nuさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

nu

nu

映画(59)
ドラマ(0)
アニメ(0)

私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

-

ジェームズ・ボールドウィンが話している別の映画の抜粋を見て、その聡明さと鋭さに惹かれてまずはアクセスしやすいこのドキュメンタリーを観賞。ボールドウィンの映像と未完成に終わった本のメモの朗読を通して、彼>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

-

再鑑賞。クレオの死への恐怖と自意識がカメラを直視する人びとや鏡に映る姿を通して描かれる。ヴァルダらしく世の中で起きていることに敏感になり、アントワーヌの登場に代表されるように様々な要素を取り入れながら>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

-

映画というよりはテレビシリーズ、それも少し古めの撮り方であるように感じた。ショットの面ではあまり記憶に残るものがないことがやや惜しい。この物足りなさは俳優陣の演技によって補われていた。白人が作り上げた>>続きを読む

アッシャー家の末裔(1928年製作の映画)

-

アッシャー邸の不穏さが様々な形で表現されていた。外の青い色調とロッジ(?)の中のセピアとは異なり、家の中は白黒になっていて不気味さを演出する。カーテンの動きなどで捉えられる風は、家が生きているように感>>続きを読む

四月(1962年製作の映画)

-

初イオセリアーニ。美しいショットと遊び心のある音の使い方の数々に魅了された。監督の希望で台詞のある箇所は訳されていないようだが、その徹底ぶりの理由が分かるような音へのこだわりだった (意味を知りたい気>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

少し前に観たばかりだが今回は吹替版で鑑賞。声がとても心地よかった。
静止画の連続でこんなにも没入できるとは思わなかった。唯一動きが存在する箇所の直前や最後の場面などでは、短い時間の中でたくさんの静止画
>>続きを読む

フランケンシュタインの花嫁(1935年製作の映画)

-

前作に欠けていた要素が今作では含まれていたため、より濃い物語に仕上がっていた。原作者の描いたモンスターの核、その孤独や痛みが捉えられていたように感じる。生まれながらにして怪物になる生命体はいるのかにつ>>続きを読む

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

-

長らくウォッチリストに入っていた映画。ボリス・カーロフの演技によってその要素が少しは引き出されているものの、誰にも求められないモンスターでいることの悲劇にはあまり焦点が当てられていなかった。悲劇性の欠>>続きを読む

教授と美女(1941年製作の映画)

-

考えすぎずに楽しめるスクリューボールコメディをちょうど求めていた。オ・シェア嬢と純粋なポッツ教授の恋模様が愛らしく描かれていた。特にバーバラ・スタンウィックの虜になった。七人の教授は白雪姫の小人をゆる>>続きを読む

ラフィキ:ふたりの夢(2018年製作の映画)

-

すでに様々な映画で扱われてきた類の話ではあるが、場所やその背景が作品を特別なものにしている。ジキとケナの関係がかわいらしく描かれているからこそ、当たり前のこととして同性愛嫌悪や性差別が蔓延るコミュニテ>>続きを読む

戦いとは終わりである(2023年製作の映画)

-

人生のある地点でやるせなさを感じる人びとが向かうのは対等に争えるリング(しかしトランス男性の語りからは競技システムに難点があるとも言える)。ボクシングを始めた理由を聞くと、どれだけ耳を傾けて然るべき声>>続きを読む

カナダでの暮らし(2023年製作の映画)

-

機能不全の家族をはじめとする様々な壊れかけの/壊れた関係。その描き方は終始シリアスな訳ではなく、ユーモアを忘れない (ただ、ナイフを手放さない人たちにはハラハラさせられた)。でもやはり切ない。特にサラ>>続きを読む

スピード(2022年製作の映画)

-

生き方の良し悪しを示さないところが好き。むしろ登場人物の生き方に偏見を持っていたのは自分だったことに気づく。遅く生きる人と速く生きる人は不思議と仲違いすることなく上手くつるんでいて、批判することはあっ>>続きを読む

ダンスの中に(2022年製作の映画)

-

絆を深めるためのダンス。抽象的でミニマリストな画風の中でも、絡み合う身体を色が混ざり合うようにして表現していたのが洒落ていた。でもなんとなく物足りなさが勝ってしまう作品だった。

新凱旋門(2023年製作の映画)

-

青紫(?)の色調を使って描かれる街と顔のない通行人たちに対し、赤を使って描かれる主人公と芸術作品は活き活きしていた。代わり映えしない高層ビルの数々によって街の魅力が埋もれてしまったことを嘆いているのは>>続きを読む

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

-

再鑑賞。ダゲール街の人びとの日常を捉えるヴァルダの視線は温かい。ショットのつながりに遊び心があり、住む街を気に入っていることがよく分かる。温かさの中に、青アザミの店主の妻のどこか悲しい表情や、ほとんど>>続きを読む

ビッグ・ガン(1972年製作の映画)

-

静かな殺人からやや無茶なカーチェイスまで、緩急のついたアクションが洒落ていた。個人的には『サムライ』のアラン・ドロンの印象が強いからか、寡黙な今回の役も似合っているように感じた。インテリアも見栄えがよ>>続きを読む

美女と野獣(1946年製作の映画)

-

初コクトー。チョークで書かれたかわいらしいクレジットから始まり、1946年の映画とは思えないくらいのプロダクションデザインによって夢想的な世界へといざなわれた。カーテンの揺れのような小さなことでさえも>>続きを読む

ブルー・ジーンズ(1958年製作の映画)

-

初ロジエ。恋の魔法にかけられるよくあるバカンスのイメージとは正反対をいくような作品。やり方を見れば当然の結果だ。それでも一台のベスパに四人で乗ったり他の人の車で流れる音楽に合わせて踊ったりと浪漫が活か>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(1994年製作の映画)

-

前作に引き続きなかなか癖は強いが、今回の方が様々な街が捉えられており、より物語がしっかりしている(…?)感じはした。
聖書と共産主義者宣言の朗読バトルや、燃える茂みや水の上を歩くところで見られるような
>>続きを読む

不良少女モニカ(1952年製作の映画)

-

初ベルイマン。物語にはそこまで新鮮味はないし、タイトルも直訳して『モニカとの夏』とかで良かったのではないかと思う。ただ、そんなこと以上に美しいショットの多さに惹かれた。前景・中景・後景がきっちりと分か>>続きを読む

The Recorder Exam(英題)(2011年製作の映画)

-

ソウル五輪が開催された1988年、テレビやラジオでは自国の選手がメダルをとった云々ばかりでまるでお祭りの雰囲気である。これに対し、ウニの家族は同じ都市で暮らしているとは思えないくらい、そのような栄えた>>続きを読む

ユンヒへ(2019年製作の映画)

-

虚しさを抱えながらも心が温まる感じのする作品。日本語の台詞も韓国語のように聞こえて詩的だった。冬に観るのにぴったり。
様々な人間の関係性が実に美しく描かれている。子どものことは何でもお見通しで子どもの
>>続きを読む

|<