Tatsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

トゥー・スリープ・ウィズ・アンガー(1990年製作の映画)

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チャールズ・バーネットこれも素晴らしい。後のドナルド・グローバーとかに影響与えてそう。バーネット版『疑惑の影』かと思いきやもっと複雑なところまで行く。

ブロンド(2022年製作の映画)

3.5

問題作ではあるけど、それ以前にCM映像みたいな画面の連続で普通に映画としてそこまで出来がいいとは思わなかった。当然彼女のステレオタイプの克服にもなっていないし、演出の悪趣味性に嫌悪感が湧く人がいるのも>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.3

最初の動物を映す数ショットは良かったけど、自分はそこまで。絵の情報量も少なければ、話の密度も低い。ノオミ・ラパスは知名度あるのに、こういう変な小品に出てるのは良いと思うけど。テーマも凡庸に見え、こうい>>続きを読む

アテナ(2022年製作の映画)

3.8

面白かったけど長回しは目的になっている気がするし、音楽が大仰すぎるのも自分の好みとは違った。

勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

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最高すぎる。ゴダールの映画の中で1番スタイリングが好きかもしれない。乗り物映画。覚えたての子供みたいにスローモーション多用だが、だんだんエモく見えてくる。ラストショットの光の当たり方素晴らしすぎる。

フォーエヴァー・モーツアルト(1996年製作の映画)

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戦争、映画、音楽。表現と暴力。対立しているようでそうではないもの同士の結びつき。ゴダールの中でも『ウィークエンド』好きにはたまらない。様々な断絶を施しながら。

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.9

原田眞人的マッチョイズムの塊なんだけど、これがどうにも面白いから困った。骨太なハードボイルドでバイオレンスも徹底してる。雰囲気だけで量重視で喋らせるセリフ回しも極まっていて、マジで役者が大変そう。役者>>続きを読む

リベンジ・スワップ(2022年製作の映画)

3.9

『クルーレス』『ミーンガールズ』『Easy A』を経た学園映画として快作。『見知らぬ乗客』ベースのシンプルな筋立てから、後半のツイストを経て、熱いシスターフッドに帰結していくのが爽快。キャスト陣では若>>続きを読む

昭和おんな博徒(1972年製作の映画)

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始まった途端から復讐が始まっていてそのままオープニングクレジットの背景で話が進む。映画が物語のスピードに追いつかないほど早い。時間の飛ばし方がすごい。

怒りの葡萄(1940年製作の映画)

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過酷すぎロードムービー。ラストカットの勇ましさと美しさはフォードで1番では。

エンジェル(1983年製作の映画)

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ハリウッド大通りのコミュニティ、マイノリティ同士の交流と夜の歓楽街の景色がよく捉えられている。猟奇サスペンスにシフトしていくところから突発的な暴力の連鎖で飽きない。

ザ・ミソジニー(2022年製作の映画)

3.8

高橋洋がJホラーを使ってまだ何か新しいことをやろうとしていることは明白。野心的だし、良いショットもあったけど(炎の中の笑いと、デスクトップ越しの奇妙な切り返しは特筆すべき)、個人的には『霊的ボリシェビ>>続きを読む

グッバイ・クルエル・ワールド(2022年製作の映画)

2.5

普通にダメだけど役者でなんとか見てられる。脚本が酷い。どうしてそんな被写体とカメラが近いんだ。

エンド・オブ・ロード(2022年製作の映画)

3.7

ロードキラーもので突っ切るのかと思ったら、後半からトビー・フーパー系の南部ホラーの文脈に接続し出して割と変な映画だった。ヒューストン出身のラッパーの名前を羅列する件あるのに、地元の黒人を一切出さなかっ>>続きを読む

バビロン(1980年製作の映画)

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傑作。これがスモールアックスに通ずるのはわかる。歌うことで夜を続けようとする儚さ。

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.8

沖田修一の映画久々に見た。『横道世之介』よりは、ちょっと表面をなぞっただけに見えるけど、こういう時の沖田作品はとても良い。オフビートでファンタジックなコメディ。1番似てると思うのは石井裕也『町田くんの>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.0

これもマンブルコアからの影響大だけど、ソフトかつ生々しく、さらに傍の登場人物の人生まで浮かび上がらせる脚本の巧みさは独自性を放つ。室内撮影のライティングがいい。『カモンカモン』と見比べてみると、とても>>続きを読む

ギャング・カルテット 世紀の怪盗アンサンブル(2019年製作の映画)

3.9

トーマス・アルフレッドソン新作。緩々のコメディだけど、全編にわたって飽きさせない編集と絵作りが見れる。話としてだるいところがあっても、登場人物たちの動きをとらえるカメラ、それを連動させるような編集、高>>続きを読む

やさしい人(2013年製作の映画)

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ギヨーム・ブラックの中では下の方(後半の展開全然好きじゃない)けど、前半の動きを連動させる編集には気持ちのいいリズムがあった。

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

ここまで複雑な話にしなくても、と思うけど楽しかった。荒唐無稽で人の命やドラマが軽く扱われていく。ブラピの主人公像はセラピー肯定型不安症なアクションヒーローで2020年代のジョンマクレーン的な趣。キャス>>続きを読む

Zolaゾラ(2021年製作の映画)

4.1

今同世代でアホを演じさせたら右に出るものはいないニコラス・ブラウン天才かって感じのアホっぷりで、彼の動向に終始爆笑。なんてことない話であることがとても重要で、高いクオリティの技術で持って作られたジャン>>続きを読む

デイ・シフト(2022年製作の映画)

3.7

チャド・スタエルスキーのプロデュースだからかアクションがやたら充実していて楽しく見れた。デイヴ・フランコが可愛すぎるし、バイオレンスもハートフルもありで、夜中に見る娯楽作として丁度いい。ロサンゼルス映>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

今年最もアメリカ映画らしいアメリカ映画。感動した。自分にとってジョーダン・ピールの最高傑作はこれです。西部劇、血塗られた屋敷、未知との遭遇。『ジョーズ』『トレマーズ』を継承するモンスター映画として鮮や>>続きを読む

クレイジー・キラー/悪魔の焼却炉(1969年製作の映画)

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アッパーな連続殺人鬼で『アメリカンサイコ』かと思ったら、終盤に行くにつれてもろに『サイコ』。精神分析的になるのがちょっと退屈かも。

奇跡(1954年製作の映画)

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ラストの奇跡の時間が鳥肌。彼女が手を動かすまでの数秒と少女の顔。

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

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ジャンヌの顔の表面をなぞる涙、唾、ハエ。クローズアップ、顔の連鎖ながら、ドラマチック。薔薇の冠を見て決断をするクライマックスの場面も、こんなにエンターテイメントしてるんだっていう。

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.3

ほとんどアメリカンコメディなんだけど、ワンカットの処理とか、陽光とか、そういった撮影の良さ、編集の潔さが小気味良いオリジナリティを与えてる。ギヨーム・ブラックに男のしょうもなさとダサさを描かせたら右に>>続きを読む

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年製作の映画)

4.1

自分は本当にビーチボーイズの歌詞が好きなんだと改めて。沁みた。

女神の継承(2021年製作の映画)

3.6

普通に怖くて面白かったが、ドキュメンタリー形式で撮る意味がわからず。ミンにつきまとう男性インタビュアーが1番キモかった(女子トイレまで覗き見る)。制作隊に主体性がないと説得力がない。

ムーンショット(2022年製作の映画)

3.3

本国での評判めちゃ低いんでどんなもんかと思ったけど、すごい悪い映画ってわけではなかった。良くもないけど。軽めのティーン向けラブコメで、宇宙の設定が全然生きてこない。これやろうと思えば、都会と田舎、国と>>続きを読む

C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

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とても面白かった。マルク・ヴァレらしい演出のディテールや編集が見られて、作家性が確認できる。

ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.9

ナラティブ自体は正直そこまで好きなものではない(イメージ優先)けど、ビジュアルがとても好ましく、楽しんで見れた。自らの生の痕跡を全て消すことで、人格、アイデンティティを取り戻す。鮮血、血が噴き出る描写>>続きを読む

シドニー・ポワチエ/一発大逆転(1975年製作の映画)

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ポワチエ監督作中々面白い。フランクホワイトが『キング・オブ・ニューヨーク』が由来なのは有名だけど、ビギースモールズは本作のキャラクターから。

キラー・エリート(1975年製作の映画)

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高低、上下の位置関係は、サンフランシスコの土地性と密接に関係する。人が落ちるスローモーション。

ドラキュリアン(1987年製作の映画)

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確かに『ザ・プレデター』の緩さはこんな感じだった。屋根の上から丘の向こうのドライブインシアターが望遠鏡で見れる最高のシチュエーション。エンディングのタイミング100点すぎる。