支配側も被支配側もなんのためにこんなことをやっているのかわからないという無目的性が描かれ、礼、規律を重んじるものの、実態は中空構造であるという日本軍がテーマですが、「集団を憎んでも個々人を憎みたくはな>>続きを読む
私立探偵役の宍戸錠が金子信雄をはじめとする警察の協力を得て、暴力団から儲けをくすねるやつらに潜入する話。鈴木清順が監督しているので赤一色の部屋、ストーリーとは関係ないのに無駄に長いシーン(ダンスと歌な>>続きを読む
人間貧しさに困ったときに何を売るか。この少年は鳩を売るんです。鳩は帰巣本能があるから売り主の元に戻ってくる。その鳩をまた売る。こうした詐欺紛いのことをやっていたら、そのツケは回ってきて、さらに不幸な境>>続きを読む
十朱幸代を狂言回しに、松竹のニュースター候補を紹介する短編映画です。大島渚作品とは思えないぐらいスピーディーでカラフルな楽しさがつまっていました。フサフサの杉浦直樹が画面内を動き回って、小坂一也がちょ>>続きを読む
前半は小林旭の髪型がなんだか村西とおるみたいでしっくりこないが時間が経つにつれいつもの旭の形状になってきてカッコよかったです。革ジャンを着た旭、というのがこの作品のポイントになっていました。もちろん旭>>続きを読む
ジョン・ヒューストンの監督デビュー作だったとは驚きました。ダシール・ハメット『マルタの鷹』の映画化。ピーター・ローレの挙動不審な怪演が光ります。明らかにローレが出てきてから映画としてノリはじめる感じで>>続きを読む
志穂美悦子演じる「13階段のマキ」は魅力的なキャラクターでひたすら美しく、その「キレ」以外の何物でもない鋭すぎるアクションはコンテンポラリー・ダンスの一種のようです。この映画において志穂美悦子の唯一の>>続きを読む
観念とコメディ要素が融合した不思議な作品でした。大島渚四天王(渡辺文雄、佐藤慶、小松方正、戸浦六宏)と非俳優枠(足立正生、松田政男、石堂淑朗)、そして尹隆道と、主要人物すべてが際立つ異形の映画です。他>>続きを読む
シャーロット・ランプリング演ずる人妻がチンパンジーと不倫する、というテーマのインパクトがほぼすべて、という感じが否めません。シャーロット・ランプリングの眼と口端だけでつくる表情や、夫役アンソニー・ヒギ>>続きを読む
大阪の不良女子高生がヘヴィメタル・バンド、プレゼンスのグルーピーになり、バンドをメジャーデビューさせるべく、「ナンシー・スパンゲン」(劇中ではずっと「ナンシー・スパンゲル」言ってますが)ではなく、「ナ>>続きを読む
石原裕次郎、渡哲也のダブル主演で作られた日活アクション末期の作品。時代的にはすでに日活ニューアクションの時代だから、そこに適応しようとしていた感が見られるけれど、やっぱり裕次郎はいつも通りで新味には欠>>続きを読む
七変化な森雅之、ひたすらC調な高島忠夫、ナヨッとした砂塚秀夫、そしてコケティッシュな緑魔子の4人による軽快なコンゲーム・コメディかと思いきや、公害、軍需、沖縄など、時事の社会問題が盛り込まれた、ブラッ>>続きを読む
アンナ・カリーナとマーシャ・メリルというふたりのゴダール・ミューズの共演に驚きました。アンナ・カリーナをフィーチャーした映画かと思ったらそこまででもなく、むしろマーシャ・メリルのひと言も発さない唖者と>>続きを読む
小林旭の明日なき暴走が描き出されます。たくさんのいい顔の役者が出ていますが、「死に様」の演技に役者の技量が凝縮されています。流石のトラディショナルな「東映死に」を見せてくれる室田日出男、やたら長い尺で>>続きを読む
本当にただただ酒呑んでるところを切り取った一作。酒呑まない人は観ててもつまんないと思うが、少しでも空気感が理解できる人間にはおもしろいところも多数。出てくる人たちが酒呑んでるのを観たいという人にはとて>>続きを読む
再び観る。小池朝雄&成田三樹夫の小悪党コンビが最高です。脅迫を吹っかけたJJサニー千葉御大の儚い散り際も良かったです。一九七〇年代後半に作られた最高のキャスティングのアクション映画のひとつではないでし>>続きを読む
ギャグ漫画チックな艶笑譚だけれど、そのなかで哀しき片桐夕子がキラッと映える一作。丹古母鬼馬二演じる荒熊と死人の身代わりおじさんがおもしろかったです。機動隊、地廻りなど1970年代的な世相も取り入れ、な>>続きを読む
無一文で深夜の都市に放り出される、という話ですが、同じような経験したことあるので、ひたすらホラーでした。この映画ほどひどい目にはあってませんが、それでも凍死するかと思いました。あのときのような、よるべ>>続きを読む
数年ぶりに再び観る。嵐寛最高映画です。老人版ボニー&クライドの嵐寛寿郎と岡田嘉子の自動車窃盗犯カップルと森本レオ&小倉一郎&中島ゆたかの海賊放送局トリオが偶然子どもの誘拐犯になってしまい、紀州を逃げま>>続きを読む
ドナルド・サザーランドとエリオット・グールドのバディ、全能感がとても快感でした。いけすかないやつら、邪魔するやつらをあの手この手で蹴散らしていきます。このバディ、終始おちゃらけているように見えて決める>>続きを読む
この映画について、映画としてどうか、ということよりも二〇年、三〇年後、に観たとき、どう人々の眼に映るだろうという芸能史的側面からの興味のほうが圧倒的に強いです。
せっかくの豪華役者陣なのですからもっと>>続きを読む