eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価

eulogist2001

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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

なんともマヌケなきっかけから、予想外の展開へに。借金を返すために偽装誘拐を仕組んだ男の妻、その男親。警察官、犯行を目撃した通りがかり2名。犯人の片割れ。駐車場の改札係。合計7人が死んでしまうとは、冒頭>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.4

宗教的な心情や洗脳と人としての基本的な欲望。メンタルとフィジカル。どちらか一方だけで生きていくのは難しい。

個人的にはイデオロギーや宗教、異性を含めた他者、趣味や嗜好などに強く依存してしまうこと、そ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.2

わたしにはすこし合わなかった。いささか長い。毀誉褒貶のドラマでもあり、オッペンハイマー自身の物理学の才能やキャラの奔放さが結果的に振幅が大きくなり、周りから翻弄されたり救われたりする人生でもあったかな>>続きを読む

歩けない僕らは(2018年製作の映画)

3.6

ショートフィルムなだけにドラマとしての盛り上がりには短すぎるが、構成やショットにはセンスを感じる。緩急の付け方や展開もうまいと思う。

青春期の挫折や恋愛の断面をなかなか深く切り取っていて、苦みも爽や
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人間蒸発(1967年製作の映画)

3.6

「藪の中」そのもの。多くの場合、現実に生きていくことは幾多の誤解と思い込みの中でなんとか正気を保っていくことなのかもしれない。

本作もどこまでがフィクション(演出)でどこまでがノンフィクションなのか
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破戒(2022年製作の映画)

3.8

丁寧な作りでじっくりと味わえた。ラストへの「泣き」の部分は分かっていながらも心動かされる。

部落差別の背景を知らないと分かりにくいところもあるように思ったが、それでもなおドラマとして感動した。

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もうひとつのことば(2021年製作の映画)

4.0

なんだコレ。最高〜。1時間にも満たない作品ながら、絶妙のテンポ、意外な展開、会話の妙、ラストシーンまでなんとも小気味よい。

正直、こんな作品観たことない。完全にツボりました。

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.8

漫画の原作は読んでいないけれど、脚本はすばらしい。予想外の展開と細かな伏線が見事に回収されていくさまは感心した。

やはり映画はシナリオが大事だなと痛感。学生の主人公にしてはいささか教訓じみたセリフも
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偽りの隣人 ある諜報員の告白(2020年製作の映画)

3.8

シナリオがすばらしい。シンプルな善悪対比ながらも家族や権力、友情や愛情を交え、人間ドラマとしても愉しめる。

着地点も憎い演出で関心した。ユーモアとシリアスのバランスも巧み。

チョン・ウとオ・ダルス
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俗物図鑑(1982年製作の映画)

2.9

当時の時代状況やキャストたちの素性などを理解していればかなり愉しめる。逆に言えば、そうした事を知らなければ・・・。

観客は明らかに9割が還暦を過ぎた方々。80年代のあのサブカルの熱気と混沌と商業主義
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アルジェの戦い(1966年製作の映画)

3.8

植民地主義の酷さが、強烈に伝わる。批評に違わず監督の執念というか熱量が凄まじい。実際にはもっともっと無慈悲な惨劇が行われていた事は言うまでもない。

そして21世紀を四半世紀も過ぎた今もイスラエルはパ
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.4

シンプルに良かった。試合シーンと回想の挟み方もいい。やはり5人のキャラの組み合わさが素晴らしいと改めて思う。

ラストのゴールまでの無音が非常に効いていた。しかしながら、アニメ作品の高評価には目を見張
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博士の愛した数式(2005年製作の映画)

3.6

BS 4K
記憶障害の主人公。80分間しか記憶できない。ただそれゆえに、いまの一瞬、この場所、目の前の世界、この想いに永遠の時間と真実を観て、感じる。

現実においても、実はそんなふうに生きて感じて考
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故郷(1972年製作の映画)

3.4

制作年1972年。まさにその時代が今や郷愁であり、懐かしさの中にある。

思えば当時と現在では、故郷のイメージも大きく変容している。高度成長期の流れにあっての地方とさらなる過疎化や高齢化が進んでしまっ
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14歳の栞(2021年製作の映画)

3.8

彼らの「人生」にほんの少しばかり寄り添ったような気持ちになった。まだ未成年の14歳の子どもだと思うのも勝手。彼らは(そしてもちろん我々も)何歳であろうと自分自身の考えを持ち、自分自身の「人生」を生きて>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

自殺なのか妻が殺したのか?法廷でのやりとりも物証や状況証拠と含めて、結果がなかなかみえない。サスペンスもののようで張り詰めた緊張感は特になく、盲目の息子や夫婦の関係性に法廷は方向を変えていく。意地の悪>>続きを読む

ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)

3.8

静謐な水底にいるような世界。現実ではない夢の中であっても、好きなものやひとや世界に生きる。それも「リアル」。最後に金魚が水槽から運び出されて、自然の中の川に放たれたのには気持ちが軽くなった。「いまここ>>続きを読む

誓いの休暇(1959年製作の映画)

4.0

強烈な反戦映画として観た。生活の中の小さな楽しみ、家族の団欒、夫婦の愛情、束の間の恋愛、銃後の苦労や寂しさ、若者の未来や夢・・・。

そうした小さな日常(幸せ)を理不尽に奪い去ることの無慈悲さが痛みを
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民族の祭典(1938年製作の映画)

3.3

ベルリン大会をふつうに楽しんだ。マラソンで孫が一位、南が3位。すごい。三段跳びや走り高跳びも日本人が活躍していた。しかもハサミ飛びだったのには驚いた。

映画作品としては、プロパガンダ映画との評もある
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一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.0

幼児期に性被害にあった者や延命治療を中止したその家族たちのトラウマやトラブル。こころに深く刻まれ、けして癒えない傷。当事者のみならず周りの人々の人生までも破壊する。筆舌に尽くしがたい。

映画作品とし
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ある愛へと続く旅(2012年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ラストのどんでん返しが凄かった。驚愕の展開と事実に号泣しかない。

それぞれの愛が凄まじく、そのもつれや絡み合いが哀しいまでに深い。

生まれてきた子どもには、どういう経緯があったにせよ、なんの罪もな
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ミクロの決死圏(1966年製作の映画)

3.5

Blu-ray
サスペンスの要素もたっぷり。科学的にも今観てもなるほどと思わせるくらいしっかりとしている。

1966年制作なので、半世紀以上前の作品。そう考えるとすごいとしか言いようがない。

ただ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

解釈や論理で観る作品ではなく、そこにある世界観に浸り揺さぶられる映画だった。

不安や恐怖は理由が分からないからこそ生まれる。そしてその原因や根拠を求めながら、ストーリーを追いかける。

演技の臨場感
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正しいバスの見分けかた(2015年製作の映画)

3.6

なかなか良かった。思春期のぎこちなさや恥ずかしい気持ち、曖昧な感情がよく描かれている。

4人の役者たちがほんのりとした機微をうまく演じていて好感が持てた。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.4

音楽をアニメで扱う。しかもジャズ。どんなものかなぁと思い、見始めたがストーリーはともあれ演奏とアニメーションのハマり具合は素晴らしかった。

ただものがたりに入り込めるかどうかは、人それぞれかもしれな
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殺人ワークショップ(2012年製作の映画)

3.4

なかなかエグいところもあったけれど、全体としていろいろと構成やシナリオも考えられていて飽きることはない。時間もちょうどよかったかも。

宇野祥平の演技が秀逸。

逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.6

ラストの末永教頭とその元教え子の平賀との対話が圧巻。シンプルな内容だが、互いの強い想いと時間が凝縮されている。

最期までなんらかの希望や夢を持ち続けること。それは何によらず大事だ。

セフレの品格(プライド) 決意(2023年製作の映画)

3.9

前編での予想はまったくその通りだった。いや、それを越えてきた。B級っぽさを蔑んだり、軽くみたりせずにぜひぜひラストまでご覧いただきたい。

作品のタイトルがなんなので、いろんなひとが手を出すには少しば
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セフレの品格(プライド) 初恋(2023年製作の映画)

3.7

B級っぽさ満点。ほとんど無名の役者、ピンク映画ばりの濡れ場。分かりやすい演技。

とはいえ、どこか情深い脚本。時間とともに、それぞれの役柄がどこか憎めない。ほんとうの悪者がいない。完全なる良いひととそ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

怪作というべきか。ふだんの理性や倫理観や感情ではうまく説明できない作品。あらすじを辿り直しても、内容の表面的な理解では溢れてしまうものが多すぎるのだ。

都合、印象的なシーンや状況について感想を述べた
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波紋(2023年製作の映画)

3.6

面白かった。夫婦、家族、友人、仕事場での関係、子ども、その友だち。宗教組織での仲間。

いろんな関係性が波紋のように絡み合い影響を与えたり受けたり。

結局は自分の中の芯がないと、振り回されることにな
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.8

ストーリーはともあれ、緊迫感は切れることなく維持されていて、最後まで飽きることがなかった。

著名な役者さんの演技力もさることながら、背景や状況説明の小出しでさらに謎を深めるところが、気分が盛りあがる
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圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録(1967年製作の映画)

3.4

学生運動の生の状況の一端を垣間見る。当時の政治的な姿勢、官憲のあり方も描かれている。学生たちの正義感に満ちたアツい気持ちも伝わってくる。

しかし運動そのものがひとによって成り立つものであることもわか
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ラッキーナンバー7(2006年製作の映画)

3.8

最後の最後までどうなっているのか分からなかった。結果を見れば、当たり前ともいえるものだが、そこに至るまでの緊張感や謎は宙ぶらりん。一気に種あかしとなる流れはなるほど〜の急降下爆撃。

ジョシュ・ハート
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