げた実在(?)の演舞と演奏。
>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

3.9

構図も全て好き。
それを守るために、細かくカット割されてる。
温度低めの少年少女が、駆け落ちという灼熱地獄へ飛び出しつつも変わらず温度低いの好き。
2人の愛の絆を、叫び声や激しい表情ではなく、シンプル
>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

世界観が完璧すぎる。
秒コンマまで研ぎ澄ませた俳優陣のお芝居と各シーンの演出は凝った科学館のあらゆる仕掛けのようで心が躍り続けた。
ストーリーに没入するタイプの映画ではない。
とある雑誌についての史上
>>続きを読む

ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.1

時を重ねることでしか味わうことのできない仕掛けを心ゆくまで堪能した。
恋愛に対してまだうまく自覚のない少年少女たちの心ゆくまでの交友は観ているだけで浄化されるし笑える。
ゴーストも可愛かった。もっと観
>>続きを読む

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

4.5

勇気出してやっと観た。
まさかここまでとは。
0をつけたい想いもある。
脚本の構成に憤りを感じる。
けれどビョークがそれを本物にしていた。
作り手に怨念を送ってしまいそうだが、ここまで描き切らないこと
>>続きを読む

うなぎ 完全版(1997年製作の映画)

4.3

分かりやすくない。ストーリーもあっちへ行きこっちへ行き。それが良い。
制裁を受けるべき人間も制裁は受けず。
結果的に正しい行いをした人間が罰を受ける。
罪を罪として解釈しない。法は犯していてもそれを人
>>続きを読む

息子のまなざし(2002年製作の映画)

3.9

つらい。でも切実。
凄惨な事件の精算の方法について。
なぜ彼がそのような精算を試みたのか?最後の最後までひとときも目が離せない。
大きな事件は起きていないようだが、彼の眼差しと過去から続く現在進行形の
>>続きを読む

BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

4.2

エンドロール直前までのビートが何を表すか。
ただの音楽ではない。
盛り上げるような演出は一切ない。
ありのままの彼らの生き様と心象風景と。
エンドロールに全て込められている。
正義とは何か?
差別とは
>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

-

前半の苦痛や呪いのような執着と怨念が後半で癒されていく。
あまりにも癒されていく。
癒されていった。
前半が辛すぎた。なんだこの感覚。
人生とは死刑執行までの惨めな苦しみ、そのようなニヒリズムに陥りか
>>続きを読む

ある子供(2005年製作の映画)

4.1

日本国内で賛否が別れるのは当然。
当時、ベルギーの若者の失業率20%だそうだ。主人公ブリュノのような生活を送る若者は決して特別ではない。
日本の観客からすれば、非常識で幼稚な主人公の行動には不快感を覚
>>続きを読む

雪の轍(2014年製作の映画)

4.6

圧巻。
圧倒的パルムドール。
個人的には『ドライブマイカー』に通じる世界観とテーマだと思う。
緩やかに時が流れる中で、無駄な会話は一才無い。
各登場人物の哲学がぶつかり合うので、どのシーンも静かな決闘
>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

-

洗練されすぎた劇薬エンターテイメント。
没入感えぐい。
ジュラシックパークザライドよりも人間の迫力が勝る最高のアトラクションだった。

少年と自転車(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『ロゼッタ』と同じ監督らしく主人公はひどく渇望している。
強いエネルギーを持って彼は不器用に孤独を叫ぶ。
愛を求めて必死に手を伸ばす。
父に捨てられた彼は自分の無価値さに苛まれる。僕は役に立たない人間
>>続きを読む

ロゼッタ(1999年製作の映画)

3.9

個人的にはラストは好みではないが、無理に希望を届けない、あくまで日常の一コマとしての終わらせ方はとても美しいと思った。
映画ということを忘れてしまいそうなほど僕の中でロゼッタという少女はちゃんと生きて
>>続きを読む